――――――――水鉄砲大戦
イギーター「いよいよこのゲームも大詰めとなって参りました。気になる最終対決は、「水鉄砲大戦」でございます!
ラテーネ「最後なのに、なんだか可愛いね。
イギーター「ルールは至って単純。各自一つ水鉄砲を所持し、撃ち合いをしてもらいます。水鉄砲の水に触れればそこでアウトと見なし、退場していただきます。精密な判定はこの私、イギーターが下します。
この大戦の水鉄砲は制限はなく、水鉄砲なら何でも良しとします。
交戦規定は被弾時の申請だけは正直に。被弾した方は発砲を禁じ、また仮に当てても無効とします。無論、水鉄砲で撃たれたら被弾というのが定義。
舞台はここ、
カオスホール“全域”でございます。本日のみ貸し切りでございますので、思う存分戦ってください。
また、皆さんには予めクジを引いていただきます。各々決められた場所からスタートします。互いが至近距離でいきなりスタートしたら、面白くありませんからねぇ。
ソニック「Hey guys!久々に楽しめそうだぜ。
イギーター「よろしいですか?では皆さん、クジで決められた場所に移動してくださいね~。
ありがとウサギ「 賞金とか貰えるのかな…?人参ならごめんだけどね。(図書室と書かれたくじを引く)
松田「 な、なんだか個性豊かな人ばかりだな、このゲームの参加者…。(汗(遊技場と書かれたクジを引き)
ブロリー「 ゲットォォオオオオオッ!!!↑↑↑(地下室を引く)
ファルコ「なんでもいいが、さっさとおっ始めたいもんだぜ。(トレーニングルームを引く)
ラテーネ「はぅ…。(食堂の厨房と書かれたクジを引く)
イギーター「おっと、のんさん。そんな格好で大丈夫なんですかぁ?パチンッ☆(ラテーネの服装を青いブルマ姿に変える)
ラテーネ「え―――――ふえぇっ…!?な、なに!?ちょっとあんた、何するのよ…!(赤らめた表情で体操着の上着を両手で引っ張り、ブルマを隠そうとしてる)
イギーター「なんたって激しい運動競技でございますので、動きやすい格好がよろしいかと…。いやいや、大変お似合いでございますよ。その健康的な美脚を見せつけて相手を悩殺してしまえば、勝利は各膳かと―――――ぶっ!(頬を叩かれる)
ラテーネ「変態……。(赤面)(急いで厨房へと向かう)
イギーター「やれやれ…。うーん、やはり走っているお姿が美しいこと…おっと、私も早くモニタールームへ向かわなければ。パチンッ☆(消える)
ラテーネ「もう…何でもいつもこうなるのぉ…(・д・`*)(厨房へ着き、奥に身を潜める)
イギーター「(個別のモニタールームに居座る)さあ皆さん、準備はよろしいですね?それでは始めましょう、水鉄砲大戦!3……2……1……スタートォッ!!
ピカチュウ「(厨房へやって来る)ピッガァ!(水鉄砲を構え、周辺を警戒している)
ラテーネ「はぅ~!かぁいいよぉ~♪……ハッ(顔を左右に振って我に返る)あの子の命がかかっているんだもの、真面目に行かないと。(慎重に進んでいき、隙を見てピカチュウに発射する)
ピカチュウ「ぴかぴぃ~…!(アウト)(当たった拍子に水鉄砲を手放す)
ラテーネ「いただいていくね。(ピカチュウの銃を一つ没収し、二丁拳銃に構えて周りの様子を窺う)
イギーター「ほう、銃を没収しましたか。そうです、このゲームでは銃が最も大事。水鉄砲の水は大して多くない。
一方……カオスホールの大広間は、阿鼻叫喚の戦場だった…。殆どの連中が射殺されていたからだ。
ラテーネ「(大広間の入り口付近にやってきて扉を背に隠れる)……。(何もない広大なだけの部屋は実力勝負…。更なる強敵が蹂躙してくるはず…。)(そーっと覗き込む)
ワリオ「うぃ~~はっはっー!雑魚共はこの俺様が蹴散らしてやるぜぇッ!!!ズダダダダダッ!!!(大型の機関銃タイプの水鉄砲で選手たちを次々と射殺していく。また、射程も連射力もタンクの容量も桁違いである)
まりさ「うわっ!……くそっ、なんだよアレ。反則だろ…!(アウト)
ジーノ「水鉄砲なら何でもありのルール上、問題はないだろう。しかし……(アウト)
ラテーネ「(勝つことに対する準備は入念なんだね。私も事前にゲームの内容とか知ってたら、ああいうの使ってたのに…。)(汗)(そのまま隠れて遣り過ごしている)
ワリオ「うぃっひひひっ!(瞬く間に選手たちを一掃していく)おらぁっ!そんなところに隠れてないで出てこいやぁ!
