チャクラム ~chakram~
基本スペックと定義
全長 |
直径10~30cm |
重量 |
0.15~0.5kg |
地域 |
インド |
年代 |
16~19世紀 |
インド北部のシーク教徒が用いていた
投擲武器がチャクラムである。
日本では戦輪、飛輪、円月輪とも呼ばれている。
平たい金属の輪で、2~4cm程の身幅を持ち、外円が全て刃になっているのが特徴である。
「投げて切る」という珍しい投擲武器ではあるが、威力はあまり期待できないと言える。
時代背景
作られた経緯については殆んど記述が無いのだが、宗教に密接に関係した武器であることは確かである。
ヒンドゥー教の主神の一人「ヴィシュヌ」が右腕の一つでチャクラムを指で回している絵画がよく見られているからである。
(ヒンドゥーの神は複数の腕を持つことが多い。ヴィシュヌ神は左右2本、計4本の腕を持つ)
インドで重要視されている「チャクラ」は、サンスクリット語で「輪」を意味する中性名詞の語幹である。
チャクラムはその単数主格にあたる。
名前に込められた意味、神が使う武器ということから、ヒンドゥー教においては神聖な武器であると思われる。
使用用途
投げ方は二通りある。
一つはヴィシュヌ神のように円盤の中央に指を入れて回しながら投擲する方法。
もう一つは、円盤を指で挟んで、フリスビーのように投擲する方法である。
どちらが正しかったかと確定できる伝承が無いため、どちらが正しい投擲方法かは不明である。
射程は40~50mほどで、回転しながら飛んでいく。
過去に行われた実験では、30m先の直径2cmの竹の茎を切断できたとされている。
30mで直径2cmの竹でいっぱいいっぱいであることから、有効射程距離はもっと短く、威力もそこまで期待できるものではないだろう。
2008年 10月26日更新
参考文献
新紀元社 |
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武器事典 |
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市川定春 著 |
新紀元社 |
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武器と防具 西洋編 |
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市川定春 著 |
ダイヤグラム・グループ |
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武器―歴史、形、用法、威力 |
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田島優 北村孝一 著 |
幻冬舎コミックス |
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図説 武器だもの |
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武器ドットコム 著 |
最終更新:2009年08月16日 03:08