キルライフⅢ レインドストーリー ログ

宣戦布告

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―森林山脈地帯 中下り区域ー

レインド「ザクッ…ザクッ…(唯一装備していたミスリルソードを腰からぶら下げ、鞘の先が地面を抉るような位置に付けられている)フゥ…フゥ…(雨水で泥濘んだ斜面を重い足取りでその山脈を逃げた方向とは逆の方向へと、運ぶ) 」

レインド「(感覚が狂っているのか、穴だらけの体の割には早めのスピードで下り続けている)……(丁度、灰色の戦士の建物があった麓にまで辿り付き、雨水で足れた前髪の裏から眼をぎらつかせながら焼け跡を眺める) 」

ザクッ…(木片を踏み砕く乾いた音がレインドの耳を掠める)

レインド「(建物に目配りをギリギリまでしながら、首を音のした方向へと向け、視線もそちらに向ける) 」

ルーベンス「ザクッ…ザクッ…(フードを目深に被りおぼつかない足取りでレインドの目の前を横切る) 」

レインド「ルーベンス…(発見して数秒、ただ目視し小さく呟く)……独りか? 」

ルーベンス「(声をかけられてから数歩進んで背を向けたまま足を止める)…… 」

レインド「…………悪かった(小さく呟き、歩きだすと、一番近くの死体の目の前で立ち止まり、その残骸を見つめ一回だけ瞬きをする)……そうか…… 」*1

ルーベンス「……(踵を返しフードの影からレインドを視界に入れて死体の前に座り込む) 」

レインド「…(あえてどの死体にも手を銜えず、CPOの物と思われる通信機を手にとり、ある周波数に通信を開始する) 」

ピーピピ…ガーガーッガガガ

クラーク「こちらチームファイン。チームデルタか?オーバー 」

レインド「よぉ、クラーク 」

クラーク「……レインド……生きていられたんですね…… 」

レインド「クラーク、何故俺達灰色の戦士を壊滅させた……答えろ 」

クラーク「………お答えできません……… 」

レインド「随分な仕打ちじゃあねーか………おい 」


ガガガッ!


リチャード(無線)「楽しいお喋りの最中に失礼するよ。クラークは今仕事中だ私がお応えしよう、灰色の狼 」

レインド「誰だテメー 」

リチャード(無線)「ケイオス東部一帯の大総統。こんなに偉い人物とお話出来るとは嬉しいんじゃないのかな?……灰色の戦士は我々政府ではない。市民の要望に応えて壊滅させたのだよ。分かるだろうレインド?市民の意見が揃えば全てはその通りに動く。君達は選ばれたのだよ。消される運命に 」

レインド「ふざけるんじゃあねぇよ………俺達灰色の戦士は市民ですらねぇってのか…?テメーにとってなんだ? 」

リチャード(無線)「ゴミだ。それも特別なゴミだ……まぁ、私が灰色の戦士を壊滅させた理由を知りたければその遠い大地から私の居る大都市にでも来るのだな(ブツン) 」

レインド「……(通信機を投げ捨て、ルーベンスに眼を置く)ルーベンス………お前は俺が護る………一緒に行こう… 」

ルーベンス「(膝を抱えて顔を上げる、その目は灰色と赤に染まり、言葉の発しない口だけが無意味に動いていた)…… 」

レインド「(首で行くぞと指図し、着用していた戦闘服を脱ぎ捨て、廃墟の墨に投げやりに置く)こっからは俺達のクエストだ。後戻りする訳にはいかねぇだろ? 」

ルーベンス「……コク(無言で頷き刀を杖にして立ち上がる) 」

レインド「良い子だ…(荒野のど真ん中から、一歩一歩その地平線目がけ脚を動かし出す) 」

ヴィナミスの意思を…

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― 西国 町外れ ー

レインド「(キャンプ場の切り株の上に腰掛け、上半身を正体による処置を施し、膝元に置いた灰色の戦士の制服をゆっくりと着こなす)…(傷口がまだ、痛むな…) 」

ゼウルス「ツカツカツカツカ…(暗闇からレインドの視界にゆっくり移るように姿を現す)久しいな、ローゼ… 」

レインド「――(ゼウルスの姿を目視すると、姿を現すに比例して瞳が縮まる)ゼウルス…… 」

ゼウルス「まるで死人を見る様な顔だな……俺を見るのがそんなに嫌か(そのままレインドの横を通り過ぎ、一歩過ぎた所で立ち止まる)しかし驚いたぞ…お前、生きていたんだな……世間では消えた、死んだという扱いになっているお前がな 」

レインド「そうかい…(疲れたような声と共に立ち上がり、ゼウルスの方に振り向かずため息をつく)俺の居場所も消えた…実質死んだようなもんだ 」

ゼウルス「そうか…死人か、貴様は……ティルクは貴様に命を託して死んだ(レインドの方へと振り返り、見下すような視線を送る) 」

レインド「……(言葉を背中で受け、歩き出そうとした足を踏み留める) 」

ゼウルス「恐らく、その制服…何らかの組織の物だろう?貴様に新たな仲間でも出来たんだろう…呑気な奴だ、貴様に仲間など誰一人としていない。この世界で貴様は孤独だ、あの時(カオスマスターが崖から突き落とされる時)から、ずっとな……そんな貴様は何故居場所を求める、何故生を求める?理解出来ない… 」

レインド「(ゆっくりとゼウルスの方へと顔を向け、力の抜けた、それでも威圧ある瞳を向ける)なんだと…… 」

ゼウルス「お前は死ぬべきだと言ってるんだよ…(パソコンを懐から取り出す)お前は”英雄”だった…しかし最早その面影はない。ただの生きてる模型だ…… 」

レインド「……『生きてる模型』……か……(哀愁漂う表情で空を見上げるように首をあげ、口元で嘲笑しだす) 」

ゼウルス「……何が可笑しい……! 」

レインド「悪いな、ゼウルス……それはほんの少し前までの俺の事だ……今の俺は生憎、ただ生きているだけの模型とは大違いなんだよ…(体を正面に向け、ドンと構えると、ニッとした口元に何かを捉えたような目付きでゼウルスを直視) 」

ゼウルス「どういう事だ………貴様の何が変わった 」

レインド「俺は「ただ」生きている訳じゃあない……灰色の戦士の志は、アイツらは……俺という存在をこの世に留めてくれた魂だッ!(キッとした表情になり、腕に力が入り、筋肉が引き締まっていく) 」

ゼウルス「……貴様も、そんな顔をするようになったか、レインド…(歯を食いしばり、パソコンを開く)いいだろう、だが貴様をこの世に留める魂共、今度こそ消し去ってやる………(メガネの位置を直し、構えを取る) 」

レインド「させねーよ…アイツ等が命捨ててまで護った命は俺が護る、俺、自身の手で…ッ!!行くぞォォォォオオオオ!ゼウルスゥゥウーー!!!(勢い付けて駆け出し、一定の距離になると大きく跳躍し跳蹴りを繰り出す) 」

ゼウルス「……ッ……オォ!!!(跳び蹴りにハイキックで対抗し、お互いの攻撃がお互いをすり抜けるような態勢になる) 」

VS ゼウルス

レインド「ッッ!(すり抜けた足が地面に付いた途端軽く地面を凹ませ、前転して隙を無くし戦闘の構えをしたままゼウルスの方面へと体を向ける)

ゼウルス「ブオンッ!(構えたレインドへと休む暇を与えず、大振りなのに素早いアッパーを繰り出す) 」

レインド「ドンッ!(アッパーを左肘で受け止め、衝撃を一点に集中させて耐え)ラァ!!!(防いだ左肘をゼウルスの腕ごと強引に下げ、勢いを付けてゼウルスの胸辺りに食い込ませる勢いのアッパーを試みる) 」

ゼウルス「うっ…ぐぁ……!!(アッパーが見事胸部を食い込み、体が浮く) 」

レインド「せぃりゃあああ!!(浮いたゼウルスへの追撃として、地面を削るように右足を上げ横蹴りを腹部に咬まして吹き飛ばす) 」

ゼウルス「……ッッ!!(腹部に決まった蹴りにより、大きく体は吹き飛び20m程差が開いた所で着地)腕力は一人前だな……骨が逝ったのがよくわかるぞレインド…ッ!!(パソコンから発生しだしたウイルスを腹部に集中させ、傷を癒す)だがな、俺にはウイルスがある…いくら攻撃しようが貴様の攻撃程度癒せる、いくらでもな!! 」

レインド「んなこた知った事かよォォォオオオオオオオ!!!(ウイルスで傷を癒しているゼウルスに間髪入れずに左ジャブ、右ストレートのワンツーから、抉る様にボディブロー、顔面目がけてのキレのあるハイキックの乱舞) 」

ゼウルス「ドゥ…ッ!(左ジャブを顔に受け、応用でストレートをパソコンで防ぐ)ガハッ!(ボディブローは見事に腹を持って行き、態勢を崩した所でハイキックが顔面に直撃し後ろに吹き飛ぶ)クソッ…!”ウイルスレインレーザー”!(吹き飛ばされながらもパソコンをレインドへと向け、複数のウィルスデータを物質化させ、レーザービームを雨のようにレインドに向けて放つ) 」

レインド「見える…(ハイキックの態勢を崩さず、レーザーが放たれた瞬間、右足を戻すように一回転すると左足を上げて胴廻し回転蹴りを繰り出しながらレーザーの雨をかいくぐる)そこだァ!!!(頬や肩などに擦り傷を負いながらもゼウルスへと空中で接近していき、吹き飛んだ状態のゼウルスにそのまま空中回転蹴りによる追撃) 」

ゼウルス「態勢を戻さず、そのまま攻撃に転じた…!?(見事回転蹴りを暗い、地面に叩き付けられ目を閉じて痛みを感じる)くっ……!!”チャージインパクト”!!(接近してきたレインドにウイルスによる爆発攻撃を行い、距離を取る) 」

