戦争準備 ~事の発端~
一月八日、今日の午前中はなんというか平和だった。
3度目の冒険も執政の刻生が敵パイロットと恋におちて帰ってくるというとほほな結果に終わり、
藩王一同がっくりしていたことぐらいでいつもののんびりとした風景そのままだった。
犬も歩けば棒にあたっちゃうくらいの平和さである。摂政の仕事も特になく、
SOUは執務室の窓から外を眺めている。窓の外ではいまだ冒険の話題で盛り上がっている国民達がいた。
3度目の冒険も執政の刻生が敵パイロットと恋におちて帰ってくるというとほほな結果に終わり、
藩王一同がっくりしていたことぐらいでいつもののんびりとした風景そのままだった。
犬も歩けば棒にあたっちゃうくらいの平和さである。摂政の仕事も特になく、
SOUは執務室の窓から外を眺めている。窓の外ではいまだ冒険の話題で盛り上がっている国民達がいた。
(・・・しかしそれにしても刻生さん、幸せそうにしてるなぁ。きっと今夜はどこかの酒場に行って自慢話をしているに違いない。)
・・・
・・
・
えい、国民通信簿に-10わんわんしちゃえ。あっはっは。手が滑っちゃった。
ぼくったらどじだなぁ~、フンフフーン♪
ぼくったらどじだなぁ~、フンフフーン♪
とたんに上機嫌になるSOU。こういうのを人は職権乱用という。悪い例の一つだ。みんなは真似しちゃダメだぞ。
とまあ、ぶっちゃければ、こんなかんじに暇なのであった。藩王のたくまはテスト勉強ということで、
摂政と執政に全権を任せて藩王専用の勉強部屋で幽閉もとい猛勉強しているし、
他のみんなも冒険でそっちのけになっていた仕事を片付けたり冒険記を一生懸命書いている。
誰も彼もが働いており、働かざるもの食うべからずの標語はビギナーズ国民の間に深く根付いていた。
僕も勉強した方がいいかしら?頭の中の藩国会議にかけてみる。
摂政と執政に全権を任せて藩王専用の勉強部屋で幽閉もとい猛勉強しているし、
他のみんなも冒険でそっちのけになっていた仕事を片付けたり冒険記を一生懸命書いている。
誰も彼もが働いており、働かざるもの食うべからずの標語はビギナーズ国民の間に深く根付いていた。
僕も勉強した方がいいかしら?頭の中の藩国会議にかけてみる。
天使SOU「わんわん、それはいい考えだわん」
悪魔SOU「わんわん、やめとけよー。どうせ英語だろーお前さんの一番の不得意科目じゃないかー」
天使SOU「わんわん、だって勉強しなきゃいつまでたっても点数伸びないよ!」
悪魔SOU「わんわん、よく考えろよ。英語を10点上げるのに費やす時間があれば、他の科目でそれぞれ10点ずつ上げられるんだぜ!」
天使SOU「うー。わんわん」
悪魔SOU「へっへっへ。わんわん」
悪魔SOU「わんわん、やめとけよー。どうせ英語だろーお前さんの一番の不得意科目じゃないかー」
天使SOU「わんわん、だって勉強しなきゃいつまでたっても点数伸びないよ!」
悪魔SOU「わんわん、よく考えろよ。英語を10点上げるのに費やす時間があれば、他の科目でそれぞれ10点ずつ上げられるんだぜ!」
天使SOU「うー。わんわん」
悪魔SOU「へっへっへ。わんわん」
いつも悪魔が勝っている気がするのは気のせいだろう。
わうーんと鳴いて問題集を放り捨てる。綺麗な放物線を描いて飛んでいく問題集。
わうーんと鳴いて問題集を放り捨てる。綺麗な放物線を描いて飛んでいく問題集。
伝令係「大変です、摂政!!ぽち王女から全藩国に向けて戦時動員令がっ、うわっぷ!!」
命中(とかいてHITと読む)。噴出すSOU。
SOU「ぶはっ!」
伝令係「何か私に恨みでもあるんですかっ!?」
SOU「うー、わんわん!!」
伝令係「ごまかすな!」
SOU「うー、にゃあにゃあ!!」
伝令係「あんたホントにわんわん帝國の摂政かぁーーーー!!」
伝令係「何か私に恨みでもあるんですかっ!?」
SOU「うー、わんわん!!」
伝令係「ごまかすな!」
SOU「うー、にゃあにゃあ!!」
伝令係「あんたホントにわんわん帝國の摂政かぁーーーー!!」
ぶっ飛ばされるSOU。書類の山に頭から突っ込む。舞い散る重要書類。
- にまじって国民的アイドルのバトルメードの写真が何枚か飛び散った気がしたが気にしないでおこう。
きっかり2秒後、書類の山から頭だけ出して聞き返す。
SOU「で?戦時動員令だって?」
伝令係「はい。それも全藩国に出ています」
SOU「敵は?」
