誕生編 過去ログ.8

……さん……いさん………!


――――― に い さ ん ! ! ―――――


マリオ「―――― はっ!(いつの間にか地面に横たわっていたところ、脳裏に反響した誰かの声に起こされる様に目覚める) 」


気が付くとマリオは、広大な黒い空間に浮かぶ大きな円型の浮遊物体の上に立っていた。


マリオ「 …っ……(うつ伏せの身体をゆっくりと起こし、観たことのないその空間を見渡した)……どこだ、ここは…? 」


頭上の黒い空間…それは夜空の様でもあり、宇宙の様でもあり、得体の知れない闇の様でもあり、時に幾つもの神々しい閃光が彗星の如く、その暗い空間を突き抜けていく。それは人間の理解には程遠い、不思議な空間だった。


マリオ「 …すげぇな…(数々の世界を冒険してきた彼でも、この広大に広がる異空間に息を呑んだ)……って、感心してる場合じゃなかった。おーい…!「   」……!!……?…………???(誰かの名前を読んだ気がする。しかし、口にしたはずのその名前は彼の耳に、脳に、心に入ってこない。感じたことのない不気味な感覚に、思わず冷や汗を流し、自分の胸部に手を添える)……なんだ……何なんだ、今のは……―――― 」


――― フ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ッ ! (マリオが奇妙な感覚に囚われている最中、広大な空間全域に強く響き渡る男性の様な笑い声が反響する)


マリオ「 ―――ッ!!?だ、誰だ…っ…!?(突然響く不気味な笑い声に体がぴくりと微動し、四方を隈なく見渡してみる) 」

マスターハンド「 ―――― ォ ォ ォ ォ ォ … ッ … ! (漆黒の空から、巨大な「手」が現出する) 」

マリオ「 なッ……!!?な、な…なんだ…何なんだ、お前…!!?(巨大な手の出現に酷く仰天し、その不気味な容貌に思わず数歩後ずさりする) 」

マスターハンド「 なんだ…私の名を忘れたのか?私は貴様を覚えているぞ。キノコワールドに住まう"ミスターニンテンドー"…――― 「マリオ」よ。(ビシッとマリオを指さす) 」

マリオ「 俺はお前のことなんか知らない…何故俺の名を知っている…!?俺をこんな変な所へ連れてきたのはお前なのか!?(警戒心を剥き出すように対峙する) 」

マスターハンド「 そうだ。元の世界から貴様を…いや、「貴様たち」を『混沌世界』に誘ったのはこの私だ…!!(自らの存在感を誇張するように掌を広げる)…だが、空間転移の際に何らかの不具合が発生し…貴様をはじめ、一部の者たちは「この地」に不時着してしまった様だな…(「ふむ…」と一人納得するように呟きながら) 」

マリオ「 なん…だと……?(突然告げられた驚愕の真実に表情が蒼ざめる)ここは一体何処なんだ…!?何故俺をこんなところに!? 」

マスターハンド「 ここは――――『 終 点 』。そう、全ての世界の終着点であり…貴様たちがこの創造神『マスターハンド』と一つになる為の場所なのだ!! 」

マリオ「 終点……?俺が…お前と一つになる…だと…?―――ふざけるなッ!!!(ダンッと一歩踏み込む)神だがなんだが知らないが、俺はお前なんかの思い通りにはならないぞ!!(拳を作り身構える) 」

マスターハンド「 私と癒合することを拒むか…よかろう。ならば、その身をもって知るがよい…――― 神 の 絶 対 な る 力 を ! ! ! 」


【BOSS】 Vs マスターハンド


BGM♪



マリオ「 ごちゃごちゃうるさいんんだよ!!(一直線に駆けだし、頭上のマスターハンドへ向かって高く跳ぼうとするが―――)……れ…?(地面から足を離し、跳び上がった瞬間、ある異変に気づく。異常なまでに全身に働く重力によって、思う様に高く跳べなかったことを―――) 」

