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全長 | 50~80cm |
重量 | 2.0~2.5kg |
地域 | ヨーロッパ |
年代 | 13~17世紀 |
球体状の先端を持つ棍棒に複数のトゲが付いた武器を、総じてモーニングスターと呼ぶ。
ドイツでは「モルゲンステルン」とも呼ばれ、こちらの名称のほうが最近ではポピュラーになっている。
フレイルのように柄とトゲ付き球体が鎖で繋がれたものが有名だが、実際はこちらのタイプが原型であり、このタイプの方が多く存在している。
ここでは棍棒型のトゲトゲ鉄球のものをモーニングスターと定義し、説明する。
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1 | 槌頭:メイスヘッド(Mace Head) |
2 | 刺先:スパイク(Spike) |
3 | 柄:ポール(Pole) |
4 | 握り:グリップ(Grip) |
5 | 石突:バット(Butt) |
西欧の騎士たちが愛用したと言われ、その起源は聖職者が用いた聖水撒き棒(Holy Water Sprinkler)に端を発する…という説がある。
棍棒の先に釘バットの如く放射状にトゲをつけたものはだいぶ昔からあり、その武器を原型にした説もあり、説得力がある。
それを主に教会に所属する騎士たちが「これは職杖です。偉い人にはそれがわからんのですよ。」と言い逃れをし、この武器を使うようになったと思われる。
メイスと同様、「これが私の全力全開っ!」と言って全力で殴りつけるのが正しい使用法である。
形状を見て何となく分かると思うが、鉄球でぶん殴られる上にトゲ付きという事で、メイス以上にプレートメイルで武装した兵士に大打撃を与えられる。
ただし、それ相応に重いということでブンブン振り回すというより、重く痛い一撃を叩き込む感じである。
そのため、メイス以上に取り回しや器用さがなくなっていることを忘れてはならない。
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ここでは別称とトゲの数について説明していこうと思う。
まず別称はドイツ読みで最近ポピュラーな「モルゲンステルン」があるということを前述に書いたと思うが、どっちもその意味は「明けの明星」である。
これは頭部が光り輝く金星のようなので、明けの明星=金星の名が付いたと言われている。
とても蛇足なのだが、金星を意味する女神には例外なく美人でエロい女が多い。
ギリシャ神話のヴィーナス、北欧神話のフレイヤが金星を意味しており、どちらも愛の女神である。
金星に関してはフレイヤを表す意味の方が有名で、金曜日(Friday)の語源でもある。
創作者向けにトゲの数に関しての説明。
図は割とポピュラーな数と長さを選んだものである。
一番先端のトゲだけは特別大きく、他は小さくて円錐状だったり角錐状で、細長いものや太くて短いものから様々である。
45度でずらして描いたものがほとんどであるが、たまにランダムにトゲが書いてあるものがある。
ランダムに描くものは非常に雑に描いてもいいのだが、やはり不恰好になってしまう。
数はいくつでも全く問題ないと思うが、ちゃんと測量して、等間隔にトゲをつける方がやはり見た目はいいと思われる。
2007年 9月30日更新 2008年 9月13日 画像差し替え+追記
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