SS暫定まとめwiki~みんなでSSを作ろうぜ~バキスレ内検索 / 「DBIF50-5」で検索した結果
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DBIF50-5
「ど・・・」 振り上げられた拳が、前もって警戒していたことでかろうじて反応できたクリリンの顔面数センチ横を、唸りを上げて通り過ぎる。 「わああぁっっ!!」 のみならず、その風圧のみでクリリンを数メートル後方に吹き飛ばした。 「ほう、取るに足りないパワーしか感じなかったが、よける一瞬パワーが随分と跳ね上がったな。パワー操作型、それも相当熟練しているようだ。 面白い」 「ヘ・・・ヘヘ・・・」 (界王拳習っといて良かったあ。危なく死んでたとこだぜまったく) 未来に来る際、クリリンは18号との修行と並行して、未来行きを辞退した天津飯から界王拳を習っていた。わずか半年の修行ではあるが、 ナメック星やそれ以降の修行で力をつけていたこともあって、始めから8倍まで可能となっている。しかしそれをもってしてなお、ガネットの攻撃は 紙一重でしか対応出来なかった。 (い... -
DBIF50-2
「神聖樹の成長速度が遅くなっている?」 「ああ。どういう理由かは知らんが、スパッツの計算上、今回の神聖樹が育ち切るまでにはまだ一週間の余裕があるらしい」 ピッコロのその言葉に、トランクスは脱力したように膝をついた。 『精神と時の部屋』の入り口である。スパッツの予測を聞いたピッコロは、トランクスを安心させるべく即座にここへ来ていた。 「ハハ・・・良かった」 「とも言ってられん。時間が出来たとはいえ、あのベジータを苦もなく倒したターブルというサイヤ人を倒せなければ、結局は 同じことだ。修行の方はどうなっている?」 「それは・・・」 ピッコロの言葉に、トランクスは口ごもった。実際のところ、気ばかりが焦って思ったように力をつけることができない状態 だったのである。 「悟飯、お前はどうだ?」 「僕も、今のところ特別に強くなった感じは・・・」 そう言いな... -
DBIF50-1
意識を失ったベジータを床に横たえ、トランクスは改めて周囲の面々を見渡した。 あの3人を迎え撃った場所から遠く離れた、神の住居に一同は場所を移していた。ベジータを起こさなかったのは、余裕の笑みを浮かべる ターブルを前にして、例え一時的にでも撤退することを彼が選ぶとは思えなかったからである。 「・・・最悪の事態になったな。まさか連中の実力があれ程とは」 「しかも、あの神聖樹まで持ち出して来やがって。クソ!」 歯噛みして悔しがるクリリンに、トランクスが疑問をぶつけた。 「その神聖樹というのはどういうものなんですか?確か連中の仲間らしいターレスとかいう奴のことも悟飯さん達は知っているようでしたが」 「時間がないんで簡潔に話そう。神聖樹というのは本来神だけがその実を食べることを許された樹だそうだ。俺と融合した神の奴はこの 地球ではよそ者のせいか、その存在は知らなかった... -
DBIF50-4
フリーザ似の異星人は不敵な笑みを浮かべながら一同の前まで来ると、大仰に一礼してみせた。 「大勢でのお迎えに感謝します。私の名はスノウ。元ウェザー星軍親衛隊長です」 「ウェザー星、ねえ。星の名前はともかく、その姿は覚えがあるな。あちらの銀河で私達に最も抵抗して見せた連中だ」 スノウの挨拶に、嬉しそうな顔でラニが応じた。それを見るスノウの顔がわずかに怒気をはらむ。 「その姿。ザード将軍と私の不在の間に我らが母星を滅ぼした連中の仲間だな」 この言葉に驚く悟飯達をよそに、ラニはその顔に浮かぶ笑みを深くした。 ゾレを尖兵としたフリーザタイプの異星人がラニ達を狙うのは、恐らくは今回の地球のように神聖樹を植えつけられ、自分達の 母星を滅ぼされたからだったのだ。 トランクスとの戦いで見せたゾレの怨念めいた怒りも、そこから来ていたのだろう。 一方ピッコロは、スノウの... -
DBIF50-7
「ターレスタイプの新顔が相手か。一つ聞くが、お前とあのベジータとかいう奴、どちらが強い?」 「さあな。直接闘ったのは、もう随分前だからわかんねえ」 どちらも軽い笑みを浮かべたままゆっくりと腰を落として構える。どちらもまだ超サイヤ人にはなっていない。しかしトランクス達は、ただ笑みを 浮かべて構えているだけの二人の身体の中で、星をも吹き飛ばすエネルギーが解放を待っていることを感じ取っていた。 ズ・・・ズズ・・・ そんな重苦しい音が聞こえそうな程、見た目は静かな両者の間で気が膨れ上がっていく。ほんの一瞬気を逸らした瞬間に動き出してもおかしく ない気がして、その場の誰もが瞬きすら出来ない。 そんな状態の中、ふ、と突然笑みを深くしたラニが動いた。 拳と脚が、どう繰り出されたのかを言葉で表していたのでは到底追いつかない速度でかわされる。まだ超サイヤ人化してい... -
DBIF50-3
「ザード将軍、目的の星に後4ビクト程で到着致します」 地球へと向かう宇宙船内部にある巨大な装置の扉の前に向かい、スノウが淡々とした声で報告すると、装置から含み笑いが漏れた。 「いよいよか」 「はい」 スノウの口に邪悪な笑いが浮かぶ。地球に着いてからのことを想像してのものか。 「あの忌まわしい『星の寄生虫』共を叩き潰す時が来ました」 「ふふ・・・だが、まだわしの調整には時間がかかる。直接奴らと戦うのはまだ控えろ」 「承知しております。まずは例の五人をあの星に放す予定です」 スノウの言葉を聞いて、装置にいるザードは楽しそうに笑った。 「アレか。ならば精々、星を破壊せんよう念を押しておかんとな」 「その点はお任せ下さい。将軍にご迷惑をかけるようなマネは致しません」 「任せよう」 と、それきり沈黙した装置に向かって頭を下げると、スノウは部屋を出た。 ... -