マスターハンド「 フンッ!!!(手で振り払うように全身を翻し、マリオを薙ぎ払った) 」

マリオ「 うわぁ…ッ!!(薙ぎ払われステージの中央へ転がり倒れる)くそ…おかしいな…いつもなら高く跳べるはずだが……!?(ズレた帽子を深く被り直す仕草をとると、再び巨大な手に立ち向かう)これならどうだ!!“ファイヤーボール”!!(燃え盛る掌から火球を生み出し投げ飛ばす――――はずだった)―――!!?(マスターハンドに向かって突きつけた掌が発火していないことに気付き、目を皿にする) 」

マスターハンド「 ブ ォ ン ッ ! ! (広げた全身から掌底を繰り出し、真正面からマリオを強く突き飛ばした) 」

マリオ「 ぐあああぁッ…!!ドサァ… ! (ステージの崖際まで突き飛ばされる)…はぁ…はぁ………!?(いや…気のせいじゃない…嘘だろ…―――ジャンプも炎も使えない…のか…!?)(自分の両手を見つめ、本来の力を失ったことに気づいた絶望感に身が震える) 」

マスターハンド「 どうした。先程までの威勢は何処へ行った。…愚かなものよ…もはや神の力を使うまでもなく、貴様は私に取り込まれるのだ。(不気味に指を動かしながらマリオへと詰め寄っていく) 」

マリオ「 く…っ……!(頭上の巨大な掌の影に呑まれ、成す術もなくただその場に跪くしかなかった) 」

マスターハンド「 終わりだ…!!!(全身を広げ、マリオを押し潰そうと急降下を始めるが―――) 」


――――ほぉ。我が眼前で『神』を名乗るか。どうやら貴様も髑髏になりたいと見える。


ゴ   ォ   ァ      ァ   ッ    !  !   (天地余すところなく、一切合切を紅蓮に染め上げる獄炎が渦巻く。だが、マリオ"だけ"はその熱を感じなかった)


マスターハンド「(―――!) グ ア ア ア ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ッ (やにわに発火した全身にのたうち回り、マリオから離れる様に退いていく) 」

マリオ「 ……?!(掌に押し潰される直前、一瞬の間にその掌が燃え盛ったのを見て仰天する)な……炎…!?これは…(これは…俺の炎…じゃない…!それ以前に、熱気を感じない…!?)(はっと辺りを振り返ってみる) 」

ま、どう見ても頭ないから髑髏もへったくれもないけどネ! さぁ、遠からんものは音に聞け、近くば寄って目にも見よ。仏に会うては仏を焼き、神に逢うては神を焼く!儂こそは第六天魔王―――――


アーチャー(帝都聖杯奇譚)「 ――――そう、わし<織田信長>じゃ!!(背後には彼女自身がせんんそうと言わんばかりに自立機動する火縄銃を無数に従え、腕を組み上空から孤高より竜の尾の如く黒髪をなびかせる少女の姿)うっはっはっは!どうじゃ聞くじゃろう、この儂の第六天波旬は。これこそは三界神仏灰燼に帰した我が生涯の現れ。『神聖』たる者には酷じゃろうて! 」

マスターハンド「 グヌゥ…(消火した全身がゆらりと起き上がる)第六天魔王…そうか、貴様が『織田信長』… ククク…ッ…!貴様の存在も知っているぞ…! チ ャ キ … ッ … (全身で銃を象り、彼女に銃口部分を思わせる人差し指と薬指を突きつける)貴様も我が一部としてくれよう!!( ズギャアァンッ ! ! ! )(指の先端が爆発と共に弾け飛び、銃弾として彼女に迫ろうとしていたが―――) 」

ルフィ「 よっ――― ボ ヨ ン ッ (発射された銃弾が信長に迫った時、彼女の前に割って現れたのは風船の様にお腹を大きく膨らませた麦わら帽子の青年―――)効かないねぇ…ゴムだから?返すぞォッ!!!(膨らんだお腹にめり込んだ銃弾をそのまま弾き返す) 」

マスターハンド「 なにッ…!!?( ボ グ オ ォ ン ッ ! ! ! ) (跳ね返された銃弾が被弾し爆発する)ブンッブンッ… ! ! 今度は…――――!(続いて現れた青年にも人差し指を突きつける) 」

