混沌なる聖杯戦争 序章

泥濘の日常は燃え尽きた

あらゆる生命による生存競争

運命の車輪は回る

最も弱き者よ、剣を鍛えよ。

その命が育んだ、己の価値を示すために。


???「やぁ、お待たせしたね。」

???「ようこそ、聖杯戦争へ。」

ここは大きな館の中、中世ヨーロッパの建築物を思わせるそれなりの大きさの館である。
その大広間には、14人の参加者と一人の男が巨大なテーブルを囲んでいる。

???「君たちは128人の候補者の中から選ばれた存在。聖杯をめぐるこの戦いに相応しい戦士たちだ。」

一人の男は軽く笑む、テキストのように語りかけるその声に人間としての優しさや残虐性は宿っていない。
白衣をはためかし、14人を見渡す。

レインド「・・・。」

アオ「・・・。」

ピカ中「む・・・。」

イナ「・・・・。(イライラ)」

慰月「・・・・。(ほげー♨)」

赤城「ふぅむ・・・。」

シルバー「・・・。(腹減ったな)」

キルビス「(聖杯・・・。)」

ジャック「・・・・・・・。」

嫉妬の刹蛇「・・・・。(パルパル)」

メイプル「ふぁあ・・・・。」

光姫「・・・。」

GOAT「・・・。」

レイハイト「・・・・・・。(気味悪いなこのおっさん)」

14人は沈黙を保つ。

???「自己紹介をしておこう、私はトワイス・I・ピースマン。この聖杯戦争の主催者であり、この館の支配人だ。」

トワイスと名乗る男はさらに言葉を繋ぐ。

トワイス「聖杯・・・いかなる願いも叶える万能の願望機。君達が聖杯に何を願っているか、何故欲しているか。そんなことは私は微塵の興味もない。」

トワイス「中には・・・別に聖杯なんて別に欲しくない、なんて人もいるだろうからね。」

トワイス「それでもかまわない。確かなことは、君達は君たちなりの目的があってここにいる。ということだ。」

レインド「おい、おっさん。」

一人の男が初めて声を発する。彼はレインド。かつてカオス界を救った英雄の一人である。

レインド「どうでもいいけどよぉ、さっさとはじめようぜ?時間の無駄だ。」

ダルそうにレインドは首をコキリコキリとならす。レインドだけではない。他の参加者も開幕を待ちわびている。

トワイス「・・・話が早いな。だが、こちらにも相応の準備がある。それに、今日を含めた2日間は、猶予期間(モラトリアム)だ。まずは施設見学、および食事会だよ。」

全員が椅子に座ったままズッコケる。これから殺し合うというのに何を言っているんだこの男は。

トワイス「気に入ってくれたようだね。これだけは伝えておこうか、今回の聖杯戦争はただの殺し合いじゃない。それ相応のルールを設けてある。ルールについては、開幕前に話すとしよう」

そうしてこの館の見学が始まった。全員がトワイスに引率されて、館の廊下を歩く。まるで、社会見学の列の様である。

トワイス「ここが参加者用の部屋だ。一人一室、部屋はみな同じ構造になっている。家具の位置も同じだ。独り言は小さい方がいいよ?天井の左隅に通気口があるだろう?他の部屋とも連動しているからね。あまり大きな声でしゃべるのはよろしくない。」

トワイス「これが部屋のカギだ、もう全員に渡しておくとしよう。君は201号室に・・君は206号室だよ」

ジャック「・・・・・・・・・。」

一人一人にカギを渡していく。

そして更に歩く。

トワイス「ここは中庭、何もないけどね。タバコを吸いたいのならここで吸ってほしい。館内はすべて禁煙だ。」

一通り回ると、先ほどのテーブルの上には人数分の食事が置かれている。

アオ「すごい・・・こん豪勢な・・・」

ジャック「ごちそう・・・。」

イナ「お・・・・おぉ・・・。」

慰月「っしゃぁああああああああああああああああ!!!!飯ぃいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」

メイプル「(うるさいですね・・・。)(汗)」

トワイス「食事をとった後は自由行動としている。ただし、争いや殺しは厳禁だよ?」

トワイス「他者との交流を深めるのも良し。好きに過ごしてほしい。明日朝8:30にはここに集まる様に。では、諸君。明日また会おう」

トワイスは大広間から出ていき、その館の図書館に入る。彼はそこを寝床代わりに使う。

そこで彼はいつもの夢を見る。

戦いと血で汚れた大地と空に一人立つ夢を・・・。

        • 終わり。

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最終更新:2024年04月11日 01:45