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ある晴れた日のこと、いつも通りに合同練習をしている灯里、藍華、アリス。
何の変哲もない、ただいつもどおりの練習だった。
しかし・・・
「ねぇ~灯里 後輩ちゃん そろそろ舟謳(カンツォーネ)の練習しない?」
藍華が2人に持ちかけた。
「舟謳ですか・・・」
現在ゴンドラを操作しているアリスの手が止まった。
「え~私歌詞知らないよ~」
「後輩ちゃん歌詞知ってる?アテナさんの歌聞いてるから知ってるでしょ?」
「いくら私がアテナ先輩の歌聞いてるからってでっかい覚えられません!」
とまってたゴンドラを再び動かしてアリスが答えた。
「じゃあ今からアテナさんに歌詞教えてもらうってのはどう?」
灯里の提案。
「ん?いいんじゃない」
っと藍華。
「でっかい賛成です」
っとアリス。
「んじゃおれんじプラネットへ!」
灯里が元気良くおれんじプラネットがある方向の逆に指を向けた。
「灯里先輩交代です ってか会社でっかいあっちです」
オールを灯里に渡しながら会社がある方向に指を向けた。
「はひ!」


「でっかいただいまですアテナ先輩」
「!!!」
元気良く戸を開けたせいか、持っていた紅茶を零しそうになった。
「お・・・おかえりなさい」
バランスを持ち直したアテナが額をこすりながら答えた。
「アテナさんお邪魔します」
「お邪魔します」
灯里と藍華が同時に挨拶。
「わぁ~いらっしゃい灯里ちゃん藍華ちゃん」
ベットに腰を掛けながら2人に挨拶し返した。
「ねぇアテナさん ちょっと聞いてもいい?」
まず、灯里がアテナに質問。
「なぁに?灯里ちゃん」
「実は・・・舟謳教えてほしいんだけど・・・」
「・・・」
沈黙・・・。
「なんか舟謳あったほうが本番みたいな雰囲気で練習できるかな?っと思ったからなんですけどね」
藍華がフォロー。
「・・・・・・」
またまた沈黙・・・。
しばらくして
「教え方がわかんない」
アテナが口を開いた。
「へ?」
「はひ?」
「どういうことです?」
「正しく言うと教えられないの」
アテナは持っていたコップを机の上において3人に正面を向けた。
「何でですか?」
灯里のまっすぐな瞳に見つめられたアテナは
「そ・・・それは・・・」
思わず目をそむけてしまった。
じ~・・・
藍華とアリスもまっすぐな瞳でアテナを見つめている。
「・・・・・・じゃあちょっと待ってて」
3人の気迫に負けたのかアテナは部屋を出て行った。
「やった!アテナさん教えてくれるって」
「2人とも良くやった!一時期はどうなるかと思ったよ」
「でっかい成功です」
しかし、灯里は急に疑問が出てきた。
「どうしてアテナさん最初教えてくれなかったんだろ?」
「何か秘密がありそうだね」
藍華が便乗。
「そこはあんまり散策しないほうがいいのではないでしょうか?」
アリスが2人を止めに入った。
すると・・・
「ただいま」
アテナが帰ってきた。
「お帰りなさいアテナさん」
待ってましたといわんばかりの灯里。
「教えてもいいけどあんまり参考にはならないよ?」
またベットに腰を掛けたアテナ。
興味津々の3人にアテナは重たい口調で
「舟謳には歌詞はないの」
アテナの予想だにしない回答に3人とも
「・・・・・・」
ただただ口を丸くしただけだった。
「どういう意味です?」
目をキョトンとさせたまま灯里が言った。


「ただいまぁ~アリシアさん」
少し力なく帰ってきた灯里。
「あらあらお帰りなさい灯里ちゃん」
ちょうど晩御飯を作っていたアリシアさんがキッチンから顔をのぞかせる。
「ぷいにゅ~!!」ぽふんぽふんと走ってきたアリア社長を抱きかかえていると
「灯里ちゃんそろそろ晩御飯できるわよ~」
「は~い」
アリア社長を抱いたままテーブルへ・・・

「ねぇ灯里ちゃん」
「何ですか?」
急な質問に少々不意を突かれた灯里に
「舟謳教えてあげましょうか?」
「え・・・アリシアさんなんで?もしかして読心術ですか!?」
「ううん 今日アテナちゃんから電話があってね」
アリシアが一拍おいた。
「・・・もしかしてアテナさんが部屋を出て行った理由って・・・」
少々考え込むように目を瞑る灯里。
「うふふ アテナちゃんのとこに行って聞いてみたのね」
すべての事情を把握しているアリシアに
「じゃあアリシアさん!私に舟謳教えてください!」
力強く言ったのでアリシアとアリア社長はびっくりした。
「うふふ そこまで知りたいのね」
すると急に立ち上がって電話のほうへ・・・そして、
「浪漫飛行社でしょうか? はい 速達をお願いします はい 場所は城々崎村の・・・」
「城々崎村・・・」
少し考えた灯里はひらめいた。
「グランマ!」


今日も3人で合同練習。しかし、一人だけエライテンションが高い。
「ポンポンスットンスットント~ン♪」
「今日は灯里先輩でっかい気分いいです」
「何かいいことでもあったんじゃない?」
うきうきモード全開でゴンドラをこいでいる灯里に
「昨日何かいいことでもあったんですか?」
「えへへ~今日グランマが来るの」
「なぬ~!グランマですと!」
「でっかいどうしてです?」
灯里が一拍おいて
「何ででしょう」
「焦らすの禁止!」
お決まりのセリフ。
「はい でっかい禁止です」
アリスが真根っこ。
「じゃあ答え」
いっせいに静かになった。聞こえるのは水がゆれて出来る波の音と、木の葉が風でこすれあう音しかなく、さっきまで灯里がこいでいたゴンドラのきしむ音は聞こえない。
「・・・・・・」
ごくりと藍華とアリス。
沈黙・・・
「灯里~あ~か~り~さ~ん」
「灯里先輩聞こえてます?」
「はひっ!」
2人につつかれてわれに返った灯里は、
「どうしたの2人とも」
「ぬぅわにがどうしたの よ」
「なんでグランマが来るんです?」
「あぁそっかえぇっとね~」
やっと灯里が本題に入った。

「え~!」「それはでっかい本当ですか?」
2人とも同じ反応。
「うん 昨日アリシアさんがグランマに手紙を書いてくれたの」
再びゴンドラを漕ぎ出しながら灯里は2人に微笑みかけた。
「流石アリシアさん!」
「でっかい楽しみです」
「じゃあ今日は早めに練習終わろっか」
「よし!じゃあARIAカンパニーまで私がこぐ!」
藍華が立ち上がった。
「いや 藍華先輩は座っててください ここは両手袋の私が練習のために・・・」
アリスも立ち上がった。
「じゃあじゃんけんで」
灯里も参戦。
「よ~し!じゃあじゃんけん!」
「望むところです!」
藍華もアリスもやる気満々
「最初はグーじゃんけんポン!」
3人の声がシンクロし、そして、沈黙・・・
「なっ!」
「・・・・・・」
「わ~ひ」
勝者は灯里。
「じゃあ買った私がこぎま~す」
右手を高らかに上げてからゆっくり漕ぎ出した。ゆっくりと。
「私がこぎたかった~!」
「でっかい大人気ないです藍華先輩」
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