"K" -奴の名は- 過去ログ(プロローグ1)




森ノ宮「(ファーストフード店内、隅のテーブル席で本を読みながら、横目でカウンター席を眺めている男性をチラチラと見ている)――シフト的にはもうじきにターゲットは上がり……か、そろそろこっちの待ち合わせも…… 」

難波「(ハーフリムの眼鏡を掛けた姿でアイスコーヒーとサイドメニューの小さなパイを載せたトレイを持ち、森ノ宮と背中合わせの席に座り)合流おっけーでーす、この後交代で私が二人尾ける……んでしたよね?(振り向かず、森ノ宮にのみ聞こえる程度の声で) 」

森ノ宮「それで合ってる。男の方だが……まあ間違いなくクロと見て良い。嫁さんに嘘の連絡して、仕事終わりに職場からも家からも離れた方向のこの店に一人で直行する理由なんか…なあ?決定的な写真が欲しい所だが、深追いはしなくて良いからな(此方も振り向かず、難波にのみ聞こえる程度の声で) 」

エディ「(自動ドアが来店音を告げハイライトのない死んだ魚のような目を讃えて来店。引きずるような足取りで席へ着く)ウィーーン \ラッシャーセー/(血が足りねぇのか疲れてんのかわかんねぇ、意味わかんないだるさに殺される……なんかスタミナがつくやつ……)あれ……ここファストフード店だ……(ステーキとか売ってないじゃん、栄養価足りないやつだこれ)ああぁぁもぉぉぉそういうとこだぞー……(頭を抱えテーブルに顔をつけるようにして突っ伏す) 」

龍姫「………(ビクッ(突っ伏したエディの近くの席に座っており、彼の様子を見てビクッとなる) 」

難波「ちょっと慣れては来たし、多分大丈夫……と思います。森ノ宮さんこの後事務所で書類纏めるんでしたっけ?(カウンター席を眺めている男性……浮気調査のターゲットを時折確認しながら)……あっ、お客さん入って来た。これはラッキーなんでしたっけ?……知ってる人やん(エディの顔を見)……ダメージ受けてる…… 」

夢華「……なんか、すっごい疲れてそう(龍姫と同じ席でエディを見て) 」

森ノ宮「まあ、あいつの尾行もついでだし、その書類の案件もちゃっちゃと纏めて依頼人に渡して終わりだしな。(店内に入って来たエディを見)まあ、ラッキーっちゃラッキーかな……あの客の印象が強いとこっちに意識が向かなくなる……奴さんは素人だし警戒も薄いだろうが、気を付けてな………うん?……んん??(言いながら何かに気付いたのか、正面方向の少し離れた席、柄の悪そうな男性と並んだ女性が席に座るのを怪訝な眼で見つめ)…あれ、お前…アレ? 」

碧「……(龍姫たちと同じ席に座っている。スッと立ち上がり、なぜかエディの横にリンゴを置く) 」

ウィリアムテル「ガタッ(リンゴに反応し席を立つがすぐに正気に戻り座り直す) 」

龍姫「ですね、なんか体力0みたいな顔してます…(心配そうにエディを見て)…なんでここでリンゴが出てくるんですかー!(碧を見て) 」

難波「色々危ない目には遭い掛けたことが何回もあるし、いざとなれば森ノ宮さんも胡桃ちゃんも呼べるし、他にも助けを呼べそうな人は居るし…何かある前に勿論逃げ……?あれ、どうしたんですか森ノ宮さん?(様子の可笑しい森ノ宮に気付き、椅子越しに振り向いて様子を見)……んん!?? 」

夢華「………いや、なんでリンゴなの(碧に)……でもある意味間違ってないかもね、リンゴはビタミンがあるからね…… 」


―――――二人の視線の先、そこに居たのは"難波祐子と瓜二つ"…所か、親類縁者と言うより生まれ変わりの類では無いかと言う程、服装と髪型以外、体格や容貌の全てが"同じ姿"の女性だった。


エディ「(なんでリンゴ……Appleの回し者かな……)あ、どうも……いやそうじゃなくて(リンゴをわざわざ手垢がつかないようハンケチーフで手に取り碧へ押し付けるようにして返す)多分心配してくださったと思うんですけど大丈夫ですからほんと(じょうたい:ハイライトのない目▼) まずい、多分これ周りから見たらバイオのモブゾンビみたいな状態なんだろうな……(周囲の視線を確認するように席に座り直し目線だけを左右に動かす。森ノ宮・難波の姿が視界に入ったが、なんとなく声をかけないほうがいい気がしたのかそれとなく会釈し…)……(彼らの視線の方向へ一瞥をやった) 」

龍姫「………た、たしかに……それを見越してのリンゴ……!?(エディと碧を見て) 」

碧「……ん、そうですか……無茶はしないでくださいね?(笑顔で返されたリンゴを受け取る……が、どこかサイコパスじみた笑顔に見える) 」

難波似の女「(二人には気付いて居ないのか、下を向いてドリンクを片手に携帯電話を弄っている) 」

柄の悪そうな男「(同じく二人には気付いても居ない、或いは気にもしていない様な素振りで、ガツガツとハンバーガーに齧り付いている) 」

森ノ宮「馬鹿、戻れ!(振り向いた難波に気付き、小さな声ながら、やや強い口調でそう言った後、手元の本に顔を落とす)……まあ、見たんなら良い。ありゃあ………そっくりってレベルじゃ……念のためだが、お前確か向こうに妹が居たって言ってたよな? (軽く周囲を確認しようと辺りを見回し、エディと目が合い、此方も軽く会釈を返す)……(そういやアイツと飲んだ気がするわ……見た事あると思った……) 」

