076.心に念じる見えない刃
「……気づかれちゃったみたい」
逃走をやめ、こちらに向かい走ってくる騎士二人を見て♀ハンターは舌打ちした。
まさかあんな命中精度で当たるとは……しかも間が悪いことに射程ギリギリのかなり威力が低くなった矢が。
まさかあんな命中精度で当たるとは……しかも間が悪いことに射程ギリギリのかなり威力が低くなった矢が。
「仕方ない……予定変更ね」
だが♀ハンターに焦りは無い。
しなくてはいけないことが増えただけなのだから。
しなくてはいけないことが増えただけなのだから。
「さあいらっしゃいお二人さん。狩人の戦い方を見せてあげる」
にやりと笑うと、♀ハンターは二人に背を向けて逃げ出した。
決して振り切ることの無いよう、注意しながら。
決して振り切ることの無いよう、注意しながら。
「状況が悪くなれば迷い無く逃げるか、いい判断だ。だが……逃がさん!」
狩る側と狩られる側が完全に逆転したと、♀騎士は確信した。
♂騎士も今回は真面目についてきている。確実に、仕留める事が出来る。
♂騎士も今回は真面目についてきている。確実に、仕留める事が出来る。
「しかし、どこまで逃げるつもりだ。こちらが諦めるのを待つつもりか?」
(よし、ついてきている)
後ろを伺い、♀ハンターは心の中でほくそえんだ。
走りながら、気づかれないように先ほどまで♀騎士たちが逃げていた方向に誘導しているのだ。
そのまま走り続け、自分は地雷原を通り過ぎる。。
当然、自分で仕掛けたワナを踏むようなヘマはしない。
何も知らずに走ってきたあの二人はそこでドカン。一巻の終わりだ。
走りながら、気づかれないように先ほどまで♀騎士たちが逃げていた方向に誘導しているのだ。
そのまま走り続け、自分は地雷原を通り過ぎる。。
当然、自分で仕掛けたワナを踏むようなヘマはしない。
何も知らずに走ってきたあの二人はそこでドカン。一巻の終わりだ。
(さあ、いらっしゃい。おバカな騎士さんたち)
ワナの目印にしていた木を乗り越え、更に駆ける♀ハンター。
数秒して、背後で爆発音。そしてうめくような声。
数秒して、背後で爆発音。そしてうめくような声。
「かかった……」
♀ハンターは獲物を仕留めたことを確信して、後ろを振り向いた。
何が起こったのか♀騎士は理解できなかった。
突然、♂騎士が自分の背中を押したのだ。
こんな時にふざけるな、と叫ぼうとした時、大爆発に吹き飛ばされた。
地面に体を打ち付けられ、暫く意識を失った。
実際気を失っていたのはほんの数秒だったのだろう。
再び気づいた時には未だに巻き上げられた粉塵が舞い続けていた。
体のあちこちに軽度の火傷が出来、飛んできた木の破片で服や肌が切り裂かれている。
♂騎士はどこかと探す視界に、少し離れた地面に落ちた黒い塊が目に入った。
最初、それが何かわからなかった……いや、心がそれが何なのかを否定していた。
それは、ぼろくずのようになった♂騎士だった。
突然、♂騎士が自分の背中を押したのだ。
こんな時にふざけるな、と叫ぼうとした時、大爆発に吹き飛ばされた。
地面に体を打ち付けられ、暫く意識を失った。
実際気を失っていたのはほんの数秒だったのだろう。
再び気づいた時には未だに巻き上げられた粉塵が舞い続けていた。
体のあちこちに軽度の火傷が出来、飛んできた木の破片で服や肌が切り裂かれている。
♂騎士はどこかと探す視界に、少し離れた地面に落ちた黒い塊が目に入った。
最初、それが何かわからなかった……いや、心がそれが何なのかを否定していた。
それは、ぼろくずのようになった♂騎士だった。
「……!!! しっかりしろっ!!」
駆け寄り、全身に酷い火傷を負った♂騎士を抱き上げる。
所々身体が炭化し、どう見ても致命傷だった。
所々身体が炭化し、どう見ても致命傷だった。
「バカ……! なんでこんなこと……!!」
♀騎士の頬を涙が伝い、♂騎士の顔へと雨のように降り注ぐ。
♂騎士はゆっくり目を開け震える唇で、こう言った。
♂騎士はゆっくり目を開け震える唇で、こう言った。
