「むぅ、流石メルビル・・・こいつは掘り出しもんだぜ。」
「大剣なんて誰も使えねぇ、金は有意義な物に使えよ。」
「打槍?叩くタイプの槍なのか、槍ならゲラ=ハが使えるんじゃないか?」
「いえ、戦い方が全く違うので・・・応用は効くと思いますがやはり衝槍でないと。」
「よしっ、プロテクターがあれば鎧のないケンシロウでも弓に対応できるぞ。」
「北斗神拳に弓矢は効かん、戦場格闘術として全ての武器に対応している。」
「大剣なんて誰も使えねぇ、金は有意義な物に使えよ。」
「打槍?叩くタイプの槍なのか、槍ならゲラ=ハが使えるんじゃないか?」
「いえ、戦い方が全く違うので・・・応用は効くと思いますがやはり衝槍でないと。」
「よしっ、プロテクターがあれば鎧のないケンシロウでも弓に対応できるぞ。」
「北斗神拳に弓矢は効かん、戦場格闘術として全ての武器に対応している。」
ポーカーで巻き上げた金を持ちながら、辺りをキョロキョロ見回すベア。
物資の流通の多いメルビルでは様々な種類の武器防具を目にすることが出来る。
その為、知識のない人間に粗悪品を売り付けるような輩も出てくる。
ここにいる全員は武器に対してある程度の知識を持っているので引っ掛かる心配は無いが。
物資の流通の多いメルビルでは様々な種類の武器防具を目にすることが出来る。
その為、知識のない人間に粗悪品を売り付けるような輩も出てくる。
ここにいる全員は武器に対してある程度の知識を持っているので引っ掛かる心配は無いが。
「女じゃあるまいし、さっさと済ませてパブいこうぜ。」
「急かすなよ、そんなことだと女にモテないぜ?」
茶化してホークにウインクを向けてみせる。
正直言ってゴツイとしか言いようのないベアの向けるウインク。
ホークは舌打ちしながら背後を振り向いたが、世の女性には通用するらしい。
乳臭いガキはケンシロウの方にお熱らしいが、ベアは妙齢の美しい女性の視線を集めていた。
一見すると無骨な人間が茶目っ気を見せる、このギャップに惹かれたのだろうか。
「急かすなよ、そんなことだと女にモテないぜ?」
茶化してホークにウインクを向けてみせる。
正直言ってゴツイとしか言いようのないベアの向けるウインク。
ホークは舌打ちしながら背後を振り向いたが、世の女性には通用するらしい。
乳臭いガキはケンシロウの方にお熱らしいが、ベアは妙齢の美しい女性の視線を集めていた。
一見すると無骨な人間が茶目っ気を見せる、このギャップに惹かれたのだろうか。
「女ってのは・・・分かんねぇもんだな。」
ホークも女に不自由する身ではなかったが、シェリルのこともある。
次の出会いに備えて考案しておく必要がある。
早速、売り物の鏡を手に取って輝くばかりのスマイルを作る。
うむ、我ながらいい男だ。
そして片目を閉じてウインクを決める。
ホークも女に不自由する身ではなかったが、シェリルのこともある。
次の出会いに備えて考案しておく必要がある。
早速、売り物の鏡を手に取って輝くばかりのスマイルを作る。
うむ、我ながらいい男だ。
そして片目を閉じてウインクを決める。
「・・・見えねぇ。」
眼帯をつけたままウインクをすると間抜けに見られる。
というのが彼の収穫だった。
結局、買ったのは武器ではなく鉄鋼などの鉱物だった。
鉱石を鍛冶屋に持っていけば、武具を強化することもできる。
だが、逆に威力が下がったり脆くなったりデメリットも出てくる。
しかも宿に泊まるとき合成品でない武具は砥いでくれるのだが、
強度にムラのある合成武具は壊す恐れあり、と研磨してくれないのだ。
その為、切れ味が悪くなるたび鍛冶屋に寄らなくてはならない。
眼帯をつけたままウインクをすると間抜けに見られる。
というのが彼の収穫だった。
結局、買ったのは武器ではなく鉄鋼などの鉱物だった。
鉱石を鍛冶屋に持っていけば、武具を強化することもできる。
だが、逆に威力が下がったり脆くなったりデメリットも出てくる。
しかも宿に泊まるとき合成品でない武具は砥いでくれるのだが、
強度にムラのある合成武具は壊す恐れあり、と研磨してくれないのだ。
その為、切れ味が悪くなるたび鍛冶屋に寄らなくてはならない。
「おいおい、武器の強化なんて専門家がいなきゃ金をドブに捨てるようなもんだぜ。」
「まぁ、見てろよ。素材には相性があるらしいが、見て気付かないか?」
「あん?そういや・・・光り具合とか似てるような・・・。」
「材質が近いものなら、弱くなるってことはないだろうよ。
それに売ったところで大した金にはならん、武器に使っちまえばいいのさ。」
そういって全員の武器を持って鍛冶屋に入る。
強化した武器が戦闘中にダメになっても、予備の武器を残しておけば戦力は失わない。
