EVOKE -舞- セルド編第4話

――キュラリア・街中の大通り――


結香「るん♪るん~♪(賑わう大通りをスキップしながら進んでいる)」

ヒロ「うーむ…これはなかなか…(カレーパンを食べながら結香の前の方を歩いている)」

結香「るん~♪…はふぇ?…あ!ヒロお兄ちゃ~ん!(歩みを止めて体を傾げ、前方からくる人物がヒロだと認識して手を振りながら歩み寄る)」

ヒロ「…んぉ?(歩み寄ってきた結香を見て足を止める)…あ、結香ちゃんじゃないか!こんばんは!(ニコッとする)」

結香「こんばんはっ♪(ぺこり)美味しそうなパンだね!この匂いは…くんくん… …あっ、カレーパンだねっ!」

ヒロ「ハハハ、よくわかったね…そっか、カレーの匂いかっ!(ハハハと笑う)…どうだい?一つ(紙袋からカレーパンをもう一つ取り出し、結香に差し出す)」

結香「ふぇ!?い、いいのっ!?…じゃあ、いただきますっ!かぷっ(カレーパンを頬張る)」

ヒロ「お、めっちゃいい食べっぷりだなぁ!今日も元気なようで何よりだ!飲み物もいるかな?(スポーツドリンクを取り出す)」

結香「もひもひ… ちょっぴりお腹空いてたからね。わぁ、ありがとう♪んぐんぐ…。(ドリンクを受け取って飲む)…ぷぁ…!ヒロお兄ちゃんありがとう♪ごちそうさまでした。(にっこり)」

ヒロ「うん、どういたしまして!(微笑み返す)…今日は買い物しにここに来たんだけど、まさか結香ちゃんに会えるとは思ってなかったなー…結香ちゃんも買い物かい?」

結香「ボクもヒロお兄ちゃんに会えてちょっとびっくり!ううん、いつもの散歩だよ~♪…そだっ、ヒロお兄ちゃんも一緒に散歩しよっ?ねっ?」

ヒロ「あ、散歩か!…うん、いいよ!面白そうだしね!(ニッコリ)」

結香「えへへ、ありがとう。この辺にも楽しいお店はいっぱいあるからね♪いこいこっ!(ヒロの手を引っ張り歩きだす)」

ヒロ「へぇ、楽しいお店か!…そりゃ楽しみだ!(手を引かれながら結香に続く)」


そうして二人は楽しい会話を交えながら、街の長い大通りをかれこれ30分ほど歩いていた。


結香「あはは、結構歩いたね。ヒロお兄ちゃんと散歩するのは楽しいよ♪(笑顔で微笑みながら)」

ヒロ「そうだねぇ…うん、俺も楽しいよ!一緒に歩いているうちに、時間を忘れちゃったよ!(微笑み返す)」


綺麗な店が立ち並ぶ中で、一軒だけ、かなり古びた玩具屋があった。看板には『万屋-吉-』というかすれた文字が。


結香「あはは…!もうすっかり夕方だね。……あ…――――(その玩具屋を目にして歩みを止める)」

ヒロ「あ、本当だ…ん?どうしたんだい?(足を止めた結香を見て) 」

老爺「ふぅ…(玩具屋から一人の老人がのっそりと出てくる)いい夕陽じゃの…(細い目をして遠い夕陽を眺める) 」

結香「…あ、ヒロお兄ちゃん。ここは―――――!万屋のおじちゃん!(懐かしそうにその老爺を呼んで大きく手を振る) 」

老爺「ん…?(背後を振り返る)その声は…もしや結香ちゃんかね?お、おお…ずいぶん大きくなったのぅ…!(嬉しそうな笑みを浮かべ) 」

ヒロ「…ん?知り合いかい?(老爺を見て結香に) 」

結香「ここね、昔ボクがよく来ていた玩具屋さんなんだ。それでね、おじちゃんがこのお店の人なんだよ。(ヒロに)久しぶりだねおじちゃん!おじちゃんも元気そうでよかったぁ♪…あっ!おじちゃん、ボクの友達のヒロお兄ちゃん。とっても優しくしてくれるんだぁ~♪」