「き、騎士子たんのふとももで死ねる……本望!Σd(´▽`*)」
最高の笑顔でサムズアップし、そのまま♂騎士は力尽きた。
「バカ……最後の最後まで……このおおバカぁっ!!!」
「そんなに悲しいのなら、アナタも一緒にいってあげれば?」
「そんなに悲しいのなら、アナタも一緒にいってあげれば?」
何者かの声にはっと顔をあげると、そこには♀ハンターが立っていた。
「お前か……お前がっ!!」
「あら、そんな状態で勝てると思ってるぅ?」
「あら、そんな状態で勝てると思ってるぅ?」
確かに直撃は免れたとはいえ♀騎士の身体はぼろぼろだ。
しかも、爆発で持っていたロッドは何処かに吹き飛ばされてしまった。
対して相手は無傷、更に手にはグラディウスを持っている。
本来弓での戦いを主とする狩人相手でも、勝てるかどうかは怪しい。
と、その時。
しかも、爆発で持っていたロッドは何処かに吹き飛ばされてしまった。
対して相手は無傷、更に手にはグラディウスを持っている。
本来弓での戦いを主とする狩人相手でも、勝てるかどうかは怪しい。
と、その時。
ころん。
♂騎士の懐から、何かが転げ落ちた。
恐らく♂騎士の青箱から出たアイテムだったのだろう、剣の柄だけがそこに転がっていた。
恐らく♂騎士の青箱から出たアイテムだったのだろう、剣の柄だけがそこに転がっていた。
(これ……は……?)
「それじゃあねぇ、バイバイ」
「それじゃあねぇ、バイバイ」
♀ハンターはグラディウスを振りかざし、♀騎士の脳天めがけて振り下ろす。
それに対してぐっと柄を握り締め、それで刃を受け止めようとするかのように振りかざす♀騎士。
それに対してぐっと柄を握り締め、それで刃を受け止めようとするかのように振りかざす♀騎士。
がいんっ!!
金属と金属がぶつかり合う音がして、グラディウスが空中で止まった。
いや、柄の先に生じた見えない刃がグラディウスの刃を受け止めたのだ。
いや、柄の先に生じた見えない刃がグラディウスの刃を受け止めたのだ。
「な……に……っ!?」
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
更に♀騎士が柄を振るうと、まるでそこに剣があるかのように♀ハンターの肩を浅く切り裂いた。
「ちっ……!」
何かはよくわからないが、♀騎士は武器を手に入れたのだ。
接近戦では勝ち目が無い。
そう判断した♀ハンターは飛び退ると迷うことなく逃げ出した。
今度は完全に振り切れるよう本気で。
一人は仕留めた、それで満足とはいえないが結果は出せたのだ。
それに、あのボロボロの状態なら誰か他の参加者がしとめるはずだ。
接近戦では勝ち目が無い。
そう判断した♀ハンターは飛び退ると迷うことなく逃げ出した。
今度は完全に振り切れるよう本気で。
一人は仕留めた、それで満足とはいえないが結果は出せたのだ。
それに、あのボロボロの状態なら誰か他の参加者がしとめるはずだ。
(癪だけど、見逃してあげるわ! でも……)
駆けながら、ぎり、と♀ハンターは奥歯を食いしばる。
確実に彼女の狩人としてのプライドは傷つけられていた。
確実に彼女の狩人としてのプライドは傷つけられていた。
(今度会った時は、絶対殺してあげるから!)
その剣のことは古代の文献の中にのみ記されていた。
遥か古の時代に絶対に壊れない剣を作り出そうという試みの元作られた剣。
『念』の属性を持ち、主の心の力を刃に変える剣。
その名を無形剣といった。
遥か古の時代に絶対に壊れない剣を作り出そうという試みの元作られた剣。
『念』の属性を持ち、主の心の力を刃に変える剣。
その名を無形剣といった。
<♀ハンター 所持品:手製の弓、グラディウス>
<♀騎士 無形剣一個獲得、ロッド失う>
<♂騎士死亡>
<残り36名>
<♀騎士 無形剣一個獲得、ロッド失う>
<♂騎士死亡>
<残り36名>
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