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蒼星石×翠星石4 - (2006/02/05 (日) 20:33:12) のソース
<p> 翠「真紅のデロリアンを借りたですぅ。ちょっくらJUMの未来を見てくるです」<br> 蒼「僕も行くよ」<br> ドヒューン<br> 翠「15年後ですから32,3歳のはずです」<br> 蒼「ヒゲとか生やしてたら笑っちゃうね」<br> 翠「あっ、多分あいつです」<br> 蒼「見つからないようにしないとね」<br> 翠「レンタルビデオ屋へはいっていったです」<br> 蒼「ちょっと、エッチなコーナーに行っちゃったよ?」<br> 翠「追うですよ」<br> 蒼「え?ま、まって」<br> 翠「さっさとこいですぅ」<br> 蒼「うわぁ……ってよく見たらあれベジータじゃないか」<br> 翠「ちっ、結構カッコよくなってやがったですね」<br> J「よお、おまえら」<br> 翠・蒼「ひぃぅ!」<br> J「過去から来たんだろ?全部知ってるよ」<br> 翠・蒼「JUM(くん)…あまり変わってないね(ですぅ)」</p> <p> J「つまり、お前らが過去に戻った後、全部僕に話してしまったんだ」<br> 翠「それで私らがここに来ることを知ってたですか」<br> J「ああ、そういうこと」<br> 蒼「単刀直入に聞くけど、JUM君は誰と結婚したんだい?」<br> J「独身だよ」<br> 翠「そそ、それはどういうことですか」<br> J「お前らがいつも騒がしいから、モンロー主義を貫くことにしたのさ」<br> 翠「マリリンモンロー?」<br> 蒼「孤立主義のことだよ。で、一人身で寂しくないの?」<br> J「いや、もうじき巴と結婚するんだ」<br> 翠・蒼「なんですってー」<br> J「あ、言っとくけど今(未来)のお前らのことは秘密だ。未来が変わってしまうからな」<br> 翠「別にいーです。自分の力で未来は変わるですから」<br> J「そうだな。若いっていいよなあ」<br> 蒼「おっさんみたいだよ」<br> J「おっさんなんだよ」<br> 翠「なんだかえらく疲れたです。もう帰るですよ」<br> 蒼「それじゃ、さよなら未来のJUMくん」<br> J「じゃあな!」<br> ドヒューン</p> <p> 真「ちょっとあなたたち、私のデロリアンを無断で持っていったわね」<br> 蒼「え、借りたって……」<br> 翠「ひ~実は無断だったですぅ。助けて蒼星石~」<br> 真「全くもう、何をしていたか全部話してもらうのだわ」<br> J(デロリアンは僕のだろ……)<br> 蒼「……とまあ、そういうことがあったんだ」<br> J「へえ。孤立主義か。僕もそうさせてもらうかな」<br> 翠「そうはさせねえです。未来はいくらでも変えられるですよ」<br> 真「そうね。前途は希望に満ち溢れているのだわ」<br> エンディング曲 ベラ・リン「また会いましょう」<br></p> <hr> 『空へ消えていく片思い』 <p> 夕暮れの放課後、窓から見えるのはあなた。こんなにも胸が苦しい<br> のは、どういうことだろうか…。双子に生まれて、共に生きてきた。<br> 同じものを食べて、同じ服を着て、同じような時間を過ごしてきた。<br> 蒼「ごめん、そこにあるタオル取ってくれる?」<br> ジュン「おう。毎日、部活なんてして疲れないか?」<br> 蒼「僕は君と違って、運動神経には自信があるからね」<br> ジュン「いつも体育じゃヒーローだもんなぁ。はい、タオル」<br> 蒼「ありがとう。ジュンくんもさ、入りなよ、陸上部」<br> ジュン「遠慮しとくよ。僕は見てるだけで楽しいからさ」</p> <p> 彼は、蒼星石の部活が終わるまで、いつも待っていた。どうしてか<br> なんて、わかりきっている。好きだからだ。私はそんな二人をいつも<br> この教室から、眺めていた。だからって、どうにもならないけど…。<br> 翠「二人とも、幸せそうな笑顔ですぅ…」<br> 水「ねえ、どうしてあんたは告白しようとしないのよぉ?」<br> 翠「私じゃ、ジュンとは釣り合わないですぅ…」<br> 水「じゃあ、逃げるんだぁ…。何もしないままで逃げるんだぁ」<br> 翠「そ、そういうわけじゃ…ないですけど…。