「ブレイク西遊記(2)」とは、アカネ(c01726)作のブレイク西遊記 第弐話である。
目次
プロローグ
三蔵ムシュ「…で。牛魔王退治も終わって、西の村に着いたわけですが」
猪八戒セノ「見事に、砂漠、だな」
水虎スピ「日傘をどウゾ」
三蔵「ああ、極楽ですね…ってどなたですか」
金閣イリュ「ころころ~」
銀閣クンネ「ころころ~」
孫悟空テン「かわぃぃぃ」
沙悟浄イシュ「知らない人についていかないでね」
猪八戒セノ「追い、かけ、て、いった、な」
馬「次回は、無事に済まない気がするよ」
孫悟空テン「お楽しみにいぃぃぃ(フェードアウト)」
猪八戒セノ「見事に、砂漠、だな」
水虎スピ「日傘をどウゾ」
三蔵「ああ、極楽ですね…ってどなたですか」
金閣イリュ「ころころ~」
銀閣クンネ「ころころ~」
孫悟空テン「かわぃぃぃ」
沙悟浄イシュ「知らない人についていかないでね」
猪八戒セノ「追い、かけ、て、いった、な」
馬「次回は、無事に済まない気がするよ」
孫悟空テン「お楽しみにいぃぃぃ(フェードアウト)」
水虎スピネット「はイ、これでモウ大丈夫だヨ」
村の子供A「いつもありがとうね、水虎のにぃちゃん!」
村の子供B「にぃちゃんの治療は清水をつけるだけでおしまいなんて、不思議だよね」
水虎スピネット「いヤいや、これガなかナか大変でネ…!」
村の子供A「いつもありがとうね、水虎のにぃちゃん!」
村の子供B「にぃちゃんの治療は清水をつけるだけでおしまいなんて、不思議だよね」
水虎スピネット「いヤいや、これガなかナか大変でネ…!」
八百屋村人「おや、あんた妖怪じゃないか」
沙悟浄イシュ「そ、それがどうかしたの?」
八百屋村人「あっはっは、この村の水虎さんと一緒だなぁってさ!」
沙悟浄イシュ「水虎、砂漠の村には重要だものね」
八百屋村人「アンタ分かってるじゃないの。この村で生活できるのは、水虎様の作り出す水のおかげさぁ」
沙悟浄イシュ「そ、それがどうかしたの?」
八百屋村人「あっはっは、この村の水虎さんと一緒だなぁってさ!」
沙悟浄イシュ「水虎、砂漠の村には重要だものね」
八百屋村人「アンタ分かってるじゃないの。この村で生活できるのは、水虎様の作り出す水のおかげさぁ」
沙悟浄イシュ「ボクも、同じ水の妖怪だから」
八百屋村人「アンタもなのかい? 一つ好きなの野菜を持っていきな!」
沙悟浄イシュ「ありがとうだよ。この大根を貰うね」
八百屋村人「ところで、アンタくらげの妖怪なのかい?」
沙悟浄イシュ「河童です」
八百屋村人「アンタもなのかい? 一つ好きなの野菜を持っていきな!」
沙悟浄イシュ「ありがとうだよ。この大根を貰うね」
八百屋村人「ところで、アンタくらげの妖怪なのかい?」
沙悟浄イシュ「河童です」
銀角クンネ「……えい…」
村人「おお、空中から果物が!」
金角イリュ「~~♪」
村人「おお、空中から野菜と肉が!」
村長「ありがたやありがたや、この村は二人のお陰で栄えております!」
銀角クンネ「……当然のことを…したまで…(こくこく)」
金角イリュ「なのです~♪」
村人「おお、空中から果物が!」
金角イリュ「~~♪」
村人「おお、空中から野菜と肉が!」
村長「ありがたやありがたや、この村は二人のお陰で栄えております!」
銀角クンネ「……当然のことを…したまで…(こくこく)」
金角イリュ「なのです~♪」
猪八戒セノ「銀の、館、占い、か」
銀角クンネ「……災難の相が…出てる……占う…」
孫悟空テン「なになに、占い! やるやる!!」
三蔵ムシュ「ああ、貴女は直ぐ人についていく…」
