バイキング着陸機の矛盾
大気圧による抵抗力は
大気密度
東映面積
質量
重力加速度
![g[m/s^2]](http://chart.apis.google.com/chart?cht=tx&chf=bg,s,ffffff00&chco=000000ff&chs=25&chl=g%5Bm%2Fs%5E2%5D)
として
次のようにあらわされる。
したがって、落下する物体の終端速度は次の式によってあらわされる。
ここで、火星の大気圧は8hPaで、
そのうち95.3%が

であるから、
100%

として考えても、
この計算における有効数字の範囲では影響はない。
また、気温は-80℃から-10℃程度であるから、
昼間であつことと、地上より上空の方が気温が低いことを考慮して、
T=-43℃=230Kとして計算する。
したがって、
(ちなみに、厳密に計算すると、CO2 95.3%,N2 2.7%, Ar 1.6%より、
となり、有効数字2桁で求める範囲においてはなんら問題はないことがわかる)
パラシュートの半径は7.5feet~8feet≒2.35m程度であるから、
パラシュートの質量がわからないので、仮に20kg程度として、
着陸機本体は534kgであるから、仮に
とする。実際にはこれよりかなり重いと考えられる。
最期に、重力加速度は
![g=3.712[m/s^2]](http://chart.apis.google.com/chart?cht=tx&chf=bg,s,ffffff00&chco=000000ff&chs=25&chl=g%3D3.712%5Bm%2Fs%5E2%5D)
である。
以上より、
NASAの発表による
![v_f=60[m/s]](http://chart.apis.google.com/chart?cht=tx&chf=bg,s,ffffff00&chco=000000ff&chs=25&chl=v_f%3D60%5Bm%2Fs%5D)
よりもだいぶ大きい値が出た。
ここから安全に着陸することは困難であると思われる。
ここで、実測値から逆算をする。
パラシュートをつけてから45s後に速度は60m/s であったとあるから、
終端速度は60m/s 以下である。
今、大気圧をP[Pa]、質量をm[kg]として、
よって、
以上のことより、火星の大気圧は、28hPa以上となる。
それほど大きな大気圧ではないものの、NASAの発表データに矛盾が生じたことは確かである。
最終更新:2012年08月16日 11:26