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全長 | 10~48cm |
重量 | 0.1~0.5kg |
地域 | 日本 |
年代 | 14~19世紀 |
漢字では「苦無」もしくは「苦内」と書く。
元々は職人の使う万能ナイフであり、スコップだったが忍者がこれを転用したものである。
良質な鍛鉄を素材としているので意外と高価なものであり、咄嗟のとき以外には余り使用されなかったとされる。
長さがピンキリだが、これは一つ一つハンドメイドで作っており、大きさに自然とバラツキが発生するため。
大苦無と呼ばれる大型のものが19~48cm。それ以下は小苦無と分類される。
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1 | 切先:(Point) |
2 | 剣身:ブレイド(Blade) |
3 | 握り:グリップ(Grip) |
4 | 柄頭:ポメル(Pommel) |
苦無は元々職人の工具であるため、持ち歩いてもなんら不審な点は無いものである。
そのため忍者が武器として、かつ道具として持ち歩くようになったとされている。
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忍び込むための穴を掘ったり、石垣の間に打ち込み、縄を引っ掛けることで上り下りするための登器ともなる。
咄嗟の時にはダガーのような短剣として使うことも可能。
また一番有名な用途として「投擲」があるが、実際は投擲にはあまり使われない。
割と高価なものであることも然ることながら、投擲するには棒手裏剣以上の技術を要するからである。
投擲しやすいよう加工したものとして「飛苦無」があるが、どの道射程距離は10~30m程。
素材や投擲技術等を考えると、普通に棒手裏剣の技術を磨いて棒手裏剣を使ったほうが経済的かつ合理的といえよう。
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通常の苦無はやはりメインの用途が工具としてなので、分厚く作られている。
投擲用に改良された飛苦無はかなり薄めで刃も鋭くなっているものの、上記にもあるように射程も短いのであまり当てにはならない。
2009年 3月30日更新
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