マリオ「 な、なんだ…味方・・・なのか…!?(突然現れた信長とルフィに目を丸くする)…だ、誰だが知らないが…助かった…! 」

アーチャー(帝都聖杯奇譚)「 ええっ!? おま飛び道具とか儂の間合いの利がなくなるんじゃがァー!?(銃弾に仰天し絵柄がデフォルメちっくになってドン引き)お、おおうあぶな……う、うむなんか面妖なもんを見た気がするんじゃが今更かぁ 」

ルフィ「 俺は『モンキー・D・ルフィ』! "山賊王"になる男だ!!( ド ン ッ ! ! ! )(高らかに両手を掲げる)危なかったなお前ら~。ところでここ何処なんだよ?て言うか腹減った魚ぁぁぁああ~~~!!!!(グギュルルルゥ…) 」

マスターハンド「 よもや…空間転移から外れた者たちがこれほどいようとは… 少々由々しき事態となった。これはシステムの改修が必要だな…(ぶつぶつと独り言を呟く)…まあ、よい。いずれにせよ、全ては私のもとへ還ることとなるのだ。さぁ、そろそろ見せてやろう…神の偉大なる力を!!!(拳を強く握りしめる) 」

アーチャー(帝都聖杯奇譚)「 儂なのなったからね。おっすオラノッブ!あれは平成31年の夏のことじゃった。聖杯をねるねるねしとったら研究室が本能寺かしてあえなくわし焼死。気づいたらここにおったのじゃ 」


キ ラ … ―――― ヒ ュ オ オ オ オ ォ ォ ォ ォ ッ (マスターハンドの挙動が合図となったのか、宇宙の様な黒い空から数多の流星が降り注ぎ、フィールド上にいる者たちにいくつもの隕石が迫る)


アーチャー(帝都聖杯奇譚)「 えーっ!?開幕早々人類滅亡!!?ドリフのBGM流さなきゃなんじゃが!いや待って待って、わし対星宝具とかそういうの持ってないから!神仏絶対焼き殺 すファイアなアレがないと後は豆鉄砲なんじゃがー!? 」

マリオ「 お、おっ、おいっ!?なんか来るぞ…!!!(夜空から何かが迫っているのを察知し、二人に注意喚起)おいおいおい嘘だろォィィ…!!!(雨のように降り注ぐ隕石を掻い潜っていく)当たれば一溜まりもねえ!落されるぞ!!! 」


ザキィンッ、ザキィンッザキィィィ―――ン…ッ… ! ! ! (差し迫る隕石に閃光が迸る。岩石は十条に斬り分けられ、終点に降り注ぐ前に宇宙の塵の如く粉々となる)


うちはイタチ「 ス ア ン ッ (焼き菓子の様に脆く崩れていく隕石の残骸の中から、赤く巨大な鬼人の様なオーラを纏った黒尽くめの男が姿を現す)ス タ ン … (赤い気を消滅させ、マリオたちのもとへと静かに降り立つ)なるほど…全ての元凶は貴様にあるという訳だな。(鋭い眼光でマスターハンドを突き刺すと、その赤い双眸『車輪眼』の模様が変わり始める) 」


か   め   は   め   波"ァ"―――――ッッッ!!!!(そして切り分けられた隕石の隙間からかいくぐるようにして暗黒色の極太光線がマスターハンドへ向かっていく)


ルフィ「 よっしゃあ!俺に任せ……はっ!?(量の拳を合わせて意気揚々と隕石に立ち向かおうとしたが、瞬く間に崩れていくその様に呆然とする)ま~た変な奴が現れたな…?アイツも山賊かぁ?(後頭部を掻きながらイタチを指す) 」

マスターハンド「 なんだとッ…―――!!?(隕石の崩落に呆気取られていたところ、死角から迫る極太閃光に掌を突きつけると、全身を包み込む光の膜が展開され、閃光から身を守った)シ ュ ゥ ゥ ゥ ……馬鹿な…なぜ、ここまで…っ…?(次々と現れるキャラクターに動揺し、不気味に動いていた指の動きがぎこちなくなっていく) 」

