ダインスレイヴ
彼が普段使いの武器として振るう、刀身が半ばで溶け落ちた直剣であるが、
ひとたび権能が解き放たれれば比類なき究極の魔剣へと姿を変える。
『始原の魔剣』、『星の因果の外の剣』とも。
その正体は、かつてブレモンの日本代表プレイヤー『
ハイバラ』が、
最高難易度コンテンツの最速攻略報酬として
運営から贈呈されたユニークアイテム。
武器として特筆すべき効果はない、単なるトロフィーに過ぎない代物であるが、
装備した状態で
スキルを使うと全5色の派手なエフェクトでサーバーに無駄な負荷をかけるという、
ある意味神殺しの剣と言えるものかもしれない。
運営は国内最強であるハイバラらのチームを内輪に巻き込み、
誰にも負けることのないプレイヤーというある種の『攻略不可能なコンテンツ』、
修辞的に言うなれば『魔王』としてサーバー内に君臨させようとしていたようだが、
ハイバラを含むクランのコアメンバーが異世界召喚によって行方不明となった為に
目論見は頓挫に終わっている。
ハイバラが召喚された
光輝く国ムスペルヘイムでの冒険の果てに命を落とし、
アンデッドモンスター"燃え残り"と化して『エンバース』を名乗るようになってからも、
ダインスレイヴは彼の愛剣として傍らに在り続けている。
解放された魔剣としての能力は『大気に満ちる魔力を刃に変える』こと。
なお実際のブレモンに「大気に魔力が満ちている」などというフィールド効果は実装されておらず、ただのフレーバー要素に過ぎなかった。
エンバースは灰化させた自分の肉体を触媒とした気流操作によって
火災旋風を引き起こし、
自分自身を際限なく拡大する炎の嵐へと変貌させることで『大気に魔力が満ちた』状態を作り出し、
魔剣の発動条件を強引に満たした。
炎の嵐を一振りの刃に収斂した魔剣の威力は凄まじく、
桁違いの防御力を持つ
超レイド級の
アジ・ダハーカでさえ強固な鱗を薄紙のように貫かれ、
熱波が臓腑を灼く重傷を負わせるに至った。
ただし代償は決して軽くない。
己の全存在を燃やし尽くしてダインスレイヴの火力に変換してしまった為に自己を保てなくなり、
アコライト外郭防衛戦の顛末として『エンバース』は事実上死亡している。
その後、ハイバラ/エンバースの亡骸には『彼と同じように振る舞う別の存在』が宿り、
エンバースを演じながら彼の意思を代行する『遺灰の男』として旅を続けている。
また、権能解放後は注ぎ込む魔力の量によって威力を調節できるようになり、
上述のような存在を燃やし尽くすほどのコストを投じた「必殺の一撃」の他にも、
刃渡りや形状を自在に変更できる低コスト・低威力なデチューン版の魔力刃を展開する触媒としても機能している。
エンバース自身の剣技をフルに活かせるこちらがむしろメインウエポンと言えるかもしれない。
ダインスレイヴはシステム上は装備品であるが、これを所有しているのはエンバースただ一人であり、
また魔剣としての性能を発揮することも彼にしか出来ない。
そのため厳密にはアイテムであるものの、『魔剣ダインスレイヴ』という名の技とも言える。
この世界で彼にのみ技を成立させられる、
ユニークスキルである。
最終更新:2024年10月04日 18:48