夢華「………?(難波と難波似の女を見比べ)(……姉妹?なんか似てるなぁ) 」

龍姫「突っ返されてる!?……(こ、怖い!相変わらず怖い…!)(碧のスマイルを見て汗) 」

難波「(そそくさと向きを直し、眼鏡を直してパイを手に取り、周りを見…此方に会釈するエディに軽く会釈を返し)あ、どうも… いや、流石に……でも世の中同じ顔の人が三人いるって言うし……いや……でも……妹はいましたけど、あんなに似ては………(携帯を取り出し、インカメラでズーム機能を使い、背後の"そっくりさん"の顔を確認)いやでも……あれ…?私の顔……? 」

エディ「(なんだこの笑顔怖い。白雪姫に食わせるリンゴを突っ返されたと言わんばかりのツラだったぞ今の)(平然と注文して置いたメガマックを一口頬張り口を上下に動かす)……。(人の顔を覚えるのが苦手って思ったことは一度もない。むしろ記憶力にはそれなりに自信があったんだけど……)……(目だけを動かし自分を挟んで難波と向かい側に座る難波似の女性を一瞥。すぐに進行方向へ目線を戻すと、何事もなかったと装い平然と二口頬り音もなく咀嚼した)……(双子……って言う様子でもないな。目が合った瞬間対消滅するとかはやめてくれよ……) 」

碧「(その笑顔のまま席に戻る)リンゴ突っ返された。(エディに突っ返されたリンゴを二つに割り、そのまま食べ始める) 」

夢華「………(いや、そっくりどころじゃない……瓜二つ……そのものじゃん……) 」

森ノ宮「……まあ、どうせ後は帰るだけだ。お前だってまっさら"普通の人間"って訳じゃ無いだろ、俺もそうだしな…とにかく気がかりだ、あの二人は俺が尾けて少し調べてみる。単なるそっくりさんならそれで良いさ(本のページを捲りながら、既に冷静に戻った口調で)(エディの方を軽く見やり、お手上げとでも言いたげに軽く手を上げるジェスチャー) 」

龍姫「……?ゆ、夢華先輩?……!(夢華の視線を追い、難波と難波そっくりの女が目に入る)…なに、これ…? 」

龍姫「………そりゃ見知らぬ人から渡されたリンゴなんて突っ返すに決まってるじゃないですか(汗)(碧に) 」

難波「いや、でも……確かに気になりますけど……本当に似てるだけかも……(パイを直ぐに食べ終わり、アイスコーヒーに手を付け) 」

エディ「(うわあさながら藁人形の代替え品とでも言わんばかりだ。あんなに憎々しげにりんご切るやつ初めて見た)――――。(『それは残念』と答えるようにして肩をすくめ、早々とメガマックを食し終えた包み紙を丸めて席を立つ)……。(探偵業の邪魔になるかもしれないけどそうじゃなかったなかったで声をかけないって言うのもな……あの二人に合わせて店出てみればいっか)クシャカタカタ(包み紙、空の紙コップ等をまとめながら店を出る手はずを整える) 」

碧「えー、こんなに美味しいのに………食べる?(かじったリンゴを龍姫に差し出し) 」

難波似の女「――――(ドリンクを飲みながら眼前の柄の悪そうな男と何かを話して居たが、男が食べ終わるなりさっさと立ち上がり、引き連れた男に向かって何か言いながらトレイを片付け、店を出る) 」

柄の悪そうな男「―――(トレイも片付けず立ち上がり、黙って店外へ出る難波似の女の後ろをついて歩き) 」

龍姫「……い、いえ…遠慮しておきます………(ジュースをすする) 」

森ノ宮「気にすんな、ちょっと寄り道位のもんだし、何も無かったら何も無い、で良いじゃねえか。 ……動いた、二人が店を出たら俺も出る。そっちの仕事は任せたぜ、当てにしてんだからな (……どうも、"臭う"…難波の出自と関係があるかも知れない、向かいのチンピラも只のチンピラなら良いんだが……幸いもう一人連れが出来そうだ、こうなったら難波も心配だし後で胡桃……いや、ウェルドか清丈にでも連絡を取るか)(二人が店から出た後、少ししてから立ち上がってエディに軽く目配せし、追って店を出る) 」

エディ「……(あのおっさんは腕が立つ……並みのチンピラ相手なら状況に応じて不味くなってもそれなりに生き残る手段を考えられるクチだ。ぶっちゃけどっちも気がかりだがこう言う時体が二つあればいいって思うよな……)スッ クイ (店の外を指差す→自らと難波を指差す→指で輪を作る『こっちのお守りはやっとく』と森ノ宮の去り際にハンドシグナルを送った) 」



←————To be continued



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最終更新:2021年05月22日 12:00