DBIF50-6
「さて・・・」 と、悟空はそれまで呆気に取られてやり取りを見ていたガネットの方を向いた。その顔はクリリンに向けたものとは180度変わった厳しいものである。 「おめえらが何をしに来たのかはまだ良くわかんねえが、これ以上オラの仲間を傷つけるつもりなら容赦しねえぞ」 まだ超サイヤ人になっていないため、その温厚な顔つきから感じられる迫力は薄い。しかしその裏側にある何かに気付いたのか、ガネットはその 言葉に押されるように数歩後退った。 「く・・・聞いてねえぞ。ターゲット以外にこんな連中がいるなんてよ」 しかし気を無理矢理奮い立たせたのか、気勢を上げ始めるガネットを無言で見据えながら、悟空は額に人差し指と中指を揃えて当てた。 「え?」 その直後、目の前から悟空の姿が消えるのを見て、ガネットが思わず間の抜けた声を上げた次の瞬間、 トンッ 気を改めて探る... -
DBIF49-5
トランクスがスイッチを入れた瞬間、辺りの景色が歪み、一瞬閃光が走ったかと思うと別の景色に変わっていた。 「あれ・・・・・・?もう着いたの?」 「はい。移動に膨大なエネルギーは食いますが、移動自体は一瞬で済むんです」 悟飯の質問に、トランクスが振り向きながら答えた。 「はあ、なあんだ。もっとアニメでやってるみたいに色んな時代の景色が通り過ぎたりすんのかと思ったのに」 拍子抜けしたようなクリリンの声に場が和やかになる中、ベジータは即座に異星人の気を探っていた。 「ではすぐに降りて下さい。念のため、破壊されないようカプセルに収納しますから」 トランクスの言葉に従って全員が外に出ると、タイムマシンを収納するトランクスと、今だにのん気なクリリン以外の 顔が全て一つの方向を向いた。 「大きな気が向こうにありますね。トランクスさんの話だと変身するらしいけど、今の状態で... -
DBIF49-3
「その後、何とか母さんの家まで戻り、応急手当だけをして皆さんの所までやって来たんです」 苦い表情で締めくくるトランクスを見るベジータの唇の端が持ち上がった。 「面白い。お前を簡単に倒せるフリーザもどきの異星人に、そいつに匹敵するサイヤ人の生き残りか」 「考えてみれば、確かに俺達ナメック星人やサイヤ人と同じく、フリーザにも同じタイプの人間が住む 故郷の星というものはあるはずだ。しかしまさか別の銀河だったとはな」 「しかも本星の奴らはフリーザどころか、トランクス以上の実力者か。そんなの反則だよなあ」 ピッコロの言葉を受けて、クリリンが情けない声で言った。 「その異星人の背後に控える、恐らくはさらに強い異星人と、どうやら複数いるらしいサイヤ人とが 地球を舞台に戦おうとしている、か。つくづく、因縁だな」 疲れたような声でピッコロがつぶやく。実際ベジータ以外の全て... -
DBIF49-8
スパッツの予測地点で待機する悟飯達の見上げる空に、しばらくして宇宙船が現れた。 始め、気を消して様子を伺うという案も出たが、消極的な策を嫌うベジータがそんなことを承諾するはずもない。結局姿を現して 迎えることとなった一同が見守る中、宇宙船が着地すると、間もなく入り口の扉がゆっくりと開き始めた。 「どうも待たせてしまったようで、すまないな」 まだ開き切らない扉からそんな声が漏れた。 「女?」 ベジータの口から不審な声が出る。果たして、どことなくハスキーな高音の声の印象通り、開き切った扉の向こうから現れたのは 黒い長髪の女であった。その横には体格の良い髭面の男が立っている。一見すると普通の人間だが、腰に巻いた尾が、彼女らが サイヤ人であることを物語っていた。 「ほう・・・なかなか」 女は左右に視線を巡らせてから、感嘆の声を出した。 「随分と豪勢な顔ぶ... -
DBIF49-1
セルゲームでセルを撃破してから半年。 一時期恐慌に包まれた世界は平和を取り戻し、悟飯もまた平和な日々を過ごしていた。 そんなある日、悟飯の見覚えのあるタイムマシンが空から降りてきた。未来から遊びに来たのかと 悟飯が駆け寄るが、タイムマシンは扉を開こうとしなかった。 「トランクスさん?どうしたんですか?」 ぼんやりとした呼びかけに応えるようにようやく扉が開くと、セルゲームの時よりかなり成長した 姿のトランクスが姿を現した。 しかしその身体には所々に包帯が巻かれ、今にも倒れそうな程重症なのが見て取れた。 「ど、どうしたのその怪我は?!」 「お久しぶりです、悟飯さん。申し訳ありませんが、もう一度助けてもらいたくて、来ました」 それだけ言うとトランクスは意識を失った。 翌日、仙豆によって回復したトランクスは、すぐにブルマを含めた皆を集めると、衝撃的... -
DBIF49-4
半年後。 ブルマの家の前にクリリンと人造人間18号が立っていた。 「いよいよ出発だな。死ぬなよ」 「あ、ああ。まあ俺は精々フォロー役だし、死ぬことはないんじゃないかなー、なんて」 どことなく自信なさげなクリリンの前でドアが開き、その向こうから悟飯、ベジータ、トランクスの3人が現れた。 「いよー悟飯。トランクスにベジータも」 「お久しぶりです、クリリンさん」 「お久しぶりです」 「ふん、怖気づかずに良く来たな」 悟飯も、トランクス、ベジータも相変わらずの反応だった。ただ一つ違っていたのは、 「あれ?お前また少し大きくなったんじゃねーの?」 「そうですか?自分じゃ、あまり気付きませんけど」 クリリンの言う通り、わずか半年前に比べて悟飯の背が伸びていた。今ではわずかにクリリンより高いくらいになっている。 「よう、久しぶり」 続いてヤムチャが... -