レインド「どうしたゼウルス!(爆撃から逃れるため、バックステップを多用し爆発攻撃を熱風程度の被害に抑える)随分押され気味じゃあないか、えぇ? 」

ゼウルス「……いい気になるなよ…俺の得意とする戦闘は遠距離だ…この距離はもう縮まん…(ウイルスで体を癒しながら、パソコンからデータがインストールされていく)”コマンド”(ブロック状に自身の体がデータ化される)お前を殺すのはここからだレインド! 」

レインド「殺すと口にするんだったらさっさとかかってきな(手でクイクイと挑発しながら来いと合図) 」

ゼウルス「さぁ、距離を縮めてみろ!(命中率100%の自動追尾ビームをメガネから発射させる) 」



レインド「あぁ、そこで待ってろ…ッ!(そのビームをそのまま避けてしまい、命中率を知らずに構える) 」



ボォオン!(回避したビームは屈折していき、レインドの背中目がけてやってくる) 」



レインド「…ッ!!(ビームの気配を感じとり、一瞬の目視で咄嗟に体が動き、サマーソルトキックのように宙返りしながらビームを再度回避) 」



ヒュン!ズドン(宙返りで回避されたビームはまた屈折し、レインドの着地を狙う) 」



レインド「ちょこまかと…ッ!(着地した瞬間右に大きくローリングし、ローリング後もビームから逃れる為に駆け出す) 」



ボガァッ!(地面へと入りこむと、すぐさまレインドの足下から出現、空を飛び上がってまた地面へを繰り返す) 」



レインド「くッ!(出現し出したビームに対応し、足を不格好に上げて回避し、勢いを殺さずに走り続け器用にビームを回避していき)さっさと諦めろこのクソ野郎ッ!(ビームが地面に入り込んだ瞬間、前方に大きくローリングしながら道路標識に飛びつき、無理矢理負って地面から出て来た所のビームに標識をハンマーのようにぶち当てる) 」



プシュン…(ビームは消滅)



レインド「へっ…ざまみろ…!(ビームが消滅したのを確認し、標識から手を離す)…ちっ…見失ったか… 」

ゼウルス「(声を上げず、レインドの背後に出現し腿裏へとローキックでダウンを狙う) 」

レインド「…ッ!!(ローキックを受け、体重のかかった重激に押されダウン) 」

ゼウルス「(追撃をせず、警戒しながら後ろに十分な距離を取って離れる) 」

レインド「……(追撃へのカウンターを狙った腕を引っ込め、すぐさま立ち上がる)フゥ…(一息、呼吸を整え構える) 」

ゼウルス「…(構えた所でコマンドによりデータ化)一息したか、疲れが見えて来たな 」

レインド「御託はいい、来い(目を拗らせ、構えを前方に集中させる) 」

ゼウルス「(声を殺したまま前方に集中しているレインドの後ろに出現し、再度腿を狙ったローキック) 」

レインド「ドッ!!!(ゼウルスが出現したとほぼ同時にラリアットのような回転攻撃) 」

ゼウルス「なっ――(回転攻撃は決まり、顔面を殴りぬけ体が宙を舞う) 」

レインド「オラオラオラァ!(宙を舞うゼウルスに飛び上段回し蹴りを二段蹴りで繰り出し、最後はゼウルスの両足をしっかりと掴み)オオオオオォォォォォォオオオオ!!!(ジャイアントスイング(デビルスウィング)の要領で立っている標識の棒に頭部を激突させる) 」

ゼウルス「ウッ!グオァ!!――ッ!?グワアァァァァァアアアアア!!!!!(デビルスウィングで頭部が見事やられ、当てられた標識の真下で倒れ込む) 」

レインド「オラァァァァァァァ!!!(倒れ込んだゼウルスの顔面への 強烈な 拳割を降す)…(ペッと唾を吐き、ゼウルスを見下しながら手を離す)… 」

ゼウルス「グッ…(血塗れの顔に、割れたメガネで不気味に笑う)クククッ…この俺が……能力を持たないただの……ただの人間にここまで…グフッ!(血反吐を吐きながらも、ゆっくりと立ち上がると自然と体が浮き上がり初める)初めからヴィナミスの居ない世界など、価値などなかった…… 」

レインド「……ッ!?何をする気だ…!!! 」

ゼウルス「言葉の通りだ……ッ!!」


カルテット オブ イクステンション!!


ゼウルス「(超巨大な気弾4つを上空に出現させる)これでこの世界を滅ぼす。そうすれば貴様も醜い維持を張って生きることもない、あの世でヴィナミスとも会える… 」

レインド「………ゼウルス、アンタ、何か勘違いしていないか……(気弾には目もくれず、ゼウルスをただ気弾の光が入り込む瞳で見つめる) 」

ゼウルス「……何ィ…!?(気弾を保ったままレインドを見下す) 」

レインド「ヴィナミスのいない世界に価値がないだとか、訳の分かんねぇこと口走ってんじゃあねぇ………ヴィナミスの命は確かにこの世には存在しねぇ、だがアイツが残した『世界』は今も存在し続けている。どんな形だろうがな…この世界を護り続けるのが、ヴィナミスの意思だ。ゼウルス、アンタだって分かっているはずだろう! 」

ゼウルス「……何を…何をほざく!現にこの世界は既に幾つもの脅威に教われ、いつ滅んでも可笑しくはない!そんな世界をヴィナミスが望んでいるというのか!? 」

レインド「それが由縁だ(キッと睨むように視線でゼウルスを見上げ続ける)英雄と呼ばれる野郎がいるのも!平和組織が掲げられているのも全て!この世界を護ろうという『理念』が築き上げた物だ!俺達、このケイオスに住み、戦う人間の!『信念』だッ!それがヴィナミスが残した物、このケイオスを護り続けている物だ!!(腰を落とし、両足に力が入る)俺が、その『信念』を教えてやる、ゼウルス……! 」

ゼウルス「教えてやる…!?ヴィナミスが残した物…!?そんなもの…この俺が理解できないものなど!有り得ん!奴が残したものは全て俺が理解している!貴様なんぞに理解できるものではない!!!(気弾を全て一つに纏め、巨大化させる)まずは……まずは!この俺にとって邪魔な貴様から!!!消えてなくなれ がアアアアアアアアァァァァァァァァァァ!!!!(超特大気弾をレインド目がけ発射) 」


”餓狼の極み”


レインド「(赤いオーラが身を纏い、左回転して軽く 跳躍しながら左脚による胴回り回転蹴りを繰り出し) 」

ピキッ…ヴォオオオオオオオオオオオ!!!!(レインドの蹴りが気弾に接触すると、小規模に爆発を起こしながら吹き飛ぶ) 」

ズドドドドドド!(小規模の爆発を繰り返していくと、段々と縮小していき、最終的にバレーボール程度の大きさになり地面に接触すると、そこで周囲に被害が加わる事のない爆発が発生) 」

ゼウルス「――――――――(目が唖然としており、浮いていた体は自然と降りて行く)バカな……俺の最大の技を……たかが……”蹴り”一つで…… 」

レインド「お前の世界を破壊したいという『信念』よりも、俺のこの蹴りに込められた護りたいという『信念』がな(振り返ってゼウルスと向き合う)……蹴りかエネルギーかなんざ、大した差じゃねぇんだよ 」

ゼウルス「……ッ……!!(歯を食いしばり、自身の自慢の技の残骸を見つめ、レインドに視線を向ける)……貴様…… 」

レインド「人間、しがみついでても這いつくばってでも 生きる事に価値がある……アンタは、ヴィナミスの意思を継いだ一人なんだ、ゼウルス(威圧感を感じられない程度に歩き出し、ゼウルスに近づいて行く)世界を破壊する技なんてもんよりも…アンタにはもっと、すべきことがあるんじゃあないのか…(ゼウルスに手が届く程度に距離を縮め、凛々しい表情で目を合わせる) 」

ゼウルス「――ッ!(ヴィナミスの意思を継いだ一人と言われ、目を大きく開き、体全身の力が抜ける)……俺は他人の命令など聞かん……だが……だが………(フッと小さく笑い、目を見開いてレインドに凛々しい顔を見せつける)貴様の言う通りだな……レインド 」

レインド「はぁ……(疲れたようにため息をつき、頭を掻く)アンタが笑ってると気持ち悪ぃよ……ま、それがマスターの上司の笑顔だ。それでいい(ケッと笑い、ゼウルスの胸を軽く叩く) 」

ゼウルス「…(笑ったまま、煙草を取り出して指で挟んで口にヒョイと挟む) 」

レインド「(黙ってライターを取り出し、ゼウルスのタバコの先に火を灯す) 」

ゼウルス「……ハァー…(煙草の煙を吐き、空を見上げる)………ゴフッ…!(突然吐血を起こし、赤く染まり上がった部分に手を当て、煙草を落としながらぐらりと体が揺らぐ)」

レインド「ッ!!!!(吐血し、倒れかけるゼウルスを抱きとめる)ゼウルス…………大丈夫か…? 」

ゼウルス「……レインド…この俺に気をかけてくれたのは……心から”嬉しい”と感じたぞ…(フッと笑い、赤く滲む口元を片手で拭う)…どうやら、力を使い過ぎてしまったようだ…俺は……もうダメなようだ……… 」

レインド「おい…ッ!諦めるんじゃあねぇよ…ッ! 」

ゼウルス「世の中、どうしよもないことだってある……レインド、俺はお前のお陰で気づけた……ここで悟るのも……悪くない… 」

?「そうよ、男が弱音吐くだなんて…―――情けないわねぇ…(レインドの横に、ウェーブのかかった黒髪の人が気配も無くぬっと現れる。) 」

ゼウルス「貴様が、俺の力を抑え込んでくれなければ………確実に死んでいたな……(力が弱々しくなっていき、声が掠れる) 」

レインド「……ゼウルスを抱えたまま視線を向ける)感謝すんだな、それぐらい自分で治せよ、医者なんだからよ(ブラックジョークをぶちかまして元気付けようと試み、軽く笑う)」

