クルードソード
アルフヘイムで最も安価に流通している粗雑なつくりの剣。
本来廃棄されるような低品質の鋼材と木材で形づくられており、
十分に手入れを施すことで辛うじて剣として使える程度の切れ味。
価格相応の低性能な武器であるが、性能相応の低価格であるとも言え、
懐の寂しい駆け出しの冒険者でも最低限度の武器を握ることができる。
見習い鍛冶師が廃材を利用して技術を磨くための習作であり、
見習いの戦士が戦場を生き抜き武術を磨くための最初の一振りでもある。
百の敵を屠った英雄も、神の手と称えられる名工も、
その輝かしい足跡の一歩目には、このみずぼらしい一本の剣がある。
―――フレーバーテキストより。
全長70㎝程度の片刃の直剣。長剣と言うには短いが、短剣と言うには長い。
クルード(粗野な、剝き出しの)という名前の通り、無装飾でいかにも安っぽい見た目をしている。
主たる特長は何と言っても徹底的に無駄を省いた価格の安さであり、
都市部の一般的な労働者でも日雇いの仕事を一日こなせば購入することができる。
武器屋でもカウンターの隅で雑に積まれているような代物である。
クルードソードというのは商品目録に記載する際の正式名称であり、
一般には「見習いの剣」とか「駆け出しの剣」、単に「ボロ剣」などと俗称される。
価格に違わず武器としての性能も最低クラスで、購入したての状態ではソーセージも斬れない。
購入者が自分で手入れを行い、研いで刃を付ける必要がある。
錆止め加工も施されておらず、毎日磨かなければあっという間にさび付いてしまう。
その安さと入手性の良さから、戦いを生業をする多くの者にとっては初めて手にする武器となる。
特に、後ろ盾を持たない冒険者(この場合いわゆるなんでも屋を指す)は、
十分な実績と収入を得るまでこの剣の世話になることが多い。
経済的事情からまともな装備を用意できない武力組織にも重宝される。
例えば寒村の自警団や、食い詰めたならず者集団、レジスタンス、テロリストなど。
特に街のゴロツキなどは、この武器を装備しているケースが多い。
一方で、安く使い捨てられる特長から、高位の剣士にも愛用する者が居る。
各地を転戦する場合や長期間戦場に滞在する場合などは、
予備を複数本用意しておいて折れたり切れ味が鈍れば都度取り換える方が都合が良い。
最低クラスであっても、「最低限剣としては使える」という部分は立派な利点と言えよう。
また、手入れをちゃんとしないと切れ味がすぐに落ちることから、
剣士にとって極めて重要な技能である「剣の手入れ」を習得する最良の練習相手とも言える。
見習いの剣士たちは、皆この剣と寝食を共にして剣を扱うための基本を学んでいくのである。
中途半端に見える剣の長さも、武器と作業用のナイフの機能を兼ね備えていると捉えることもでき、
熟練した冒険者はこれ一本で戦闘も野営に係る作業一通りも全てこなすことが出来る。
軽いのでメインの武器が長柄の場合、サブウェポンとして腰に差しておくと色々捗る。
様々な意味で、剣士という人生に寄り添う武器である。
ゲーム上では、近接系のクラスにおける初期装備として実装されている。
値段・攻撃力ともに堂々の最下位。与えるダメージは素手よりマシという程度。
序盤の雑魚が落とすので店で購入する必要すらない。
特殊効果も一切なく、本当に初期装備としての意味合いしかない。
多少戦闘すれば最初の街で上位の武器を買えるだけの
ルピは溜まるし、
その頃には貧弱な攻撃力に不満を覚えることだろう。
剣という武器種に絞っても、
アルメリア兵士の剣という上位武器が早期に入手できる。
大抵のプレイヤーは早々に売り払って次の武器の頭金に充てることになる。
一方、攻撃力の低さゆえに、モンスターのHP調整用として便利だったりもする。
捕獲(キャプチャー)はいかに相手を殺し切らずにHPを減らすかがキモになるので、
大まかにダメージを与えたあとはこの武器に持ち替えてちまちま削るのが有効。
またやり込み要素として、クルードソード縛りでの攻略なんていうものもある。
素のステータスの低さのためか、強化による性能の上り幅が他の武器よりも大きく、
しっかり強化していけばそれなりに攻略に使える程度のダメージは出せる。
特に魔法型で育成する場合、近接武器にかけるコストは極力省きたいものなので、
初期武器をいつまでも捨てずに強化して使い続けるプランも有力視される。
フレーバーとは相反して、ある意味上級者向けの武器と言えよう。
最終更新:2022年05月26日 21:15