ラテーネ「Σピク もしかして…気付かれちゃったのかな…?(恐る恐る覗き見る)
コフィー「ひぃっ!嫌よっ!誰が出てくるもんですか!(大広間のステージにあるピアノを盾にやり過ごしている)
フォックス「くそっ…!奴の水が少なくなるまで何とか凌ぐしかない…。今は手も足も出せない…。(汗)
ラテーネ「ホッ…(よかった、向こうか。…けどあの機関銃だと、まともに正面向かって挑んでも…勝つ見込みは薄い。やっぱり後ろからの奇襲しかないみたい。)(躊躇した表情)
イギーター「相当悩んでいますね、のんさん。確かに、相手が背後を許しているとしても…あの距離では微妙だ。決して近くない。さあ、どう来る…?
ラテーネ「(でも、あれの弱点はもう見切っちゃった。やっぱり行くしかないみたい…!)ダッ(汗握った手で水鉄砲を握りしめ、駆けだす)
ワリオ「―――――っ!?(背後からの接近に一瞬感づくのが遅れ、焦ったまま機関銃を構えて撃ち出そうとする)
イギーター「あの人、即座に撃てばいいものを…何を焦って――――――――!?まさか……ぃ、撃てないのか!!(汗)
ラテーネ「あんたの負けね、えいっ!(狙いをしっかり定め至近距離で発射する)
ワリオ「んなっ……!?(水が肩に付着する)がぁぁぁああ!!んな馬鹿なぁああーー!!?(アウト)
イギーター「……そうか!分かりましたよ。彼の持つ機関銃は電動式ではなく、空圧式!その為一定量を撃ち出した後、空気タンクにポンプで圧力を溜め込む必要がある。
タンクの中に空気が詰まっていれば間違いなく…彼のは無敵だったろう。しかしその空気が不足していたら、水は銃身から発射できない…!
その速さと連射の脅威に圧倒されている他の連中には…その“隙”に気付くことができなかったかというわけか…。そして彼女は知っていた、その性能のデメリットを…!
……フフッ…フハハハハッ!!イイッ!ここまで傍観を楽しませてくれるとは、流石だ。
ワリオ「くそぉ…まさかこの俺様の機関銃に欠点があったなんて…orz
ラテーネ「それに気付くのが遅かったんだね。んじゃ―――――パンパンッ(ステージのピアノを盾にしている二人の額を瞬時に撃ち抜く)
フォックス「くわっ…!しまった、つい見惚れてしまっていた…。(アウト)
コフィー「冷た…!いや~ん、当たっちゃったぁ~。(アウト)
ラテーネ「もう敵はいない…よね。(辺りを見渡す)
そうでもないわよ。(何処からともなく聞こえる少女の声)
ラテーネ「はぅ……?(辺りを警戒し見渡す)
ディスク「どうやら……(大広間に入ってくる)残ったのは私と貴方の二人だけみたいね。
ラテーネ「……。(水鉄砲を握りしめ、互いに向き合う)
イギーター「いよいよ大詰めって奴ですか。いやぁ~…興奮が止まらない!