いざという時に困ることもあるだろうが、強力な武器は欲しいという訳か。
「まぁ、見てろよ。素材には相性があるらしいが、見て気付かないか?」
「あん?そういや・・・光り具合とか似てるような・・・。」
「材質が近いものなら、弱くなるってことはないだろうよ。
それに売ったところで大した金にはならん、武器に使っちまえばいいのさ。」
そういって全員の武器を持って鍛冶屋に入る。
強化した武器が戦闘中にダメになっても、予備の武器を残しておけば戦力は失わない。
いざという時に困ることもあるだろうが、強力な武器は欲しいという訳か。
「先にパブに行っててくれ、俺達は後からいく。」
それだったら買い物なんぞに付き添わせるんじゃねぇ。
そう思ったが、ベアのペースに調子を狂わされて言うタイミングを逃した。
武器を手に、ケンシロウと一緒に鍛冶屋の奥へ進んでいった。
何故ケンシロウが一緒かというと、個人的な用事があるとのことでだ。
それだったら買い物なんぞに付き添わせるんじゃねぇ。
そう思ったが、ベアのペースに調子を狂わされて言うタイミングを逃した。
武器を手に、ケンシロウと一緒に鍛冶屋の奥へ進んでいった。
何故ケンシロウが一緒かというと、個人的な用事があるとのことでだ。
さっそくパブで情報を集める。
張り紙からは行方不明者の捜索、マスターから変死事件について聞くことができた。
宿屋の娘が急に居なくなったという話と、道具屋の突然の自殺。
「まっ、どうせ大した事件じゃないさ。二手に分かれて片付けよう。」
張り紙からは行方不明者の捜索、マスターから変死事件について聞くことができた。
宿屋の娘が急に居なくなったという話と、道具屋の突然の自殺。
「まっ、どうせ大した事件じゃないさ。二手に分かれて片付けよう。」
ケンシロウとベアが変死事件を探ることになった。
残るホークとゲラ=ハが宿へ向かい、宿を経営している親から話を聞き出す。
「自由に育てて、不満なんてないように育てた筈なんです。
ですが、どういう訳か最近は変な奴等と一緒にいることが多くて・・・きっと奴等です。」
要約すると、刺激に飢えた都会のガキが怪しい奴等の誘惑にかかったということだ。
怪しい、って証言が簡単に手に入ったんだから目撃できれば目立つような奴等だろう。
「ですが当てがありませんね、どこから調べればよいのか。」
「街から出てればお手上げだな・・・一度、合流してお互いに得た情報を確認する。」
残るホークとゲラ=ハが宿へ向かい、宿を経営している親から話を聞き出す。
「自由に育てて、不満なんてないように育てた筈なんです。
ですが、どういう訳か最近は変な奴等と一緒にいることが多くて・・・きっと奴等です。」
要約すると、刺激に飢えた都会のガキが怪しい奴等の誘惑にかかったということだ。
怪しい、って証言が簡単に手に入ったんだから目撃できれば目立つような奴等だろう。
「ですが当てがありませんね、どこから調べればよいのか。」
「街から出てればお手上げだな・・・一度、合流してお互いに得た情報を確認する。」
娘を見つけてくれるなら、と宿のオヤジも格安で部屋を貸してくれた。
タダで止めてくれない辺り特別な信用はされてないのだろう、海賊だから仕方ないが。
宿に戻ってケンシロウ達の帰りを待つホーク。
一時間もすると彼等は戻ってきた。
タダで止めてくれない辺り特別な信用はされてないのだろう、海賊だから仕方ないが。
宿に戻ってケンシロウ達の帰りを待つホーク。
一時間もすると彼等は戻ってきた。
早速テーブルを囲い、先日のように話を進める。ポーカーは無し。
「道具屋同士のいざこざが原因だという説があったが多分違う。
勘でしかないが、容疑のかかった道具屋を問い詰めた時に無駄な返答が多かった。
奴の言ってることは信用できるぜ、問題は奴の言っていた怪しい奴だ。」
「道具屋同士のいざこざが原因だという説があったが多分違う。
勘でしかないが、容疑のかかった道具屋を問い詰めた時に無駄な返答が多かった。
奴の言ってることは信用できるぜ、問題は奴の言っていた怪しい奴だ。」
「怪しい奴・・・。」
「なんだ、心あたりでもあるのか?」
「宿屋のオヤジも同じようなことを言っていた、同一犯じゃねぇか?
周囲に怪しい、って思われる行動を取りながら犯行に出るアホはそう何人も居ねぇ。」
「目的の為ならどーでもいい、って訳か。そもそも、目的があるのかも分かんねぇな。
まぁ、なんにしたってもうちょい情報が欲しい。パブで怪しい奴について調べてくる。」
「なんだ、心あたりでもあるのか?」
「宿屋のオヤジも同じようなことを言っていた、同一犯じゃねぇか?
