二段滴定

以下において、滴定に用いるのはすべて塩酸HClaqとする。
第一当量点までの滴定で必要なHClをn_1[mol]、第二当量点までをn_2[mol]とする。

[1]NaOHNa_2CO_3の混合溶液の滴定
(a)二段滴定をそれぞれ測定できる場合
NaOH+HCl\rightarrow NaCl+H_2O
Na_2CO_3+HCl\rightarrow NaCl+NaHCO_3
NaHCO_3+HCl\rightarrow NaCl+H_2O+CO_2
より
NaOH=\alpha[mol],Na_2CO_3=\beta[mol]として、
\alpha+\beta=n_1
\beta=n_2
(b)二段滴定をそれぞれ測定できない場合
\alpha +2\beta =n_{12}
初めの状態で、BaCl_2溶液によって、Na_2CO_3BaCO_3として
取り除いた場合、溶液を滴定するのに必要なHClをn_3[mol]として、
\alpha=n_3

[2]Na_2CO_3NaHCO_3の混合溶液の滴定
(a)二段滴定をそれぞれ測定できる場合
Na_2CO_3=\alpha[mol],NaHCO_3=\beta[mol]として、
\alpha=n_1
\alpha+\beta=n_2
(b)二段滴定をそれぞれ測定できない場合
2\alpha +\beta =n_{12}
NaHCO_3のみがNaOHと反応してNa_2CO_3となることを利用して、
NaOHの滴定量とNaHCO_3の反応量が等しいことから、
NaHCO_3がちょうどすべてNa_2CO_3に変化するまでのNaOHの滴定量をn_3[mol]として、
\beta=n_3
ただし、実際には終点が求めにくいことから、
いったん過剰にNaOHを加えておき、
その後BaCl_2により、水中のCO_3^{2-}イオンを完全に沈殿させたのちに
HClを加えて酸と塩基の反応式にして、数値の差から必要なNaOHの量を導き出す。

(3)多量のNaOHH_2CO_3に混合した溶液の滴定
余ったNaOH=\alpha[mol],H_2CO_3=\beta[mol]として
2NaOH+H_2CO_3\rightarrow Na_2CO_3 + 2H_2Oと反応するため、
Na_2CO_3=\beta[mol]である、
よって、
\alpha+\beta=n_1
\beta=n_2


なお、以上のすべての場合において、
最終的に滴定する物質の中にNa_2CO_3が含まれている場合、
Na_2CO_3+2HCl\rightarrow 2NaCl + CO_2 +H_2O
より、溶液中のCO_2により、溶液は強塩基になれないから、
その指示薬はメチルオレンジのみがふさわしい。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2012年06月24日 19:02
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。