ディスク「ふふっ…覚悟してよね。“
デストロイエボリューション ”!!(体内に格納した重火器…ではなく水鉄砲を展開し、一斉に発射する)
ラテーネ「嘘…っ!?(ステージのカーテンを利用して防ぐ)
ディスク「防がれちゃった…今回「は」この必殺技、一度限りだったのに…。でもいいわ。(すぐさま二丁拳銃を構えて連続で発射する)
ラテーネ「あぅ…っ!(カーテンから出てきて上手い具合に回避)そんなに発砲したら、すぐに水がなくなっちゃう――――――!!(彼女を見て仰天する)
ディスク「気付いたかしら?そう、貴方に勝ち目はない。(足元にはバケツがあり、その中にはかなりの数の銃が入っていた)
イギーター「なるほど…負けた選手から掻き集めた銃を…。相手もなかなか賢いですね。 この銃撃戦は、実際の銃撃戦以上に弾丸の補充が危険な行為。水鉄砲の給水口は小さく、そこに水を入れるのは器用であっても時間のかかる行為。つまり、自殺行為だ。
数多くの選手たちは両手で二丁拳銃を持つのが限界。彼女はその限界を超える為に、バケツという道具を活用したわけか…。対するのんさんは……あら?可笑しいですね…一丁しか持っていない。先程まで持っていたはずでしたが…。
だが先程の戦いでのんさんの弾丸である水もだいぶ失ってきている様子…。残りの水量に温存し、チャンスを待っているようですが…彼女の圧倒的な弾幕の前に追い詰められるのは時間の問題のようにも見えます。
ラテーネ「……!(何を思ったのか、急に大広間の壁に沿ってディスクから逃走し、そのまま部屋を出て何処かへ駆けだしていく)
ディスク「くっ…逃がさない。(急いで後を追いかける)
ラテーネ「(食堂の厨房の中へと入っていき、奥側にある柱を背に隠れる)
イギーター「なるほど、確実に有利な地形に誘い込みましたね、のんさん。貴方のスタート地点であった厨房は狭くて込み入っている。もしや、肉迫して一撃で逆転したいはず。そんな彼女には逆転が狙えるいい地形だ。
ディスク「 (同じく入っていく)ここは…厨房…?
ラテーネ「あれれ、どうしたの?攻撃の手が鈍ってきたね。疲れてきたのかな?
ディスク「くすくす…お気遣いありがとう、まだまだよ。それよりそちらの水は大丈夫?さっきから全然撃ち返してこないみたいだけど?ひょっとして、弾切れじゃないかしら?
ラテーネ「そうだと思うなら、お顔を出してみたらどう?
ディスク「遠慮するわ。最後の一発を温存しているのは分かっているんだから。
ラテーネ「一発あれば充分だよ。服を濡らしちゃ気の毒だから、額を狙ってあげるね。
ディスク「くすくす…でも、最後の一発分の水量では、大して勢いもないでしょうから射程も殆ど無いんじゃない?
ラテーネ「……。(汗)(ぎゅっと水鉄砲を握りしめ)
イギーター「どうやら彼女の言うことは図星らしい…。のんさんは後一発分のチャンスしか残っていない。しかも水鉄砲は水の水量に応じて飛距離が下がってしまうもの。その為、最後の一発は全弾の中で最も射程の無い一撃になってしまいます。ああ、絶対的に不利な状況。のんさんはどう来る…!?
ディスク「うまい位置に逃げ込んだわね。私も流石に慎重にならざるを得ないわ。さあ、行くわよ…!(水鉄砲の水を満タンにしてゆっくりと追い詰める)
ラテーネ「そうだね、勝負しよう!(柱から姿をあらわにする。しかし所持していた銃が先ほどと変わっている)
ディスク「……!(銃が変わっているという異変に気付く)
ラテーネ「ここは弾切れになったら逃げ込もうと考えていてね。予め一丁相手から没収して隠してあったの。
イギーター「な、なるほど…!通りで、先程まで一丁で戦いを挑んできたわけだ!最後の最後に仕掛けをかまして逆転するなんて…!
ディスク「(しかし余裕な表情を崩すこともなく)その一丁は、私にとっても大切な一丁だったのよ。
ラテーネ「…どういうこと?(首を傾げて)
ディスク「だってその一丁がなかったら貴方は、さっきの銃のまま一撃逆転を狙い続けて、こうして私の前に姿を現したりしないもの。
イギーター「――――――!!そうか、そういうことですかぁっ!!さっきまでの状況は、確かにのんさんが不利ではあったけれども、彼女ディスクさんにとっても戦崩せない状態だった。
のんさんが最後の逆転を狙う為に慎重になるからこそ、ディスクさんは攻めあぐねていたのか。つまり、のんさんは新しい満タンの銃を手に入れたなら?!篭城を止めて、一気に勝負に出るではありませんか!
ディスク「つまり、貴方が此処を目指しながら逃げて…その銃を拾うことは初めから読んでいたっていうこと。
ラテーネ「………。
イギーター「しかし対するのんさん、迷っていない表情でしたが…一瞬歪みましたね。どういうことでしょう、撃てないのでしょうか…?いや待て、よく見るとあれは…水鉄砲が壊れている?いや―――――壊されている!!
