セルド「(シャツのネクタイを緩め、襟元を仰いで風を送っている)……暑…っ」
水色髪の少女「…はぁ… ……はぁ… …はぁ……(項垂れた姿勢で壁をつきながらよたよたと歩いている) 」
稗田阿求「お兄さんお兄さん、暑さで参ってるんですか?(外なのに座布団の上で正座しながら、
セルドを見上げる)」
セルド「……?(水色髪の少女に気がつき、早歩きで近寄る)…ちょ、ちょっと。大丈夫か?(近寄る最中に声をかける) 」
水色髪の少女「はぁ……ぁ… …クラ―――――トサ……(
セルドに声をかけられる途中で意識が途切れたかのように力なく倒れこんでしまった) 」
稗田阿求「何て事でしょう、コレは出るタイミング間違えてしまったのか!(汗汗)(
セルドに続いて少女の元に寄る)大変です、この倒れ方は拙いですって! 」
セルド「あぅ……!?(汗 座布団に座っている阿求を見てこのリアクション) ま、まあ……君は何をしてるんだ?(苦笑いしながら阿求に) あっ――――(目を見開き、倒れる少女の上体を起こす)おい!聞こえるか!目を覚ませ、なあ!(知らない人とはいえ、こんなとこ見ちゃったら寝覚めが悪い…!) 」
水色髪の少女「はぁ……はぁ… …ぁ……はぁ…(体温が非常に高いためか全身汗まみれで苦しそうに息をしている。その際、首にぶら下がっている蒼色のペンダントを片手で弱弱しく、けれども大事そうに握っている) 」
稗田阿求「最早この状況で私の説明は不要です!えーっと…確かここら辺に…(座布団の中を模索して、氷袋を取り出す)少し溶けてますけどないよりはマシ。これ、当ててあげてください(
セルドに氷袋を半ば強引に渡しつける) 」
セルド「(苦しそうな少女の額に手を当てる)くそ…酷い熱だ……頑張れ、俺がどこか病院でも―――ペン、ダント?(ふとペンダントへと視線が) (座布団になんてものを…!?)あ、ああ!助かる!(氷袋を少女の額に当てる) 」
稗田阿求「ここ周辺で病院なんて遠くてありやしませんよ…もしもし、救急車一台御願いします(携帯電話で既に手配) 」
水色髪の少女「…はぁ……ぁ… ………(氷袋を当てられたことで荒い息は徐々に静まった。若干ではあるが安らかな表情に変わった) 」
ペンダントを目にした時、
セルドの脳裏に閃くものがあった――――――だが、それが何であるのか思い出すことはできなかった
セルド「(確かに、ここ近辺に病院はなかったな…)ありがとう、手間をかけさせてすまない(阿求に) ……良かった。少しはマシになっただろ?(少女の表情の変化を見て) ―――――――……。(このペンダント…ダメだ、何なんだこの取っ掛かり―――。) 」
稗田阿求「いいんですよ、困ったときはお互い様です……どうかされましたか?(
セルドの表情の変化に首を傾げる)もしかして惚れちゃったとかぁ~! 」
水色髪の少女「………ん…(少しずつ目を覚ましていくけれども…)………ぁ……(意識が朦朧としている為、
セルドの顔をはっきりと捉えることができず、完全に眠り込んでしまった) 」
セルド「なっ!?ちゃ、茶化さないでくれよ…(汗笑 阿求の突拍子もない発言に) (眠ったようだ…)おやすみ……ああ、そうだ。救急車はどのくらいで着くって?(眠った少女をお姫様抱っこし、手近なベンチに寝かせて阿求に) 」
水色髪の少女「すぅ……すぅ……(落ち着いた様子で寝込んでいる)」
稗田阿求「何言ってるんですか!困ったときはお互い様です。お金に困ってる私を助けてくれますよね♪(クズ) 」
セルド「裕福なほうじゃないんだけどな…(汗 渋々了解する) 俺は
セルド。商店街で弁当屋の店員をやってるから、請求する金額がまとまったら訪ねて来てくれ(まあ、数百円だか千円くらいか) (『後のことは頼んだ』と伝えてその場を去る) 」
セルド「しゃ、寒い…コタツ……ね、猫抱きたい…(白目)(涼しい程度の気候でカタカタ震えながら歩いている) 」
稗田阿求「本当、寒くなってきましたねー。猫はいませんけど~。ズズズズ…(外なのにコタツに入ってヌクヌクしてお茶をすすりながらテレビを見ている)あはは!ダウンタウン面白い!!! 」
白服の青年〖フ、フッフフ…――――――「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」…。ほラ、もウ、こんなにも時間は進んでいル。(