DBIF49-7
ドラゴンボールの回収が終わり、ピッコロもまた『精神と時の部屋』を確認して戻って来た。 幸いなことに異常は見られず、いざとなれば使用することが出来るというピッコロの言葉に悟飯達は軽い安堵を覚えた。 もちろん、いざとなれば過去に戻ってさらに修行するという手がないこともないが、その修行中に万が一何らかの異変が あれば、トランクスの世界の危機に専念するわけにも行かなくなる。 『精神と時の部屋』はそんな問題点を解消するための、かなり重要な存在なのだ。 「で、あいつの宇宙船から詳しい情報はわかったのか?」 今や一応の本拠地となっているブルマの家の、作業スペースの一つを客間に改造した部屋の中央に置かれたテーブルに ついたクリリンが訊ねた。 「残念ですが、それ程重要な情報は得られませんでした」 「そうか。連中の詳しい情報があれば、少しは他の対処も考えられると思ったんだが... -
DBIF49-6
一まずの平和を取り戻した悟飯達は、さっそくこの世界にドランゴンボールを復活させるべく、神の住居へと向かった。 「うわあ、もっとボロボロになってるのかと思ってましたけど、結構変わってませんね」 「はい。その・・・俺達の世界で、ピッコロさんは地上で人造人間に殺されてますから」 自分達の世界のものと同じではあるが、珍しそうに見回す悟飯達に、トランクスは多少言いにくそうにそう言った。 それを聞いてピッコロも複雑な表情になる。 「早速始めるか。デンデ」 「はいっ!」 ピッコロの呼びかけにテコテコと容器を抱えてデンデがやって来ると、悟飯達の中央の辺りにそれを置き、 意識を集中させた。 しばらくして容器が輝き出したかと思うと、上空に光が伸び、一度止まったかと思うと7つに分かれて飛び散った。 「これでドラゴンボールは復活した」 「次の奴らが来るまでに集めておかん... -
DBIF49-9
バキイィッ! ベジータの拳が、女の顔面に叩き込まれる。例え相手が女であろうと彼に一片の容赦もない 「ぐあっ!」 さらに吹き飛んだ女に追い討ちをかけようとしたベジータの前に、それまで無言で立っているだけだった男のサイヤ人が立ち塞がった。 「邪魔をするなぁーーっ!」 イラついた声で叫びながらベジータが男に向かって拳を振った瞬間、 『待て』 と、どこからともなく聞いた事のない声がその場の全員の耳を打った。 それは静かな口調でありながら、激昂して攻撃を繰り出そうとしたベジータまでもがその動きを止めるほど重い響きを持っていた。 「あ・・・」 一瞬後、声の出所に気付いたクリリンが、わなないた声を上げる。 そう、トランクスの調べた宇宙船から得た情報では、サイヤ人は「3人」だったのである。 それを証明するべく、声のした方向-宇宙船の入り口-に一人のサイ... -
DBIF49-2
「サイヤ人だと?!」 それまで沈黙したまま聞いていたベジータが驚きの声を上げた。 「俺達以外に、まだサイヤ人の生き残りがいたというのか?!」 「あいつの言葉からすると、そのようです」 トランクスの周りが再びざわめきだした。ベジータ星が破壊され、全滅したはずのサイヤ人。 だがベジータや悟空以外に、まだ生き残りがいたというのか。 「ま、まあいてもおかしくないよな。今までだってターレスとか、ブロリーとかいたんだし」 「そういえばそうだな」 クリリンの言葉に天津飯がうなずく。ベジータは忌々しそうにふん、と鼻を鳴らした。 ターレスとは、以前神聖樹を持って地球を壊滅寸前まで追い込んだ、悟空同様に辺境の星に 送られていたことで生き残ったと思われるサイヤ人であり、ブロリーとは、ベジータ王に恨みを 持つ、同じくサイヤ人の生き残りであるパラガスの息子であり、超サイヤ... -
職人さん別 クリキントンさま
短編 DBIF <連載中> 再会 -
DBIF(クリキントンさま)
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短編SS
60kb以下の短編達です。 【職人さん別 Index】 完結した短編達 サナダムシさま短編集 バキスレにサナダムシさまが投稿された短編の数々です。 連載中の短編 ドラえもん のび太と真夜中のバンパイア(店長さま) 『絶対、大丈夫』(白書さま) 鬼と人のワルツ(鬼平さま) よつばと虎眼流(鬼平さま) 野比のび太(仮} (店長さま) ドラえもん のび太の新説桃太郎伝 (サマサさま) 無題(銀杏丸さま) 狂った世界で(proxyさま) カイジ外伝、やさぐれ獅子番外編(名無しさま) カシオスの冒険(名無しさま) ブルーグラード外伝(名無しさま) ドラゴンボール 恐怖!新たなる敵 DBIF(クリキントンさま) 再会(クリキントンさま) ... -
脳噛ネウロは間違えない 50-5
「──さて、ヤコ。昨日のおさらいだ。 吾代の情報によれば、『辺境人(マージナル)』こと香織甲介がいわゆるアンダーグラウンドの世界の住人である可能性は低い。 つまり、貴様の出番が回ってきたという訳だ」 「……え? わたし?」 「そうだ。『表の世界』は貴様のフォロー範囲内だ。 先日、奴等と遭遇した場所を覚えているな? 貴様が意地汚くも飛鳥井全死のオゴリで昼食を貪っている間、 香織甲介とその連れの小娘──荻浦嬢瑠璃といったな──は飛鳥井全死を探して周囲の店舗に聞き込みを行ったフシがある」 「え、そうなんだ」 「豚のごとく目の前の料理に食らいついていた貴様は知らぬだろうが、香織甲介自身がそのように言っているのだ。 貴様はそこにさらに調査を被せろ。香織甲介が飛鳥井全死の足取りを追ったその道を逆に辿り、奴等の活動半径を突き止め──なんだアカネ。 今、我が輩はこの... -
