続・男のケジメ。 - (2006/04/16 (日) 20:55:46) の1つ前との変更点
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<p>「お前、秋山に告ったってのは本当か?」</p>
<p>
とかなんとか言われたのは、新鋭王座後の居酒屋にて。<br>
同期がこれだけ集まるのは珍しいだろうと、広島市内に繰り出した。<br>
参加者十名足らず。<br>
赤岩と菊地が隣同士に座ったのは、ただの偶然。と思っていたのは、赤岩だけ。<br>
菊地にしてみれば、このことを問いただすためだった。<br>
「きっ、菊地! 何を突然&&っ」<br>
赤岩は盛大にむせてしまった。<br>
「お前は誰も聞いてないと思ってるみたいだが、実際はデバガメが数人いてな&&俺もその一人だ」<br>
「菊地! お前は俺の同期だよな? 友達だよな?」<br>
赤岩は慌てて、菊地に酌を始めた。<br>
「一応箝口令敷いといた」<br>
「菊地~! 心の友よ!」<br>
赤岩の注いだビールに口を付けながら、菊地は彼の強引な包容に耐えた。<br>
「お前&&、酔ってるだろ?」<br>
「酔わずにいられるか&&」<br>
「意外と、小心者だな」<br>
菊地はクスクス笑う。<br>
「仕方ないだろ&&。一世一代の大勝負だったんだから!」<br>
「そんなんじゃ、でもよくてもダメでも先が思い遣られるな&&」<br>
「えっ、ダメって! 不吉なこと言うなよ&&」<br>
「じゃあ、OKだったらどうするんだ?」<br>
「えーっと&&」<br>
「ほらな」<br>
トクトクと、ビールを注いでやって。<br>
「ま、お前が駄目だったら、俺が貰うけど」<br>
「何を?」<br>
「秋山を」<br>
「なにぃ~っ?」<br>
その叫びは、店中に響いた。<br>
もちろん、同期連中にも。<br>
「赤岩、菊地? どうしたんだ&&?」<br>
「いや、酔った赤岩が、ビールをちょっと零してな&&」<br>
「そっかー?」<br>
どうにか、その場を取り繕い。<br>
改めて。<br>
「実は次の斡旋で、秋山と一緒になってな。お前が脈なしだったら、俺がモーションかけようかな?」<br>
「冗談じゃないっ!」<br>
赤岩は、今にも暴れだしそうな勢いで立ち上がりかけた。<br>
しかし菊地はすかさず、<br>
「冗談だ」<br>
と、酒を飲みながら呑気に呟いた。<br>
「本気なんだな」<br>
「伊達や粋狂で告白なんかできるか」<br>
「まぁ、そうだな。そんなお前に、プレゼントをやろう」<br>
ポケットをガサゴソと探り&&<br>
小さな紙切れを取り出した。<br>
「ほら」<br>
「何だよ、コレ」<br>
「秋山の携帯番号」<br>
「なんでお前が&&」<br>
「まぁ、いろいろと」<br>
「俺がかけていいのかよ?」<br>
「お前に教えるって言ったら、快く教えてくれた。電話してやれ。酔いが醒めたらな」<br>
「菊地~! 心の友よ!」<br>
「赤岩&&お前、酒癖悪い。俺より年上のクセに&&」<br>
奥手な男の友人というのは、疲れるものだ。<br>
菊地は溜め息を吐いた。</p>
<br>
<p>
「そういや、お前。A1級に上がるまで戦えないって言ってたけど、お前は総理杯出るんじゃないのか? 秋山も新鋭王座で優勝した訳だし、一緒に走れるかもな」<br>
「あ&&!」</p>
<br>
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<p>「お前、秋山に告ったってのは本当か?」</p>
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とかなんとか言われたのは、新鋭王座後の居酒屋にて。<br>
同期がこれだけ集まるのは珍しいだろうと、広島市内に繰り出した。<br>
参加者十名足らず。<br>
赤岩と菊地が隣同士に座ったのは、ただの偶然。と思っていたのは、赤岩だけ。<br>
菊地にしてみれば、このことを問いただすためだった。<br>
「きっ、菊地! 何を突然&hellip;&hellip;っ」<br>
赤岩は盛大にむせてしまった。<br>
「お前は誰も聞いてないと思ってるみたいだが、実際はデバガメが数人いてな&hellip;&hellip;俺もその一人だ」<br>
「菊地! お前は俺の同期だよな? 友達だよな?」<br>
赤岩は慌てて、菊地に酌を始めた。<br>
「一応箝口令敷いといた」<br>
「菊地~! 心の友よ!」<br>
赤岩の注いだビールに口を付けながら、菊地は彼の強引な包容に耐えた。<br>
「お前&hellip;&hellip;、酔ってるだろ?」<br>
「酔わずにいられるか&hellip;&hellip;」<br>
「意外と、小心者だな」<br>
菊地はクスクス笑う。<br>
「仕方ないだろ&hellip;&hellip;。一世一代の大勝負だったんだから!」<br>
「そんなんじゃ、でもよくてもダメでも先が思い遣られるな&hellip;&hellip;」<br>
「えっ、ダメって! 不吉なこと言うなよ&hellip;&hellip;」<br>
「じゃあ、OKだったらどうするんだ?」<br>
「えーっと&hellip;&hellip;」<br>
「ほらな」<br>
トクトクと、ビールを注いでやって。<br>
「ま、お前が駄目だったら、俺が貰うけど」<br>
「何を?」<br>
「秋山を」<br>
「なにぃ~っ?」<br>
その叫びは、店中に響いた。<br>
もちろん、同期連中にも。<br>
「赤岩、菊地? どうしたんだ&hellip;&hellip;?」<br>
「いや、酔った赤岩が、ビールをちょっと零してな&hellip;&hellip;」<br>
「そっかー?」<br>
どうにか、その場を取り繕い。<br>
改めて。<br>
「実は次の斡旋で、秋山と一緒になってな。お前が脈なしだったら、俺がモーションかけようかな?」<br>
「冗談じゃないっ!」<br>
赤岩は、今にも暴れだしそうな勢いで立ち上がりかけた。<br>
しかし菊地はすかさず、<br>
「冗談だ」<br>
と、酒を飲みながら呑気に呟いた。<br>
「本気なんだな」<br>
「伊達や粋狂で告白なんかできるか」<br>
「まぁ、そうだな。そんなお前に、プレゼントをやろう」<br>
ポケットをガサゴソと探り&hellip;&hellip;<br>
小さな紙切れを取り出した。<br>
「ほら」<br>
「何だよ、コレ」<br>
「秋山の携帯番号」<br>
「なんでお前が&hellip;&hellip;」<br>
「まぁ、いろいろと」<br>
「俺がかけていいのかよ?」<br>
「お前に教えるって言ったら、快く教えてくれた。電話してやれ。酔いが醒めたらな」<br>
「菊地~! 心の友よ!」<br>
「赤岩&&お前、酒癖悪い。俺より年上のクセに&hellip;&hellip;」<br>
奥手な男の友人というのは、疲れるものだ。<br>
菊地は溜め息を吐いた。</p>
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「そういや、お前。A1級に上がるまで戦えないって言ってたけど、お前は総理杯出るんじゃないのか? 秋山も新鋭王座で優勝した訳だし、一緒に走れるかもな」<br>
「あ&hellip;&hellip;!」</p>
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