The 7th Blues


リリース 1994年3月2日
収録時間 Disc1 48分31秒
Disc2 54分20秒
合計 102分51秒
レーベル BMGルームス
プロデュース 松本孝弘

『The 7th Blues』(ザ・セヴンス・ブルーズ)は、1994年3月2日に発売されたB'zの通算7枚目のオリジナルアルバム。

B'z初の2枚組オリジナルアルバム。タイトルは「ブルーズ」だが、ブルース調の曲が多いわけではなく、アレンジとしてはジャズやファンク寄りのものも多い。様々な楽器が使用され、特にブラスが多用されている。また、他のアルバムに比べ演奏時間が長い曲が多く、6分を超える曲が6曲あり、半数の楽曲が5分を超えている。なお、需要減少により本作限りでアルバムのカセットテープの生産・販売を中止した*1
このアルバムはファンからは「黒歴史」「暗黒時代」と呼ばれる。

メンバーは、「今まではツアーの合間にアルバムのレコーディングをしていたが、初めて製作だけに集中できた」とコメントし、今回はあまり深く考えず思いついた曲をどんどんレコーディングするという方針がとられた。このため最初から2枚組を目的として製作されたわけではない。ミキシングエンジニアは、後にグリーン・デイなどを手掛けるクリス・ロード・エルジが担当。また、東京スカパラダイスオーケストラなど多くのミュージシャンが参加している。何かテーマがあってアルバム制作に取り掛かっていなかったため、アルバムタイトルは「7枚目のオリジナルアルバム」ということに加え、ブルースでよく使われる「7thコード」をもじったもので、松本孝弘曰く「酔った時の思いつき」(同年のツアータイトルは、9回目のツアーということから「B'z LIVE-GYM '94 "The 9th Blues"」となった)。稲葉浩志は当時「これからの基本姿勢ができた」と本作を気に入っており、松本も後に「大きなターニングポイントとなった」と語っている。尚、前作『RUN』以降に発売されたシングルのうち、「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」と「裸足の女神」は未収録となった。

当時は、長期のライブツアーによるメディア露出の激減やメンバーの長髪、稲葉も「内に向かって吐き出していた」とコメントしたほどのヘヴィーなライブなどが重なり、現在ではメンバーは94年を「暗黒時代」と呼んでいる。これについて当時の取材インタビューで松本は、これまでは意識して売れる作品を提供してきたと認めた上で「今までは僕らのことをアイドル的に見てる人もいた」「このアルバムには自分達のルーツみたいなのがはっきりと出ている。それをこれからの人達にも伝えたい」と答え、翌年のインタビューでは「去年(『The 7th Blues』)はこちらから啓蒙させようという意識があった」と述べている。また、2008年のタワーレコードの携帯サイトでは「『The 7th Blues』は当時の邦楽で一番洋楽の音に近く、そこから洋楽を聴く人が増えた」と指摘し、後に稲葉ソロでベースを担当した麻井寛史は「『The 7th Blues』を聴いて洋楽を聴くようになった」と公言している。

オリコンチャートで3週連続1位となり、累計売上約163万枚と2枚組オリジナル・アルバムとしては史上初のミリオンセラーとなり、2枚組オリジナル・アルバムでは歴代最高の売上を記録。シングル曲は1曲である。

収録曲

DISC1
  1. LOVE IS DEAD(6:19)
  2. おでかけしましょ(3:27)
  3. 未成年(4:34)
  4. 闇の雨(4:48)
  5. MY SAD LOVE(3:58)
  6. Queen of Madrid(4:50)
  7. ヒミツなふたり(4:02)
  8. Strings of My Soul(5:52)
  9. 赤い河(6:21)
  10. WILD ROAD(4:20)