ゼウルス「レ、レインド………(目を開け、レインドの表情を見て歯を食いしばる) 」

?「――――もういいのかしら?喋って。(腕を組み不気味に微笑んでいる) 」

レインド「…通りすがりに悪かった…頼りないがコイツは今重症だ…なんとかできねぇか……(?に) 」

?「何とかできなきゃ口突っ込まないわよ~~ 大ジョーブ♡すんごい娘が知り合いに居るから絶対に大ジョーブよ!(レインドにウィンク)じゃあハンサム(ゼウルス)ちょっと待っててねん?(携帯を取り出す)……あっ♪ウェルちゃん♪ごめんねーこんな夜遅くにー♪ちょっと頼まれてくれるー?…うん♪あのねー―――ハ・ン・サ・ムが、じゅーしょーなの♡ 」

レインド「……ゼウルス……しっかりしろよな…(ゼウルスを降ろし、片膝ついて顔を覗き込み) 」



ゼウルス「…あぁ…………

いい、ものだな……



似た者同士

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― 西国 町外れ ―

レインド「……どうだ、痛むか?(太陽下の中、ゼウルスへの処置が終了し、ゼウルスと対面する形で胡座をかきながら視線を合わせる」

ゼウルス「だからこそ生きている(眼鏡は外しており、半裸包帯姿)……貴様も怪我をしているというのに、何故平気なんだ 」

レインド「怪我ァ?…あぁ、鉛玉の事か…大した事じゃないさこんなの…まだ銃弾、いくつか体内に残ってるが、支障はないんだ 」

ゼウルス「それでこの俺と対等に戦った……か……とんだ化け物だな。俺のあの技は一つの気弾で惑星を塵に出来る技だ。怪我持ちで蹴り一発、それで弾き返すとは化け物だな(ため息をつきながら、笑う) 」

レインド「人間、やりたいようにやってみりゃ案外何でも出来るもんだ。アレはなんか…運が良かったんだろ(困った様な笑い方をしつつ、自分の傷跡に手を添える)それで、アンタはこれからどうするんだ? 」

ゼウルス「そうだな……貴様の話の中で出て来たリチャード…奴との敵対勢力に当たってみようとは思う…ま、会えればの話しだがな 」

レインド「敵対勢力……居れば、会えばって感じだな、本当……アイツは腐っても政治家、それも大総統だ。テロ組織ぐらいしか反対勢力はいないんじゃあないか 」

ゼウルス「フッ、らしくないな。それを探すといっている(ゆっくりと立ち上がり、何かを思い出したかのように眼鏡をかける)…お前に会わせたい奴がいる…… 」

レインド「…(フッと笑い、こちらも立ち上がろうとしたところで「会わせたい奴がいる」と聞き、動きをいったん止める)会わせたい奴…?今からか? 」

ゼウルス「あぁ……貴様と会い、本来は俺が貴様を倒し、トドメを刺させてやろうと連れて来たのだが……まだ近くにいるか………おい!(近くの茂みに声をかける) 」



ガサガサ…(茂みから数回草木の擦れ合いが聞こえると、一人の男性が影の中からゆっくりと出てくる)


クロ「…………レイ・ローゼ………(以前とは風変わりした顔の傷に、以前まで強大だった筋肉も劣化している)

レインド「――(大きく見開き、驚愕の表情を隠しきれずにゆっくりと口を開く)……クロフォード…… 」

クロ「……変わったのか、変わっていないのか……分からない奴だな……(ゆっくりと歩みよっていき、ゼウルスの横に腰かけ、以前のように睨む様な視線ではなく、一人間として、対等の人間を見る瞳でレインドに視線を送る) 」

レインド「……アンタ……牢獄に居たんじゃ……(先ほどまで立とうとしていた姿勢を崩し、再度胡座でクロと対面) 」

クロ「フッ…訳あってな……その事はいい……それよりレインド(レインドにた真剣な視線を送る) 」

レインド「…(返事はせず、ただ真っ直ぐ無表情でクロに目を向ける) 」

クロ「……(ゆっくりと頭を下げ、お辞儀)…感謝する……… 」

レインド「……(表情には出していないが、驚いたようにクロの行動を見つめ、黙ったまま硬直) 」

クロ「貴様は、私との約束を護ってくれていた…(顔を上げ、優しげな表情でレインドを見つめる)そして、全てを失い、命をも捨てようとした私を…救ってくれた…今まで言えずに牢で暮らし、悶えていたのだ…… 」

レインド「………クロフォード……(無表情のまま小さく名前を呟く) 」

クロ「神妙そうな顔つきだな…お前があの時手榴弾を蹴り飛ばさなければ、私はこうして貴様に礼も言えずに居たのだ……だが、私はこれから先、きっと光を浴びる事は出来ないだろう。貴様と私は似た者同士だ… 」

レインド「……あぁ、似た者同士だ――だがな、人間しがみついでても這いつくばってでも 生きる事に価値がある。光を浴びるか浴びないかなんて、まだ分からない事うだうだ言っててもしょうがねぇだろ? 」

クロ「……あぁ…そうだったな……(フッと笑って自分の頬の傷を擦る)…改めて感謝する、レインド…ここまで単純に頑張ろうと思えたのは久々だ… 」

レインド「そうかい…(表情が崩れ、こちらも小さく笑いながら頭を掻く)ただ、アンタら地球人には申し訳ないが、ここを譲るつもりはサラサラねぇぜ。その辺分かってるよな? 」

クロ「貴様のいるこの世界を奪おうなど、考えはしないさ…そんな事したら、またこっちがやられちまう、ハハハ…とにかく、レインド…俺もリチャードについて調べよう。政治のつながりは多少は分かるからな… 」

レインド「わかってんじゃあねーか(ハハハ)…あぁ…だが無茶だけはするんじゃあないぞ…情報なんてなくても、俺はリチャードの元へ向かえるんだからな 」

クロ「あぁ……俺はゼウルスと共に行く…達者でな(ゼウルスと共に歩いて行く) 」

レインド「……(クロ達を見送り、ゆっくりと立ち上がる)…似た者同士か…確かにな…(ボソリと呟き、キャンプを立てた人気の少ない林へと姿を消す) 」

白色の戦士

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― 西国 町外れ ―

レインド「悪ぃ、ルーベンス。暫く留守にさせちまって…(ゼウルス戦後の為、多少傷が増えた状態でキャンプ場へと戻る 」

ルーベンス「……(膝を抱え観察していた蟻の行進からレインドへ視線を移し口を動かしながら身振り手振りで言葉を伝える)『怪我はしてない?』 」

レインド「あぁ、平気だよ……今日出発予定だったが、また夜遅くなる…今日も此処で休もう(頭に手を乗せ、神を軽くワシャワシャしながら小さく笑い、近くの切り株に腰かける)…旧友に会ってな、ちょっと色々と話し込んでたらこの様だ…すまねぇ 」

ルーベンス「(目は虚ろだが口元は綻んでいる)『レインドにも旧友なんて居たんだ?』 」

レインド「それはちょっと失礼じゃあねーか?(優しい苦笑でルーベンスの目を見つめ、すぐに視線を地面に映す)あまりいい再会ではなかったけれどな……はぁ…疲れちまった… 」

ルーベンス「『おつかれさま』(両手を背中に回しレインドに小走りで近寄る)じー… 」

レインド「……あぁ…?どうした?(じーっと見られて困った様な笑顔でルーベンスに視線を送る) 」

ルーベンス「んっ(手に握った細長い紙切れをレインドに押し付ける)…んっ! 」

レインド「あ、あぁ?どうしたってんだよ(はいはいと言う様な表情で押し付けられた紙切れを見つめる)……これは…… 」

\かた たたきけん (5かいぶん)/


レインド「…ッハハハ…ハハ!(ここ一番純粋に嬉しいという笑顔でその紙切れを見つめ、目を閉じた笑顔になる)なんだよこれ、ハハハ! 」

ルーベンス「(❀╹◡╹)じー(目を輝かせながら待機) 」

レインド「いやぁ……ありがとな、ルーベンス(ニッと笑ったままルーベンスの頭に手を起き、髪を梳かすように3回撫でる)早速、使おうかな? 」

ルーベンス「(直様レインドの後ろに回り込み小首を傾げたまま待機)(❀╹◡╹)じー 」

レインド「ハッハハ…はい(紙切れ一枚をルーベンスに渡す)お前力強いんだから、本気でやんなよな?(苦笑しつつ前を向き、若干猫背になって肩を差し出す) 」

ルーベンス「\ハッ!/(本気でやった結果を想像し、冷や汗をかきながら指で肩を慎重に叩いて行く) 」

レインド「うまいうまい(少し笑いながら体の力を抜き、首を回して行く) 」

ルーベンス「……(マッサージ慣れてきたところで突然指を止める) 」

レインド「んー?(終わるにしちゃ早過ぎるな…)どした、ルーベンス? 」

ルーベンス「あ……ありが……と……」

レインド「…お前………あぁ…気にすんな(声を発したルーベンスに対して優しい笑顔で応え、体を振り返らせてルーベンスをそっと抱き寄せて胸に誘い込む)それだけ言えりゃ十分だ… 」

ルーベンス「──…なさい…ごめん…なさい…っ僕が、僕がもっと…強かったら…僕が…っ! 」

レインド「……あぁ……でも大事なのは強さじゃない…俺達は傷つけ合い、ぼろぼろになる…… だが、傷ついた分だけやっと輝けるんだ……過去を振り返っても仕方ない、でも……今は思う存分泣いていい…泣いていいんだ… 」

