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全長 | 120~250cm |
重量 | 2.0~6.0kg |
地域 | 東ヨーロッパ |
年代 | 16~18世紀 |
刃渡り60~90cmほどもある巨大な斧頭を持つ武器をバルディッシュと呼ぶ。
どちらかというと戦斧と言う感じで、実際斬撃では恐るべき威力を誇ったと言われている。
斧頭の穂先はソケット式か貫通式の柄頭と、ランゲットという補強帯によって太めの柄に固定されている。
稀に儀礼用として刃渡り150cmもあるバルディッシュも使用され、それは別名「大使」と呼ばれている。
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1 | 斧頭:アックス・ヘッド(Ax Head) |
2 | 斧刃:アックス・ブレード(Ax Blade) |
3 | 柄:ポール(Pole) |
特に東欧で使用され、モスクワ大使館の歩兵部隊用として「短いもの」と呼ばれ、大きめの戦斧として使われていた。
この頃はまだ柄が短く、銃器の発達とともにだんだんと柄が長くなっていったという。
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単純に斧のように振り回す、打ち下ろすことで、その巨大な斧頭が襲い掛かり、絶大なダメージを与える。
突くことは重量とバランス的に難しいだろう。
銃器が発達したときには、地面に柄を突き刺して固定してから構えるという、パイク戦術のような使用方法をしたとも言われている。
また、騎兵用のバルディッシュも存在し、これは斧頭も小さく、振り回しやすい柄の長さだったと言う。
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真偽は定かではないが、牛を一刀両断したほどの威力があったといわれ、そのデマのせいで(?)法王庁から使用禁止令が出たと言う逸話もある。
また、最近では某アニメの影響で名前だけはすっかり有名になっている。
しかしこの武器はあのバルディッシュのように、鎌や両手剣に変形しないし、ダンディーな音声を発することも無い。
ついでに遺伝子操作されているとはいえ、9歳の幼女に振り回せる代物でも無い。
バルディッシュとは、「長柄の戦斧」だということはどうか忘れないでおいて欲しい。
2007年 10月7日更新 2008年 9月19日 画像差し替え+追記
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