酢酸
酢酸は弱酸であるから、
水中で次の反応をする。
酢酸に塩基を入れると次の反応をして、
![[CH_3COOH]](http://chart.apis.google.com/chart?cht=tx&chf=bg,s,ffffff00&chco=000000ff&chs=25&chl=%5BCH_3COOH%5D)
は減り、
![[CH_3COO^-]](http://chart.apis.google.com/chart?cht=tx&chf=bg,s,ffffff00&chco=000000ff&chs=25&chl=%5BCH_3COO%5E-%5D)
は増える。
ここで、後者の反応は前者の電離反応よりはるかに強いので、
塩基を入れる場合は電離は無視してよい。
逆に
酢酸イオンは水中で次の反応をする。
(ただし、
となる。)
酢酸イオンに酸を入れると
![[CH_3COOH]](http://chart.apis.google.com/chart?cht=tx&chf=bg,s,ffffff00&chco=000000ff&chs=25&chl=%5BCH_3COOH%5D)
は増え、
![[CH_3COO^-]](http://chart.apis.google.com/chart?cht=tx&chf=bg,s,ffffff00&chco=000000ff&chs=25&chl=%5BCH_3COO%5E-%5D)
は減る。
ここで、後者の反応は前者の加水分解に比べてはるかに強いので、
塩基を加える場合は電離は無視してよい。
酢酸と酢酸イオンが両方とも多量に含まれている場合、
酸と塩基を加えた量によって、酢酸と酢酸イオンの量が変化し、
これらを電離式に代入することによってpHは求まる。
例
弱酸である酢酸

に、強塩基である

を加えた場合のpHについて考える。
なお、
であることから、初めから

を加えたこととして以下は記述する。
また、酢酸

の初濃度を

,初体積を

,
加えた

の濃度を

,体積を

と定める。
(1)

が不足していて中和に足りない場合
水中には

と

が共に存在しているから、

が成り立っている。
したがって、電離定数の関係式より、
⇔
(2)

がちょうど中和に必要な量を満たす場合
より、水中には

のみが存在するから、

が成り立っている。
したがって、加水分解定数の関係式より、
いま、

より、
この
![[CH_3COO^-]_o=C'](http://chart.apis.google.com/chart?cht=tx&chf=bg,s,ffffff00&chco=000000ff&chs=25&chl=%5BCH_3COO%5E-%5D_o%3DC%26amp%3B%23039%3B)
と定めると、電離度を

として、
ここで、

より、
よって
(3)

が過剰していて中和に必要な量より多い場合
水中には

と

が存在しているが、

の影響は微小であり、十分無視できる。
いま、

より、
以上の(1)(2)(3)の結果から、

の関係式を用いて、

は定まる。
最終更新:2012年08月16日 14:58