薔薇水晶8 - (2006/01/16 (月) 17:11:28) の編集履歴(バックアップ)
~高く高く~
薔薇「ここを・・・・こうして・・・」
彼女は糸や割り箸、紙など色々な物と苦戦していた
薔薇「駄目だった・・・・やっぱり出来そうにない・・・」
一通り形はそれらしくなってはいるが実用的に見ると今の出来ではお世辞にも大丈夫とは言えない代物が出来上がっている
薔薇「けど・・・これでやってみよう・・・・・」
薔薇水晶は「それ」をもって外へ飛び出した
彼女は必死に走りながらも「それ」に没頭していたが
薔薇「やっぱり・・・私一人じゃダメみたい・・・・・」
そこには不器用な自分を責めている女の子が一人何も無い平原でそんな結論に辿り着いていた
~それから数時間後~
ピンポーン
J「ん?誰だろう、今から昼食だってのに・・・・」
薔薇「JUN・・・・ちょっと手伝って欲しい・・・」
JUNを頼りに薔薇水晶は泣きべそをかきながらJUNの家の前のドアで立ち尽くしていた
J「いきなりどうしたんだよ」
薔薇水晶は先ほどまで自分で一人で作った「それ」をJUNの前に差し出し
薔薇「これ・・・ちゃんと出来るように手伝って欲しい・・・」
「それ」は最初とは違く、原型を留めては居なかったがJUNには「それ」が何であるかピンと思いついた
J「何だよ、それを作りたいのか・・・?」
薔薇水晶は小さくコクンと頷くとJUNに
薔薇「私じゃ・・・作るの苦手だから・・・JUNにお願いに来た・・」
JUNは困りながらもそんな必死な願いにただ引き受けるのみだった
J「よし、出来たぞ。これで多分大丈夫だろう」
最初に薔薇水晶が作ったものよりは形が出来ていた。
薔薇「うん・・・JUNありがと・・本当にありがと・・」
彼女は少しはにかみ、笑顔を見せながらもペコリと小さなお辞儀をした
J「それより・・・「それ」を上げるの俺も着いて行っていいか?」
薔薇「うん・・・JUNには一緒に来てほしい・・・一緒に作ってくれたから・・」
外はもう夕焼けに景色を赤く染めていた
J「薔薇水晶、転んで怪我なんてするなよ」
コクンと彼女は頷き「それ」を持ってただ走る。それは大きく空に浮き高く上っていった
J「おー、ちゃんと上がったなー」
薔薇水晶はニコニコしながら糸巻きを持って走っている
J「しかし凧上げかぁ・・・僕も小さい時にやってたな・・」
そんな薔薇水晶の嬉しそうな顔を見てJUNは昔を思い出していた
薔薇「JUN・・・ねぇ、高く上がったでしょ・・・・?」
夕焼けに包まれながら薔薇水晶は今までで一番いい笑顔をJUNに向けていた
~END~
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薔薇「・・・・・はいっ。」
薔薇「これ・・・・・好きだよね?」
薔薇「・・・・・・・♪」
薔薇「・・・・・・・一緒に居て。」
薔薇「・・・・・・・大好き。」
薔薇「・・・・・・・君じゃないと、嫌だよ。」
ガチャ
水銀「・・・・・」
薔薇「 」
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「薔薇水晶って髪、さらさらしてて綺麗ねぇ。」
寝起きで若干眠そうな薔薇水晶の髪をとかす水銀燈。
少しぼんやりとした口調で言葉を発した。
「水銀燈も、綺麗。」
「ふふ…ありがとう。」
肩にかかる髪を撫でながら二人で微笑み合う。
とは言え、今にも眠そうな顔をしている薔薇水晶。
起こそうとちょっとした悪戯をした。
「チュッ。」
瞬間、目が覚めたか慌てて少し後ろに下がる。
「な、な、!」
動転しているせいか言葉が続かない。
「どうしたのぉ?」
悪戯を成功した子供のような笑みで顔を真っ赤にしている少女へと歩み寄る。
「冗談よぉ。眠りそうだったから♪」
キスをした時点で冗談もなにもあったもんじゃない。
「…だって…だって。」
「朝からキスをされるとは思わなかった?」
「(コクコク。)」
恥ずかしそうな顔をしながら、そむけ、頷いた。
「別にいいじゃなぁい。さて、時間よ。学校へ行きましょう。」
その提案に薔薇水晶は再度頷いた。
「(コクコク。)行こう。」
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薔薇水晶「…姉さん…あの、今日も…お願い」
水銀燈「…ウフ、わかったわ…甘えんぼさぁん」
薔薇「…だって姉さん…上手なんだもの」
水銀燈「…はいはい…サラサラ…あなたの髪はいつもキレイねぇ」
薔薇「…そんなこと…」
水銀燈「…クラスの男の子がほおっておかないでしょ?」
薔薇「…いや…だって私…///」
水銀燈「…ほらほら動かないの」
薔薇「…フフ」
水銀燈「…何笑ってるの?…フフ、気味の悪い子ねぇ」
薔薇「…姉さん…大好き」
水銀燈「…はいはいわかってるわ」
薔薇「…チュッ」
水銀燈「…フフ、この子ったら」
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薔薇と水のほのぼの学園生活シリーズ
『初めてのお泊り編』
夜、薔薇水晶は初めて水銀燈の家に泊まりに行くことになった。
水「あっ来たのねぇ~早く入りなさぁい」
薔薇「・・・・・・・・・・・うん・・・」
めぐ「その子が銀ちゃんのお友達?初めまして、母親?のめぐです」
薔薇「・・・・・・・・・・・薔薇水晶・・です・・。薔薇しぃと呼ばれてます・・・」
水「そう呼んだ覚えはないけどねぇ~」
めぐ「ふふ、ご飯もう出来てるから一緒に食べましょ」
晩御飯はめぐの作った鍋料理。
めぐ「どう?お気に召しまして?」
薔薇「・・・・・・・・・・・・まいうー・・・・」
水「普通においしいって言いなさいよぉ」
めぐ「ふふ・・(まるで本当の姉妹のようね・・・)」
ご飯も食べ終わり、二人はゆっくりくつろいでいた。
めぐ「あっそろそろお風呂沸いてるから入っちゃいなさ~い」
水「はぁ~い」
薔薇「・・・・・・・・・・・・一緒にお風呂・・・・」
続く・・・。次回『初めてのお泊り編~お風呂~』
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