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全長 | 25~35cm |
重量 | 0.2~0.3kg |
地域 | ヨーロッパ |
年代 | 14~15世紀 |
「Misericorde」とは、フランス語で「慈悲」を意味している。
刺突に優れた形状の刃を持ち、騎士たちが仲間の安楽死用に持ち歩いた短剣を指す。
刀身は上記CGではひし形の断面のものを描いているが、実際は三角形や円状のものもあったという。
また、現代のヨーロッパにおいては、ミセリコルデ=リングダガーと扱っていることが多い。
海外では「リングダガー:ミセリコルデ・タイプ」と言った表記をしており、その場合は鍔の片側にリングが必ずついている。
基本的には、細く鋭い刃を持った、刺突短剣をミセリコルデと言うが、現代ではこのリングも含めてミセリコルデと言うようだ。
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1 | 剣身:ブレイド(Blade) |
2 | 切先:(Point) |
3 | 柄:ヒルト(Hilt) |
4 | 鍔:ガード(Guard) |
5 | リング(Ring) |
6 | 握り:グリップ(Grip) |
7 | 柄頭:ポメル(Pommel) |
中世の頃は、騎士や兵士たちは名誉ある死を望む者が多かった。
そんな中で生まれた、戦場で攻撃されたり落馬して致命傷を負い、助かる見込みの無い兵士に対して、安らかな眠りを与える為の短剣である。
この時代の騎士たちは、戦場に赴く再にはこの短剣を必ず所持していたと言われている。
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止めの一撃として、心臓まで一気に刺し貫いたりするのが本来の用途である。
しかし裏を返せば、その刺突に優れた形状は、鎧と鎧の間の隙間を狙って一撃必殺を狙えるメイルブレイカーとして優秀であった。
瀕死であろうとなかろうと、一思いに突き殺すだけの威力を持っているので、このような形状の刺突短剣は決して侮ってはいけない。
ただし、あくまで仲間の安楽死用なので、滅多に戦闘用として使われたとは思い難い。
2007年 9月30日更新 2008年 8月28日 画像差し替え+追記
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