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全長 | 60~80cm |
重量 | 0.9~1.6kg |
地域 | ヨーロッパ(ギリシャ) |
年代 | 紀元前4~紀元1世紀 |
ラテン語で「剣」を意味する武器。
両刃の直剣で幅広で短く、柄が握る手に合わせて凹んでいて、丸い柄頭を持つのが特徴。
歩兵用として紀元前からギリシャ地方を中心に使われていたという。
また、後述に詳しく書くが、剣闘士(グラディエーター)の武器でもあった。
ちなみに、花のグラジオラスはこの剣の刃に似ているということから、その名が付いたという。
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1 | 剣身:ブレイド(Blade) |
2 | 切先:ポイント(Point) |
3 | リカッソ |
4 | 柄:ヒルト(Hilt) |
5 | 鍔:ガード(Guard) |
6 | 握り:グリップ(Grip) |
7 | 柄頭:ポメル(Pommel) |
密集隊形での歩兵同士の戦いが多かった為、振り回しやすいサイズであり、威力もあるこの形状が採用されたようだ。
ちなみに密集隊形とは、楕円もしくは長方形の盾を持たせ、鎧でがっちり武装した兵士を人一人分の間隔をあけて並べて隊列を組む戦術である。
その隊形で一丸となって戦ったため、戦場は混戦必死で、長柄よりもこのサイズの剣の方が有効だったこともある。
また、振り回しやすさを向上させるために、非常に握りやすい柄を持っている。
紀元前の武器としては、ここまで使い勝手を考慮しているのは異例のことであるが、それだけこの剣が戦略上大切な武器であったことが分かる。
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上記にあるように密集隊形で歩兵、重装歩兵が最前線で「オラオラオラァッ!」「無駄無駄無駄ぁっ!」と、ガチンコ勝負で殴りあう為の武器である。
相手の盾の間をすり抜けて突き刺すことにも向いていたともいわれており、刺突にも優れた剣である。
斬撃は不向きと言われてはいるが、文献にはグラディウスで斬られた傷口を生々しく書いている絵があり、それを見る限りでは斬撃も威力が高い。
こうして書いていても、とても紀元前からある武器とは思えない優秀さを感じられる。
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グラディエーター(剣闘士)とは、見世物的に戦わされる奴隷階級の戦士である。
彼らは主に、グラディウス+盾、トライデント+投げ網といった武装で決闘を強制させられていたという。
この決闘は武器の効果性を見るのにも行われたようだが、戦場でトライデント+投げ網が採用されることはなかったという。
当時でもその有効性が大いに認められた武器だったといえよう。
2007年 9月30更新 2008年 8月22日 画像差し替え+追記
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