シュガーハート&ヴァニラソウル 50-5
『迂回と焼菓 ⑦』 「あ、ああ……」 まるで意味を成さない、音だけの呻き声を上げて遠野は宙ぶらりんになっている。 掻き毟るように首の辺りを引っかいていた手も、ついにだらんと力なく垂れ下がった。 “『墓守』を生み出す『能力』が『ダーク・フューネラル』の『能力』だと思っていたのか……お生憎さまだな……” そううそぶく『ダーク・フューネラル』の力が、徐々に強まっていた。 それは、そいつの腕を押さえつけている航の手を今すぐにでも弾き飛ばしてしまいそうなほどに膨れ上がっていた。 “あんなものはただの『食事』の副産物だ……この『ダーク・フューネラル』は…… 遠隔操作型でありながらにして強大なパワーを得るために……ある『エネルギー』を外部から摂取している……” ぱん、とひときわ大きな破裂音とともに、ホルマリン漬けのヤモリが飛び出した。 そこから... -
宿命50-1
オラの前に、いきなりフリーザの奴が現れやがったんだ。 いくらオラがナメック星の時とは比べ物にならねぇほど強くなってるっていっても、や っぱびっくりしたさ。あいつにゃあんだけ手を焼かされたんだもんな。 んでも、もうフリーザはオラの敵じゃなかった。 超サイヤ人にちょいと変身して、パンチ一発でぶっ倒してやった。 でもよ、次の日またあいつはオラに挑んできやがったんだ。 たしかに気は消えたはずなのに、と思いながらオラは挑戦を受けた。いくら簡単に倒せ るとはいえ、あんな奴が地球で暴れちゃ大変だからな。今度はキックで倒した、と思う。 わりぃ、オラ細かいところまで覚えてねぇや。 とにかくこれで終わったと思ったんだけどよ、朝起きたらまたフリーザが飛んできやが った。びっくりしたというか、うんざりしたというか、よく分かんねぇ気分だったな。 で、もう復活... -
不殺50-1
緋村剣心、三十五歳。 たった今、人を殺してしまった。 道場に押し入った強盗を、近くにあった木刀で一撃。打ち所が悪かった。 飛天御剣流を封印し肉体も衰えたとはいえ、かつては日本最強とも謳われた剣客。賊一 人を打ち殺すなど訳はない。長らく戦いと無縁の生活を送っていたため、格下に対する力 加減を誤ってしまった。 事件が発覚すれば人斬り抜刀斎の雷名をちらつかせるまでもなく、正当防衛で無罪放免 は間違いない。 だが、剣心にとってそんなことはどうでもよかった。 真夜中。うつ伏せに沈む強盗を見下ろしながら、剣心はある思いに打ちひしがれていた。 “不殺(ころさず)”を破ってしまった──。 「しまったでござる」 軽いパニックのためかまるで他人事のように呟く剣心。 深夜にあるまじき物音と気配。まもなく妻と息子が布団から出てきた。... -
力の解放 50-1
文中の表現に下ネタが有ります。お食事中の方はご注意ください* ここら一帯は我が縄張りである、と言わんばかりに堂々と歩く野良猫が、小さな建物を目の前にして急に引き返した。 毛を逆立てて牙を剥き、何かから逃げるような必死の形相で、あっと言う間にそこから見えない遠くまで走り去っていった。 そこは、圧倒的な重圧を孕んだ気に覆われていた。 まるで炎に炙られているかの様に歪んでいる空間。 その中心に、男はいた。 暗がりの中、鬼が泣いていた。 本当に鬼がいたわけでも、鬼が泣いているわけでもない。 そこにいる男の背中の筋肉が、まるで鬼の貌のように膨れ上がり、それを伝う大量の汗が涙を形作っていた。 常人とは生まれついての構造から違う打撃用筋肉(ヒッティングマッスル)。 その圧倒的な筋力から生み出される一撃は正に必殺。 そして、それを持つ生物は長い生物史の... -
のび太と雲の王国50-1
「ドラえもーん! 財布の中身が50円しかないよー!」 「はい、バイバインー」 ドラえもんはのび太の50円玉にバイバインをふりかけた。50円玉は倍額の100円 玉になった。 「やっほー!」 のび太は大喜びでコンビニに行った。店長のオヤジがニコニコ笑っている。 「おじさーん! ムーゴーおくれー!」 ムーゴーと100円玉をレジ台に置いた。100円玉は倍額の200円玉になっていた。 オヤジの笑顔が悪魔の形相に変わった。 「こんなお金は使えませんアンド子供にムーゴーは売れませーん!」 のび太はオヤジの機銃掃射をかいくぐって、命からがら家に帰ってきた。 「でや!」 のび太の投げた200円玉はドラえもんの眉間を貫通した。ドラえもんは爆発した。 「なけなしの50円まで使えなくなったじゃないか! ドラえもんのバカ!」 「どれどれ」 ドラ... -
七人の超将軍!50-1
頑強なる心を持ちて 悪を駄(の)せし輩を 無に帰せしめし者━━━ 天宮の国を治める新世頑駄無大将軍の頑駄無結晶(がんだむくりすたる)が八つに砕け散った日、 閃光結晶(びーむくりすたる)に選ばれし七人の武者が超将軍となった! 力を失った大将軍!再び跋扈した闇の者たちから無辜の民を護る為の、頑駄無たちの戦いが始まったのである! そして!新世闇軍団本陣と化した伝説の地・悪無覇域山(あなはいむさん)についに七人の超将軍が結集! 決戦の火蓋は切って落とされた! そして━━━ 「千力ぃいいいい!!」 闇魔神吏偶遮光(やみまじんりぐしゃっこう)の攻撃から新世大将軍の子・飛駆鳥(びくとりー)をまもって、 嘗ての千生将軍(せんなりしょうぐん)、千力頑駄無超将軍(せんりきがんだむちょうしょうぐん)は地に伏した! その姿に怒り心頭と... -