ルーベンス「(顔を埋め伏せた瞳が濡れ頬を雫が伝う)…レインド…、独りにしないで、独りにならないで…!僕を、自分を孤独にしないで…! 」

レインド「………あいよ……(フッと笑い、少し強めにルーベンスを服に皺が出来る程に抱き寄せる)心配する事ねぇって……今の俺にはお前しかいないんだからさ 」

ルーベンス「(徐々に目が虚ろになって行く)ありがとう…ごめんね、我儘言って、情けなくて……でも、ありがとう…本当にありがとう… 」

レインド「気にすんな…礼を言うべきはこっちなんだからよ……さて、しんみりしちまったかな…?(ルーベンスを解放し、それでいてニッと笑う)これからも我がまま、ドンドン言ってくれ。全部応えてやる、全部だ! 」

ルーベンス「今は…何もないよ、平気……あ、でもレインド…あまり怪我、しないで 」

レインド「怪我…あ、あ~…そうだな、無駄な心配かけちまうのは幾ら何でも自分勝手だもんな(申し訳なさそうに笑いながら頬をポリポリ) 」

ルーベンス「(首を何度も縦に振って頷く)凄く心配、いざとなれば僕自身危険でも戦う覚悟ある…だから、無理だけはやめて 」

レインド「あぁ……わかった…最早、俺だけの命じゃあないんだ。そんなコトしない。約束するよ………(切り株から立ち上がり、集まっている枝木に木と木の摩擦で火を起こす) 」

ルーベンス「そっか……よかったぁ…(火を見つめながら集めておいた牧を拾い上げ放り込む) 」

レインド「それよりお前……この旅が終わったらどうするんだ?きっと俺はリチャードを倒したら、その後、本当に戻れなくなるかもしれない… 」

ルーベンス「……レインド、灰色の戦士に入った時のこと、覚えてる? 」

レインド「灰色の戦士に入った時………あ~…戦名に覚えてるよ…(焚き火の前に腰を下ろし、楽な姿勢でルーベンスの言葉に耳を傾ける) 」

ルーベンス「僕は…覚えていないんだ。自分が生まれた日の記憶がないように……気付いたらあれが当たり前の日常で、皆が兄弟で親だった 」

ルーベンス「そう…かもね(苦笑しつつ同じ色をした瞳を向ける)……灰色の戦士が壊滅してから、ずっと考えていた事があるんだ 」

レインド「(黙ってルーベンスの言葉を待ち、炎に視線を送る) 」

ルーベンス「僕は『灰色の戦士』を継いで行きたい 」

レインド「……(ルーベンスの一言を聞き、然程驚いた様子は無く視線を炎から逃がす)……なぜ? 」

ルーベンス「確かに組織は崩壊したよ、もう従来の灰色の戦士は受け告げないと思う…けど思い出して、灰色の戦士が存在したのはなぜ?どんなl人達がいた? 」

レインド「……(灰色の面々を脳裏に思い浮かべ、無言の返答) 」

ルーベンス「彼等は正義という形の犠牲になったんだと思う。大衆が黒といえば黒にされ、居場所を失う、人で成り立つ世界は言い返せば人の意思によって真実なんて関係なく善悪が定義付けられる、だから彼等は十字架を背負わされたんだ 」

レインド「…まさしくその通りだな……(猫背だった姿勢は更に前のめりになり、ハァと一息)…あまり他人の過去を聞いちゃいなかったが…どいつもこいつも、本当、悲しい罪を無理矢理押し付けられたにすぎねぇからな… 」

ルーベンス「うん…だから、灰色の戦士はまだ終わってなんかない、僕には灰色の戦士の一人としてそうした人達を受け入れる義務があるはずだ 」

レインド「……成る程……今度はルーベンスが過去の自分達に手を差し伸べるって訳か…… 」

ルーベンス「うん…僕は皆に助けてもらった、皆が居たから生きようと思えた。もうその皆はいないけど、僕は僕ができる形で音を返して行きたい 」

レインド「……今頃…シルダッタ達、喜んでるんじゃあないかな。一番新しい隊員が、こんな立派になってるんだ…(小さく笑いながらゆっくりと寝転がる) 」

ルーベンス「僕なんかまだまだだよ(苦笑)…でもね、先に散って行った皆に恥じらいなく誇れる戦士に、僕はならないとって思うんだ 」

レインド「……もしそうなったとしたら……きっと…皆ちゃんと…灰色じゃあなくて、白色になれると…いいな…(灰色の戦士の名の由来を思い出し、小さく呟く)……というか、ルーベンス、案外結構喋るんだな? 」

ルーベンス「ずっと溜め込んでたからね…最初に声を発するのがとってもこわかったな…(身体を丸めて横になる)……白色の戦士…か 」

レインド「…(あの時の俺も、声を発するなんてしなかったか…)罪はその潔白の人が黒に染められるコトだからな…自分達は胸張って、白色だって事、言えるだろ?(ニッ) 」

ルーベンス「……そう、だね!いいかもしれない、白色の戦士!(歯を見せて笑う)…たくさん話して疲れたかもしれない…先、寝るね…おやすみレインド 」

レインド「あぁ…お休み……(ルーベンスはこの先の事を考えていた…俺のこの未来…果たしてやるべきことはあるか…) 」




クリツサ村への経路

ルーベンス「(道端の缶詰を拾って表記を見る)(消費期限切れ……ロクな食べ物がないなぁ…) 」

レインド「どうした、ルーベンス…(旅路の途中、アスファルトの中央線を踏みながら、立ち止まり、肩を小さく動かしながら振り返ると、ルーベンスに声をかける) 」

ルーベンス「…今とてもひもじい、ので、拾ったものでも良いから綱食べようと思った……レインド、消費期限守ってる場合じゃないっていう状況なのかな、今(じーっと缶詰を見つめる) 」

レインド「…貸してみろ(ルーベンスに寄り、彼女の手元から摘まむように缶詰を取ると、なんの躊躇もなく蓋を粉砕して中の具を口に含む)…美味くはねぇが、傷んじゃあいないな…元々保存食なんだ、そう腐んねーから食えるぞ(ルーベンスの手元に缶詰の底面を乗っける) 」

ルーベンス「本当!?(目を輝かせて缶詰を手に取り口を開ける)やった!いただきまー…… じー(中身を口に含まずレインドを見上げる) 」

レインド「(感覚が狂ってきたか、空腹とか感じられなくなってきやがったな、俺の体……)(目線を定めるわけでもなく、ルーベンスと顔を合わせながらも横目で考え事に耽る表情 」

レインド「……ん?どうしたルーベンス……嫌いな食べ物だったか? 」

ルーベンス「レインド、食べないの……(小首を傾げ上目遣い) 」

レインド「…こういうのは(ルーベンスと目線を合わせるため、腰を落とし、軽くその滑らかな髪を梳かすように撫でる)育ち盛りの奴が食うべきなんだよ、今のうちにしっかり食っときな 」

ルーベンス「(撫でられくすぐったそうに目を細める)…でも、レインドはまだ具合が悪そうにわた…僕には見える、健康を保つためには栄養を取らないと 」

レインド「そういうのは自分の顔つきに見てから言うんだな(へっと笑い、手を離し、態勢を戻してアスファルトの先を眺める)それに既にいくつか病にはかかってんだ。お前みたいに若けれりゃいいが、俺ぐらいになったら下手なもん食う訳にはいかねぇんだよ(勝負に追い詰められたような苦い表情で頭を掻く) 」

ルーベンス「……わかった(缶詰の中身を口に含み顔を上げる)じゃ、僕がレインドの負担を減らせるようにもっと頑張るね(自然と笑みが零れる) 」

レインド「よく言うぜ…頼りにしてるからな、ルーベンス(ハッと笑い、ルーベンスを見下ろす)…だが道程が程遠いな…クリツサ村… 」

ルーベンス「!(頼りにしてるという言葉に脳内でエコーがかかる) …うん、もう随分歩いたけど景色もずっと一色単で変わらないしね 」

レインド「しょうがない…恐らく何処かの山路へと繋がるはずだが………(歩いていた足を止め、その眼に映った田んぼの景色を眺める)……何があったか分からないが……かなりの範囲で消滅してるみたいだな…(アオVSシルダッタ戦にて行われた燃焼仕切った田んぼが目の前に広がっている)道路のど真ん中には(ソラの)血痕か…キナ臭くなってきたぞ 」

ルーベンス「野盗に襲われた…のかな、何かで焼かれたみたいだね…この血痕何処かに続いているのかな 」

レインド「……古くはないが、血痕の跡がここだけだ、止血されたんだろう…ここら辺に何かあるかも知れない。一番近くの山路探すぞルーベンス 」

ルーベンス「了解…(レインドについて行きながら血痕の方へ振り向く)……ッ(今思えば、あれが最後のクエスト、だったのかもしれない……似てるな、あの時の光景と) 」

レインド「……(そろそろ日没帯か……感じるのは「レスター」の野郎が持ってたあのウイルスの気配……)ルーベンス、一旦進むのはやめるぞ、そろそろ日が落ちる(付近のバス停の木製待合室の下へと移動し、座れるものかどうか確認) 」

ルーベンス「うん、歩きっぱなしだったしね…今日もお疲れ様(お構いなく床に座る) 」

レインド「…久々に今日は地面以外で眠れるぞ、ルーベンス…(人一人が横になれるスペースのベンチを発見し、無機質な声質で応える)電球も一個…まぁ田舎なりの設備だな 」

ルーベンス「一人寝れるか寝れないかって感じだね、レインドが寝なよ、僕は野宿慣れてるし(壁にかかっている猟銃を手に取る)……狩人の家、だったのかな 」

レインド「…… 獣が出やすい区域なんだろう、山々、田んぼ…それも手入れされてねぇんだ。人も一人として見ない以上、きっと何かあったんだろうよ…それとベンチはルーベンスが使え、人より高い位置に寝るのは気が引けるってもんよ…(へっと笑う) 」