でも…」<br> 水「でも…なぁにぃ?」<br> 翠「このままそっと、二人を見守るのが、姉として正しいと思うんです…」<br> 水「あなたが、それで良いならもう、何も言わないわぁ…」</p> <p> 水銀燈はそう言うと、職員室へと去っていった。彼女は先生に呼び出しを<br> 食らっていて、その途中、トイレに行くついでに、翠星石と話していたみたいだ…。</p> <p> 双子だからって、全部が同じわけじゃない。性格なんて、まったく逆だ。<br> そのついでに、好きになる人も違ってたら、どんなに楽だっただろう…。<br> 私は姉だから、妹に譲らなくちゃ。我慢しなくちゃ。そう思えば思うほど<br> 切なくて、胸が締め付けられていった。<br> 蒼「ジュンくんって、本当におかしな人だよ。翠星石もそう思わない?」<br> 翠「…そうですね…。変な奴です…」<br> 蒼「…どうしたの?なんだか、元気じゃないけど」<br> 翠「べ、別にそうでもないですよ?今日はもう、疲れたから寝るです」<br> 蒼「…そう…。おやすみ、翠星石」<br> 寝室に入った瞬間に、ベッドに倒れこんだ。枕で顔を隠して<br> 声が漏れないように、泣いた。<br> 翠「わ、私は姉だから、妹の幸せを願うのが正しいです…。ひぐっ…」</p> <p> 風呂から上がり、翠星石が寝ている寝室にこっそり入る。床に、彼女の<br> ノートを見つける。数学のノートだった。<br> 蒼「明日は数学あるから、カバンに入れといてあげよう」<br> カバンに入れようと思った時に、とあるページが開いた。最後のページだ。<br> そこには、「ジュン」の名前が、何百と書かれていた…。<br> 蒼「もしかして、翠星石はジュンくんのことが…」<br> どうして気付いて上げられなかったのだろうか…。<br> 私はバカだ。翠星石の気持ちも知らないで、ジュンくんの話ばかりして。<br> ごめん…。そっと翠星石の顔を見つめる…。僕が我慢しなきゃ…。</p> <p> 次の日の学校で、私は見てしまう。見たくなかったそれを、見てしまう。<br> ジュンが、蒼星石を屋上に誘っていた。屋上は、告白スポットとして有名だ。<br> ならば、考えられる行動は、一つしかない。<br> 翠「…ジュンは芸のない奴です…。わざわざ有名な屋上で告白なんて…」<br> どうしてだろう。涙が溢れそうで、苦しい。見られたくない。<br> 誰にも泣き顔なんて、見られたくない。そう思った時、水銀燈が<br> とても変な顔をしながら、私の顔を見つめた。思わず笑ってしまう。<br> 翠「あははは、な、なんですかいきなり!あははは」<br> 水「うふふ。あんたに泣き顔は似合わないわぁ~。笑いなさい」<br> 翠「水銀燈…。ありがとうです…」</p> <p> 一方、屋上では、呼び出された蒼星石と、呼び出したジュンがいた。<br> ジュンは、蒼星石を見つめながら、告白した。<br> ジュン「僕は、蒼星石が好きだ。付き合って欲しい…」<br> 答えは、YESではなく、NOだった。<br> 蒼「……ごめんね。僕、部活に専念したいから…。本当にごめん」<br> ジュン「そ、そうか。悪いな、変なこと言っちゃって」<br> 蒼「い、良いんだよ。ありがとう…。僕は、君が嫌いなわけじゃないから」<br> ジュン「ああ。これからも、友達として接してくれよ」<br> 蒼「も、もちろんだよ。……じゃあ、また教室で…」<br> ジュン「おう。わかった」</p> <p> これで、良かったんだ。翠星石が幸せになるなら、僕はこれで良いんだ。</p> <p> 放課後、珍しく蒼星石は部活を休んだ。急に私と帰りたいと言い出した。<br> 私は、何故ジュンと帰らないのか?と疑問に思っていた。<br> 翠「…あの、ジュンとはどうなったんですか?」<br> 蒼「どうって、なんのことだい?」<br> 翠「そ、そんなの決まってるです!告白されたくせに…」<br> 蒼「…そのことなんだけど、僕はきっぱりと断ったよ」<br> 翠「な、なんでですか!?好きだったんじゃないんですか?」<br> 蒼「…僕にとって、ジュンくんは友達だよ。それ以上には思ってないよ」<br> 心の中で、驚きと安心感が同時に生まれた。なんだ、そうだったんだ。