宇宙のジパング50-1
黄金の惑星“アース”の伝説。 近年、文明が進んだ宇宙の住人の間において、まことしやかに騒がれている噂があった。 余りにも広く流布されてしまったため、噂が噂を呼び、アースに関する無数の説が乱立 してしまった。もはや、この噂の出所はどこであったのか、元々はどのような内容であっ たのかを知ることはかなわない。 共通していることはただ一つ、アースと呼ばれる惑星には黄金が大量に眠っているとい うことのみ。 宇宙広しといえど、黄金を主成分とする星は未だ発見されていない。また、金は貴金属 としての美しさはもちろんのこと、化学的な性質も申し分ない。つまり、黄金を欲してい ない種族などいなかった。 とはいえ、あくまで噂は噂。ただでさえ異星人との交易や戦争、眼前の開拓に忙しい彼 らには、存在すら怪しい惑星の調査などに予算と労力を割く余裕はなかった。 ... -
七人の超将軍!50-2
飛駆鳥はもはや未熟な若武者ではない。 新芽でしかなかった彼の光の力は、いまや完全に開花した。 額に輝くは太陽の閃光結晶(さんびーむくりすたる)!胸に煌くは頑駄無結晶! 光の超将軍、飛駆鳥超将軍へとその姿を変えたのだ。 雄叫びと共に繰り出された飛駆鳥の鉄拳は、そのまま巨大な闇魔神を殴り倒す! 光り輝く両の拳での、ラッシュ!ラッシュ!ラッシュ! 「これは国土を焼かれた影舞乱夢の民の怒り!」 飛駆鳥が闇魔神の顔を殴り飛ばした瞬間、彼の兜ははぜ割れた。 「これは国土を焼かれた赤流火穏の民の怒り!」 飛駆鳥の蹴りが突き刺さるや否や、闇魔神の胸甲が砕けた。 「これは冥府から呼び戻され戦わされた武者たちの怒り!」 抜刀一閃!飛駆鳥の太刀の前に闇魔神の右腕は裁たれた。 「これは理不尽に晒された者たちの怒り!!」 ... -
脳噛ネウロは間違えない 50-4
【死】─The Strangers─ 学校が終わると「桂木弥子魔界探偵事務所」に顔を出すのが、最近のわたしの日課になっている。 それが、『あの日』を境にして組みかえられた、わたしの日常だった。 ──わたしの『日常』は一度崩壊している。 わたしの父親は殺された。しかも、『密室殺人』という世にも奇妙な手段によって。 ミステリの世界にしか存在しなかったと思っていた『謎』という概念と、わたしは間近に接してしまったのだ。 それは、今まで信じて疑わなかった『日常』という一つの世界が崩れ去った瞬間だった。 その後、わたしは『謎』を解く(くう)という魔人ネウロと出会い、そいつが『トリック』を暴くことで事件は解決した。 かくして平穏な『日常』がわたしの元に戻ってきた。 だがそれは、決して以前の『日常』ではなかった。 わたしはこの世界の... -
脳噛ネウロは間違えない 50-1
【常】─I was Born to Kill─ この世界は謎に満ちている、と思う。 ──だからこそ、こいつはこの世界にやってきたのだから。 『ペロ……これは青酸カリ!』 わたしの目の前に大迫力で展開された銀幕の向こう側の世界で、身体は子供頭脳は大人な名探偵が深刻そうな口調でそう告げていた。 「そんなもん舐めたら普通は死ぬんじゃない……?」 わたしは膝に抱えたLLサイズのポップコーンを頬張りながら、たった一つの真実を求め真っ赤な蝶ネクタイが映える不審人物に向けて小声でツッコミを入れた。 その次の瞬間、後頭部に常軌を逸した力が加えられた。 なす術も無く、わたしの頭部は膝の上のバケツ並みの紙容器に押し込められ、顔面が満遍なく醤油バター味で味付けされた。 「はぶっ!?」 「黙れ」 なおも万力のような怪力でわたしの頭を押さえつけ... -
脳噛ネウロは間違えない 50-2
「まいったな。目撃されるのはイレギュラーだ」 ──まったく、ついてない。 その日の夜、俺は全死の持ってきた『仕事』──殺人の依頼に従って有栖川健人という高校生を殺害した。 殺害自体は遅滞も瑕疵も無く完了した。背後から襲って拳大の石で殴殺。まったく楽なものだった。その後が問題だった。 こともあろうに、その犯行現場をリアルタイムで目撃されていたのだ。 全死のもたらす『仕事』は、全死の示したプラン通りに遂行する限りに於いてはまず絶対に露見しない。その点に関しては全死を信用している。 だとしたら、これはいったい何の間違いだろうか。 全死だって人間だもの、時に間違いもするだろう──などといった牧歌的な解釈は即座に消えた。 俺としてもそうであって欲しいのはやまやまだが、飛鳥井全死は間違えない。 つまり『人間』の定義をそこに求めるなら、全死は人間では... -
その名はキャプテン 講座50-1
~今回でてきた海の幸は化石魚以外はみんなモンハンから出典な講座~ 化石魚 魚類モンスターの中では、ほぼ最強であろう雑魚。↓は化石魚初体験した時の自分。 強力な単体攻撃用水術、当たればほぼ即死の単体攻撃、通常の攻撃も2回で大体殺される。 そして2回行動が可能。ある程度HPがあれば雑魚の中では技の閃きに最適な魔物。 ハレツアロワナ 衝撃を与えると破裂するアロワナ、もちろん食べれない。 爆弾や銃の弾の素材にどうぞ。 バクレツアロワナ 衝撃を与えると爆裂するアロワナ、もちろん食べれない。 爆弾や銃の弾の素材にどうぞ。 カクサンデメキン 衝撃を与えると拡散するデメキン、もちろん食べれない。 爆弾や銃の弾の素材にどうぞ。 古代魚 ... -
脳噛ネウロは間違えない 50-3
