穿てぬ物の無い矢

穿てぬ物の無い矢

シャクシャイン
己を高める者を私は尊ぶ、お前が更なる力を得たいのならば私はその力になろう
天弓狐 梓
今度の先生はシャクシャインさんか、人間ならきっと無茶振りはされないよね
シャクシャイン
弓の腕を磨くにあたってだ、まずはお前が扱う弓を見せてくれ
天弓狐 梓
うん、どうぞ
シャクシャイン
うーむ……悪くない、悪くないのだが、この先を戦うには少々力不足だな
天弓狐 梓
確かに、扱い易いけど威力となると頼り無い気はするかな……
天弓狐 梓
シャクシャインさんの弓は凄いよね、何でも貫いちゃうと聞くし
シャクシャイン
確かに私のイメルに貫けぬ物は無い、そして同時に扱いが難しいのだ
シャクシャイン
だが、練習次第で習得出来ない事もない……よし!いい事を思いついたぞ
シャクシャイン
お前に私が弓を作ってやろう、イメルと同等までにとは行かないがな
天弓狐 梓
本当!?やったぁ!これでまた一つ、私が強くなっちゃうね
シャクシャイン
いざ弓を作ったはいいがそれが引けない、では恰好がつかないからな
シャクシャイン
これから私が行う射法を身につけておいてくれ、イメルに似た弓を作るからな
天弓狐 梓
シャクシャインさんの弓は変わった形だけど、弓を引くくらいなら楽勝だよ
シャクシャイン
その意気だ、では行くぞ!
天弓狐 梓
わっ!背と同じくらいの長さの矢を地面に突き立ててそれを足場に空へ!
天弓狐 梓
そして空中で華麗にひねりを加えつつ両足で突っ張るように弓を保持して瞬く間に四連射!
天弓狐 梓
放たれた矢は何故か緩急を加え複雑に絡み合う軌道は……こんなん出来るかー!!

最終更新:2021年05月10日 11:19