ルーベンス「えーっ…僕二段ベッドは下派なんだけどー(嘘)……何か、かー 」

レインド「年上の、男の面子ってもんがあるんだよ…(はははと下向きに笑いながら)その何かは明日調べるぞ、リチャードの野郎に近づける手掛かりがあるはずなんだ 」

ルーベンス「面子…ねぇ(ベンチの上に腰を下ろす)…うん、また明日ね… 」

レインド「ま、床でこうして寝てれば(地面に寝っ転がり、ルーベンスの方へと体を横にする)目の保養になる…まぁスカートじゃあないから何が見えるとかそういうのねぇんだけれどさ…(← 」

ルーベンス「(うつ伏せになり真顔のまま頬杖をつく)ヘ ンターイ! 」

レインド「冗談に決まってんだろ(ハッと笑い、すぐに上半身を起こす)だが目の保養になるのは本当だ、女沙汰なんて散々だったが、こうしているとルーベンスの存在は本当に有難いよ… 」

ルーベンス「……僕は、仲間なら誰が一緒に居ても嬉しかったよ、ロディだってそうだ…だから、生きててくれたレインドには本当に感謝してる 」

レインド「お互い様ってか?俺も誰であろうがこんなんだろうな……この旅終わったら、ロディに会えるといいな… 」

ルーベンス「なぁ知ってるか?…懐かしいね、このフレーズ… あの日は宿舎に居なかったんだよね… 」

レインド「あぁ、だからこそ生きているはずだ…それに彼奴は賢い、何処でも生きていけるだけの知恵も、実力もあるから、然程心配はしちゃいねーさ(へらへら) 」

ルーベンス「そう…だよね……うん、きっとそう…(ジェクサー、アンティ、ライクス、リーダー、シルダッタの顔がフラッシュバッグする)…皆、今どうしてるのかな…怪我してないといいな… 」

レインド「………(彼らは皆死んだ、という認識のため、返答はせずに目を伏せる)ーーッ……(何処と無く、痛みに耐える為に歯を食いしばったような顔つきをしており、右肩を握って居た左手に力が入り出す) 」

ルーベンス「……(僅かに期待していた答えが買ってこず壁側に寝返り目を閉じる)……明日も一緒に頑張ろ、レインド……僕、今日はもう寝るね 」

レインド「あぁ、おやすみ……しっかり寝ろよ(あやすような優しい口調で、振り向かずに) 」

セルゲイ、見参

+ ...
ー クリツサ村 ー



レインド「(村へと足を踏み入れ、廃れたその村の景色を目線だけで確認していく)……ルーベンス、離れるなよ(村の雰囲気に警戒しながら、ルーベンスには視線を向けず、前へと足を動かす) 」

ルーベンス「(息を飲みながら唾を飲み込みレインドの視線が向いていない方向に注意を払いながら足を踏み入れる)……村、だよね、ここ…… 」

レインド「シルダッタの故郷だ…復興したって聞いたが、どうやら既にリチャードの手が回っていたようだな……(淡々とした口調で村の小屋の爆破痕に視線を向け、重い足取りで小屋だった物の前まで寄る)爆発の痕がある、ダイナマイトでも使ったのか…?(ソラの爆裂水晶により破壊された小屋の破片を持ち、眉間に皺を寄せる) 」

ルーベンス「(シルダッタの名前を聞き目を伏せる)……今のところは近くに殺気はない…引き上げたのかな 」

レインド「……おい、ルーベンス…(焼死体の手首を掴み、引っ張り上げる)………Rウイルスの影響だ。皮膚からしてゾンビだぜコイツら…(ゾンビの手を突き放し、更に周囲に視線を向ける) 」

ルーベンス「(無言で腐敗した皮膚から目を反らす)……酷い 」

レインド「リチャードの狙いがわからないが、こうなっている以上止めないとな――ッ!!(腹部を抑え、片膝を付いて前のめりに倒れこむ)……やべぇな…今頃になって傷が疼き出した……(片目を閉じ、痛みに耐えているのが良く分かる顔つき) 」

ルーベンス「レインド……?(数歩離れたところで異変に気付きレインドに駆け寄り屈んで同じ視線になる)やっぱりまだ傷が……どこかで休んだほうがいい…! 」

レインド「……(ドンヨリした萎えた両目で、体を沈めるように座りこみ、ルーベンスを見上げる)すまない…そこの柱に寄りかからせてくれ… 」

ルーベンス「(中腰になってレインドの背を擦りながら視線を落とす)…レインド、僕村の様子見てくるから休んでて」

レインド「気をつけろ、ウイルスの感染者がまだ居るかもしれない……(ミスリルソードを納めた鞘を身体の右に起き、ルーベンスを見上げる)…頼んだぞ」

ルーベンス「(暫くレインドを見つめ首を縦に降ってから小太刀を逆手で握り息を殺してその場から放れる)………感染者か…一応、人…に含まれるのかな 」



『生存者がいるのかね、奇妙な話だ』



ルーベンス「キンッ{小太刀を鍔鳴りさ振り抜きながら後方へ向きを変えバックステップを踏んで声の主と距離を取る)……誰 」

ラヴロフ「『アベルツェフ・ラヴロフ』…バタフライ社の構成員です(立派でおしゃれに刈り込んだ口ひげを人差し指と親指で遊びながら、木の影から姿を現す)君は村の者ではないね、質問、よろしいでしょうか(ダーツのような鋭い眼光で遠くからルーベンスに視線を合わせる) 」

ルーベンス「(バタフライの……構成員…?)質問で返すようで悪い、けど…『大統領』との関係は 」

ラヴロフ「……(髭を弄くるのをやめ、手を後ろに組む)さぁ…ただ、私は対象人物、灰色の戦士の生き残りを殺せと命ぜられているだけなので(組んでいた両手を前に出すと、青いグローブをはめた豪腕が突き出る) 」

ルーベンス「…………理解した(灰色の戦士という 単語を認識した瞬間、銀色のオッドアイが深紅に染まり地を蹴って一気にラヴロフとの距離を積め舞う土煙ごと切り裂きながら首筋目掛け小太刀を振るう)お 前 を 殺 す 」

ラヴロフ「ボギャンッ!!(ルーベンスの小太刀が首筋手前まで来た瞬間、勢いを付けて距離を縮めたルーベンスの加速の力を利用し、騒がしい音を立てながらルーベンスの顔面にカウンターパンチを繰り出し、殴りぬける)そのセリフは二流、いや、三流のセリフだよ、ボーヤ 」

ルーベンス「……ッ!(綺麗に殴り抜けられ木の葉のように回転しながら吹っ飛ぶ)……うるさい、少し黙れ(空中でそこにガラス板があるかのように何もない空間に足を付け体勢おを建て直し、小太刀と対なる刀を抜刀しながら回転しラヴロフへ急降下) 」

ラヴロフ「――(ルーベンスの急降下のタイミングに合わせ、拳を作って追撃の構え)行きます(その太刀が届かない範囲でありながら、自身のアッパーが届くという確信を得た距離で、足のバネを利用し、ルーベンスの重力加速と組み合わせて彼女の顎目がけガゼルパンチを咬ます) 」

ルーベンス「ツァ…!(刀は降るわず、身体を捻り回避しながら投げ付け拳が頬を掠めつつもラヴロフの眼前に着地し、殺気を顎へ突き付けながら小太刀を握り占める)(根首を切り捌いてやる…!) 」

ラヴロフ「ブォン!(目の前に着地したルーベンスが顎へと攻撃してくる事を予測したのか、右足で地面を抉り取るように蹴り、一気にルーベンスの腹部目がけ蹴り上げるように足をあげる)ボクサーが蹴りを付けないなどとお思いですかな? 」

ルーベンス「!!(咄嗟に小太刀を腹部に当てがうが刃を砕かれ蹴りが直撃し水平に吹っ飛ばされ転がり民家の壁に叩き付けられる)っかは…ッ 」

ラヴロフ「ん~、貴方の制服、やはり灰色の戦士の物ですか……(ゆっくりと近づきながらも、警戒心は研ぎしたまま)ということは、もう一人がここに居ると踏んでもよいですね…貴方を殺してからもう一人の方も嬲り殺しましょう… 」

ルーベンス「っ…!…!(焼けつくような居た身を噛み締めふらつきながら立ち上がりラヴロフを睨み付ける)ねぇ、殺すって…それ『三流の台詞』じゃなかったの 」

ラヴロフ「……挑発を挑発で返しますか……(先ほどまでの冷たい視線は、氷を更に凍らせるような冷々とした視線になる)――ッ!(ルーベンス目がけ、叩き付けるようなダウンパンチを繰り出す) 」

ルーベンス「ーーー!(素性で腕を交差しながら伏せ、交差した手の甲でラヴロフの腕を白刃取りのように受け止る)挑発卯じゃない…お前の言うように僕は未熟、けど(その後間髪入れず腕を挟んだまま手の甲を滑らせて駆け出し鳩尾目掛けて量肘を突き出す)お前も僕の知る『一流(レインド)』には遠く及ばない!これは事実! 」

ラヴロフ「ブフォ!(鳩尾を打たれ、唾を吐きながら後ろに後退し、胸を抑える)……むぅ……(呼吸を整え、再びルーベンスと対峙しながらファイティングポーズをとる)行きます(足は一切動かさず、地面を滑走していきルーベンスの後ろに回り込み、大振りながらも、素早いフックを繰り出す) 」

ルーベンス「パァン…ッ!!(直ぐ様左足を広報に滑らせラヴロフの足に引っ掻け足払いを複合させた回転蹴りを繰り出し足を浮かせ、肘を曲げて間接を首に引っかけにかかる) 」