ディスク「こんな玩具…ちょっと砂粒を入れて空撃ちすれば、すぐに詰まっちゃうのよ?(余裕めいた表情が更に増す)
ラテーネ「……私が切り札をここに一丁持っていることを先に読んで細工したってわけだね…。(汗)
ディスク「切り札は最後まで取っておくものよ。そ、私の切り札は“デストロイエボリューション”なんかじゃなくて…この時の為の“トラップ”なのよ。これが究極の美徳ってやつね。
イギーター「今回の水鉄砲大戦はハードルが高すぎる!これなんて頭脳戦じゃありませんか…!まあ、見ていてすごく楽しめますから良しとし……ディスクさん、相手の策すら読み切って仕掛けを施すとは…!しかしのんさんも残念なことを、先程の銃も持っていればまだ何とかなっていたはず。だが今の状況では拾いなおす時間など無い。さっきよりも状況が悪化している!なにしろ、最後の一撃すら撃てないのだから…。
ディスク「さあ、観念しなさい。さっき貴方は私の額を狙うとか言ってたわね…。なら、逆に私が額を狙ってあげる。(じりじりと間合いを詰め、ラテーネの額に銃口を向ける)
ラテーネ「…まだまだ甘いね。
ディスク「え?何か言った…?
ラテーネ「トラップで相手を仕留めたならね、余裕を見せるのは勝者の権利だと思う。だけどね、今の貴方は私を絡め捕っただけで…仕留めたわけじゃない。余裕を見せるのはまだ早い段階だと思わない?
ディスク「くすくす…何を言い出すかと思えば、今から仕留めるから同じことよ。
ラテーネ「私が逆の立場なら、能書きなんか言わずにさっさと撃つよ。じゃないと、負けるから。
ディスク「負ける?誰が?その壊れた水鉄砲でどうやって戦うつもりなのかしら?
ラテーネ「確かに、これは壊れてて役には立たないみたい。さっきから何度も引き金を引いているけど、何にも出てこない。…でもね、それで勝ったと思ってしまったのが、貴方の敗因だよ。
ディスク「はあ…?
イギーター「そういうことですか……!(ラテーネの腰元に気が付く)もうこの勝負はついたも同然だ。何故なら…今から数瞬の後に、ディスクさんはのんさんに倒されるからね!
ディスク「貴方が何を言っているのかよくわからないわ。その壊れた銃で何ができるというのかしら?
ラテーネ「どうして残りが少ないさっきまでの銃がこの手に無いんだと思う?――――――こういうことだよ…っ!!(銃口の詰まった銃をディスクの肩の横をすり抜けるように投げ飛ばす)
ディスク「―――――ッ!(その行動に驚き、思わず身を竦めて顔を背けてしまう)
ラテーネ「(その一瞬にできた隙を利用し、腰の後ろに隠し持っていた銃を取り出す)残りが少ないからって、それを捨てるなんてことはしないよ。隠していた武器が使い物になるって、確証が持てるまではね!(額に狙撃する)
ディスク「――――――なっ!!!!(アウト)
イギーター「……慎重とはここまで入念になって、初めて慎重なのですね。ディスクさんのトラップ作戦は失敗していなかった。だが、過信し過ぎたのだ。のんさんが新しい銃の不漁に戸惑っている間に畳み掛ければ良かったのだ、躊躇なく。勝ちを確信したそれこそが敗因…っ!
ラテーネ「まだまだ詰めが甘かったね。
ディスク「そん…な…っ!?くっ……orz
ラテーネ「でも……とってもわくわくして、楽しかったよ。(手を差し伸べる)
ディスク「え……?(顔を上げて見つめる)
ラテーネ「はぅ…♪(微笑む)
ディスク「……くす(微笑み返し、手を取って立ち上がる)
イギーター「おめでとうございます、のんさん。実に見事な戦いでございました。この私イギーター、用意したゲームが無駄になるどころかより楽しませいただき…感動の至り…!(涙目)
ラテーネ「そんなのはどうだっていいから、早くノンを返してよ。もう全部のゲーム終えたんでしょ?(もう着替えている)
イギーター「そうでございましたね…。コホン、のんさん…ここまでよく頑張ってきました。過去このゲームパックをクリアしてきた人はいない。寧ろいる筈が無かったんですよ、あまりにも難しいのでね。しかし貴女は違った…天才だ。貴女の様な人しかクリアできないからこそ――――
ラテーネ「前置きはいいから、早く返してよ…!(イラッとした表情)
イギーター「む……仕方ありませんね。…分かりました、では娘さんを幽閉した場所を明かしましょう。―――――真のラストゲームをクリア出来たらねぇっ!!!(不敵な笑みを浮かべる)
ラテーネ「え……っ!?
最終更新:2012年01月21日 14:44