012.狩る者、狩られる者
「はっ、はっ、はっ、はっ……」
森の中を二つの影が駆けていく。
前を走るのは引き締まった身体に動き易そうなスパッツをはいた女性。
それを追いかけるのはあまり機敏に動くことには向いていなさそうな服を着た男。
二つの影は♀ハンターとそれを追いかける♂商人だった。
前を走るのは引き締まった身体に動き易そうなスパッツをはいた女性。
それを追いかけるのはあまり機敏に動くことには向いていなさそうな服を着た男。
二つの影は♀ハンターとそれを追いかける♂商人だった。
♂商人は勝利を確信していた。
彼の手に在るのはグラディウス。対して追いかける→逃げる♀ハンターは見たところ素手。
そもそも武器を持っていたなら逃げる必要は無いはずだ。
彼の手に在るのはグラディウス。対して追いかける→逃げる♀ハンターは見たところ素手。
そもそも武器を持っていたなら逃げる必要は無いはずだ。
「くっ、くくくっ」
思わず♂商人の口から笑いがこぼれる。
いつもなら接近する前に弓を使い→われこっちが殺されるだろう。だが今は圧倒的に力を持つのは自分なのだ。
普段は狩る側が今は狩られる側、こんな滑稽な場面は無い。
上手く抵抗する力を削げればあの肢体をじっくり犯すのもいい。狩られた獲物という立場を判らせる様に。
あの大きな胸に自身の男の象徴をうずめてやるのもいいかもしれない。
いつもなら接近する前に弓を使い→われこっちが殺されるだろう。だが今は圧倒的に力を持つのは自分なのだ。
普段は狩る側が今は狩られる側、こんな滑稽な場面は無い。
上手く抵抗する力を削げればあの肢体をじっくり犯すのもいい。狩られた獲物という立場を判らせる様に。
あの大きな胸に自身の男の象徴をうずめてやるのもいいかもしれない。
「くは、ははははははは!!」
そうだ、これから出会う女は全て犯そう。犯して、それから殺してやろう。
男もみんな殺して、殺して、生き残るのは自分だけなのだ。
男もみんな殺して、殺して、生き残るのは自分だけなのだ。
どれほど追いかけ続けただろうか。唐突に森が開け前に見える→前が見える、見渡せる道が現れた。
海岸へと向かう道のその先には下りの段差があるようだった。
逃げる♀ハンターはその段差を飛び降り、更に逃げようとする。
♂商人は♀ハンターを追いかけ、勢いよく段差を飛び降りた。
その時。
海岸へと向かう道のその先には下りの段差があるようだった。
逃げる♀ハンターはその段差を飛び降り、更に逃げようとする。
♂商人は♀ハンターを追いかけ、勢いよく段差を飛び降りた。
その時。
ぶわん。
全ての音と、重力の感覚が消えた。
(……え?)
数秒の間を置いて、どん、と身体が強烈に地面に叩きつけられる。
(何が、起きた……?)
状況を確認しようと立ち上がろうとして、足に激痛が走る。
いや、痛みが走ったのは足ではない、そのはずがないのだ。
なぜなら。
あるはずの下半身が全て。
いや、痛みが走ったのは足ではない、そのはずがないのだ。
なぜなら。
あるはずの下半身が全て。
「え……ええ……?」
消え去っていた。
「あ゙……あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!」
どろりと流れ落ちる自らの血、腸、原形を留めていない内臓。
その致命的な光景を目にして♂商人はようやく気づいた。
狩りの獲物は♀ハンターではなく、自分だったのだいうことを。
水に落ちた羽虫のように血の海でもがく哀れな獲物の前に、先ほどまで彼が握っていたグラディウスを手にして♀ハンターが立ち塞がった。
その致命的な光景を目にして♂商人はようやく気づいた。
狩りの獲物は♀ハンターではなく、自分だったのだいうことを。
水に落ちた羽虫のように血の海でもがく哀れな獲物の前に、先ほどまで彼が握っていたグラディウスを手にして♀ハンターが立ち塞がった。
「だ、だずげ……」
「ゴメンねぇ? 私も生き残りたいのよ」
「ゴメンねぇ? 私も生き残りたいのよ」
ずぶり、と♂商人の心臓にグラディウスの刃が沈んでいく。
「あ゙……あ゙……」
「そンな状態じゃスグ死ぬでしょうけど念のため、ね」
「そンな状態じゃスグ死ぬでしょうけど念のため、ね」
口から末期の血をごぼりと吹き出し、最後の抵抗をしようとした腕が力なく地に落ちる。
死の淵に落ちる寸前彼が見たのは、罠にかかった愚かな獲物を見下ろす♀ハンターの冷たい笑顔だった。
死の淵に落ちる寸前彼が見たのは、罠にかかった愚かな獲物を見下ろす♀ハンターの冷たい笑顔だった。
<♀ハンター所持品 ランドマイン残り4個、グラディウス、箱一個未開封>
<♂商人死亡 残り48人>
<♂商人死亡 残り48人>