授業終了後、JUMは蒼星石を未使用の教室に呼んでいた。
理由は――別れ話を切り出すためだった。
蝋燭垂らされたり縛られたり鞭打たれたり……そんな関係を望んでいたんじゃない。
というかむしろ最近それはそれで快感に感じ始めているのが恐ろしい。
J(……このまま畜生道に落ちるわけにはいかないんだ)
苦渋の選択だった。だが、このままでは間違いなくヤバい。
最近寝ても覚めても調教されているような気分だった。
このままでは確実に……彼女無しではいられない身体になってしまう。
蒼「ジュン君待ったかい?」
そんなJUMの気分も知らず、嬉しそうな蒼星石が教室へと入ってきた。
J「蒼星石、実は大事な話があるぁふうん!!」
いきなり背後から抱き締められ、耳を甘噛みされて思わず声をあげてしまう。
思いっきり恍惚なピンク色の声。長期の調教の賜物であった。
蒼「うんー?話ってなんの?」(はむはむ)
耳を貪る口は止まらない。いつも通り愉しそうである。
っていうか胸当たってる。控え目ながら自己主張している。
J「ぁぁぁぁぁああん……そ、蒼星石ぃ、ぼ、ボクと別れてほしぃあぁん!!」
舐られるだけでこの反応。自分でも異様だとしか思えない。
だが、本当に過剰なまでの快感が耳から与えられている。
蒼「……僕と、別れるの?嫌いになったの?」(ぴちゃぴちゃ)
寂しそうに耳元で呟く。少し胸が痛む。でも甘噛みはやめてくれない。
J「嫌いになんてならないさぁぁぁぁぁぁふぅ。で、でもこんなの僕はいいいイヤああああ!!」
少しだけ強く噛まれる。痛みと同時に更なる快感が押し寄せる。
こ、これはダメです。キモチ良すぎてどうにかなってしまいそうです。
蒼「……そっか。もう僕のことなんてどうでもいいんだね」(かみかみ)
J「ち、違うんだ。でももっと僕は普通に、付き合いたいんだよ」
蒼「迷惑、だったよね……こんな僕みたいな子につきまとわれて」
ああああああヤバイ、これはヤバイ。逝ってしまいそうです。
J「そ、そんなことはなああああ良い、キモチ良すぎてああああああ」
蒼「はむはむ……今まで、ごめんね。バイバイ、ジュン君」
J「ああああああもっと、もっとあああああああああ!!」
当初の目的を忘れて、僕は快感に喘ぐだけだった。
もう何を言っているのか、何が聞こえているのかもわからない。
理性なんてどこかにトンでいて、このまま与えられる快感を。
蒼「じゃあ、帰るよ」
J「え?ちょ」
急に遠ざかっていく暖かな感触。蒼星石が離れている。
この身体にやり切れないもやもやを残して、彼女は冷たい言葉を吐く。
蒼「僕たちはもう何も関係ない、只のクラスメートだから」
J「あ……ま、待って。蒼星石、蒼星石!!」
蒼「……何?桜田君」
J「ぼ……僕が間違っていた。間違いに気付いたんだ!!」
蕩けていた。もう何がなんだかわからない。
ただ、今脳内を占めているのは快楽のことだけ。
J「お、お願いします。僕が悪かったですから」
蒼「悪かったから、なに?」
愉しそうな笑顔。まるでこうなることなど最初からわかっていたかのように。
そして、それに抗うことなどできようはずもなかった。
J「つ、続きをお願いします!!見捨てないでください!!」
なんで謝っているのか。ただ、それが離れていってしまうのが怖くて。
それを聞いた彼女は、にっこりと微笑んでくれた。
……ああ、もう逃げられない。Mでも犬でも、どうでもいいやあ。
さようなら、僕の理性。こんにちわ、全てを受け入れた自分。
END
学校
『トントントントントントン』
J「ちっ、ちっ、ちっ・・・」イライライライライライラ
真「ど、どうしたのかしら?今日はいつに無く不機嫌なのだわ」
水「そうよぉ・・どうしちゃったのかしらぁ?もしかしてアノ日?」
一同「いや、ないから」
翠「しゃーねーな。私が聞きに行ってやるです!」
薔「危険・・死ぬ・・」
翠「まかせなさいです!」
翠「・・・・!・・?」
J 「・・・」
翠「ね、猫を電子レンジでなんて・・・(つд`)」
真「しょうがないわね、私が行くわ」
真「・・・・?」
J 「・・・」
真「くんくんの中の人なんて居ないのだわ・・・(つд`)」
水「ココはお姉さんの力の見せ所かしらぁ?」
水「・・?・・・・・?」
J 「・・・」
水「・・・♪」
水「ヤクルト5パック貰ったわぁージュンってホント気がきいてるのねぇ♪」
薔「我々は・・ついに裏取引の現場を目撃した・・・」
金「あら。蒼星石は行かないのかしらー?」
蒼「いかないよ、あんな不機嫌なジュン君は嫌いだね」
金「そ、そうなのですかー(なんか、コッチも不機嫌ですわー」
帰り道
『テクテクテクテクテク』
蒼星石とジュンが並んで歩いているが。会話がない
蒼「(ジュン君どうしちゃったのかな・・昨日は普通だったのに)」
J「(今もやっぱ駄目だろうな・・ああ、早く帰りたい)」
『テクテクテクテク、』
蒼「・・僕、こっちだから。又、明日ね(なんか、嫌な別れ方だな」
J 「ちょ、待ってくれ」ギュ!