銀角クンネ「……結果……でた…」
沙悟浄イシュ「結構早いね」
銀角クンネ「……災難の相が…出てる……占う…」
孫悟空テン「なになに、占い! やるやる!!」
三蔵ムシュ「ああ、貴女は直ぐ人についていく…」
銀角クンネ「……結果……でた…」
沙悟浄イシュ「結構早いね」
砂塵激闘編
銀角は、静かに瞳を開く。如何様な未来を見たのか、灰を散らしたような瞳が微かに揺れている。
「水虎の作り出す水を狙って、砂漠中の妖怪が襲ってくる。時刻は夜」
村人たちに、大きな動揺が走る。
この砂漠で水といえば=利権であり生命線である。それを奪い取ると言うことは、その地に暮らす人々を殺すに等しい。
「水虎の作り出す水を狙って、砂漠中の妖怪が襲ってくる。時刻は夜」
村人たちに、大きな動揺が走る。
この砂漠で水といえば=利権であり生命線である。それを奪い取ると言うことは、その地に暮らす人々を殺すに等しい。
コツ、と水虎に小石が飛んできて当たる。
「お…お前のせいだ!」
一人の村人が声を上げると、それは波紋のように全体に広がった。
「そ、そうだ! お前が村に来なければ!」
「お前は災いを運んできたんだ!」
恐れに突き動かされて、口々に叫ぶ村人たち。
「やめて! 水虎さんは…」
そんな声もかき消されていく。
「ここは、一旦下がりましょう」
何処からともなく現れた黒髪の青年が、呆然とした水虎を引いて逃げ出す。
「お前らも妖怪だ、妖怪を呼んだんじゃねぇのか!」
三蔵一行にもその罵声は浴びせられる。
空気を察した一行は、ばらばらに走り出した。
そこに石が転がっていないのが幸いした。もしあったなら、恐慌した村人が投げつけてきただろう。そんな雰囲気だった。
「お…お前のせいだ!」
一人の村人が声を上げると、それは波紋のように全体に広がった。
「そ、そうだ! お前が村に来なければ!」
「お前は災いを運んできたんだ!」
恐れに突き動かされて、口々に叫ぶ村人たち。
「やめて! 水虎さんは…」
そんな声もかき消されていく。
「ここは、一旦下がりましょう」
何処からともなく現れた黒髪の青年が、呆然とした水虎を引いて逃げ出す。
「お前らも妖怪だ、妖怪を呼んだんじゃねぇのか!」
三蔵一行にもその罵声は浴びせられる。
空気を察した一行は、ばらばらに走り出した。
そこに石が転がっていないのが幸いした。もしあったなら、恐慌した村人が投げつけてきただろう。そんな雰囲気だった。
孫悟空は崩れかけた壁に背を置き、村の外れに座り込んでいた。村人から遠ざかって。
「わたしはどうすればいいんだろ、分からないよ…」
そんな時、子供の声が聞こえる。壁の向こうからだろうか。
「父ちゃんが、水虎は災いをはこんできたって言ってたよー」
「えー、水虎のおにぃちゃんはいいひとだよー」
「そうだよ、あたしがケガしたとき直してくれたもん」
「だね、水虎はいい人だね!」
子供たちは、瞳に無垢な光を浮かべて口々に言う。
孫悟空の心に、高揚した感情が湧き上がってくる。
この村の希望は途絶えてはいない。今ならまだ間に合うと。
「わたし、行って来る…!」
「あ、孫悟空のおねぇちゃん!」
気がつくと、走り出していた。その様子を見ている人影がいた。
「わたしはどうすればいいんだろ、分からないよ…」
そんな時、子供の声が聞こえる。壁の向こうからだろうか。
「父ちゃんが、水虎は災いをはこんできたって言ってたよー」
「えー、水虎のおにぃちゃんはいいひとだよー」
「そうだよ、あたしがケガしたとき直してくれたもん」
「だね、水虎はいい人だね!」
子供たちは、瞳に無垢な光を浮かべて口々に言う。