セルドが歩きすぎた誰も居なかったベンチに、あたかもはじめからそこにいたように座っていた)〗
セルド「アンタって周りから型破りなやつって言われないか…!?ああ、テレビっ子なんだ―――(コタツに入ろうとした瞬間、白服の青年の気配に勘付く)―――……さっきは居なかったよね、アンタ 」
稗田阿求「ズズズー…居なかったってなんですか?私最初からここにいましたけど(何故か、
セルドにその場の状況で自分に話しかけられたものだと思っている) 」
白服の青年〖ン?失礼だナ… ボクは初めから『ここ』にいたんだヨ?…もしかしテ、ボクっテ、影が薄ぃーのかナ?(どうやら阿求には青年の姿は見えてないようだ)〗
セルド「ん、あ、いや…ていうか、ずっと外にテレビとコタツ出してたのか…周りの目とか、結構すごかったんじゃ?(と言いながらコタツに入って暖を取る) ん~……いや、俺の勘違いかもしれない。あ、アンタの影が薄いんじゃなくて、俺の注意力が無いっていうか…(汗笑 青年の方を向いて話す) 」
白服の青年〖おオ、そうかイ。ならそういうことにしておこうかナ。(けろりと立ち直り、阿求の方を向く)…友達かナ?元気がよさそうで見ていると清々しいナ…キミもそう思うだろウ。(2828)〗 」
セルド「ん、どうしたんだ阿求?…なんだ、今日は大人しいな。いつものアンタらしくないぞ(何も知らず笑いながら阿求に) ああ、そうだな。色々迷惑な子だけど根は良いヤツだってのはわかってるんだ(白服の青年に) 」
稗田阿求「『誰』と…話しているんですか……?さっきからそっち見て話してますけど… 」
白服の青年〖へぇ、そうなんダ。仲が良いから、互いのことはよく知っているんだネ。(被っている白帽子を目深に被り直し、再び
セルドと目を合わせる)…軽い挨拶はこの辺にでもしようカ。…ボクにはね、キミがここに来ることは分かっていたんダ―――――はじめましテ、ミスター・セルド。(足を組んでセルドに微笑む)〗
セルド「…え?は、ははっ、ここに居るじゃないか。白い服の青年がさ、ほら!今も阿求のこと話してたぞ、返事くらいしてやれよ………な?(「そんなことあるわけない」といった風に苦笑しながら、最後は素の声で阿求に) …………アンタは何だ?俺の名前まで知って…(白服の青年に向ける目は、友人や知人へ向けるようなそれではなかった) 」
白服の青年〖今日、ボクらがここ出逢ったのは運命なんかじゃなイ、すべては"必然"サ。(碧の瞳が月の光に反射し美しい輝きを帯びる)…そウ、ミスター・セルド、キミにある『忠告』をしにきタ。(表情は一切歪まずだが、その発言には只ならぬ重みがあった)〗
稗田阿求「 ……(今までにない、完全に困った表情を
セルドに見せる)……
セルドさん、お弁当、そんなんだと作れませんよ?しっかり休んでください(とても静かな神経を慰撫するような声で優しく
セルドに笑う)」
セルド「―――。(風が静かに吹き、白と濡羽色に染まった髪がそよぐ)…忠、告?(目を細め、頬に汗が滴る) 何だよその反応!?くっ、わ、悪かった……ちょっと働きすぎてたのかもしれないな(自分以外には見えてないとようやく把握し、がっくりと意気消沈して阿求に)」
白服の青年〖ビシッ(
セルドの鼻にすれすれ接触するかしないかの近距離まで指を伸ばす)もう"すぐ"ダ。もうすグ、この世界の掟(ルール)によっテ―――――キミの日常が変わり果てていク――――― 〗
稗田阿求「はいどーぞー(
セルドに湯のみに入ったお茶を差し出す)淹れたてですから、さめないうちにど~ぞ~♪」
セルド「世界の掟(ルール)だと…?日常が変わり果てる…!?おい、それって一体――――。 おっ…ありがとう、阿求(礼を言ってお茶を啜る)っち…でもやっぱりおいしいな(少し満足気)」
白服の青年〖ボクは出会う前からキミのことを知っていル。キミは『ボクら』の求めた『選ばれし純潔の種族』のその一人なんダ。そんなキミのことをボクはたいそう気に入っていル。だからこそ「死んでほしく」なイ。故に今日、キミに忠告をしに来たんダ。…キミ"だけ"に忠告しに来たんダ。(後者を発言する際、表情から笑みが消える。そしてしばらくの沈黙の後、そっと阿求の方を見る)…大切な友達ニ、迷惑はかけたくないだろうからネ。このこト、今は誰にも公言しない方がいいかもネ。〗