猫「 黙れ手袋!!貴様に追い込まれた者の真の力が分かるか!?(終点の端からひょっこり顔を出す) 」

ミュウツー「    シ ャ   ン  … (暗黒色の光線が途絶えると土煙を広げ一つの影が尻尾をしならせ姿を現せ)――――ウォォォォォォミィィィングアァップにもなるぁんなァァァ……カァスめ……(わかもt……野太い声を発しセr……ではなく魔神のような強大な気を轟かせ咆哮を発した)ブル"ァ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!! 」

マリオ「 す…すげぇ…!(力の全てを失った自分には、駆け付けに現れた者たちの技量にただただ唖然するだけだった) 」

真島吾朗「 ―――――――ヒィィィヒヒヒハァ……盛況やないかぁ!(金属バット担いで現れる) 」

マスターハンド「 フム…ここまでシステムに障害が発生すると至極面倒なことになりかねない。もう少しエネルギーを蓄える必要があるが…こうなった以上は致し方あるまい。かくなる上は――――(光の膜を消滅させた後、更に上空へと飛翔する)貴様等の相手はまた次の機会に取っておくとしよう。さァ、貴様等も…「あの世界」へ飛ぶのだ…ッ…!!(人差し指を真下の終点に向けて突きつける) 」

マリオ「 ……っ…!?(何か仕掛けてくる…!?)(遥か頭上のマスターハンドを睨みあげ、ぐっと身構えた) 」

マスターハンド「 (人差し指の先端に眩い光が集束し始める)――― フェーズ"Ⅱ" 起動 !!! 」


―――――  ド   ゥ    ッ    !    !  ――――― (上空のマスターハンドから放たれた一筋の光柱が終点の真ん中を突き刺す。浮遊物体に凄まじい衝撃が迸り、フィールド上にいたすべて者たちが吹き飛ばされると共に、終点の足場が瓦解した)


アーチャー(帝都聖杯奇譚)「 あっ!これ記憶を消し飛ばして来世まで再開はお預けってなるアレだ!儂詳しいんだ!みんな……ノッブのこと忘れないでネ……! とか言っとる場合カァーい!(ハリセンパーンッ)なんとかするんじゃよぉ~!わしなんもできんけど是非もないよね! 」

ルフィ「 んぎぇええっ!!?やばいッ!吹き飛んじまう―――うわああぁぁぁぁ~~~~~………(破裂する光の衝撃に吹き飛ばされ、暗い空間のそこへと転落していった) 」

ミュウツー「 ブル"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"――――――――!!!!!!!(若本デスボイスを発しなすすべもなく消し飛ぶ) 」

真島吾朗「 ぬぉ…ちょっ……お、おま………――――ドハァッッッ(マスターハンドの一撃により吹っ飛ぶ) 」

うちはイタチ「 ……!!!(突き刺さる閃光に眉を潜めるが、その次の瞬間に全身が光に包まれ、気がつけばフィールドから身が投げ出されてしまい、そのまま抵抗することもなく静かに落下していった) 」

マリオ「 何か来る―――――――!!?(気が付いた頃には既に遅く、再び瞬きすると我が身は宙へ投げ出され、崩れていく足場の瓦礫と共に落下していく) 」


オ ォ ゥ ン … ッ … (ボロボロに崩れていく終点の中に、マリオは一筋の光を見出す。終点は完全に崩れたのではない。まるで殻が破られた様に、先程まで立っていた物体の中から、更なる物体が姿を現したのだった。)


キ ラ … (そして、新たに姿を現した浮遊物体の真下に…核の様な何かが不気味な光を発している。光の球体、その中に、二つの黒線が交差している。それは何かを意味する模様のようだったが…)


マリオ「 あれ…は……―――(崩れ落ちる瓦礫の中から姿を見せる謎の光模様。落下していくマリオの瞳の中に、その光は確かに強く刻まれた――――) 」

マスターハンド「 ……全てはここから始まり、終わるのだ。ついに再誕の日が来(きた)る…!!! フ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ――― 」



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最終更新:2019年02月16日 00:36