ラヴロフ「ッ!!???(足が浮き、自分自身に重力が掛かった事を感じ、危険を察知)――ッ!!(ルーベンスの肘は首元に見事に引っかかり、抵抗しようとした右手が留まる) 」

ルーベンス「ァァァァァァアアアアアアッ!!(そのまま引っ掻けた腕の拳をもう片方の手で掴み首を閉め、ラヴロフを背負い地を蹴って僅かに飛び、地面に叩きつけるような寝技に入る) 」

ラヴロフ「ボハァッ!(叩き付けられた為に、稲妻が走ったような痛みが、全身を駆け抜け、勢い良く吐血し、意識はあるが動けなくなる) 」

ルーベンス「うぁ…!(着地まではかんがえてなかったらしく自信も地面に叩き付けられ仰向けになる)…いっつ…!……ッはァ… …(仕留め…た…?) 」

ラヴロフ「――(身体は小さく波打つ痙攣後、意識がなくなり動かなく成る) 」

パチパチパチパチ…(ラヴロフの意識が落ち数秒卯、間を置いて乾いた手拍子が響く)「…おいおいラヴロフのおっさん、お嬢ちゃんに手ェ上げるなんて真似しといてのされちまうのかよォ……んまーこれはこれで面白いっちゃ面白いんだけどさ 」

ルーベンス「……!(声に釣られ目を見開き無理矢理状態を起こして刀を拾い上げて杖のようにし声の主の方を見る)(新手…!この。状況で…ッ!?) 」

セルゲイ「(鞘に納めた刀を肩に引っ掻け、後ろに結んだ黒髪を靡かせながら無精髭を弄り一歩前へ出る)…そう睨むんじゃねェよォ、女の一番お化粧は笑顔なんだぜ?記憶しとけよ? 」

ルーベンス「……的に見せてやる化粧はない(呼吸を整え直し口を腕で脱ぐって切っ先を向ける)消えて、今すぐ、でないと殺す 」

セルゲイ「……はァ、可愛いげねーの、こういう女もまァ悪くねーけどさ…(一歩踏み出すと同時に唾鳴りのおとが周囲に響き渡り、さもそこにたかのようにルーベンスの背後に佇んで刀を鞘に納め直す」こういう『花』はな、摘み取って切り花にした方が様になるんだぜ 」

ルーベンス「な…!?(いつの間に)…… 」



サ ゙ ン  ッ  (セルゲイが再び刀を納めると同時にルーベンスの視界が閃光で白く染まり意識が『斬られる』)



セルゲイ「切 り 捨 て 御 免 (鞘に納めた刀をくるくる弄びながら 降り向きニッっと微笑む)やー相変わらず綺麗に花を飾って見せるねー俺ちゃん、こんな渋い男見かけたら無視できねーよな?なあ?って、ああ…もうおねんねしてるのか 」

哀しい殺陣

+ ...
レインド「……ゔッ…(手足はかたくこわばり、木づくりの人形のように柱に凭れている)……(遅い、何かあったのかルーベンス…) 」



サ ゙ ン  ッ 



レインド「――ッ!!(痛みを忘れ、剣を納めた鞘を無造作に握り掴みほぼ気力で立ち上がる)ルーベンス!!何があった!!!(病、怪我持ちの人間とは思えない程の、山を騒がせるような勢いのある声を上げ、ルーベンスが向かった先へと重い足取りで移動) 」



ルーベンス「......ーーーー(レインドの進行する先には目立った外傷もなく、ただ不気味な静粛の中膝を付き動かずにいる彼女の姿があった。つむじ風が髪を揺らす最中全く動く気配がない)」

レインド「――(「何があった」とでも言うような複雑な表情でルーベンスをじっと遠くからみつめ、周りを視線だけで見渡すと一つの陰に視線が固定される) 」

セルゲイ「ーーーーンッンー♪(レインドから見て更に向こう側、既に納刀しており廃屋にもたれ掛かって何事もなかったかのようにトランプの束をシャッフルして弄。レインドの存在に気付いているのかは定かではない)」

レインド「…(『刃』の匂いに敏感故か、直感的にルーベンスがこうである原因が彼であると判断)…ルーベンス…(彼女の傍らに膝をつき、両頬に手を添えて顔を上げる)返事しろ!どうした、なにがあった!? 」

ルーベンス「......ーーーー(顔を上げたにも関わらず彼女の瞳は光がなくレインドを見つめていない。全く上の空で精神という名の糸が『切れた』人形のように動かない) 」

レインド「……(ルーベンスの表情、その動かない言葉を感じると、先ほどまで哀しく『懸念』していた瞳は鋭くなっていた)……おい……貴様……(ルーベンスを見つめたまま、セルゲイから感じる生ぬるい空気を断ち切るように冷たい口調を放つ) 」


スパァンッ(大きなカーブを描いて風を切りレインドの頸動脈目掛けて何かが回転しながら飛来してくる)


レインド「ルーベンスに何を――ッ!!(咄嗟にルーベンスを抱きかかえながら地面に伏せ、回転物を無様ながらも回避) 」



カッ(レインドの頭上を掠めていった飛来物『スペードのAのトランプ』が廃屋の壁に突き刺さる) 」



セルゲイ「ーーーー...クツクツ(静かにせせら笑い足元に置いたシルクハットを軽く蹴り上げて頭に乗せ、風に煽られる老木のような不気味な動作でゆっくりと立ち上がってレインドに視線を注ぐ).クツクツクツ......何ってそれや青年お前......『始末』に決まってるだろ、敵なんだがら 」

レインド「……(体をゆっくりと腕で起こしながら、垂れる前髪の隙間からセルゲイを横目でにらみ続ける)……ルーベンス……すぐに起こす……(立ち上がった途端、ガクンと右足が崩れながらもしっかりと地面に両足をつける)…構えろ……(鞘からミスリル製の『刀』を抜刀し、瞳には茶番を拒む燃えるような強い敵対心が伺える) 」

セルゲイ「(目を伏せ納刀したままの仕込み杖を肩で数ませる)ーーー血の気が多いねまったく。戦り合うのは構わねぇが一つ、俺の質問に答えて貰おうかな...(一枚のトランプを自身の目の前に翳しカード超しに刃物のような鋭い眼差しを向ける)ーーーー青年は、レイ・ローゼ・ジェメントか? 」

レインド「……(「そうだ」と肯定するかのように刀を一振りし、腐土を踏みにじり歩みだす) 」

セルゲイ「ーーーーー(耳まで口が裂け狂喜に満ちた笑みを浮かべ一歩、レインドへ歩み出す)クハ...ハハハ、アッハッハッハッハ....OK、よーく理解した(納刀した仕込み杖に手を添え抜刀術の構えを取り、彼を避けるかのように舞っていた土埃が消え去る) 」

レインド「――ダンッ!(柔らかい腐土だというのに、鉄を蹴り上げたような鈍い音を発する程の威力で蹴り上げ、土埃で出来た彼への道を駆け抜けながら目の前で斬り下ろしの斬撃を繰り出し立ち止まる) 」

セルゲイ「(刀を納めたままの状態の鞘で斬撃を受け止め刃が白木を刻み食い込む)ーーーーっらァ!!(そのまま攻撃を受け止めた鞘を捨て抜刀、体を捻って半回転しレインドを凪ぎ払い間合いを取り直す)試してやるよ、はぐれ狼 」



BGM 『The Only Thing I Know For Real』(off vocal)




レインド「キィン!(体の方向は変えず、刀を柔軟に動かしセルゲイの攻撃を刃で防ぐ)壊してやるよ、夜叉(防御態勢を解除し、刀身を低めに構え、再度彼へと猪突に駆け出す) 」

セルゲイ「ハッ...(歯を見せて笑み角度を下ろした刀の切先で地面を抉りながらレインドへ接近、距離を積めながら刀を両手で握り豪快な切り上げを間合いに入るギリギリで行う) 」

レインド「ガンッ!!(同じ距離、同じ角度からこちらも斬り上げ、互いの刃をぶつけた衝撃で体の軸を崩す)ギィン!ギャインギャイン…ガァン!!(地面に両足をしっかりつけ、振り上げた刀で斬り下ろし→休み無く下から左右に斜め斬り→合間をおいて両手を添えて真っ正面の空間を裂くような縦斬りの緩急をつけた殺陣を繰り出す) 」

セルゲイ「っとォ!(手首を捻り振り上げた刃の先を地面に向け斜めに構えた刃で降り下ろしを受け流し、同じように刃の角度を幾度も変えながらレインドの振るう刀の刃を自身の刀の上で滑らせるようにして受け流していき)そらそらどうしたどうした、刀は届かなきゃ包丁と変わらねぇぞ(僅かな合間を見逃さず刀を自身の背面で半回転させて再び斬り上げを行い、刀の峰に蹴りを打ち込むことで飛躍的に威力を上げた斬撃を放つ) 」

レインド「なっ…!?(刀を蹴りやがった…!!)グッ!!(歯を食いしばり、踏ん張る足裏に力を上乗せして重心を固めながらも斬撃を刀の刃で受け止めるも、刀を上に弾かれ僅かな硬直が出来る) 」

セルゲイ「耐えたか、病み上がりの割には根性があるなァ、だが(そのまま勢いに任して空中で一度宙返りし両手で握った刀の峰に両足を乗せ全体重をかけた重い一撃を降り下ろす)まだ終わりじゃァないッ! 」

レインド「――(立て直せ…!)(強く自己暗示し、両手で強くミスリル刀を握り締めると)うらぁ!!(”斬る”というよりも、”押す”ように刀をセルゲイの乗る刀に突きつけ、圧倒的に不利な状況で鍔迫り合いの状況になる)(この剣術、間違いない、流派ないが戦い方は刀系剣術型のマイテイ人…!)うおぉぉぉおおおお!!(気合いを入れるように声を張り上げ、セルゲイを刀ごと宙へと吹き飛ばすと、追撃するように自身も飛び上がりX字斬りを二回繰り出す) 」