白服の青年〖…と言ってモ、誰もこんな話を信じようなどとするはずはなイ。…それニ、早かれ遅かレ、いずれはここにいる誰もが『知る』こととなル…キミの身の回りで何が起こるのかをネ。ただ今ハ、事を公にする時じゃあなイ。だから、キミ"だけ"に会いにきタ。……話は上手く呑み込めたかナ?(意地悪っぽく笑みを浮かべる)〗
稗田阿求「お礼される程を事はもちろんしました。
セルドさんが孤独で誰かに話かけたくてしょーがないっていうなら、私でよければお話相手になりますよ(苦笑気味に
セルドに)」
セルド「…ああ、アンタの言いたいことは大体わかった、多分信じるしかないんだと思う。…だけど聞きたいことも山ほどある…(選ばれし純潔の種族…俺はどうみても人間なのに―――)まぁ、聞きたいことは今度でもいい。だけど、俺"だけ"ってのは……まるで俺以外なら死んでも痛くも痒くもないような言い方だな…っ!(できるだけ周囲に聞こえぬよう、小声で青年に) な、何言ってるんだ阿求…!俺は別に孤独なんかじゃないぞ!…おい引くな!(汗 阿求に)」
稗田阿求「…まぁ、孤独さを感じさせない程、
セルドさんの周りには人がたくさん集まりますからね、心配ご無用ー!でしたね、それなら!(ニーっと笑うと、テレビを消す)ふぁ~…私はこのままここで寝ますね~…あ~お外のコタツで寝るなんて幸せ~……むにゃむにゃ…(熟睡) 」
白服の青年〖…プッ、クハハ…!アッハッハッハッ!!(
セルドに対し涙を流して爆笑する)…何故だか分かル? なぁーに簡単なことサ―――――キミ自身が友達を守るためだヨ? 確かにボクはキミに忠告をしに来タ、「死なないように」ト。でも"キミの身の安否を心配している"んじゃないノ、ボクハ。自分ヲ、友達を大事にするキミニ、これから起こりうるであろう未来について忠告しただケ。たったそれだケ。〗
セルド「そ、そんな人が集まるとかそんなんじゃ……ふぅ、幸せなやつだな、まったく。(阿求の寝顔を見て少し笑う) ……絶対に壊させない。ようやく掴んだ幸せな生活なんだぞ…ッ!それを訳の分からない掟(ルール)なんかで――――。(手に馴染むように、慣らしておかないとな……"インストール"を)(指を僅かに折り、パチリと電流が走る)」
白服の青年〖……!そウ、その"目"ダッ!(ベンチから勢いよく立ちあがる)今の目ヲ忘れないでくレ…!それがある限リ、この世界に抗うことができル…!(一瞬取り乱したせいで帽子が歪み、慌てて深く被り直した)……さテ、そろそろお暇させてもらおうかナ。…あァ、それかラ――――〗
セルド「(世界に抗う―――何やら大層な話になってきたけど…やることは変わらない。壊したくないものを見失うなよ、俺―――)…それから、なんだ?」
白服の青年〖それからもう一ツ…今日、此処デ… …ボクの言った言葉ヲ、声ヲ、振る舞いヲ、そして顔を忘れたとしてモ――――――――〖ボク〗と出逢ったことを忘れないでくレ。必ずダ。 ススス……美味いナ、こレ。(本来有るはずの無い二客目の湯飲みを片手に一驚する)〗
セルド「その事についての心配はご無用だ。こんなこと、嫌でも忘れられないだろ?(苦笑し席を立つ)…俺も料理人の端くれだけど、アイツの淹れるお茶には一目置いてる。今度教えてもらわないとな…(ていうか2つ目…?)俺はもう行くよ、それじゃあな(青年に別れを伝えてその場を去る)」
白服の青年〖(去りゆく
セルドに満面の微笑みを見せる)いつかまた逢おウ―――――――――『同胞』ヨ。(帽子をクイと動かす)〗
白服の青年〖―――――フッ―――――(その場から消える)〗
某所、街外れの山にて…
白服の青年〖(木の枝の上に立って蛍火のような街の光をぼーっと見つめる)…なぁニ…何も今に始まったことじゃあなイ。『キミ』があの時『彼女』と出逢った時かラ、既に針は進んでいるんだヨ。(遠近法で小さく見える街並みを握る) ここから始まるのサ、ボクたちの物語ハ―――――〗
白服の青年〖さア――――――〗
――――― 白 紙 の 頁 に 新 た な 歴 史 を 刻 も ウ ――――――
最終更新:2020年09月10日 08:36