SS暫定まとめwiki~みんなでSSを作ろうぜ~バキスレ内検索 / 「ネクロファンタジア REVENGER and DEAD GIRL part.5」で検索した結果
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ネクロファンタジア REVENGER and DEAD GIRL part.5
瞳を爛々と輝かせた吸血鬼の群れが、村中を徘徊していた。時は既に深夜で周囲は暗がりに満ちていたが、夜の闇は彼らを盲にすることは ない。むしろ月が輝く今は、彼らの感覚が最も冴え渡る時間だ。視覚や聴覚が強化され、普段は使わない第六感――闇の感覚さえも動員し て、彼らは周囲を探査する。この村に入り込んだ人間――ヒューリーとピーベリーの二人を。 「どうだ、奴らがどこにいるかわかったか?」 「いや、まだだ。だが、近いぞ」 吸血鬼達はにんまりと嗤った。久しぶりに食餌にありつけると、全員が歓喜を露にしていた。食餌――吸血行為は、彼らにとって、人間が 食事をとること以上に特別な意味を持つ。限りなく死体に近い吸血鬼は、身体と精神の維持に他者の血液を必要とする。逆に言えば、血液の 摂取が長期間途絶えれば、その身体と精神の両方に異常をきたしてしまう。現に、彼らの凋落は目を覆わんばかり... -
完結した長編集
...完結!> ネクロファンタジア REVENGER and DEAD GIRL(ハシさま)<完結!> しけい荘戦記(サナダムシさま)<完結!> しけい荘大戦(サナダムシさま)<完結!> -
ネクロファンタジア REVENGER and DEAD GIRL part.1
ハイドランド地方。大英帝国の北方にある、雪深い土地。 かつてそこで痛ましい惨劇があった。 走行中だった馬車を、正体不明の謎の巨人が襲い、中にいた人間を殺戮した。 生き残りはわずかであり、二人の少年と一人の少女のみが助け出された。 少年の名は、ヒューリー=フラットライナー、レイス=アレン。 少女の名は、エーデル。 彼らはすべてを失った。家族を、記憶を、そして未来さえも―― 徳深い人物と知られるワイス卿に、二人の少年は使用人として、一人の少女は養女として引き取られた。 少年ヒューリーとレイスは、そのとき密かに決意した。 自分達からすべてを奪った謎の巨人を、この手で斃す。 ヒューリーは、家族の仇をとるため。 レイスは、その正体を解き明かすため。 その目的を遂げないまでは、自分達は未来へ進めない。 まだ幼い二人は、必ず... -
ネクロファンタジア REVENGER and DEAD GIRL part.3
倫敦へ到る旅を続けて数日、ヒューリーたちは自らの足で歩き続けていた。 世界の中心たる大英帝国は1900年頃にはほとんどの国土に鉄道を敷いていたが、ハイランド地方のあるスコットランド には、地図上から見ると蜘蛛の巣のようにレールが張り巡らされてるイングランドに比べて、必要最小限の数のレールしかなかった。 倫敦を目指すには鉄道の轢かれている大都市へ赴かねばならない。 当面の目的地は、倫敦にまで鉄道が轢かれている大都市――ハイランドの首都と呼ばれている、インヴァネス。 精強な青年であるヒューリーならば一日歩き詰めの強行軍ですぐに辿り着けることもできたが、女性であるピーベリーのことも考え、 ペースを落としながらの旅になった。 だがハイランド地方まで長旅をしてきたピーベリーは思ったよりも体力があるらしく、ヒューリーのスピードに遅れることなく 着いてきている... -
ネクロファンタジア REVENGER and DEAD GIRL part.8
音が響く。 音が響く。 機関の揺籃から鳴り響くのは鋼鉄の産声か。 ロンドン地下深くに建造された空間。ロンドンのありとあらゆる情報が集まり、それを集積する複数連結式超巨大演算機関が存在するその 場所は、《機関回廊》と呼ばれている。 その存在を知るものは少ない。殺人さえ厭わぬ犯罪組織の重鎮あるとか、生命の法を無視した背徳の科学者であるとか。 そこに何が存在するのか、想像してはいけない。命が惜しければ。 その《機関回廊》に、F08はいた。意識は無いが、繰り返される呼吸が、F08の生存を証明している。傷は完治しているようで、折ら れた手首も元の状態に戻っており、胸の傷も塞がっている。そのF08の瞼が、ゆっくりと開かれていく。 「なんだ……わたしは……いったい……」 茫洋とした意識の中で、F08は周囲を見回した。薄暗い空間に視線を走らせ、す... -