セルゲイ「チィ...ッ!(押し上げられる直前『競り負ける』と判断し宙へ放り出されるが直ぐ様態勢を建て直して同じようにX字斬り放って全く同じ技同士が火花を散らしてぶつかり合い、その反発を利用してあえて吹き飛ばされ距離を取り二回目のX字斬りを回避、そのまま背を地に向け落下していく)頑張るねェ、何がそこまでアンタを奮い立たせるんだ?青年 」

レインド「スタッ!(空ぶると追撃を予想した状態で剣を構え、そのまま着地)また一人、友が死ぬ。そんな世界に嫌気が差したからだ(鋭い目つきは変わらず、自然とルーベンスに背を向け護るような形で常々戦っている) 」

セルゲイ「.タンッ(同じく着地し、刀を肩で弾ませる).....へェ? つまりアンタにゃ嫌気の差したこの世界にまだ失う物がある訳だ(笑みを含んだまま透かさず接近しレインドとの距離を限りなく縮め下段から刀を振りかぶる)成る程、ならアンタからはまだまだ奪ってやらねェとな 」

レインド「んだとッ――!!ザシュッ(急な斬撃に歯を食いしばりながら後ろに体勢を乗せ、灰色の戦士の証であるシンボルマークの部分に斬撃痕が出来、その部位に血が滲みだす)ドラァ!!(後ろに引いた体勢からセルゲイのその顔面へと憎たらしいという感情を含んだ正拳突きを繰り出す) 」

セルゲイ「ガンッ 俺は殺し自体は趣味じゃねぇ、だからあえてあのガキはまだ生かしてやった(正拳を放ったレインドの腕に刀を持った手の甲をぶつけて憩いを殺し首を捻って拳を素通りして更に接近し片腕でレインドの首を鷲掴みにしてそのまま地面へ叩きつける)だがそれじゃ足りねぇって事はよォーくわかった。これは俺のミスだ。よォーく反省してアンタをボコした後、じっくり時間をかけてなぶり殺しにしてやる。いぃーい声で鳴くぜありァぁ 」

レインド「グッ!!ドハッ!!(首だけでなく全体に感じる圧迫感から掠れた声をあげ、目を細め歯を食いしばる)――(セルゲイのその声、表情を目にすると、命を握られている状態だというのに『殺意』を抱いた瞳を見せ)――ドゴァアア!!(その体勢からセルゲイの腹に無理矢理蹴りをぶちまける) 」

セルゲイ「ーーーー!!(レインドの抱く殺意に毛が逆立ち)おグゥッ!がッ....ァ...!(咄嗟に膝を上げて蹴りを受け止めるが想像を絶する衝撃に圧倒され地表を抉って後ずさる)...~~痛ゥ...ハハハ、ハ...ンだよ、出来るじゃねねェのそォいう目、まだまだ俺の求める物には及ばねえが、その片鱗は確かに見せてもらったぜ 」



ジャカンジャカンジャカンジャカン……(山から聞こえる程近い位置から、荷物列車が走る音が響く)




レインド「哀しい…哀しい目をしている……(呟くようにセルゲイに意味を述べず、ゆっくりと立ち上がり仕切り直すように刀を一振り)……(後ろにいるルーベンスへと視線を向けた後、セルゲイへと視線を振替す)…ダッ!(即座に後方へと駆け出し、ルーベンスを抱きかかえ、列車の音がする方へと大きく跳躍して山から飛び降りる) 」


セルゲイ「...ピクッ(レインドの呟きを耳にし彼の姿がセルゲイのよく知る『誰か』と重なり一瞬絶句し佇む)........ッ....ハハハ、アレに飛び乗るか、そいつはそのガキにとっちゃ地獄への片道切符だぜ、青年ッ!(後に続くようにして山を飛び降り剥ぎ取った廃屋のドアの上に乗って斜面を滑走) 」

レインド「ダンッ!!(荷物列車、3両目の屋根に着地し、列車の繋ぎ通路の間に降りてルーベンスを下ろす)待っててくれ…(すぐに列車の上に登ると、左手に持った刀の刃を光らせ敵が来るのを静かに待つ) 」

セルゲイ「ッ ガ ァ ン(ドアの上から飛翔し列車上に着地。後ろに束ねた髪が音もなく揺れ、暁が手にした凶刃を黄金色に染め上げる)....昔、人生を列車に例えた男が居た(一歩一歩、殺気を研ぎ澄ませレインドに歩み寄っていく) 」

レインド「……(変わらず黒い瞳でセルゲイを見据え、アンバランスな列車の上でしっかりと軸をつくり構える) 」

セルゲイ「ッダァン!!(二度目の踏み込みで一気に間合いを詰めて立ち止まり手始めにと言わんばかりに斜めに切り下ろす小振りな一閃)後戻りは許されず、止まれば何も存在しないレールの上で背負った命を干からびさせる 」

レインド「ギャイン!!(刀で一閃をたたき落とし、そのままセルゲイの顎めがけ刃を振り上げる) 」

セルゲイ「ザンッ(直ぐ様勢いをつけてしゃがみこみ僅かにスライドして髪を僅かに切られるだけに終わり、すかさず追撃。一撃一撃を振るう度に両手を駆使し刀を回転させ巧みに操りながら全く継ぎ目のない連撃、隙のない猛攻を仕掛け静かに語っていく)立ちふさがる障害は躊躇わず壊さねば進むことも抱え込んだ者を守ることもできない。そうやって積み上がる敵の屍という薪をくべて、後ろから迫り来る憎悪や悲しみから大事なものとテメェの命を守るためまた走り続ける、目前の敵を食い潰してな 」

レインド「ガァン!ズガンガンガン!!(後退しつつその一つ一つの攻撃に刀で対処していき、表情を歪める)チッ!(セルゲイの言葉に耳を傾けているかは定かではないが、その人物を自分と比べ歪んだ表情がさらに歪む) 」

セルゲイ「だがどうだ....。幾ら進んだところでその男が望む場所へは辿り着けたか?テメェが背負った人間達の敷いたレールはテメェが選択した道だったのか?この誰もが己の正当性を主張し続ける世界で与えられた価値観に従い汚れ役を背負い、血で錆び付いた車輪でひたすらに走り続ける、何処かで聞いたような人生じゃねぇか....なァッ!(猛攻の続く最中刀を幾度も回転させ一旦後退し両手で握った刀を縦一文字に降り下ろす) 」

レインド「成る程なァ…そんな人生迎えている男の気持ちは理解は出来るぜ…(セルゲイの攻撃により裂かれた肉の部位から血は流れ、戦士の証は血の色に染まりだす)だがな、そいつの物語はまだ終わっちゃいねぇ……(刀を横一文字に振り、息を整える)まだ、俺の人生は完成していない 」

セルゲイ「....そいつはおもしれぇな、あの男の物語がまだ終わってねェなんてのは信じがたいが....(同じく刀を真一文字に降り、呼吸を整え直す)テメェまた、アイツとは違った結末を見せてくれるのか?この敷かれたレールの上で 」

レインド「夢を見るからこそ、人生は輝く(『結末を見せてくれるのか?』の問いに対して)レールなんて狭いルートに縛られる程、俺の人生は小さかねぇんだよ(前髪で隠れた瞳には先ほどよりも強い”殺意”が込められる)行くぞッ!!! 」

ズドオオオォォッ!!(突如、レインドとセルゲイの乗る三両目の中央から爆音と共に爆煙が舞い、列車が大きく破損し飛び上がる) 」

ガタンガタンガタン…(2両目から先はその爆発に何も示さず、ルーベンスを乗せて線路を走っていく) 」

レインド「――ッ!(突然の爆発で目の前が白と赤の混じった世界へと変化し、その風に飲まれ列車から放り出され線路外の崖へとたたき落とされる)グッ……!ルーベンス!!(ルーベンスを乗せた列車を大きく開いた目で追い、走り抜けようとするが、先ほどの戦闘と過去の傷が唐突に痛覚を刺激し片膝つき列車を見送る)……ルーベンス……そのまま…どうか無事で居てくれ……(歯を食いしばりながら体の限界を感じ、息が乱れ始める) 」

セルゲイ「.クッ....ハハハ、ハハハハ....!わかってねぇな!だからお前の人生には結末が見えてるんだよ!....テメェは、レールから、世界から拒まれた人間の.... 末 路 を 知 ら ね え ん だ よ ーーーー(半ば自虐的な笑みを浮かべ炎に飲まれる、その爆発を予知していたかのようだった) 」

レインド「き、貴様……(炎に飲まれながらも饒舌に語るセルゲイを見据え、半分「信じられない」というような表情で呆気を取られる) 」

レインド「……(セルゲイの言葉が何度も脳内を反復)…………(燃え盛る紅蓮色の業火を瞳に映し、傷ついた脚で線路に沿って歩き出す)末路なんざ……死ぬ時に分かりゃ十分だ…… 」

藍を砕いて

+ ...
―ウィンドアンダーステージ―


チャーラ「とてとてとて…(拳という名の鈍器で殴られた箇所を、大袈裟に見える程に支えながら歩いている)レインドさんよぉ~~、一つ問うていいかぁ~~?(ジャラジャラと耳、鼻、喉についているアクセサリーを動くたびに鳴らし、真後ろで背を見つめるだけで動かしてくるレインドに頭だけで振り返る) 」

レインド「あいよ(質問のタイミングが、何かの罠ではないのかとあからさまに周囲に視線を配り、ヘッと笑んでチャーラに首で合図) 」

チャーラ「俺たち藍の機関が狙っていたクロリアーが行方知れずで、機関は途方に暮れちゃいたが、何やら物騒な剣豪大会が開催されて景品として存在スルラシイトヨー(”藍の機関”の英文字が綴られた門を潜り、真っ白な庭園を突き進む)選定者だったアンタの手元から離れた”アレ”はやべぇ、取り戻そうって考えねぇのかよ。大総統様のウイルス計画よりもそっちの方がアンタ自身も救われるぜぇ? 」

