地主。
それは、大人気ゲーム『
ブレイブ&モンスターズ』において、極めて限られたプレイヤーだけが手にできる称号。
正真正銘の、選ばれし者の中でさらに選ばれし者だけが到達できる領域。
マイルーム機能の
ハイエンドコンテンツ、すなわち土地と邸宅を所有するプレイヤーのことを指す言葉だ。
ソシャゲには珍しくもない、
箱庭やマイルームといった機能。
プレイヤーごとに与えられた部屋に、自由に家具を配置して
フレンドとか呼んだりできるコミュ要素だ。
しかしブレモンのそれが他のゲームと異なるのは、フィールドに存在する街に土地を買って、家を建てられる点にある。
まさに今俺の目の前にある、
リバティウムに建てられた
なゆたハウスがその例の一つだ。
とはいえ、誰もが自由に家を建てられるわけじゃない。
土地と邸宅の所有が、バトルとは別の意味で
ハイエンドコンテンツとされるのには理由がある。
――理由その1。土地がない。
アクティブユーザー100万人の全員が家を建てられるような土地は、
アルフヘイムには存在しない。
基本的に固定オブジェクトしかない通常フィールドと違って、箱庭エリアはプレイヤーが自由にオブジェクトを配置できる。
実際のところこれはサーバーにもの凄く負担のかかる行為だ。庭具や家を毎回読み込み直さなきゃならないからな。
だから箱庭エリアは専用の
インスタンス鯖に格納されてるわけだが、もちろん鯖の容量だって無限じゃない。
したがって、箱庭機能をフルに使える『土地』ってのはごく限られた数しか存在しないのである。
箱庭コンテンツは運営の用意したルピ回収機構のひとつだ。
客層も金を持ってるエンド勢に合わせてるから、土地も住宅も購入と維持に馬鹿みたいな金がかかる。
当然立地によっても地代は変わるから、
リバティウムなら三等地でも億は余裕でぶっちぎる値段が付くだろう。
――理由その3。ライバルが多い。
箱庭は全てのプレイヤーの憧れ、いつかは手にしたいマイホームだ。
このゲームをやりこんでる奴はみんな家を欲しがるし、ソシャゲはやり込んでる奴が滅茶苦茶多い。
そこへ前述の土地が限られてる要因が噛み合うと、結果として発生するのは熾烈な争奪戦だ。
新しい土地が解放されることをどこからか聞きつけた連中が集い、土地を巡ってバトルが起こる。
土地の契約は早いもの勝ちだから、解放予定の土地に24時間貼り付ける執念と忍耐も要求される。
建築
ガチ勢のなかには、チームで複数の土地に張り付く為だけにギルドを組む奴もいるほどだ。
加えて土地転がしで財を成そうと企む輩や、既存の住宅から住民を追い出そうとする地上げ屋が混じって、
箱庭を巡る争奪戦はそれはもう血みどろの混沌を極めることになる。
リアルを完全に捨てた廃人だけが、土地あるいは土地を売った大金を手に出来るわけだ。
よって、ブレモンにおいて土地と住宅を手にできるプレイヤーは、
『莫大なゲーム内資産』と『土地を買い付けるコネ』の双方を兼ね備えてなくちゃならないのである。
最終更新:2019年04月05日 02:22