第百話(最終話)「いつものように」
―――いつもの空き地。いつもの五人。いつものように、彼らはそこにいた。
「あの時も同じだったわね、こうしてみんなで集まってて」
しずかが感慨深そうに言った。
「そうそう。ジャイアンが何か面白いことないかー、ってうるさくてさ」
「それで、流れ星みたいなのが落ちてきて―――リルルと再会して、キラに出会ったんだよね」
「そこからあんな大事件になっちゃうなんて、思いもしなかったよね」
「ああ、本当にな。しかし、こうやってると、本当にあの日のまんまじゃねーか?」
ジャイアンが青い空を眩しそうに見上げる。
「今にもあの空から何か落ちてきそうな―――ん!?なんだ、あれは!?」
「え!?」
ジャイアンの声につられて、一斉に空を見つめるのび太たち。
すわ、再び大冒険の始まりか!?
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・何も、ないけど・・・」
そう。変わったことなど、何もない。雲ひとつない、綺麗な青空。
日常へと戻った世界は今日も平和だった。
「はっはっは、悪い悪い。ちょっと脅かしてみただけだって!」
「もー、やめてよジャイアン!・・・ま、あんなことにそうそう巻き込まれてたらきりがないよ。しばらくはトラブル
なんかと関わらずにいたいね」
ドラえもんがしみじみと語ると、ジャイアンがにやっと笑った。
「そういうけどさ、おれの勘だともう一ヶ月もしないうちに新しい大事件に巻き込まれてそうな気がするぜ」
「いやなこと言うなって」
「魔法世界にロボットバトルときたら、三回目は日本昔話あたりが来そうだと思わねーか?」
「微妙に次回作予告ー!?」
どっから電波を受信したんだ。
ま、とにかく―――不謹慎な話だけどよ、終わっちまうと、気が抜けちまうというか、なんだか張り合いがないと
いうか―――どうにも刺激が足りない。そうだろう、みんなも」
「え?うん、まあ、そういうのがあるにはあるけど・・・」
そんな皆の反応を見て我が意を得たり、とばかりにジャイアンは力強く頷いた。
「そこで、だ―――このジャイアン様は素晴らしいことを思いついた!」
ジャイアンは懐から一枚のチラシを取り出し、堂々と皆に突き付ける。それはド派手な衣装に身を包んだジャイアン
の写真が添えられた、恐るべき告知であった。
<終戦記念ジャイアンリサイタル・○月×日夜八時・空き地にて開催。
松席千円・竹席八百円・梅席五百円也。乞うご期待!>
「・・・・・・」
ジャイアンを除く全員が冷や汗を流しまくる。
「キラたちや稟さんたちやペコとかみんな呼んでよ、おれの歌でガンガン盛り上がるんだ。どうだ、いいアイデアだろ?」
「・・・・・・」
のび太たちはジリジリとジャイアンから距離を取り・・・一斉に駆け出した!
「死にたくないから、スタコラサッサだぜー!」
「あ、お前ら!どういう意味だ、コラー!」
逃げ回るのび太たち、鬼の形相で追い回すジャイアン。
これもまた、いつものように繰り返される日常の光景。
世界は今日も、実に実に平和なようであった。
―――そんなこんなで、機械の神々が織り成す鋼鉄の御伽噺は、これで本当に御仕舞。
長い永い戦いを終えて、ひとまずみんなお疲れ様。
願わくば、少年たちにしばしの休息を。
彼らはこれからも、色んな大事件に巻き込まれ―――けれどその度、笑顔で乗り越えていくでしょう。
懸命に真剣に、だけどどこか能天気に、困難に立ち向かう彼らのことを、これからも応援してくださいませませ。
<SUPER ROBOT WARS、AND BLUE CAT、AND FOX> is the END!
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―――いつもの空き地。いつもの五人。いつものように、彼らはそこにいた。
「あの時も同じだったわね、こうしてみんなで集まってて」
しずかが感慨深そうに言った。
「そうそう。ジャイアンが何か面白いことないかー、ってうるさくてさ」
「それで、流れ星みたいなのが落ちてきて―――リルルと再会して、キラに出会ったんだよね」
「そこからあんな大事件になっちゃうなんて、思いもしなかったよね」
「ああ、本当にな。しかし、こうやってると、本当にあの日のまんまじゃねーか?」
ジャイアンが青い空を眩しそうに見上げる。
「今にもあの空から何か落ちてきそうな―――ん!?なんだ、あれは!?」
「え!?」
ジャイアンの声につられて、一斉に空を見つめるのび太たち。
すわ、再び大冒険の始まりか!?
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・何も、ないけど・・・」
そう。変わったことなど、何もない。雲ひとつない、綺麗な青空。
日常へと戻った世界は今日も平和だった。
「はっはっは、悪い悪い。ちょっと脅かしてみただけだって!」
「もー、やめてよジャイアン!・・・ま、あんなことにそうそう巻き込まれてたらきりがないよ。しばらくはトラブル
なんかと関わらずにいたいね」
ドラえもんがしみじみと語ると、ジャイアンがにやっと笑った。
「そういうけどさ、おれの勘だともう一ヶ月もしないうちに新しい大事件に巻き込まれてそうな気がするぜ」
「いやなこと言うなって」
「魔法世界にロボットバトルときたら、三回目は日本昔話あたりが来そうだと思わねーか?」
「微妙に次回作予告ー!?」
どっから電波を受信したんだ。
ま、とにかく―――不謹慎な話だけどよ、終わっちまうと、気が抜けちまうというか、なんだか張り合いがないと
いうか―――どうにも刺激が足りない。そうだろう、みんなも」
「え?うん、まあ、そういうのがあるにはあるけど・・・」
そんな皆の反応を見て我が意を得たり、とばかりにジャイアンは力強く頷いた。
「そこで、だ―――このジャイアン様は素晴らしいことを思いついた!」
ジャイアンは懐から一枚のチラシを取り出し、堂々と皆に突き付ける。それはド派手な衣装に身を包んだジャイアン
の写真が添えられた、恐るべき告知であった。
<終戦記念ジャイアンリサイタル・○月×日夜八時・空き地にて開催。
松席千円・竹席八百円・梅席五百円也。乞うご期待!>
「・・・・・・」
ジャイアンを除く全員が冷や汗を流しまくる。
「キラたちや稟さんたちやペコとかみんな呼んでよ、おれの歌でガンガン盛り上がるんだ。どうだ、いいアイデアだろ?」
「・・・・・・」
のび太たちはジリジリとジャイアンから距離を取り・・・一斉に駆け出した!
「死にたくないから、スタコラサッサだぜー!」
「あ、お前ら!どういう意味だ、コラー!」
逃げ回るのび太たち、鬼の形相で追い回すジャイアン。
これもまた、いつものように繰り返される日常の光景。
世界は今日も、実に実に平和なようであった。
―――そんなこんなで、機械の神々が織り成す鋼鉄の御伽噺は、これで本当に御仕舞。
長い永い戦いを終えて、ひとまずみんなお疲れ様。
願わくば、少年たちにしばしの休息を。
彼らはこれからも、色んな大事件に巻き込まれ―――けれどその度、笑顔で乗り越えていくでしょう。
懸命に真剣に、だけどどこか能天気に、困難に立ち向かう彼らのことを、これからも応援してくださいませませ。
<SUPER ROBOT WARS、AND BLUE CAT、AND FOX> is the END!
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