エーデルコーデ
エーデルグーテは船を入手できる中盤以降になって訪れる街であり、
ショップで販売されている装備の性能がワンランク上がるタイミングとなる。
初めて街にたどり着いた多くのプレイヤーにとっては、長旅でため込んだ
ルピを使い、
装備を更新する絶好の機会と言えよう。
しかしながら、性能重視で片っ端から装備を着替えていくと、
コーディネートとしては往々にして統一感のないチグハグなものとなってしまう。
例えば、楚々とした純白のローブに、禍々しいトゲの生えた手袋。
巌のようなフルプレートアーマーに、冗談みたいなケモ耳の生えた帽子。
特にエーデルグーテは聖教のお膝元であり、売られているものは軒並み宗教色が強い。
シリーズ一式で装備することを前提に創られた、端的に言えばクセの強いデザインのものばかりである。
一式装備を揃えられればファッション性を犠牲にせずとも済むが、
防具に求める性能はキャラクターによって千差万別であり、一式全てが要求に合致するケースは多くはない。
加えて単純に資金不足でパーティ全員の全装備を更新することが難しい場合もあり、
得てして鎧だけ更新、グローブだけ更新といった部分的な更新に留まることも多い。
結果として、出来の悪いキメラのような存在が街を闊歩することとなった。
また、エーデルグーテで購入できる装備は、キャラによっては終盤まで一線で使えるほど性能が良い。
そのためこの街に滞在するプレイヤーはだいたい似通ったようなコーディネートになり、
しかも終盤まで着替えられずに個性の埋没した姿でコンテンツに挑む羽目になった。
ここまでくるとある意味呪いの装備である。
聖なる都で呪いに掛かるそのアンビバレンスな実情は、多くのプレイヤーの乾いた笑いを誘った。
余談だが、こうした性能やコスパの良さゆえに他のプレイヤーとファッションが被りまくる現象は、
古今東西様々なゲームにおいて散見される。
俗に「ユニクロ装備」と呼ばれるこれらの装備群は、蔑称であると同時に、
比類なき使い勝手の良さという最上級の評価の証明である。
最終更新:2022年10月18日 19:55