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全長 | 25~35cm |
重量 | 0.3~0.5kg |
地域 | ヨーロッパ |
年代 | 17~18世紀 |
レイピアとセットで使用する左手用短剣のひとつがソードブレイカーである。
西洋ニ刀流では、左手に装備する短剣は大きく分けて3種類に分類される。
相手のレイピアを受け流したり絡め取る「回避型」。
盾のように打ち払う「防御型」。
そして、積極的に相手のレイピアを絡め取り、へし折る「武器破壊型」。
ソードブレイカーはその名の通り、3番目の種類「武器破壊型」に該当する左手用短剣である。
CGのような、峰側に大きな溝が複数ある形状が一般的だが、刀身が真っ二つになっているタイプや、もっと細かい櫛状のもの存在する。
ソードブレイカーとは、武器破壊型の左手用短剣の総称なのである。
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1 | 剣身:ブレイド(Blade) |
2 | 切先:ポイント(Point) |
3 | リカッソ |
4 | 柄:ヒルト(Hilt) |
5 | 鍔:ガード(Guard) |
6 | 握り:グリップ(Grip) |
7 | 柄頭:ポメル(Pommel) |
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製鉄技術の発達に伴い、レイピアのような細身の剣が主流になってきた時代。
右にレイピア、左に短剣を装備する「西洋ニ刀流」の戦術において、左手用短剣は攻撃回避&防御をメインに運用されていた。
しかし、次第にさまざまな戦術が考案されていく中で「武器破壊」を目的とした左手用短剣の開発・研究が進められていった。
その結果生まれたのがソードブレイカーである。
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その名の通りの運用方法である。
相手のレイピア等を峰側の溝に受け止め、絡め取り、手前に押したり奥に引いたりすることでへし折る。
これが正しいソードブレイカーの使用方法である。
また、左手用短剣は殆んど回避・防御といった「守り」をメインに考えられているのだが、隙あれば相手を「刺す」ことも考えられている。
ただしいずれも攻撃面の部分は申し訳程度にしかついてないのだが、ソードブレイカーは刺突用の切先も切り払うための刃もついている。
構造上の問題から、そこまでしっかりとした刃がついていたとは思えないが、左手用短剣で「切る」機能があるのは非常に珍しい。
2007年 11月23日更新 2008年 9月19日 画像差し替え+追記
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