孫悟空の心に、高揚した感情が湧き上がってくる。
この村の希望は途絶えてはいない。今ならまだ間に合うと。
「わたし、行って来る…!」
「あ、孫悟空のおねぇちゃん!」
気がつくと、走り出していた。その様子を見ている人影がいた。
沙悟浄は、村の水辺でじっと佇んでいた。
水面に移る月がゆらゆらと揺れる。
思い浮かぶのは、妖怪を罵倒する村人。
目を閉じると思い浮かぶのは、妖怪と知りながら自分に良くしてくれた村人達。
どちらも実際に見た光景だ。
しばらく考え込んだ後、大鎌を肩に担ぐ。
「……さ、行くかな」
ぽちゃん、水に石を投げ込むと、写った月が砕けて消えた。
揺れながらも、静かな水面が戻ったとき……佇む人影は、もういなかった。
水面に移る月がゆらゆらと揺れる。
思い浮かぶのは、妖怪を罵倒する村人。
目を閉じると思い浮かぶのは、妖怪と知りながら自分に良くしてくれた村人達。
どちらも実際に見た光景だ。
しばらく考え込んだ後、大鎌を肩に担ぐ。
「……さ、行くかな」
ぽちゃん、水に石を投げ込むと、写った月が砕けて消えた。
揺れながらも、静かな水面が戻ったとき……佇む人影は、もういなかった。
猪八戒は、村の廃屋の中で頭を抱えていた。
妖怪のことを聞いて豹変した村人、石があったら投げつけられそうな雰囲気。それが村人を守ることを迷わせていた。
頭では分かっているのだが、体が動かない。そんなもどかしさ。
ザッ、と廃屋の入り口で砂を踏む音。
「誰、だ…!」
緊張して大鎌を握り締める。だが、足音の主が水虎を庇った青年だと知ると気が緩んだ。
「あん、た、か…一体何者なんだ」
「私は…君達の足となっている馬、玉龍の化身した姿だよ」
「……!」
息を呑む猪八戒。
身構えることなく歩み寄ってくる相手の姿は、敵だらけの状況なのに、なぜか不思議と信じられた。
妖怪のことを聞いて豹変した村人、石があったら投げつけられそうな雰囲気。それが村人を守ることを迷わせていた。
頭では分かっているのだが、体が動かない。そんなもどかしさ。
ザッ、と廃屋の入り口で砂を踏む音。
「誰、だ…!」
緊張して大鎌を握り締める。だが、足音の主が水虎を庇った青年だと知ると気が緩んだ。
「あん、た、か…一体何者なんだ」
「私は…君達の足となっている馬、玉龍の化身した姿だよ」
「……!」
息を呑む猪八戒。
身構えることなく歩み寄ってくる相手の姿は、敵だらけの状況なのに、なぜか不思議と信じられた。
数分後、ぱちぱちとはぜる焚き火の明かりに照らされる二人の姿があった。
「オレ、どうしたら、いいか、分からないんだ。村の、大人達、は、怖いし…」
泣き出しそうな猪八戒の頭の上に、ぽん、と手が置かれる。
「でも……子供達はどうかな。あの子達は、水虎を信じているよ」
「そう、か……」
しばしの沈黙。
「玉龍。兄い、さん、て呼んで、いい、か」
「良いよ。仲間だからね」
頭を撫でられながら、猪八戒は言う。
「兄い、さん。オレ、村の、子供達を、守り、たい…」
泣き出しそうな猪八戒の頭の上に、ぽん、と手が置かれる。
「でも……子供達はどうかな。あの子達は、水虎を信じているよ」
「そう、か……」
しばしの沈黙。
「玉龍。兄い、さん、て呼んで、いい、か」
「良いよ。仲間だからね」
頭を撫でられながら、猪八戒は言う。
「兄い、さん。オレ、村の、子供達を、守り、たい…」
三蔵が顔を隠して酒場の扉を潜り抜けると、酒とヤニの匂いが鼻を突く。
「強い酒を、一杯」
カウンターに座り、注文する。直ぐにグラスになみなみと酒が注がれ、ライムと一盛の塩が差し出される。
