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魚氷に上り 耀よひて - (2012/03/11 (日) 19:14:47) の最新版との変更点
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**魚氷に上り 耀よひて/あさき
嵶やかに泳ぐ
あさひに焦がれ
あまりにも深く
いとましき
その口より曰く 虹を吹いては
「昇るものよ 沈むものよ これが現実だ!」
と還り散る
欲しいままに生貪る
緋色の珊瑚礁
そそり歌をのせて 狭霧
深く遠く鳴り
ああ 誰か光をくれ
さまよう 人
そぞろ泳ぐ
手を取り合い 泡と詠み
明日をつなぐ輪をくぐって
あまひに舞ふ赤い雲に問ふ
「一天の深きよ」
答えはない
泣き響むか 浮き沈むか
もうわかっているのだろう
もう気がついているのだろう
そうだ
もう光はこない
永遠に だ
* &ruby(うおひ){魚氷}に上り &ruby(かが){耀}よひて / あさき
嵶やかに泳ぐ
あさひに焦がれ
あまりにも深く
いとましき
その口より曰く 虹を吹いては
「昇るものよ 沈むものよ これが現実だ!」
と還り散る
欲しいままに生貪る
緋色の珊瑚礁
そそり歌をのせて 狭霧
深く遠く鳴り
ああ 誰か光をくれ
さまよう 人
そぞろ泳ぐ
手を取り合い 泡と詠み
明日をつなぐ輪をくぐって
あまひに舞ふ赤い雲に問ふ
「一天の深きよ」
答えはない
泣き響むか 浮き沈むか
もうわかっているのだろう
もう気がついているのだろう
そうだ
もう光はこない
永遠に だ
----
** Long ver.
&ruby(たお){嫋}やかに泳ぐ
あさひに焦がれ
あまりにも深く
いとましき
ざわめき
あたもろとも
波にさらわれ
笑うものよ
&ruby(いた){悼}むものよ
皆等しく
ひいわりと
&ruby(だんがい){断崖}に沿って
だんぶと落ちて
&ruby(たま){珠}に似た&ruby(しぶき){飛沫}
かこちをり
その口より曰く
虹を吹いては
「昇るものよ 沈むものよ これが現実だ!」
と
&ruby(かえ){還}り散る
なんと つらいことだ
あまりにも つらいことだ
欲しいままに&ruby(せい){生}&ruby(むさぼ){貪}る
&ruby(ひいろ){緋色}の&ruby(さんごしょう){珊瑚礁}
そそり歌をのせて &ruby(さぎり){狭霧}
深く遠く鳴り
ああ 誰か光をくれ
&ruby(さまよ){彷徨}うひと そぞろ泳ぐ
手を取り合い 泡と&ruby(なが){詠}み
明日をつなぐ輪をくぐって
あまひに舞う 赤い雲に問う
一天の深きよ!
&ruby(こた){応}えはない
泣き&ruby(とよ){響}むか 浮き沈むか
もうわかっているのだろう
もう気がついているのだろう
そうだ ここに光は来ない
永遠に だ
光は幻想だ
まやかしだ
なんと 馬鹿馬鹿しいことだ
夢を見てはいけない
夢を見るのは愚か者だ
ひとりで泳いでいけ
たったひとりで泳いでいくのだ
そしてひとりで果てるのがよい
ああ ささくれては
&ruby(ぎょう){行}に&ruby(しの){偲}び
地を削り流れを変える
が
そうだ
その通り
結局のところ
ここに在らず
そこに在らず
&ruby(ゆえ){故}に
道もなく
くるしい
くるしくない
許せない
許してやろう
くるしい
くるしくはない
たすけてほしい
たすけてやろう
ここは寒い
ここは熱い
地獄だ
そうだここは天国だ
孤独だ
くるしい
くるしいな
助けてくれ
助けてやるよ
憎い
憎いかな
愛している
愛してはいない
つかれたか
そうか
ふと見上げると
&ruby(みなも){水面}が割れていた
その割れ目から
真っ白な いや &ruby(こはくいろ){琥珀色}の
泥のようなものが降ってくる
おそろしいことだ
これは 大変に 本当に おそろしいことだ
尻の穴を見せあっている醜い魚たちが
「我こそが我こそが」
とつぶやいている
早口で
早口で!
早口で早口で早口で!
は や く ち で!
&ruby(あえ){喘}ぎながら&ruby(せい){生}&ruby(むさぼ){貪}る
白い珊瑚礁
息ができぬと任せては
深く深く 慰め合い
ああ &ruby(かしま){姦}しく鳴り
跡形もなく
溶けて
波にさらわれ
この素晴らしい世界を隅々まで
あますところなく巡った後
また
堂々巡り
未来&ruby(えいごう){永劫}
同じことの繰り返し
ひとりで泳ぐ
そびらに春を
&ruby(あさひ){旭}を浴びて
泡に消える
そんな夢
なあ
いやになっちゃうよ
毎日毎日いやになっちゃうよ
&ruby(さまよ){彷徨}うひと &ruby(せん){先}に昇る
信じたもの 愛したひと
&ruby(へきらく){碧落}にあるべくとして
昇る ひと
それに続き
また 昇る ひと
千は百になり
百は十になり
十は一になり
一が&ruby(つも){積}り千となる
&ruby(これ){是}まさに 堂々巡り
あぶれ&ruby(いと){厭}ふ 深海と&ruby(まが){紛}う
&ruby(なお){波折}りの深さよ
深くて 暗い 泥の海の おはなし
&ruby(あまい){天井}はない
そして 底もない
故に
光差す道理など無く
ああ
並み居ている
見ろ あの&ruby(ながめ){長雨}を
深海で降り続く&ruby(こはくいろ){琥珀色}の
日影にも似た&ruby(か){彼}の雨を
&ruby(あまね){遍}し日よ
光をくれ 誰か
曰く
「幼いころ 子守唄に 母が歌ってくれた歌があって
かわいらしい 迷い子の歌なのだけれど
今は自分で 自分のために歌ってる」
毎日毎日 &ruby(ごうか){業火}で焼かれていやになっちゃうよ
眺め&ruby(や){遣}る 迷い子
&ruby(うたかた){泡沫}の消えては&ruby(な){生}る
思い出
もう今は思い出
昔の思い出
大切な思い出
──後日談──
&ruby(あしもと){足下}が燃えている
熱くて 痛い 熱くて 息が出来ない
どうしようもない
空が凍っている
寒くて 痛い 寒くて 息が出来ない
どうしようもない
誰もが どうしようも! ない!
と ただ泣いている
ここは地獄だ
ここは天国だ
ここは天国さ
ここは地獄さ
信じたものの 虹の先には何もなく
振り返っても何もない
それでも
今日も明日も明後日も
来週も来月も来年も
十年先も
そして
尽きた その後も
ひとはきっと
泳いで泳いで泳いで泳いで泳いで泳いで
泳いで泳いで泳いで泳いで泳いで泳いで
泳いで泳いで泳いで泳いで泳いで泳いで
泳いで泳いで泳いで泳いで泳いで泳いで
&ruby(たお){嫋}やかに
わらえる
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