フウキンのお世辞録 > 第4回

第七回WBRについて(4・閉幕トーク)

 夕方時の事務舎には、ヴィルエッジの姿があった。
 その後、扉の鍵が開く音がして扉が開くとフウキンの姿があった。
 「ただいま~ですぞ!」
 フウキンの威勢のいい声に、
 「どうも、第七回WBR、お疲れ様でした」
 ヴィルエッジが普通に答えた。

 「まさか、決勝で5位とは私も予想してなかったというか」
 「ふふふ、私を本気にさせてしまった結果がこれですからなぁ!」
 「最初の頃、私も観てましたけどどう見ても焦ってる様にしか見えませんでしたがね」
 「うっ…それはそれ、これはこれ。ですぞ」
 「とはいえ最後のシーズンでの活躍は目覚ましいものでしたね。しかも4連覇するというお墨付きで」
 「その件に関してはエリンス殿に感謝せねばなりませんなぁ」
 「あれ…?」
 「どうしましたかな?」
 「この光景…予選でも見た気が…」

 「…で、次回のWBRは誰が出るのです?」
 「そうですなぁ…いつ開催されるかわからないし、とりあえずヴィルエッジ殿が出ればいいんじゃないですかな?」
 「…なんか物凄く適当ですね」

もはや普通の家
 「あ、そうそう。私のWBRでの活躍に応じてオーナーから褒賞が送られてきましたぞ」
 と言うと、大きな薄い封筒をヴィルエッジに渡した。
 「これが…褒賞?」
 ヴィルエッジがそう言って封を開けて中を取り出すとそれは謎の大きな紋章が描かれた大きな紙が入っていた。
 「フウキンさん、これは?」
 「ふふふ、やってからのお楽しみですぞ。まずは外に出まする」
 そう言って、フウキンは扉を開けて事務舎の外に出た。ヴィルエッジも後に続く。
 「ヴィルエッジ殿は危険ですので少し離れた方が良いですぞ」
 フウキンからの命令にヴィルエッジは一体何をと思いつつフウキンと事務舎から少し離れる。
 すると事務舎の扉を閉め、先程の謎の大きな紋章が描かれた大きな紙を扉に両手で押さえつけた。
 「それでは、始めますぞ」
 フウキンが言うと後ろにいるヴィルエッジは首を小さく縦に振った。
 フウキンが押さえつけていた紙の紋章が光り始めた後、フウキンと事務舎は眩しい光に包まれた。
 「っ!?…これは…!?」
 後ろにいるヴィルエッジは眩しい光から顔を守るように両腕を上げて防いだ。
 その眩しい光はしばらく輝き放った後、そして消えていった。

 「ささ、終わりましたぞ」
 フウキンの声を合図に、ヴィルエッジは両腕を下げた。
 「なっ…」
 ヴィルエッジが見たものは幻でも無かった。あの事務舎と呼ばれた小さな小屋は2階建ての大きな一戸建てになり変わっていた。
 「これが…褒賞…?」
 「その通りで。これが私の新たな本拠地ですぞ!」
 フウキンが誇らしげに言うが、ヴィルエッジはただ茫然としていた。
 中に入ってみると居間とリビングにキッチンに書斎、さらにはトイレや浴場までもついており蛇口からは水も出てくる。どこから引いてきたのかはわからないが。
 さらには2階もついており、ベッドが付いた部屋が4つほどあった。
 キッチンにはご丁寧に冷蔵庫が設置されていたり、リビングやそれぞれの部屋には空調まで完備してあった。

 「いかがですかな、ヴィルエッジ殿。快適になったでありましょう!やはり頑張った甲斐がありましたなぁ!」
 フウキンの言葉にヴィルエッジは素直に感想を言った。
 「いや、これは事務舎ではなくもはや普通の家ですよ」

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最終更新:2010年08月31日 20:34
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