とっさにジュンが蒼星石の手を掴んだ
蒼「えっ・・?」
J「ああっ、ごめん(パッ!)その、家に寄ってかないか・・?予定があるなら・・」
蒼「・・・いいよ、お邪魔するね(何で手を離すのかなー)」
J 「ああ、ありがとう(何で離しちゃったかな・・)」
ジュン自室
『ガチャ パタン』
蒼「今日は、本当にどうしたの?」
J 「・・・今。二人っきりだよな?」
蒼「えっ?う、うん。二人っきりだけど・・うわっ!」
『ダキィィィ!!』
蒼「わっ、わっ!行き成り何するのさ?!」
J 「今日俺ずっと不機嫌だっただろ?」
蒼「う、うん。そうだったね」
J「ずっと蒼星石の人肌に飢えててさ・・蒼星石、人前だとイチャイチャしてくれないし・・」
蒼「あーなるほどね(だから手を繋がなかったんだ)」
J「だから。学校の間中ずっと、こうしたかった」ギュー
蒼「はいはい、ジュン君は甘えん坊さんですねー」ナデナデ
J 「・・・うん」
蒼「ははは、可愛いな。あのね、僕は外で手ぐらい繋いでも嫌がらないよ?」
J 「え、ほんと?俺それ本気にしちゃうよ?」
蒼「いいよ、今度から外では手繋ごうねw」
↓
J 「あの、流石に。登校中ってのは・・」
蒼「何行ってるんだい、ジュン君が『どうしても』って言うから僕も恥ずかしながら繋いでるんだよ?」
J 「はい。それはそうなんだけど・・ねえ?」
蒼「あ、前から真紅が来たよ(ジュン君が何て言い訳するか楽しみだな)」
J 「おわっ!やべぇ!!」
そう言いながらも、手を離さないジュンでした。
FIN
蒼「JUM君、今日の放課後うちにこない?」
J「なんで?」
蒼「センター試験の問題が新聞に載ってるから、今のボク達が解けるとこは解いてみようかなって思ってさ」
J「一人でもできるだろー」
蒼「いいじゃないか。お互い競い合ってやれば効率もあがるよ?きっと」
J「きっとだろ。・・・大体、お前二人っきりになったら絶対なんかしてくるだろ。」
蒼「うぅ。ヒドイなー。ボクは真剣に勉強しようと思ったのに・・・」
J「・・・くっ・・・いっつもそんな事言って勉強なんてしないじゃないか!」
蒼「JUM君、ボク達もう3年生になるんだよ?真面目に勉強しとかないと・・・」
J「それは・・・・そうだけど・・・」
蒼「じゃあ決まりだね♪翠星石は今日園芸部で遅くなるから心配しなくていいよ」
J「いや、お前勝手に・・・」
蒼「それじゃ。」
J「ハァ・・・」
蒼「よし!じゃあ始めようか・・!」
J「あれ?ほんとに勉強するんだ・・・」
蒼「当たり前じゃないか。そのために今日うちに来たんでしょ?・・・もしかしてエッチな事考えてたんじゃないんだろうね?」
J「バ、バカか!ほら!早くするぞ!」
蒼「じゃ、まず数学からしよっか」
・・・・・・
蒼「(よし、終わったー・・・・JUM君はどうだろ?)」
J「・・・」
蒼「(あちゃー・・・まだ半分も終わってないじゃないか・・・)」
・・・・
蒼「(さっきからほとんど進んでないけど・・・暇だなぁ・・・)」
・・・・・・
蒼「(・・・・・)」
J「・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・
蒼「・・・・・・ねぇ」
J「・・・なんだよ」
蒼「教えてあげるよ」
J「いいよ、自力でやる」
蒼「(そんな事言われてもなー・・・)・・・・あ、そこはx+yを②に代入するんだよ」
J「あ、そっか・・・って何だよ!自力でやるって!」
蒼「ムッ。意地っぱりだなー。」
J「・・・ったく・・」
蒼「・・・・もう勉強はおしまい!」
ガサガサ
J「ハァ!?」
蒼「たまには息抜きも大事なんだよ!」
J「蒼星石が勉強するって言うから・・!」
蒼「後でね。それ!」
ガバッ
J「うわ!おいやめろ!」
蒼「フフフ♪JUM君の匂いがする♪」
J「そりゃするよ!じゃなくて離れろって!」
蒼「いいからいいから。リラ~ックスリラ~ックス」
J「結局勉強しないのかよ。ちくしょー」
蒼「いやー何故かJUM君とくっついてると落ち着くよ・・・んー・・・眠くなってきちゃった・・」
J「え!?おい!寝るなよ!風邪ひくぞ!」
蒼「大丈夫大丈夫。ちょっと寝る・・・だけ・・・・だか・・・・ら・・・・スー・・・スー・・・」
J「お、おい!・・・・・ったく何でこうなるんだよ・・・」
バタ
J「ハア~ァ・・・」
蒼「・・・・それ!」
ギュッ
J「うううわぁ!起きてたのかよ!」
蒼「JUM君・・・・」
J「うわわわわ!何すんだ!やめろ!」
蒼「もう・・・年頃の男女が二人っきりで部屋で抱き合ってたらする事なんて一つしかないじゃないか・・・」
J「や、やめろ!」
蒼「・・・・JUM君はボクとキスするのは嫌かい?」
J「そ、そんな事は・・・ないけど・・・」
蒼「じゃあいいじゃないか・・・ンッ」
チュッ
J「ムゥッ!」
蒼「・・・ン・・・チュ・・・ハァ・・ン・・チュッ・・」