レインド「それが非公式のものだとしても、剣豪大会となれば食いつく奴らが指だけじゃあ数えきれない程居る。俺が知っている奴らならな(嘗て対峙、面識ある面々が脳裏に浮かび上がり、クロリアーの不安などないと断言する笑みを浮かべる)……(しかし松永卿が手放していたとはな、芯のある人だ。間違いなく散ったろうな……)随分と立派なお屋敷だな。大総統お墨付きなだけある 」

チャーラ「その落ち着きぶりが怖ェよ怖ェ。俺には理解……いや、認知できねぇ領域だな(大扉に手を翳し)【أولئك الذين يحملون الخطايا】(合言葉を口にする) 」


ギギギギギィィィイイイ……(純白の大扉が重く開くと、中には機関員がザッと見積もっても100人以上。そしてその100人の道の先に居るのが……)


チャーラ「連れて来たぜ……”ルグネ幹部長” 」

ルグネ「ご苦労様、チャーラ。派手にやられたみたいだね(クスクスと隠さずに、まるで女性のような艶やかな笑顔を作り、チャーラのボロボロな姿を賞賛する) 」

レインド「『連れて来させられた』だろ、間違えるな(チャーラの肩に手を添え、彼を倒す勢いで横へと押し除ける)コツ、コツ、コツ……(立派なガラス細工で作られた謁見の間を、堂々と突き進み、余計な感情がないのか100人の護衛達に目もくれず音を立てて歩み寄っていく) 」

チャーラ「ぐあっ!!(押しのけられ、倒れそうになるも護衛数人に助けられる) 」

ルグネ「クスクス、確かにそうですね…………お久しぶりです、レインドさん。非英雄の生活は楽しいですか?(王座から動かず、一歩ずつ、まだ遠くの彼に臆さず笑みを零す) 」

レインド「大総統への物資提供を停止してくれルグネ。西国。それもお前たちの故郷までもがその脅威に曝されている状況だ。何の義理があって奴に協力しているかは知らないが……これは得策じゃあない(コツ、コツ、コツ……) 」

ルグネ「私達、”藍の機関”にとっては得策なんです。クロリアーの”真なる復活”は、この世の終わりでなくてはならないんです。私たち組織にはその力はない。だがあのリチャードにはその力がある。それもこの世の憎悪を最大限に発揮させる形で……国民を裏切り、互いを殺させる方法で。私たち組織は……”それ”でいいんですよ。レインドさん 」

レインド「……個々の全員が……それでいいと? 」

ルグネ「そうです 」

レインド「宗教団体ってのはやはり一歩ズバ抜けているイメージがあったが、ありゃ間違いだったな……三歩はトビ抜けてやがる。その思想はリチャードの野郎をぶっ潰せば潰える。新たな信仰相手は早々現れやしない……だったら別のことを頼みたい(コツコツコツ……) 」

ルグネ「なんでしょうか。憎悪の象徴となる非英雄レインドさんの頼みです。出来る限り引き受けたいですね 」

レインド「鎮静剤だ。鎮静剤を譲ってくれ。Rウイルスの元となる物資提供や製造をしているとなれば、パニックに備えたソレがあるはずだ。あのリチャードが抗体を頼まないはずないからな(コツコツコツ……) 」

ルグネ「目的はなんです? 」

レインド「言ったら断るだろ 」

ルグネ「殺しましょう。機関員 」

藍の機関員「バッ!(列を組み、待機していた連中はレインドを囲み殺意を向ける) 」

レインド「おい!見かけによらず短気かよお前!!(歩みを止め、その惨状に周囲を見渡す) 」

ルグネ「質問に答えていただけなかった。私の慍りですよ。潜り抜けて見てください。我々組織は思想と共に”そういう”組織です(王座に腰かけたまま、笑みを消しレインドを見下ろす) 」

レインド「……挑発的に云ったのは誤りだったか(汗)…………さてと…… 」

レインド「掛かって来な、罪劍部隊 」


号令とともに、同時に4方向から刺客は動き出す。


藍の機関員「バッ!(レインドの後方から駆け出し、その背中めがけてナイフを一突き) 」

藍の機関員「ブン!(前方から飛びかかり、斜め上からの飛び蹴り) 」

レインド「(気流の流れの変化と接近音。空を切る感覚に反応すると、後方の機関員のナイフを首を一つ動かし回避)パシッ(ナイフを持つ腕を右腕で掴み止め)ヴォン!(その人を背負い投げる感覚で前方に飛ばし、上空から迫って来た敵にぶち当てる) 」

藍の機関員「ぐわっ!ぬがぁ!(二人まとめて飛ばされ、固まっていた構成員とともに倒れる) 」

藍の機関員3「ダン!(レインドの左方向から、こちらもナイフを持ってその硬直めがけて突きを繰り出す) 」

レインド「バッ!(ナイフの流れが来ると認知すると、バッと頭を振り上げて刃物を回避)ガシッ(『慣れ』を感じさせる態勢の早急なる復帰と共に、構成員3の胸ぐらを掴み)ガッシャアアアンッ!(己の頭と敵の頭でガラスを粉砕するかのような割音を鳴らす) 」

構成員4「どぅらやああ!(猪突無心に右方向から駆け出す) 」

レインド「ドッ!(構成員4の、隙だらけと思える腹部へと正拳を一つ)そぅらっ!(うずくまった相手を勢いに乗せた巴投げで後方へと放り投げる) 」

構成員「ぐわぁあ!ぬぐぁああ!(巴投げで構成員達に吹き飛ばされ、ボーリングのように何人も倒れる) 」

構成員15「うおおお!(レインドの前方から巨体を生かしてタックル) 」

構成員10~14「バッ!(構成員15と共に、5方からレインドへと飛びかかる) 」

レインド「ゲシィッ!(前方の巨体を真上へと蹴り上げ)ガシッ(15の両足を両脇に挟み込むようにキャッチ)うおおおりゃああッッ!(15をジャイアントスイングすることで、飛びかかって来た構成員を振り落とし、まとめて排除) 」

構成員10~14「ドカドカドカァァァ!!(四方八方に吹き飛ばされ、周囲の構成員を巻き込んで倒れる) 」

レインド「バッ!(15を投げ捨て一度構えや姿勢を基本態勢に戻す) 」


ドガドガドガァァァア!(レインドを囲んでいた構成員が次々と倒れていく)


構成員30「ズサァ!(レインドの足元へスライディング) 」

構成員31、32「ブオン!(左右から長物による横斬り) 」

レインド「(膝を曲げて垂直に跳躍し、左右の刃から逃れながら)ドッドッ!(滞空中に31の顔を右足で蹴り、蹴った勢いのまま32の顔面に左膝をぶちまけ、勢いのまま倒れながら)ボゴォ!(スライディングで下を通った30にエルボークラッシュ) 」

構成員33「ジャキィ!(倒れ込んだレインドへと八卦刀を華麗に振り下ろす) 」

レインド「ゴロッ(倒れたまま真横に一回転することで、33の中国刀を回避)ゲシィ(起き上がりモーションと同時に地面を這うように回転蹴りを繰り出し、33の足首を蹴り落とす) 」

構成員33「ノォ!(バランスを崩し、前のめりに倒れる) 」

レインド「シュッ(攻撃後、勢いを殺さずそのまま回転し)ボゴァ!(33が倒れこむその前に回転蹴りを腹部にかまし、構成員の軍団に吹き飛ばす) 」


ドガドガドガァァア!(構成員33を受け止めきれず、次々と倒れていく)


構成員「グググッ……(傷一つ付けられない惨劇に、自然と腰が引けてレインドから距離をジリジリとっていく) 」

ルグネ「流石だよレインドさん。一途、力は衰えていたらしいが……誰も殺さないように力をセーブしながらこの機関を退くなんて……(構成員の間を割って入っていき、姿を表す) 」

レインド「あんたじゃないと話がつかない、ルグネ(拳を僅かに緩め、ルグネと対峙) 」

ルグネ「レインドさん。私たちの思想は堅いです。この争いによって貴方の望んで居る鎮静剤は手に入らない。それでも何故対峙するのですか? 」

レインド「お前はリチャードの行動に対しては己の思想への道しるべと断定しているが、その道しるべは閉ざされるモノと既に筋書きが決まっている。渡そうが渡さまいが結果は同じだ 」

ルグネ「リチャードを止める筋書きが決まって居る?なるほどなるほど!つまり我々のクロリアー真復活の思想は意味がないと!?ではその筋書き、誰が示すのでしょうかレインドさん!決まっているならおっしゃってくださいよ 」

レインド「俺達、住民だ 」

レインド「リチャードのRウイルスによる効力は恐怖や憎悪だけじゃあない。生憎不屈な奴らが多すぎるんだ、この世界には 」

ルグネ「……あなた含め、他の人間がそれを止めると?保証はあるのですか? 」

レインド「保証はないが、確信している(かつての仲間達のその諦めの悪さを思い出すと、自然に笑みが溢れ、真っ直ぐにルグネに視線を送る) 」

ルグネ「……………成る程……………クロリアーが最も忌むべきは「信頼」です。今の貴方がまさに”それ”だ……わかりましたレインドさん。私を、落として見てください。そうすれば、貴方のその「信頼」を理解できる気がする。そして、その「信頼」を落とせばより大きな憎悪に生長する……クロリアーへと繋がる私の心。転ぶのはどちらかです 」

レインド「そりゃ、そう簡単には思想は打ち砕けないか(拳を握り戻し、ゆっくり腰を落とす)行くぞ―― 」

ルグネ「行きます―― 」


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最終更新:2021年08月16日 22:33