夜にとけ込みそうで、少し目立つ真っ赤なスーツ。
相反するように夜に輝く真っ白な銀髪。
透けているはずなのに、奥の目を見ることが出来ないように感じるメガネ。
彼の身を縛り付け、そして動かすのに欠かせない車椅子。
ある一人の少年の運命を変えたとも言える、伝説の大破壊を生き延びた男は、ゆっくりと夜空を見上げる。
「……大胆な策に、出たな」
誰もいない空に向かい、男は呟く。
この殺し合いを開いた男、ルイ・サイファー。
何を企んでいるのかを察するのは、そこまで難しいことではない。
しかし、予想が当たっているとすれば。
ルイはなぜこんな七面倒なことをしているのか、それが分からなかった。
そう、こんな殺し合いを開く力があるのならば。
彼の望みなど、一瞬で叶えられるであろうに。
「何かがある、と見た方が良さそうだね」
ただの余興ではない、真の目的が何かある。
ルイという男は、愚かではない。
こんな酔狂なマネをするほどの、何かが必ずある。
それを、彼は知っているからだ。
「……しかし、まあ、分かったところで」
そこまで言ったところで、言葉に詰まる。
男には戦う力など、微塵もない。
椅子から動かなくても魔法が放てるという訳でもない。
腕を振るうだけで空間を断裂できる訳でもない。
見てくれ通り、ただの車いすの男。
戦うことはおろか、自由に動くことさえままならない。
それは、揺るぎようのない事実。
「"彼"を見届けた先の世界も気になってはいたけれど、ね」
ある意味、彼が運命を託したと言っても過言ではない一人の少年。
彼は何に頼るでもない純粋な破壊の道を、選んだ。
神も、魔王も、全てを破壊した。
存在を超越した存在、と言ってもいいだろう。
彼がこの場にいるかどうかは分からないが、いるならいるで、また何かしら選択をするのだろう。
「……今度は、"人々"を見ることにしようか」
だから、今度はフォーカスを絞らない。
この殺し合いという一見意味のないように見える儀式の犠牲者たちが、どう選択していくのか。
「殺し合いという理不尽な暴力の中で、彼らはどう動くのか」
かつて、一人の少年が己の道を自分で選んだように。
この場にいるたくさんの存在もまた、道を選ぶのだろう。
一つの道ではなく、複数の道の行く先、今度はそれを見届けることにした。
「……それまで、これでもいじって待っていることにしよう」
そうして、取り出したのは一台のハンドベルトコンピュータ。
かつて彼が一人の少年に託し、そしてその少年が世界を破壊するのに使った"神器"とも呼べる装置。
これが手元に回ってくると言うのは、何の因果か。
フッ、と笑いながら、カチャカチャと器用にコンピュータをいじっていく。
今度は、誰がこれを使って"選択"するのか。
それは、誰も分からない。
【中央区/一日目・深夜】
【車椅子の男@真・女神転生】
[状態]:健康
[装備]:車椅子@真・女神転生、ハンドベルトコンピュータ@真・女神転生、工具一式
[道具]:基本支給品*1、不明支給品0~1
[思考・状況]
基本行動方針:傍観
[備考]
※銀子同様、車椅子は支給品外のアイテムのようです。
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最終更新:2013年06月13日 23:50