「こっちです、香織さん。全死さんを見つけました」 荻浦嬢瑠璃の指差した先には、確かに全死の姿があった。 見紛うはずもない。あんな奇抜な服装を平気でできる三十路近くの女など、この世にはそういない。 視点をもっと上のレヴェルへ引き上げればそういう人間など佃煮にするほどいるだろうが、それは俺の知っている世界ではない。 俺にとっての『この世』とは極めて限定された範囲の中の話だ。 「やれやれ。虱潰しに大通りの店を覗いて回った努力がやっと実を結んだわけだ」 俺がため息混じりに呟くと、嬢瑠璃は心外そうに異を唱えてきた。 「絨毯爆撃と言ってください」 「どっちでもいいよ」 とりあえず、嬢瑠璃と肩を並べて全死がいるオープンテラスのカフェへと歩いていった。 「肩を並べて」というのは言葉の綾だ。嬢瑠璃の身長は百四十センチそこそこ、俺の肩より下に嬢瑠璃の頭がある。... -
昨日の飯は今日の武器50-1
見渡す限り、草木ひとつ生えぬ不毛な荒野。かつて戦争で撒かれた毒ガスが、この大地 から色を奪った。乾いた風が、無気力な大地を哀れむように寂しく吹き抜ける。 だがガイアは何も感じることなく平然と野糞をしていた。 火炎が木を焼こうが、毒ガスが土を汚そうが、核爆弾が何もかもを消し飛ばそうが、彼 は全て受け入れる。戦争が生活の一部である彼にとって、戦争が引き起こす害悪もまた自 然に他ならないのだから。 排便中は無防備に近い。ゆえにガイアの排便はすばやい。 肛門からボトボトと、かつての食物が落とされる。 「ふぅ……」 宿便まで入念にひねり出し、一息つくガイア。 個数は三つ。サイズ、配色、硬度、匂い、どれをとっても健康そのもの。人体に関して 非凡な知識を持つガイアは、自らの作品をそう値踏みした。さらに、このうちの一つから クロワッサンを連想し... -
Dioの奇妙な放浪記50-1
198X年 ○月×日 私は目覚めた。 こう書くとおかしいかも知れないが私の場合は別だ。 100年に及ぶ眠りから目覚めたのだ。 人間で言うならば引越しして新しい生活を始めたのと同じと思っていい。 当面の私の目的は世界征服だ。 その為には部下や手下を集めなければいけない。 そう思った矢先、私はエンヤと名乗る老女と出会った。 彼女は私の考えに共感を示し、一組の弓矢を取り出した。 何でもこの弓矢に指された者は「スタンド能力」と呼ばれる特殊能力を得る事が出来るそうだ。 当初、私は相手を疑った。 そんな御伽噺に騙されたくは無いと思っていた。 当然、私は断った。 するとエンヤ婆が突然、私の腕に弓矢を刺した。 矢の威力自体は私の腕にかすり傷をつけるのがやっとだった。 直後、コケオドシだと思った私の目に自分の体から出て来る異様なモノが映った。 ... -
メニュー2
更新履歴 10/15/08 保管した本スレが表示されない不具合復旧 とはいえ、原因は不明、なんでしょうね? 10/10/08 トップページのみ。 ごめんなさい忙しくて、全然更新できないです。 不景気いくない。 スターダストさん、ふらーりさん、ありがとうございます。 スレ保管のトラブルの方は現在問い合わせ中。 もう少しお待ちください。 07/11/08 57-172まで。 NBさんの今回の更新が、このWikiの通産666ページ目でした。 さすが不吉を呼ぶブラックキャット 0619/08 トップ頁の現行スレのとこだけ更新。 とりあえず帰ってきました。 スレに書き込めなかったのでこちらで。 スパムフィルタで書き込めないとのことだったので調べてみたら、新たにスパムフィルタが導入されたようです。 とりあえず認証だけに設定して様子見です。 ... -
シュガーハート&ヴァニラソウル 50-6
『液状と透明 ①』 私立ぶどうヶ丘学園に、放課を告げる鐘が鳴る。 その音の源泉たる時計塔の、『立禁止』というちょっと奇妙な看板が備え付けられた機関室の中央に『そいつ』はいた。 すぐ身近で大音声で鳴り響く鐘の音にも、『そいつ』はまるで反応らしい反応を見せない。 身じろぎ一つせずに、人が見たら死んでいるのではと思われそうな静謐さで、『そいつ』は床に横たわっていた。 だが──その騒音の中で機関室のドアが開けられたときだけは、『そいつ』の四肢がぴくりと動いた。 「やほー、優くん」 鐘が静まってからそう挨拶したのは、白いスーツの若い男だった。その傍らには、対照的に黒ずくめの大男が立っている。 『そいつ』は本格的に身を起こし、今入ってきたばかりの二人組みを見やった。 「──お前たちか」 『そいつ』は、なんの感情も篭っていなさそうな声音で呟... -
シュガーハート&ヴァニラソウル 50-1
『迂回と焼菓 ③』 「どういうことだ……僕のせいで小狼くんが死にかけているだと?」 ラウンダバウトは信じがたいものを見るように、揺れる視線を十和子に注ぐ。 女のものとは思えぬ力で彼女を壁に押し付けている十和子が、吐き捨てるように答えた。 「そんなに信じられないなら自分の目で確かめれば? 来るの? 来ないの? ──ま、嫌だと言っても無理やり引きずって連れて行くけどね」 「君にそれが出来るとは思えないね。脅しとは相応の実力があって初めて効果を発揮するものだ。 その点、君程度の普通人が僕に敵う訳がないよ」 明らかに気圧されている自分を認めるのが嫌で、ラウンダバウトはそんなことを言う。 だが、その心の動きすらをも見通すように、十和子の歪んだ笑みが返ってくる。 「強がってんじゃねーわよ。あたしに本名と能力を見破られてビビってんのが滲み出てんのよ... -
シュガーハート&ヴァニラソウル 50-3
