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全長 | 500~800cm |
重量 | 3.5~5.0kg |
地域 | ヨーロッパ |
年代 | 15~17世紀 |
長い柄にソケット状の穂先を取り付けた、非常に長い長柄武器がパイクである。
語源はフランス語の歩兵槍「ピケー(Pique)」を英語読みしたことから来ている。
4mから7m程度の長い柄に25cmほどの木の葉状の刃がついているのがパイクと呼ばれるものである。
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1 | 穂先:スピアーヘッド(SpearHeads) |
2 | 刺先:スパイク(Spike) |
3 | 口金:ソケット(Socket) |
4 | 柄:ポール(Pole) |
1422年のアルベドの戦いにおいて、スイス軍がイタリアのミラノ騎兵の対策として使ったことが始まりである。
この頃、スイス軍ではハルバード、バトルアックスといった長柄武器を使っていたが、騎兵のランスに対抗するには短かった。
毎度戦争で騎兵にフルボッコされた結果、「じゃあこっちはもっと長いので戦えばいいじゃないの」と言うことになり、パイクが作られる。
常識的に考えて長すぎるパイクは、イタリア第一と言われたミラノ公のミラノ騎兵を叩きのめし、このことからパイクはスイス軍の主力兵器となった。
パイクを装備したスイス軍は、ヨーロッパの中では最強の軍隊となった。
それからスイス兵は各地で傭兵として雇われ、パイクも瞬く間にヨーロッパ中に広まった。
フランス軍では特にスイス傭兵を多く雇い、フランス軍は当時最強の陸軍大国として君臨した。
マスケット銃が発明されてもその重要性は変わらず、マスケット銃を装備した部隊は装填や隊形の変更などの間、パイク兵の援護を受ける必要があった。
17世紀末に、マスケット銃の先に取り付け使用する銃剣が発明されたことによって、銃兵は自分で自分の身を守れるようになったため、パイクは戦場から姿を消していった。
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そのまま腰だめに構え、相手が来るのを迎え撃つタイプの武器である。
相手が歩兵の場合、横隊で斜線陣を組みつつ前進して迎撃。
相手が騎兵の場合、左手でパイクを持って基部を左ひざに当て、右足を添えて膝の高さで固定し、突撃してきた騎兵にパイクの穂先を向けて落馬させる。
一般には、後者のランスキラー的な要素が最も有名である。
どちららも非常に強力な戦術であるものの、戦争で集団戦である場合に高い効果を発揮しているので、単独で使用しては意味がないと言える。
仮にパイク単独で戦った場合、長柄の穂先を切り落とされてしまったらその時点でオワタと思ったほうがいい。
リーチがある分、突きをするだけで非常に脅威ではあるのだが、やはり集団での圧倒的な強さには適わないだろう。
2008年 9月29日更新
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