サンディとウェンズディが放送を聴いて、大分時間が経っていた。
禁止エリアと死者だけを書き込んで、後はただ黙って移動していた。不安だけがただただ彼等の胸中を満たしていった。

(本当に……優勝できるのかな)

ウェンズディの脳内に、そんな疑問が浮かび上がった。最初こそ「優勝してサンディを蘇らせる」と豪語していたが、開始からたった6時間で8人もの人間が死んでいったのだ。
“自分達だって何時死んでもおかしくない” ――そんな考えが嫌でも浮かんでくる。

「……ウェンズディ?」

ウェンズディの様子に気づいたのか、サンディが立ち止まってウェンズディの顔を覗きこむ。

「どうしたの?」
「……サンディ。ぼく、なんだか不安だよ」
「どうして?」
「だって、まだ6時間しか経ってないのに8人も死んだんだよ? ぼく達だって何時死んでもおかしくないかもしれないよ」

ウェンズディの表情は何処か必死だった。

「ならボク達は生き残ればいい。現に、この6時間誰とも会っていないじゃないか」
「具体的にどうやって? 誰とも会わなかったのは偶然だよ?」
「じゃあ、悲観的になってどうするんだよ」
「シビアって言ってよね」

だんだんと雲行きが怪しくなってきた。サンディとウェンズディの口調が、喧嘩腰になっていく。

「サンディは気が抜けすぎてるんだ! ぼくらより強い奴がいるかもしれないっていうのに!」
「ウェンズディはネガティブすぎるよ。そんなこと考えてたら、まともに動けないと思うけど」

喧嘩に集中した2人は、周囲の様子にはまったく気を配っていなかった。だからこそ、気がつくことが出来なかったのだ。
――迫る、“混沌”に。

「大体、サンディは何時も……」
「……ウェンズディッ!」
「何? 今更謝っても遅――」

2人の少年が、混沌に飲まれた。

   *   *   *

結局どちらも狙わずに森の中に入ったL様は、無防備な2つの獲物を発見した。喧嘩をしているようだ。こちらにとっては都合のいいことこの上ない。
早速狙いを定め、重破斬(ギガスレイブ)風の術を2人目掛けて放った。その直後、片方は気づいたようだったが、少し遅かった。

2つの命を葬った後、L様は口の端を吊り上げて少し笑った。


【サンディ@セルリアン 死亡】
【ウェンズディ@セルリアン 死亡】



【D5 森・夕方】

【名前・出展者】L様@スレイヤーズあとがき
【状態】健康 精神力60/100
【装備】藤原 妹紅のスペルカード一式@東方Project  植木鉢@スレイヤーズあとがき
【所持品】基本支給品一式 不明支給品一個
【思考】
基本、参加者全員皆殺し(後ゼロス
1、あー、少しすっきりした
2、出来ればあの女も変態も雷精霊畜生も皆殺し
※L様本人は不明支給品を確認していると思われます
※藤原 妹紅のスペルカード一式の残りは
時効「月のいはかさの呪い」
藤原「滅罪寺院傷」
不死「徐福時空」
虚人「ウー」
不滅「フェニックスの尾」
蓬莱「凱風快晴 -フジヤマヴォルケイノ-」
「パゼストバイフェニックス」
「蓬莱人形」
「インペリシャブルシューティング」
「フェニックス再誕」
貴人「サンジェルマンの忠告」
蓬莱「瑞江浦嶋子と五色の瑞亀」
です。


   *   *   *

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最終更新:2008年12月16日 16:29