『迂回と焼菓 ⑤』 『そいつ』はとても奇妙な姿形をしていた。 背丈はひょろ長く、深い紫色の外套をすっぽりと被り、漆黒の仮面をつけている。 だが、もっとも奇妙な点は、『そいつ』の『存在感』だった。 日が落ちかけているとはいえまだ強い陽光の中にありながらも、『そいつ』はまるで薄闇の中にあるような希薄な雰囲気しか持ち合わせていない。 ややもすると向こう側まで透けて見えそうな異質の佇まいを身に宿し、『そいつ』は静かに立っていた。 (この二人には……見えていないのか!?) 南方航の目には明らかな『そいつ』の異形が──遠野十和子と奈良崎克巳の両名にはまるで認識できていない。 そのことを訝しがる暇もなく、『そいつ』は行動を起こした。 外套の下に隠していた二本の長い腕を伸ばし、未だに事態を把握できていない遠野と奈良崎の首筋へと、その手先を近づけよ... -
シュガーハート&ヴァニラソウル 50-4
『迂回と焼菓 ⑥』 遠野は『ダーク・フューネラル』の攻撃を着実にかわし続けていた。それも、ぎりぎり紙一重の距離で。 あと数センチでもずれていれば眼球や耳が抉られているだろうに、見えていない者の強みか、遠野は冷静そのものだった。 それ以前に、見えていないのになぜ『ダーク・フューネラル』と対等に渡り合えるのかが大きな問題だったが。 そもそも、『見えない敵』に対してなぜ『目隠し』をする必要があるのだろうか。 いや、見えている敵に対して目隠しをする必要もまるでないが、これはそれ以上に不可解だった。 ともあれ、航ははらはらし通しだった。彼には『ダーク・フューネラル』が見えていて、そいつの容赦ない攻撃が休まることのないのを目の辺りにしているからだった。 「中国武術の世界には──ま、中国武術に限った話じゃないけど── 『本来持っている力をわざと消失させ... -
シュガーハート&ヴァニラソウル 50-2
『迂回と焼菓 ④』 「しっかし、夕暮れの校舎ってばなんか気味が悪いわね」 「そうかい。僕はそう思わないね。静かでいいじゃないか」 ──ラウンダバウト、あなたは小狼に『油断』の暗示を掛けた。ただそれだけなら、なんということもなかったでしょう。 自分の能力のことは自分がよく知っているのだから、匙加減を間違えることなど有り得なかった── 「……そういやあんた、なんで男装なんかしてんの?」 「どうして君にそんなことを教えなければならないんだ?」 「か、可愛くないわね、あんた」 「お褒めに与り光栄だよ」 「うっわー、マジで可愛くないわ。そんなんじゃ彼氏できないわよ。ねえ南方くん、あんたはどう思う?」 ──ただ、あなたは或る一つの可能性について見落としがあった。それは、『別の誰かが小狼を攻撃する』ということよ。 それも、ほんの僅... -
永遠の扉 第018話「歪(前編)」50-3
一本の処刑鎌がどうっと袈裟斬りに貴信の胸に吸い込まれ。 一本の処刑鎌が貴信の左脇を斬り上げ肩の付け根から吹き飛ばし。 一本の処刑鎌が地をすべったとみるや、それは貴信の両膝を伐採し。 一本の処刑鎌が貴信の目を狙う途中で鎖に絡みつかれた。 「悪いな! 元飼い主としちゃあ、元飼い猫がいたぶられるかも知れん時に、のほほんと後 ろばかり見てるワケにはいかない!! 傷を受けるなら僕の方がまだ心痛は少ない!!」 叫びと共に砕けんばかりの握力で鎖を握りしめ、背後に向かって振りぬける! 足を伐採されたにも関わらず、驚異的な力が湧いたのは、精神力のなせる技だ。 そして当然のコトながら鎖はバルキリースカートに絡まっている。 バルキリースカートは斗貴子の大腿部に装着されている。 よって彼女は成すすべなく宙を舞い飛び、上下逆さで崖の四メートル地点に叩きつけられた。 「今は... -
永遠の扉 第018話「歪(前編)」50-2
「御前様もいってるでしょ? 色々あったのよ。最初は敵に飛ばされちゃった千歳さんを探し てたんだけど、ついさっき、聖サンジェルマン病院にいるって連絡があって」 艶やかな声に遅れて歩いてきたのは、黒い髪を腰まで伸ばした長身の女性。 もちろん、いうまでもなく早坂桜花だ。 「そっちにゃ例の出歯亀ニンジャがGO! で、今度はブラ坊の奴からゴーチン探せって命令!」 生意気な声に、剛太は眼をはしはしと瞬かせると、小声で斗貴子と相談し始めた。 (え? ブラボーは知ってるんですか? 俺たちが分断されたって) (当然だ。私が連絡しておいたからな。報告と連絡と相談は基本だぞ) (その点はバッチリ。ホラ、何か忘れちゃいましたけど、重要なコトを連絡したでしょ?) グッと親指を立てて嬉しそうに白い歯を見せる剛太に、斗貴子は鼻白んだ。 (ったく。キミは昔から何か手柄を立てるとすぐ... -
永遠の扉 第019話「歪(後編)」50-4
第019話 「歪(後編)」 竹藪の中に甲高い金属音が数合響き、影が何度目かの交差をした。 舞い飛んだのは一縷の黒きれ、一縷の白きれ。 掠め取られた黒装束からは浅黒い鉄のような肌がのぞき、裂かれたセーラー服の肩口から 白い鎖骨に切れ込んだ一条の傷が覗いた。 「少しは手練れた化物のようだが予定に変更はない! 貴様を殺して割符は貰うぞ!」 肩の流血に怯まず眉に皺寄せ睨む斗貴子はなかなかに凄然としているのだが、しかし無銘 はたじろいだ様子もなく、懐に手を入れると割符を見せた。 「我、偽らざる…… 欲するのであれば狙うがいい。我はただ守るのみ」 無銘の懐から筒のようなものが飛んだ。 それは竹笛を穴ぼこにしたような形状で、火を吹いている。 「古人に云う。S・O・S、S・O・S、平和が壊れる」 「むむっ!」 同時刻、食堂でまひろが何やら反応... -