ネクロファンタジア REVENGER and DEAD GIRL part.2
倫敦は霧の街。 この世ならざる<怪異>が跋扈する魔界都市。 蒸気機関から絶え間なく吐き出される排煙の霧に紛れて、 複雑怪奇な事件が、今日もまた。 追われている。 追われている。 何に? わからない。 自分を追う者が何かわからないまま逃げていく。 どこまでも。 どこまでも。 入り組んだ街路を駆け、霧の中を分け入るように進んでいく。 だが、どれだけ走っても、気配と声はどこまでも追ってくる。 そう、声―― 「あははは! あははは!」 幼子の嬌声。理性の欠けたような狂った嬌声。 建物に反響し、鼓膜を刺激する。 姿は見えず、ただ声と気配だけが忍び寄ってくる。 焦燥が胸にこみ上げてくる。 あの声に追いつかれてしまえば、命は無い。それがわかる。 「あははは! あははは... -
ネクロファンタジア REVENGER and DEAD GIRL part.7
F08は、腹の痛みと、頬の痛みと、地面を這わされた屈辱に怒り狂っていた。人生の中で、ここまで虚仮にされたことはない。 今すぐこの二人を八つ裂きにして、落とし前をつけなければならない。そう思うものの、F08は動けずにいた。金縛りにあったかのように、 指先すら動かせない。じっとりと、額に汗が滲む。 (なんだよ、これは。まさか……) 身体の奥底から冷たいものが湧き出る。その名前を、F08は知っていた。 (恐怖……。恐れているのか……わたしが、あいつを!) 馬鹿な、ありえない、と頭を振る。自分は克服したのだ。一度目の死を経験して、そんなものは。 「ふざけんじゃねえ……ふざけんじゃねえぞ! てめえなんぞ、今すぐ殺してやらあ!」 恐怖を意思の力でねじ伏せ、F08は立ち上がる。 (そうだ、こいつがわたしに勝てるはずがないんだ!) 次の瞬間、F08の姿が... -
ネクロファンタジア REVENGER and DEAD GIRL part.4
外には月が煌々と輝き、夜の世界を照らしている。あてがわれた部屋で、ヒューリーとピーベリーはすでに床についていた。 部屋の中には物音一つ無い。二人ともよく眠っているようだ。それを見計らって……一つの影が、部屋の中に入り込んだ。 暗闇が全身を覆っているため、何者かは判別できない。 その忍び寄る影は、足音を立てないよう慎重にベットに近づき、ピーベリーの顔を覗き込んだ。 よく眠っている。若く、しなやかな身体つきだ。 とても美味そうだ。 そして影は、ピーベリーの首筋に顔を近づけ、口を開き、鋭く尖った牙を突き立てようと…… 「ぎゃっ」 牙が皮膚に触れる寸前、影はそんな悲鳴を上げながら、身をよじらせた。見れば、影のこめかみに無骨なナイフが 突き刺さっていた。苦痛に身もだえ、影は床を転がりまわる。必死の思いでナイフを引き抜いた影は、自分を見据える 視... -
ネクロファンタジア REVENGER and DEAD GIRL part.6
戦いが始まった。ヒューリーとF08――人造人間同士の戦いが。 ピーベリーは、二人の戦いを観察していた。戦闘の邪魔にならぬよう、建物の影に隠れて。 ああなったヒューリーは手に負えない。怒りで周りが見えなくなった彼は、見境なく敵を殺す。 憤怒の名は伊達ではない。 それに、彼がまわりが見えなくなっているが故に、彼をサポートする人間がいなくてはならない。 万が一ヒューリーが損傷した際に、その機体(からだ)を修理できるのは、彼の創造者である自分しかいないからだ。 人造人間は精密な機械のようなもので、致命傷を修理するのなら、創造者であり彼の機体の構造を熟知しているピーベリーでなければ 不可能だ。 それ以上に。ピーベリーは、興味をそそられていた。怜悧な知性の宿る瞳が、真っ直ぐに、F08に注がれていた。 「……まさか、この目で見ることになるとはな」 小さく呟く。 「... -
