ココはとある、ふたりの黒いトレーナーの話である。そのトレーナーはチャンピオンであり、旅人であり、考古学者でもある。そのひとりの黒いトレーナーがシンオウでそして、もうひとりはシンオウの南の地方のトレーナーである。
とあるシティの海岸……
???「…………傷跡は消えないか……」
???「……そう簡単に消えないわよ。だって、傷が大きすぎるわ。
クロナ……?」
クロナ、ここの地方のチャンピオンで出身は地方の一番の北側のド田舎。
クロナ「……それもそうだねぇ。自然の災害の傷跡は大きいすぎるな。シロナ?」
ふたりはかつて、災害で多くの物を失った場所に来ており、自分たちの価値観を改めて振り返ってみたようだ。
クロナ「シロナ、君はなぜチャンピオンになったんだ……?」
シロナ「それは、あなたと同じかもよ…?」
クロナ「……僕は強くなりたくって…そして、弱い自分が憎かった……でも!?」
シロナ「……………」
クロナ「結局、チャンピオンになっても僕の力は何の価値もなかった!!?」
シロナ「………」
クロナ「どんなにチャンピオンになっても!?どんなに強くなっても!!?」
シロナ「……」
クロナ「…僕は自然の力には勝てない……いや!全ての人間達全てそうだ!!」
シロナ「…」
クロナ「……なのに、僕達は人間はトレーナーはリーグ制覇だのチャンピオンだの世界で一番強いだとか無意味な目標を求める!!僕でさえ...?!」
シロナ「そうねぇ。人間は馬鹿だと思うわ…。でもね?」
クロナ「?」
シロナ「私たちが強くなって競い合う所を見て喜んだり、勇気を貰った人だっているわ!それだけの価値があるなら、それでいいじゃない…?」
クロナ「……フッ、君は幸せ者だなぁ~?」
シロナ「クロナ…?」
クロナ「だけど、君の言ってることは正論だよ。確かに僕達ことを悪く言う奴はいなかったよ。それどころか、救われた人もいるって願いたいものだよ。」
シロナ「いるわよ。私たちの姿を見て救われた人だって、人はそうやって励ましあったりして強くなるものですもの。」
クロナ「そうだねぇ。僕は少し、疲れてたようだ…?これからも頑張ってみるよ。」
シロナ「貴方なら出来るわ。」
クロナ「君もね…...」
二人は沈む夕日を見つめながら犠牲者の冥福を祈った。ふたりの黒いトレーナーはこれからも活躍するだろう。
そして、新たなる未来のために今日も明日も戦う全てのトレーナーに明るい未来を……
END
最終更新:2020年03月31日 21:25