ジョジョの奇妙な冒険 第三部外伝 未来への意思50-1
4月22日 午前10時45分 授業の合間の短い休み時間。 少しの間の自由を満喫しているのか、教室から廊下まで、ざわざわと騒がしい。 しかし、その中で唯一、張り詰めた緊張感を漂わせているクラスがあった。 高等部2年F組である。 その緊張感の理由。それは少しばかり教室内の声に耳を傾けてみれば理解できるだろう。 「次の授業は・・・あれだよな」 「ああ・・・生物だ」 「休み・・・・・・とか、ないかな?」 「・・・俺、部活の朝錬で早めに出てきたんだけどさぁ。 その時、学校に来てるの見ちまった・・・」 「お前・・・空気読めよ・・・。俺らのかすかな望みを吹き消すなよ」 「・・・ワリィ。でも早めに覚悟しといたほうが良くねぇ?」 「まさか、自分のクラスに『リアル女王の教室』みたいな教師が来るとは思ってなかったわ」 「男だから『帝王の教室』か・・・... -
七クロ 53-5
「……ふぅ、すっきりした。いや~助かったよ、林田君。君のカツラが役に立った」 「いや、そういう意味で言ったんじゃないんだけど……」 「……で、いつから僕の気持ちに気付いていたの?」 「う~ん、初めっからかな。なにしろ、あの女の子の目はクロマティー高校に 入ってきたばかりのお前とそっくりだったから」 「……そうか、そうだよね。あの頃の僕はクロ校を変えてやると理想に燃えていた。 どんな環境でも、どんな人でも意思さえあれば、どうにでもなると信じていた。 それが、今じゃ、どうだ。現状に甘んじ、ただ日々を無為に過ごすだけ…… そんな僕があの子の一途な視線に耐えられないのは当たり前の話だよね」 「……別にお前に限った話じゃないさ。誰だって昔は夢や理想を持ってただろうが、 いつまでもそんなこと言ってられないからな。皆、自分を誤魔化して現実と上手く やるしかない... -
七クロ 54-5
「へ、不良にゃ、酷なシーンだな」 「全くだ。砂漠なのに雨が降りやがる」 「……ふう、僕らの仕事もこれまでのようだね。ああ、なんだか日本が恋しくなってきたよ」 「……帰るか、クロマティー高校に」 「おう、そうだな」 「……お兄ちゃん達行っちゃうの?」 「うん、名残は惜しいけど、もうそろそろ帰らなきゃ」 「行かないでって言ったら?」 「君、そういう訳にも……」 「主君の命令でも?」 「…………………………」 「……嬢ちゃん。サムライごっこはもうお終いなんだよ」 「……林田君」 「何だよ、神山、文句あるのかよ。元はと言えば、ただの暇つぶしだったじゃねえか。 俺はもう疲れちまったぞ」 「林田の言う通りだ。我らとていつまでもサムライごっこを続けるわけにもいくまい」 「……そうですね、北斗さん」 「まあ、俺らみたいな不良に... -
スレ保管ページ
スレの保管ページです。 [[よくわからないけど、これでいい ごめんなさい、私も初めてだったのですがdatのままだと読めないようです。orz html化しなきゃいけないようです。 変な形ですが、しばらくこれでお願いします、後で直すので。 45スレ 46スレ (2007-03-14 10 29 13) 47スレ (2007-04-03 14 05 57) 48スレ (2007-05-04 17 07 49) 49スレ (2007-06-12 01 07 47) 50スレ (2007-08-05 23 42 18) 51スレ (2007-10-18 21 49 55) 52スレ (2007-12-19 08 10 38) 53スレ (2008-01-30 15 18 00) 54スレ (2008-03-10 07 48 36) 55スレ (2008... -
戦闘神話51-5
part.5 星華とすれ違い、エドワードとぶつかりそうになった少女は、 言うまでもないが錬金戦団亜細亜支部所属の戦士・津村斗貴子である。 彼女はこれでも忙しい。 戦闘終結と同時に事後処理に奔走する事になり、 それらがようやく落ち着いた今は、戦闘レポートの作成にかかりっきりだ。 今回の任務は、はっきり言ってしまえば大失態の連続だった。 着任早々に一般人に被害、回収した核金を使用しての治療が無ければ被害者は死んでいた。 本格的にホムンクルスとの戦闘に入ってみれば、その被害者の協力が無ければ失敗し、 挙句の果てには自分自身がホムンクルスになっていたという事実、 幸いにして、被害者にして協力者である武藤カズキの奮闘もあり、 辛うじて一連のホムンクルス事件の主犯格を打倒する事ができたが、 彼女自身が培ってきた矜持を痛く傷つける結果であったことは事... -
永遠の扉007-5
第007話 「みんなでお食事」 (5) 「──という訳で、二学期からの転入となる一年、ヴィクトリア=パワードだ」 防人の紹介が終わると食堂全体から歓声が上がった。 さもあらん。紹介されたのは金髪で透き通るような白い肌を持つ、外国人の少女だ。 緊張しているようだが、声はなめらかで日本語も流暢で、とかく聞くものの耳に心地よい。 生徒達は思い思いに誕生日から星座からなんでもかんでも聞きまくり、果てはスリーサイズ を知りたがる不逞の輩や罵倒を期待するマゾ気質のブタ野郎(いやに声が低い。マジに)ま でもが出現し、食堂はお祭り状態になった。 少女はそれらに、間延びしたどこかとろくさい声で答えたり、時にはクスクス笑ったり ひどく慌てたりと、表情豊かに反応を返すから、生徒達の印象はますます良くなる。 さて、紹介を終えた防人は斗貴子を連れて部屋の片隅にこっそり移動した。 斗... - @wiki全体から「DBIF50-5」で調べる