酒を一口飲んで、つまみにライムをかじり塩をなめる。…旨い。
「村の奴らも、悪い人間じゃねぇのさ。今回は冷静さを失ってるだけだ」
ごつい手でグラスを拭きながら、バーテンダーが聞かせるように呟く。
少し考え込むような仕草をした後、三蔵は立ち上がる。
「ああ、用事を思い出しました。支払いは…」
三蔵が手を伸ばした伝票を、横からごつい手が掠め取る。
「こいつは俺のおごりだ、行ってきな。仲間が…待ってるんだろう」
バーテンの髭面が、二カッと笑顔を浮かべた。
「強い酒を、一杯」
カウンターに座り、注文する。直ぐにグラスになみなみと酒が注がれ、ライムと一盛の塩が差し出される。
酒を一口飲んで、つまみにライムをかじり塩をなめる。…旨い。
「村の奴らも、悪い人間じゃねぇのさ。今回は冷静さを失ってるだけだ」
ごつい手でグラスを拭きながら、バーテンダーが聞かせるように呟く。
少し考え込むような仕草をした後、三蔵は立ち上がる。
「ああ、用事を思い出しました。支払いは…」
三蔵が手を伸ばした伝票を、横からごつい手が掠め取る。
「こいつは俺のおごりだ、行ってきな。仲間が…待ってるんだろう」
バーテンの髭面が、二カッと笑顔を浮かべた。
銀角が、布団を退けて起き上がる。
「うに、どうしたんですか?」
金角は、心配そうな声を出す。
だが銀角はそれには答えず、灰を散らしたような瞳を開く。
「………そう……行くの…」
「うに、どうしたんですか?」
金角は、心配そうな声を出す。
だが銀角はそれには答えず、灰を散らしたような瞳を開く。
「………そう……行くの…」
村から少し離れた所にある丘、その頂上に五つの人影があった。
大剣を背負った人影が、決意を込めた声で呟く。
「わたしは、この村を…この村の未来を守る」
フードをかぶった影が呟く。
「ボクは、仲間を守るために戦うよ」
闇に沈み込む漆黒の髪を持った影が、呟く。
「オレは、この、村の、子供たち、を、守る…」
背の高い影が呟く。
「この村には旨い酒がありますからね。それに支払いも済んでいませんし」
少し離れた所に立った影が、呟く。
「私は、可愛い弟のために戦う」
そして影達は、妖怪たちの待つ宵闇の中へ飛び込んでいく。それぞれの戦う理由を握り締めて…。
大剣を背負った人影が、決意を込めた声で呟く。
「わたしは、この村を…この村の未来を守る」
フードをかぶった影が呟く。
「ボクは、仲間を守るために戦うよ」
闇に沈み込む漆黒の髪を持った影が、呟く。
「オレは、この、村の、子供たち、を、守る…」
背の高い影が呟く。
「この村には旨い酒がありますからね。それに支払いも済んでいませんし」
少し離れた所に立った影が、呟く。
「私は、可愛い弟のために戦う」
そして影達は、妖怪たちの待つ宵闇の中へ飛び込んでいく。それぞれの戦う理由を握り締めて…。
砂塵が風で吹き払われ、背中合わせの二人と、その周りを囲む妖怪たちが現れる。
「こんな所でところで、倒れるんじゃありませんよ」
つつ、と三蔵の、紫煙を燻らす口元に血が垂れる。
「イエッ、サー、三蔵も、やられ、るな、よ」
全身の至る所を朱に染めながら、頷く猪八戒。
その時、二人の足元が崩れる!
「流、砂! しかも、大き、い…!」
渦潮の様に流れる砂に、周囲の妖怪たちも次々と巻き込まれていく――。
「こんな所でところで、倒れるんじゃありませんよ」
つつ、と三蔵の、紫煙を燻らす口元に血が垂れる。
「イエッ、サー、三蔵も、やられ、るな、よ」
全身の至る所を朱に染めながら、頷く猪八戒。
その時、二人の足元が崩れる!
