容積一定の空間内に少量の水を入れる場合
以下、温度常に一定の値

とする。
また、条件から内部の全圧は常に

である。
大気圧を

とする。
初め、体積

、温度

とする。
この温度の時の水の蒸気圧は

である。
この中に、水を物質量

だけ入れる。
ここで、
仮に水が飽和していない(全て水蒸気になっている)とすると、
水蒸気について、
このとき、

が成り立てば、
この仮定は正しいということになる。よって、
(ⅰ)

のとき、
水蒸気はすべて飽和しておらず、
(ⅱ)

のとき、
計算上水蒸気圧を超えているので、矛盾。
よって、水は飽和している。
よって、

であり、
水蒸気が物質量

だけ存在するとすると
水蒸気について、
より、水蒸気は物質量

だけ存在する。
自由ピストン内に少量の水を入れる場合
以下、温度常に一定の値

とする。
また、条件から内部の全圧は常に

である。
大気圧を

とする。
初め、体積

、温度

とする。
このとき、ピストン内部の空気の物質量

は、
この中に、水を物質量

だけ入れる。
ここで、
仮に水が飽和している(液体の水が存在する)とすると、
水蒸気の分圧は飽和水蒸気圧

であるので、
今、空気の分圧は

であるので、
この時の体積をV'として、空気について状態方程式を立てると、
このとき、物質量

の水蒸気について

が成り立つ。
ところで、(i)の条件が成り立つのは、

のときである。
これを満たすのは、

のときである。
以上より、
(ⅰ)

のとき、
(ⅱ)

のとき、
投入した水

はすべて気体になったので、内部の全圧について、
となる。
…したがって、上記の2パターンのように、
(1)水が飽和しているとして、

として代入して求め、
気体の物質量

であれば矛盾するとして、

とする型と、
(2)水が飽和していないとして、気体の物質量

として代入して求め、
蒸気圧

であれば矛盾するとして、

とする型がある。
つまり、
「水が飽和している」
「水が不飽和である」
ということである。
最終更新:2012年07月03日 09:31