周囲に怪しい、って思われる行動を取りながら犯行に出るアホはそう何人も居ねぇ。」
「目的の為ならどーでもいい、って訳か。そもそも、目的があるのかも分かんねぇな。
まぁ、なんにしたってもうちょい情報が欲しい。パブで怪しい奴について調べてくる。」
会話が終了し、席を外すと今まで黙っていた二人の口から言葉が発せられた。
「19だ。」
「残念、ブラックジャック。」
「19だ。」
「残念、ブラックジャック。」
勝手にブラックジャックを始めていた二人、いつからギャンブラーになったんだこいつ等?
ポーカー戦の時の様な熱い戦いを繰り広げそうだが、ここは事件を追うのが先だ。
「ゲラ=ハ、ケン、遊んでないで情報の一つや二つ集めてこい。」
「ハイ、キャプテン。申し訳ありませんが勝ち逃げさせてもらいますよ。」
「・・・仕方ない。」
闘志を抑えてはいたが不機嫌なのは伝わってくる、熱くなりすぎる前に止めてよかった。
ベアはパブへ行くという事で、ケンシロウは店に、ゲラ=ハは民家に聞き込みを行う。
ホークには考えがあった、街から出ていればお手上げなのだ。
先に出て行ったかどうか調べるべく門番に事件日から怪しい人間の出入りを聞く。
ポーカー戦の時の様な熱い戦いを繰り広げそうだが、ここは事件を追うのが先だ。
「ゲラ=ハ、ケン、遊んでないで情報の一つや二つ集めてこい。」
「ハイ、キャプテン。申し訳ありませんが勝ち逃げさせてもらいますよ。」
「・・・仕方ない。」
闘志を抑えてはいたが不機嫌なのは伝わってくる、熱くなりすぎる前に止めてよかった。
ベアはパブへ行くという事で、ケンシロウは店に、ゲラ=ハは民家に聞き込みを行う。
ホークには考えがあった、街から出ていればお手上げなのだ。
先に出て行ったかどうか調べるべく門番に事件日から怪しい人間の出入りを聞く。
思ったとおり、「入れてもなければ出してもいない」という返答が返ってくる。
そうなれば、他の入口から痕跡を辿ればいい。
このデカい街の全域に水を辿らせる為には『水路』がある。
普通の街は井戸なり川で勝手に汲ませるが、ここは天下のバファル帝国、その首都である。
ここまで分かれば再び宿に戻り、全員が返ってくるまでベッドで眠っていればいい。
そうなれば、他の入口から痕跡を辿ればいい。
このデカい街の全域に水を辿らせる為には『水路』がある。
普通の街は井戸なり川で勝手に汲ませるが、ここは天下のバファル帝国、その首都である。
ここまで分かれば再び宿に戻り、全員が返ってくるまでベッドで眠っていればいい。
そして晩飯の時間が来たのでゲラ=ハが起こしにきた。
寝ぼけ眼のままテーブルにつき、質素な食事を口に運ぶ。
「さて・・・食い終わったし、準備を済ませるぞ。」
「準備って、こんな時間にまさか俺にタカって売春宿にでも・・・元気な奴だな。」
「そんな場所にいくのに準備なんかいるか!」
「9とA・・・20です。」
「残念だったな、今度は俺がブラックジャックだ。」
寝ぼけ眼のままテーブルにつき、質素な食事を口に運ぶ。
「さて・・・食い終わったし、準備を済ませるぞ。」
「準備って、こんな時間にまさか俺にタカって売春宿にでも・・・元気な奴だな。」
「そんな場所にいくのに準備なんかいるか!」
「9とA・・・20です。」
「残念だったな、今度は俺がブラックジャックだ。」
話を無視してギャンブルを続けているので、ケンシロウの役を引っぱたく。
するとカードを重ねて枚数を誤魔化していたらしく、下から別のカードが出てくる。
「ケン、アナタは・・・」
するとカードを重ねて枚数を誤魔化していたらしく、下から別のカードが出てくる。
「ケン、アナタは・・・」
ゲラ=ハの近くのコップに手を突っ込む、鏡を中に入れてカードを隠していた。
飲むフリをして舌で取り出していたのだろうか。
向かい合わせの壁が同じ色なのはよくあることだが、壁にある絵やシミは盲点だったようだ。
「ゲラ=ハ・・・貴様。」
二人を静止し、町の地図を取り出す。
飲むフリをして舌で取り出していたのだろうか。
向かい合わせの壁が同じ色なのはよくあることだが、壁にある絵やシミは盲点だったようだ。
「ゲラ=ハ・・・貴様。」
二人を静止し、町の地図を取り出す。
「いいからさっさと支度を済ませろ、今夜は満月だ。
道具屋が殺されたのは満月の日、何かしら動くとしたら今夜しかない。
全員で水路への入口を全て見張るんだ、かならず出てくる。」
道具屋が殺されたのは満月の日、何かしら動くとしたら今夜しかない。
全員で水路への入口を全て見張るんだ、かならず出てくる。」