景気の悪化に伴う雇用不安が深刻化する中、個人で加入できる労働組合が注目を集めている。組合のない職場で働く人、パートやアルバイトといった非正規労働者も気軽に参加できるのが特徴だ。宮城県内でも、若者や女性を中心とした特色ある組織が活動している。
「解雇問題などの相談が月に2~3件ある。正社員からの問い合わせも多く、組合活動の重要性は増している」
随時受け付けている労働相談について説明するのは、仙台市を拠点とする「みやぎ青年ユニオン」の大友聡志書記長(27)。東北3番目の青年ユニオンとして、2月に20~30代の会社員やパート、アルバイトら23人で結成した。
「労組の役割を知らず、職場で問題が起きたとき、自分一人で何とかしなければいけないと悩んでいる若者が多い」と大友さん。解雇されて再就職先探しを焦り、目を血走らせて相談に来る人も少なくないという。
月例会や街頭アンケートなども実施。労働相談をもとにした企業との団体交渉も既に4回行い、企業側に、解雇に伴う補償金支払いを承諾させるなどの成果があった。
しかし、問題解決後、組合活動に関心を示さなくなる人がいるのが悩みの種。大友さんは「人間関係の希薄さから、孤独感を感じている若者の居場所になりたい」と話し、地に足を着けた息の長い活動を見据えている。
30~50代の女性を中心に約30人が参加する女性ユニオンぷらす(仙台市)は1995年から活動を続けている。「景気の悪化で、女性の正社員をパートや派遣に切り替えたり、妊娠などを契機に解雇したりする企業が増えている」と黒沢清美代表(49)。
もともと、妊娠に伴う解雇を不当として訴訟を起こした黒沢さんが、支援者と結成したのが始まり。不当解雇や配置転換などのほか、セクシュアルハラスメントなど女性に多い問題にも積極的に取り組んでいる。
黒沢さんは「労働法などについて知らず、企業の言いなりになっている人が多い。権利を振りかざす必要はないが、知識は大事。職場の問題を上手に解決するために労組を活用してほしい」と呼び掛けている。
みやぎ青年ユニオン、ぷらすともに組合員を募集中。1カ月の組合費は青年ユニオンが月収に応じて500円から、ぷらすは1口500円。
連絡先は、みやぎ青年ユニオン(0120)******、女性ユニオンぷらす070(****)****。
(生活文化部・矢嶋哲也)
(生活文化部・矢嶋哲也)
2009年09月25日金曜日