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... 12/20 ネクロファンタジア REVENGER and DEAD GIRL(ハシさま)を完結した長編集へ移動。 12/03 女か虎か(電車魚さま)を長編SS Index へ移動。 11/15 遊☆戯☆王 ~超古代決闘神話~(サマサさま)を長編SS Index へ移動。 09/21 しけい荘戦記(サナダムシさま)を長編SS Index へ移動。 ジョジョの奇妙な冒険 第三部外伝未来への意思(エニアさま)を長編SS Index へ移動。 09/01 THE DUSK(さいさま) を長編SS Index へ移動。 08/18 ロンギヌスの槍(ハシさま)を長編SS Index へ移動。 本家まとめサイト(byバレさま) 現行スレ 前スレ 短編SS Index 長編SS Index 職人さん別... -
完結した短編集
素晴らしい国(キノの旅)(名無しさま) ある昼休み (鬼平さま) 二重の極め (鬼平さま) 無題 43スレ201さま 戦争を愉しむ者 (銀杏丸さま) Will Meet Again (さいさま) 一寸先は (しぇきさま) クロノート (41さま) kazikili Bey (銀杏丸さま) 18禁スーパーロボット大戦H -ポケットの中の戦争-(名無しさま) 強くなるのは、なれるのは(ふら~りさま) 魔法少女リリカルなのは外伝 ~恋は永遠の魔法なの~(VSさま) (掛川宿の噂「作者はVSさまだって!?」- まことであったか!!) 傷跡の記憶(流花さま) ハンバーガーにライ麦を(涼宮ハルヒの正義作者さま) (しぇきさま?) 力の解放 (名無しさま) サナダムシさん復活祈願! →... -
WHEN THE MAN COMES ARROUND (さいさま)45-2
《EPISODE7:The hairs on your arm will stand up at the terror》 「The same blue sky in a strange new world...Spinning round,turning round,spinning round...」 薄暗がりの中、呟くような不気味な歌声が低く響き渡っている。 それは、60年代に活躍したとされる“とされる”ミュージシャン崩れのテロリストが歌っていた曲だ。 歌声の主はNew Real IRAのリーダー、パトリック・オコーネル。 ギャラクシアン兄弟のアーマー市警察署襲撃、アンデルセン神父の出現、協力者の電話による激昂。 これらの出来事があった、彼にとっての馬鹿げた呪いの日から一夜が明けていた。 協力者からの電話以来、彼は言葉少なに本拠地(ホーム)の防備を固める命令を下し、あとは自室に 引... -
WHEN THE MAN COMES ARROUND55-2
《THE EPILOGUE‐1:The virgins are all trimming their wicks》 ――2001年12月 アフガニスタン マザーリシャリーフ 男の足取りは重い。 それは終わりの見えない旅と戦闘の疲れなのか、それとも悲惨なまでに荒れ果てた町の様子が 気分を沈ませているのか、はたまた厳しい冬の寒さのせいか。 どれもそうであり、どれでもいい。 多分に投げやりな心境で重さを増していく歩みを、一歩また一歩と進めていく。 男はマント代わりに頭から膝下までスッポリと覆い被せられた小汚い布で目ヤニを拭った。 その拍子に高い鼻へ引っ掛けられた金縁の丸眼鏡がずれてしまったが、彼は特に気にしていない。 どうせ片方のレンズは無く、もう片方のレンズにも一筋のヒビが走っているのだから。 この男には何もかもすべて、替えなど無かった。何も... -
WHEN THE MAN COMES ARROUND 49-3
突如、上階から爆発音が響いた。 窓ガラスは細かく震え、靴底からも地鳴りのような振動が伝わってくる。 「上が随分と騒がしいようだ……」 サムナーはわずかに天井を見上げると、またすぐに火渡の方へ視線を戻した。 怒りの形相をこちらに向ける火渡の方へ。 火渡はその場を動かない。 炎に似たる激情の男、火渡でさえも充分すぎる程にわかりきっていた。 負傷を抱えて身体の自由が利かない千歳を人質に取られている。 そして敵は、火渡の速さを遥かに凌ぐ光速の武装錬金を千歳に向けている。 敵? そう、彼はもはや敵なのだ。 指揮官であった筈のサムナーが、今や憎むべき敵となって自分達の命を脅かしている。 彼の意にそぐわない行動を取ればどうなるかは、それこそ“火”を見るより明らかだ。 火渡は充分に自分の置かれた状況を理解していた。 さて、どうするべ... -