伝令係「何でも『冬の京』に出現した2体の兵器です。根源種族らしいという情報ですが、詳しいことはまだ・・・」
SOU「ぽち姫様はなんと?」
伝令係「資金10億、燃料10万tの供出を求められております」
SOU「おっけー、いっちゃえ!」
伝令係「・・・ほんとにちゃんと考えてますか?」
SOU「うんうん。ほらっ、それいけ敵だ、やっつけろ!」
伝令係「あなたが言うと深刻さの欠片もないんですが・・・(涙)」
SOU「いやー、あんまり褒めないで下さい(照)」
伝令係「褒めてませんっ!!」
伝令係「はい。それも全藩国に出ています」
SOU「敵は?」
伝令係「何でも『冬の京』に出現した2体の兵器です。根源種族らしいという情報ですが、詳しいことはまだ・・・」
SOU「ぽち姫様はなんと?」
伝令係「資金10億、燃料10万tの供出を求められております」
SOU「おっけー、いっちゃえ!」
伝令係「・・・ほんとにちゃんと考えてますか?」
SOU「うんうん。ほらっ、それいけ敵だ、やっつけろ!」
伝令係「あなたが言うと深刻さの欠片もないんですが・・・(涙)」
SOU「いやー、あんまり褒めないで下さい(照)」
伝令係「褒めてませんっ!!」
たたたたっと軽快な音を立てて藩王たくまが走ってくる。
執務室のドアを勢いよく開けて文字通り転がり込むように中に入ってくる。
執務室のドアを勢いよく開けて文字通り転がり込むように中に入ってくる。
たくま「戦時動員令!?どういうこと??」
SOU「ああ、藩王。ちょうどいいところに!資金10億と燃料10万t出すから!!」
たくま「え?あ、それはいいけど・・・」
SOU「よっしゃ、じゃあそういうことで」
SOU「ああ、藩王。ちょうどいいところに!資金10億と燃料10万t出すから!!」
たくま「え?あ、それはいいけど・・・」
SOU「よっしゃ、じゃあそういうことで」
指を鳴らすSOU。藩王たくまの後ろにさささっと現れる犬耳黒服エージェント。
がしっ!とたくまの腕を両脇からがっちり捕まえる。
がしっ!とたくまの腕を両脇からがっちり捕まえる。
たくま「えええっ!??」
SOU「ということで、勉強頑張ってきてくださーい(笑)」
たくま「は、謀ったなーー!ソーーーーウッ!!!」
SOU「ふふふ、己の不覚を呪うがいいっ!(無限にかっこよく)」
SOU「ということで、勉強頑張ってきてくださーい(笑)」
たくま「は、謀ったなーー!ソーーーーウッ!!!」
SOU「ふふふ、己の不覚を呪うがいいっ!(無限にかっこよく)」
ずるずると引きずられて勉強部屋へ連行される藩王たくま。見送るSOUと伝令係。
伝令係「・・・。いいんですか?あんなことしちゃって?」
SOU「大丈夫。不在のときの全権限は摂政と執政に委託されるからっ!」
伝令係「・・・・・・あなたに権力を渡すと大変なことになるということがよくわかりました」
SOU「いやー、あんまり褒めないで下さい(照)」
伝令係「褒めてませんからっ!!」
SOU「大丈夫。不在のときの全権限は摂政と執政に委託されるからっ!」
伝令係「・・・・・・あなたに権力を渡すと大変なことになるということがよくわかりました」
SOU「いやー、あんまり褒めないで下さい(照)」
伝令係「褒めてませんからっ!!」
その日、摂政SOUの暴走によりビギナーズ王国内に無数のビラがまかれた。
RB飛行部隊による空中からの散布であり、なんだなんだなにごとだ、わんわん?と
多くの国民がこの派手な演出に首をかしげ、ビラを手に取った。
そのビラには「兄弟を助けろ!」「それいけ敵だやっつけろ!」の二つしか書かれていなかったため、
さらに多くの国民が首をかしげたが、なんとなく胸が熱くなって
「そうだ、兄弟を助けろ!」「敵をやっつけよう!」「わんわんわおーん」と戦意高揚には役に立ったようである。
国民に状況が伝わり、本格的な戦争準備が始まるのはもうすこし後のこととなる。
RB飛行部隊による空中からの散布であり、なんだなんだなにごとだ、わんわん?と
多くの国民がこの派手な演出に首をかしげ、ビラを手に取った。
そのビラには「兄弟を助けろ!」「それいけ敵だやっつけろ!」の二つしか書かれていなかったため、
さらに多くの国民が首をかしげたが、なんとなく胸が熱くなって
「そうだ、兄弟を助けろ!」「敵をやっつけよう!」「わんわんわおーん」と戦意高揚には役に立ったようである。
国民に状況が伝わり、本格的な戦争準備が始まるのはもうすこし後のこととなる。