<br> てっきり、私は蒼星石はジュンのこと好きだと…。</p> <p> 蒼「翠星石、君はジュンくんのこと好きなんでしょ?」<br> 翠「…べ、別にあんな奴なんとも思ってない…です」<br> 蒼「素直になりなよ、本当は好きなんでしょ?」<br> 翠「…好き…です」<br> 蒼「じゃあ、今度ジュンくんを、デートにでも誘いなよ」<br> 翠「…そ、そうして見るです。でも、あいつ誘いに乗りますかねぇ?」<br> 蒼「大丈夫だよ。僕は、応援してるよ。いつだって君のこと…」<br> 翠「ありがとうです…。勇気が沸いてきたです」</p> <p> 一人の少女の片思いが、空へと消えていく。一人の少年の片思いが、空へと<br> 消えていく。君の片思いは、その相手の胸まで飛んでいって欲しいよ…。<br> …完。</p> <hr> J「暇だから怖い話でもするか」<br> 翠「だったら蒼星石も呼ぶです」<br> J「なんだ、一人じゃ怖いのか?」<br> 翠「そんなことはねーですよ」 <p>蒼「とっても怖い話が聞けるんだって?」<br> J「む、よし、とっておきの話を」</p> <p> 僕が田舎に帰ったときのことだ。田んぼ道を散歩していたら、<br> 向こうに白い影が見えたんだ。</p> <p>蒼「影なら黒いんじゃないの?」<br> J「それが不思議なことに、「あれは影だな」って思ったんだよ」<br> 蒼「陽炎かなんかかな」<br> 翠「……」</p> <p> 気になって近づいていこうとしたんだ。そしたらジジイが「かずき~行ってはならぬ~」<br> 翠「ひゃあああ!!」<br> J「え?そこは怖がるところじゃない」<br> 翠「だって、お前の名前はJUMですぅ」<br> J「ただの人違いだったんだよ」<br> 蒼「……それでどうなったのさ」<br> J「ああ。爺さんが言うには、あれを見たら大変なことになるって」</p> <p> だけど僕は近づいていった。なぜか気になって仕方なかったんだ。<br> ある程度の距離まで来ると、影がゆらゆら揺れているのが分かった。<br> もう少し行くと、人間だということが認識できた。</p> <p>蒼「それでどうなったのさ」<br> 翠「……」</p> <p> その人間は、踊っているように見えた。だけど踊り方がおかしかった。<br> おかしな腕の曲がり方をしていた。いや、腕だけじゃない。全身が揺れていた。<br> そもそも人間なのに、影だったんだ。全身が白い影。真っ白だった。</p> <p>蒼「ゴク……」<br> 翠「……」</p> <p> 僕の近くを猫が通りかかった。その猫は影のほうへ向かっていった。<br> すると突然、狂ったように踊りだしたんだ。実際、狂っていたかもしれない。<br> 僕はやっと分かった。あれを見たらいけない。あれをみたら、僕はあれになってしまう。おわり。</p> <p>翠「なんだ、大して怖くなかったですぅ」<br> 蒼「JUM君、それは見なくてよかったね。もし見ていたら…」<br> 翠「なな、何を言いだすですか」<br> 蒼「もし見ていたら……僕みたいになってたよお」<br> 翠「ひいいぃなんですかその踊りは!!」<br> 蒼「なにって、ゴーゴーだよ」</p> <hr> 体育で足を挫いてしまった翠星石。仕方がないので蒼星石が翠星石をおぶって帰る道中。<br> 翠「恥ずかしいですぅ・・・。」<br> 蒼「仕方がないだろう、君は今自分で歩けないんだから・・・っていうか翠星石少し太った・・・?<br> 前より重くなってるよ。」<br> 翠「うるせぇ~ですぅ~!」<br> 蒼星石の首を絞める。<br> 蒼「ぐっ・・・く、苦しい・・・わ、悪かったよ、謝るから放して・・・。」<br> 首から手を放す。<br> 翠「まったく、蒼星石は口が悪いのです。」<br> 蒼「君には劣るけどね・・・。」<br> 翠「む、減らない口ですねぇ。そんな奴にはこうしてやるです!」<br> ぎゅっ。後ろから蒼星石を強く抱きしめる。<br> 蒼「ちょ・・・ちょっと、翠星石!?」<br> 翠「・・・・・・いつも有難うです、蒼星石・・・・・・大好きですよ・・・(////)」<br> 蒼「・・・有難う・・・僕も君のことが大好きだよ・・・(////)」<br> こうして二人は仲良く帰っていきました。