WHEN THE MAN COMES ARROUND 44-1
《EPISODE4:There s a man going around taking names》 ――イングランド南部 ウィルトシャー州 ソールズベリーの北西13km地点 「着きましたよ。ここが我が錬金戦団大英帝国支部です」 ジュリアンがにこやかに指し示す光景を前に、三人は驚きのあまり呆然と立ち尽くしている。 「ここがって……。おい、こりゃあ……アレじゃねえか……。何て言ったっけ」 なかなかその名称が出て来ない火渡に代わって、千歳がそれを引き受けるように呟く。 「ストーンヘンジ……」 眼前に展開された荘厳かつ奇妙な風景に、三人は圧倒されたままでいた。 円を描くように配置された4、5m程の立石の群れ。 その中心に築かれた巨大な門を思わせる五つの組石。 そして、それ以外には何も無く、只々草原が広がるばかりだ。 “ストーンヘンジ” 紀元前3000年から2500年辺りに造られたとい... -
WHEN THE MAN COMES ARROUND 44-2
《EPISODE5:The wise man will bow down before the thorn and at his feet》 薄暗がりの中に、男が一人座っていた。 豪奢なソファに似合わないジーンズ履きの普段着姿。 部屋の中でもアルスター・コートを脱がないのは男のこだわりだろうか。 彼の周りでは屈強な男達が、コンピューターとモニターと無線機の海の中でせわしなく 蠢いている。 男は煙草の煙を吐き出しながら、自分と祖国の為に身を粉にする兇暴かつ健気なテロリスト 十数人の群れを見つめていた。 「1番、2番、3番モニターはOKだ!」 「撮影班、警察署内に入りました!」 「ブリギット! 邪魔だから隅の方で遊んでろ!」 「ウィリアムとノエルの視点映像を出せ! 7番と8番だ! 早くしやがれ!」 「とっとと配置に就かせろ! このウスノロ!」 「パトリック、準備が出来たぞ。あと3... -
DRIFTERS VERSUS ... 第二話
猛暑と疲労と落胆に、流石の土方もそこへ腰を下ろさざるを得なかった。 与一はそれに倣い、呂布もまた異人娘を傍らへ下ろして胡坐を掻く。 彼らをここまで導いた口喧嘩の主であるビリーとウィリアムも、喧嘩に飽きたか疲れたか、それぞれ座り込み、 へたばっていた。 一方、木にもたれて座っていたメンゲレは新たに加わった四人を興味深げに眺めていた。 いや、眺めるというよりも“観察”に近い。四人を一人一人、代わる代わる。 やがて、立ち上がったメンゲレは一行の下に近づいてきた。 異人娘の近くにしゃがみ込み、長と見た土方に話し掛ける。もちろん、母国語であるドイツ語で。 「良かったら私が診よう(Werde ich sie untersuchen)」 土方は慌てた。ドイツ語は当たり前の事、英語すらもわからないのだ。箱館陸軍の頃はフランス軍人もいたが、 会話は日本語か通訳を介してのものだった。... -
バレンタインは犠牲になったのだ…勇パルでホワイトデーする犠牲に…
太陽の光さえ届かぬ地の底。 幻想郷の地上と地底を繋ぐ巨大な洞穴の中に、その橋はあった。 ――渡る者が途絶えた橋。 つけられた名の如く、この橋を渡る人間、あるいは妖怪は存在しない。夜 の闇よりも濃い暗闇に浮かび上がる橋は不気味の一言で、進んでここを訪れ る者は、よほどの酔狂の持ち主か、はたまたこの橋と強い縁を持つ者か。 しかし、誰もいないと思われた橋の上に、一つの人影があった。 ややウェーブがかかった金色の髪に、鋭角的に尖った耳、ペルシャの民族 衣装によく似た装束を纏った少女。緑色の瞳に憂鬱を滲ませて、彼女はたっ たひとりで、洞穴の上を見上げる。その視線の先にある〝何か〟を、求める ように。 彼女の名は、水橋パルスィ。 『嫉妬心を操る程度の能力』を持ち、ここ幻想郷に生きる有象無象の妖怪 のひとつ、橋姫である。 ――橋... - @wiki全体から「ネクロファンタジア REVENGER and DEAD GIRL part.5」で調べる