DISC2
  1. Don't Leave Me(4:23)
  2. Sweet Lil' Devil(6:13)
  3. THE BORDER(4:50)
  4. JAP THE RIPPER(5:51)
  5. SLAVE TO THE NIGHT(5:08)
  6. (5:39)
  7. 破れぬ夢をひきずって(6:27)
  8. LADY NAVIGATION(6:09)
  9. もうかりまっか(3:17)
  10. farewell song(6:23)

参加ミュージシャン

  • 松本孝弘:ギター、エレキシタール、作曲、編曲
  • 稲葉浩志:ボーカル、コーラス(DISC1 #8,DISC2 #7,8,9除く)、作詞
  • 明石昌夫:ベース、マニピュレーター、編曲
  • 青山純:ドラム、ティンパニー(DISC2 #6)
  • 増田隆宣:ハモンドオルガン(DISC1 #2,6,10,DISC2 #1,5)、アコースティックピアノ(DISC1 #8)
  • 小野塚晃(DIMENSION):アコースティックピアノ(DISC1 #1,3,4 DISC2 #6,8,9,10)、コルグ SG-1.KORG(DISC1 #5)、ローズピアノ(DISC2 #3)、エレクトリックピアノ(SG-1&DX-7)(DISC2 #7)
  • 厚見玲衣(元VOW WOW):ハモンドオルガン(DISC2 #4)
  • 勝田かず樹(DIMENSION):ホーン配置・アレンジ(DISC1 #1)
  • 数原晋:ホーンセクション(DISC1 #1)
  • JAKE.H.CONCEPTION:ホーン(DISC1 #1)
  • DE LA LUZ HORN SECSSION(オルケスタ・デ・ラ・ルス):[寺内茂:トランペット、佐々木史郎:トランペット、福本佳仁:トランペット、中路英明:トロンボーン、青木タイセイ:トロンボーン](DISC1 #2,7)
  • SKA-PARA HORNS(東京スカパラダイスオーケストラ):[名古屋君義(現・NARGO):トランペット、北原雅彦:トロンボーン、冷牟田竜之:アルトサックス、GAMOU(現・GAMO):テナーサックス、谷中敦:バリトンサックス](DISC1 #5,DISC2 #1,5)
  • 菅坂雅彦:トランペット(DISC1 #9,DISC2 #6,10)
  • 横山均:トランペット(DISC1 #9,DISC2 #6,10)
  • 村上準一郎:トロンボーン(DISC1 #9,DISC2 #6,10)
  • 西山健治:トロンボーン(DISC1 #9,DISC2 #6,10)
  • 山岸博:ホルン(DISC1 #9,DISC2 #6,10)
  • 飯笹浩二:ホルン(DISC1 #9,DISC2 #6,10)
  • 妹尾隆一郎:ブルースハープ(DISC2 #1,2)
  • HIIRO Strings.(日色ストリングス):ストリングス(DISC1 #8,9,DISC2 #3,7,10)
  • JUNICHI HIIRO:ストリングスアレンジ(DISC2 #7)
  • 高嶋りん(現・浦嶋りんこ):コーラス(DISC1 #3,10,DISC2#1,2,3,5,10)
  • 岩切玲子:コーラス(DISC1 #2)
  • 生沢佑一:コーラス(DISC2 #1,8)
  • MICHELLE MURPHY:ギャングボイス(DISC1 #10,DISC2 #2,4,10)
  • KURT SCHAELER :ギャングボイス(DISC1 #10,DISC2 #2,4,10)
  • CAROL DAVIS:ギャングボイス(DISC1 #10,DISC2 #2,10)
  • BILL KINSLEY:ギャングボイス(DISC1 #10,DISC2 #2,10)
  • JEFF LOAD-ALGE :ギャングボイス(DISC1 #10 DISC2 #2,4)
  • KOJI NUMAZAKI :ギャングボイス(DISC1 #10,DISC2 #2,4)
  • J.D.COUNTS :ギャングボイス(DISC2 #4)


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最終更新:2024年04月17日 15:24

*1 シングルのカセットテープの発売は、「love me, I love you」が最後