自由人(レイハイト)が狂人(インセイン)となった日

2012/不明/不明

俺の名前はレイハイト、レイハイト・インセインだ。
普通にどこにでも居る普通の頭脳と適度な身体能力の、只の人間。
今日もまた俺は地球の大学に登校する、地球以外なんて学校は無いだろうけれどな。
何事も無い平穏な日々、退屈過ぎて世界を壊したくなってしまう。
力があればとっくにしてる、だがそんな力も無い。
退屈だ、何か起こってくれないだろうか。


2012/不明/不明

今日もまた、俺は何事も無く登校する。
退屈だ、この数ヶ月間の間なんて日記に書くまでも無いぐらい退屈だ。
この世界はつまらない。
退屈で退屈で仕方が無い。


2012/不明/不明

他の奴等が叱られている。
俺はそいつらを見て鼻で笑ってやった。
こういう事でも無いと退屈で仕方が無い。


2012/不明/不明

どうやら虐めが発覚したようだ。
自分にとってはどうでもいいが、それで虐めていた奴らは退学になった。
当然の報いであろう。
俺はまた鼻で笑った。
それぐらいしか、楽しい事が無いのだから。
他人の不幸は蜜の味だ。


2013/不明/不明

所謂詐欺会社をハメてやった。
ボイスレコーダー二つにボタン一つで通報できるようにした通報用携帯を二つ。
それを仕込んで、「貰ったお金を二倍にして返します」という会社に金をやった。
50万。
この手の詐欺会社は最初は素直に渡してくれるもんだ、信用の為に。
そして俺は渡されたら縁を切った。
ざまあみろ。
だが、こんなんではまだまだ退屈で仕方が無い。
もっと楽しいイベントは無いものか、「世界が変わる」ような。


2013/1月/不明
ある日俺の元に手紙が届く。
こんな時代に手紙なんて、実に笑える。
そんな事をするならばメールをすればいい、最も迷惑設定で登録している友達や家族以外は処分されるが。

しかしその手紙は奇怪な事に差出人の名前も無い、しかし俺に送られたものだ・・・書かれてる名前からにして俺宛だ・・・どう見ても俺宛だ。

心中に過る思い、「もしかしてこれって退屈な日々を抜け出せるかもしれない・・・?」。

いやいや、冷静になろう・・・どう考えても普通の手紙だ。







・・・いや、よく見ると・・・いや見なくても封筒の中身の手紙と思われるものが深い深淵の泥を掬ったような、「泥とは思えない深い青光りを帯びている」。







何なんだこれは・・・冷静さを失っていた、こんなものを見て何だが・・・これを開くと俺はきっとどうにかなってしまいそうだ。
俺はこれを開くのが怖い、とにかく怖い。
深淵への扉を開いてしまうような、そこに引きずり込まれそうな気がしてならない。
だが俺はやっぱり、胸の高鳴りが止まらない・・・「この退屈でならない世界は大きく変わるかもしれない」。
その決断だ、俺の人生の中できっと最高の決断に成り得るだろう。






どうする






躊躇はするな、ヤブを突いて蛇が出るかどうかだ。
俺は、その封筒を引き千切った。






その時封筒の中身から、液体が出てきた。
瞬く間に俺はその液体に体を包まれ、侵食された。
苦しい、息ができない・・・どうやら蛇が出たようだ・・・。






薄れる意識の中で俺は願った、世界を見下していた自分のツケだと理解できるが。










たすけて。









おかしい。
まだ意識がある。
もしかして、既に天国なのか。
痛い。
頭を打ち付けた。
もしかして、そう思って俺は目を開く。

コンクリートだ。

俺はどうやらコンクリートと熱いキスをしてしまったようだ。
普通に倒れたようだ。
気が付けばあの液体はどこにもない。

その時、背中に違和感がある事に気が付いた。
触ってみた。
泥のようにドロっとしている。
洒落じゃあない、そうとしか言いようが無いのだ。
触った手を見てみた、すると。




あの液体が手に付いている。




気が狂いそうだった。
その液体は俺の手を伝って背中に戻っていった。
吐いた。
気持ちが悪い。
一体どうしてこうなった。
この液体は何だ。
落ち着け、動揺するな。

更に不思議な事は続く。
目の前に不思議な空間が現れる。
まるで空間がねじ切れているような、そんな見た目だ。

立て続けに不思議な事が起こり、俺は狂いそうだ。
だが、これを境に俺は退屈な日々を抜け出せれるかもしれない。
断じて言うがこの考えは狂人的ではない、俺は普通だ。
断言する。

踏み込め、ここで踏み込まなくてどうする。
忌み嫌っている退屈との決別。

俺は、ねじ切られているような空間に脚を踏み入れた。
その瞬間、空間が「空へと変わった」。
俺の体は重力に引かれ、落下する・・・。
踏み込むべきではなかった、確実に俺は死んでしまう。
祈るしかない、奇跡的に助かる事を。
















                                     END
                              彼は、こうして混沌世界へ誘われた。                                   SSとか初めてで出来とか悪かったら怖いよー。

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最終更新:2024年04月11日 00:38