「流、砂! しかも、大き、い…!」
渦潮の様に流れる砂に、周囲の妖怪たちも次々と巻き込まれていく――。
足元に広がる流砂、その中で沙悟浄は静かに立っていた。
沈んでいく妖怪達、その急所を正確に刺して突いて…。
「げふぅ!」
「がはっ」
大鎌が自在に同心円を描く。
「な、貴様どうして立っていられ…るっ?!」
驚く牛頭人身の妖怪に大鎌を食らわせ、昏倒させる。
「河童の妖怪だからね…」
そう答えると、沙悟浄は砂の中に“潜った”
まるで人間が水に飛び込むように、自然に。
そして、流砂に沈んだ妖怪達を窒息する前に引き上げていく。
「ボクは、今回誰にも死んで欲しくないんだ」
沈んでいく妖怪達、その急所を正確に刺して突いて…。
「げふぅ!」
「がはっ」
大鎌が自在に同心円を描く。
「な、貴様どうして立っていられ…るっ?!」
驚く牛頭人身の妖怪に大鎌を食らわせ、昏倒させる。
「河童の妖怪だからね…」
そう答えると、沙悟浄は砂の中に“潜った”
まるで人間が水に飛び込むように、自然に。
そして、流砂に沈んだ妖怪達を窒息する前に引き上げていく。
「ボクは、今回誰にも死んで欲しくないんだ」
玉龍は、がつんと後頭部を殴られ気が遠のく。振り向くと、狼の頭に人の体の妖怪が棍棒を振り下ろしていた。
走馬灯のように、義弟の顔が脳裏によぎる。
私は…
『玉龍。兄い、さん、て呼んで、いい、か』
『いいよ。仲間だからね』
そうだ、私は…
ダンッ、砂を蹴散らして踏みとどまる。
「私は、可愛い仲間の為にも、こんな所で倒れるわけには行かないんだ!」
サファイア色の瞳に、光が灯る。振り上げた鞭は妖怪を弾き飛ばした。
走馬灯のように、義弟の顔が脳裏によぎる。
私は…
『玉龍。兄い、さん、て呼んで、いい、か』
『いいよ。仲間だからね』
そうだ、私は…
ダンッ、砂を蹴散らして踏みとどまる。
「私は、可愛い仲間の為にも、こんな所で倒れるわけには行かないんだ!」
サファイア色の瞳に、光が灯る。振り上げた鞭は妖怪を弾き飛ばした。
「三蔵タち、暴れテるネ…」
水虎は、倒れた妖怪を手際よく縛りながら、感嘆した声を漏らす。
決して殺さず、しかし急所をついて倒されている妖怪たち。
その手際は鮮やかと言って良いだろう。
「ン、眩シいネ。夜が明ケるのカ…」
目の上に手を翳して、差し込む陽光を防ぎながら、水虎は目を細めた。
水虎は、倒れた妖怪を手際よく縛りながら、感嘆した声を漏らす。
決して殺さず、しかし急所をついて倒されている妖怪たち。
その手際は鮮やかと言って良いだろう。
「ン、眩シいネ。夜が明ケるのカ…」
目の上に手を翳して、差し込む陽光を防ぎながら、水虎は目を細めた。
一筋の陽光が差し込み、空を群青色に、地の砂を黄金色に輝かせる。
「終わ、った、のか」
砂を掻き分け、地上に出て座り込んでいる猪八戒。
「うん、終わったね」
大鎌を抱えて、砂上に立つ沙悟浄。
「おなか減ったー」
如意棒を放り出して、仰向け大の字になっている孫悟空。
「……」
傷だらけの体で、目を閉じて立っている玉龍。
三蔵は携帯を開き、どこかへ電話をかける。
「ああ、もしもし私ですが。村を襲った妖怪の処遇について――」
「終わ、った、のか」
砂を掻き分け、地上に出て座り込んでいる猪八戒。
「うん、終わったね」
大鎌を抱えて、砂上に立つ沙悟浄。
「おなか減ったー」
如意棒を放り出して、仰向け大の字になっている孫悟空。
「……」
傷だらけの体で、目を閉じて立っている玉龍。
三蔵は携帯を開き、どこかへ電話をかける。
「ああ、もしもし私ですが。村を襲った妖怪の処遇について――」
その後、水虎は子供たちを通じて大人に受け入れられ、幸せに暮らしているという。
村を襲った妖怪たちは、お釈迦様の元で徐々に更正している。
金角と銀角は、今も村のために頑張っているようだ。
村を襲った妖怪たちは、お釈迦様の元で徐々に更正している。
金角と銀角は、今も村のために頑張っているようだ。
「さ、行きましょうか」
「わたしおなか減ったー!」
「今食べたばかりでしょうに…」
そして、三蔵一行は再び天竺を目指す…。
「わたしおなか減ったー!」
「今食べたばかりでしょうに…」
そして、三蔵一行は再び天竺を目指す…。
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