老爺「おお…大きな友達じゃのぅ。はじめまして、この玩具屋の店主をしている者じゃ。結香ちゃんのことは、昔からよく知っているのじゃ。(ヒロに) 」

ヒロ「へぇ、馴染みのおもちゃ屋さんの…あ、どうも、ヒロです!(元気よく老爺に) 」

老爺「ふぉふぉ、元気がええのお兄さん。(ヒロに微笑みながら)そろそろ店を閉めようとしてたが…まあよい、せっかくじゃから中へ入りなさい。茶菓子をもてなそう。(二人を招きながら店へ入る) 」

結香「えへへ~、わ~い♪ヒロお兄ちゃんもはいろっ!(ヒロの手を引っ張り店の中へ)」

ヒロ「ん、うぃっす!(手を引かれながら中へ)」




玩具屋の中は多くの古い玩具で埋め尽くされていてとても狭く、二人は奥の畳の部屋に招かれた。


老爺「粗茶じゃが…。(二人に温かいお茶とういろうを差し出す)」

結香「わぁい♪(嬉しそうにういろうを食べる)もひもひ… 全然変わってないね~。(きょろきょろ見渡しながら)」

ヒロ「(懐かしいおもちゃばっかりだな…)…あ、どうも…(お茶をすする) 」

老爺「近頃は新しい玩具屋もたくさんできて、客はめっきり減ったのぅ…。じゃがそれでも、近所の子供たちは時々ここへ来てくれて、玩具で遊んで行くのじゃよ。ここは売っている玩具をその場で遊んでいいのが売りなんじゃよ。(ゆっくりとした口調で) 」

結香「ふぅ~ん…ボクはおじちゃんのお店が大好きなんだけどなぁ~。…あっ!これ懐かしい!(玩具の並ぶ棚へ手を伸ばし大きな箱を取り出す)昔友達みんなと遊んでたなぁ~、バトルドーム♪すりーでぃーあくしょんげぇーぃむ♪(´▽`) 」

ヒロ「なるほど…懐かしいおもちゃがたくさんあるから、昔を懐かしむ大人とかが来そうな気するんだけどねぇ…(古き良きおもちゃ…俺昔何して遊んだっけか…?(玩具の並ぶ棚を見て) 」

老爺「メーカーは確か佃煮オリジナルじゃったかの?(すっとぼけ)ふぉふぉ…その元気ぶりはかわっとらんようじゃの。いやいや、それでよい…。子供も大人もみな、元気が何よりじゃ。 」

結香「うん、おじちゃんの言うとおりだねっ。わぁ~…(その他の玩具にも、目を輝かせながら見ている) 」

老爺「ワシはのぅ…子供たちが、この店に来て、楽しそうに玩具で遊んでいる姿を見るのが好きなんじゃ。けどそれと同じくらいになぁ…前にこの店に来てくれた子供たちが、大きくなってまたここに顔を出してくれることが…ワシにとって、何よりも幸せなんじゃよ。(微笑ましい顔を見せる。その眦には涙が浮かんでいた) 」

ヒロ「じいさん…(老爺の顔を見て)(結香を微笑ましそうに見ている) 」

結香「おじちゃん…。(ヒロに続いて、老爺の表情を見る)…ボクはこれからもずっと、おじちゃんのお店が大好きだよっ♪大きくなっても、また新しい友達を連れて遊びに来るねっ♪(満面の笑みを浮かべる) 」

老爺「ふぉふぉ…そうかい…。昔からその優しさも変わっとらんのぅ…。(涙を袖で拭う)君の『お兄ちゃん』もそうじゃった。…そうじゃ、『お兄ちゃん』は…元気にしとるかの?(結かに) 」

結香「(『お兄ちゃん』の言葉を聞いて体がピクリと痙攣する)……『お兄ちゃん』は…今は旅に出てるから、わかんない。…で、でもねっ!元気にしてると思うよ…!ちゃんと『手紙』も送ってくれるんだ~♪(それから徐々に表情が和らぎはじめる) 」

ヒロ「…(お兄ちゃん?…兄貴がいたのか…初耳だな)(結香を見て) 」

老爺「おおそうか…元気にしているようなら何よりじゃ。早く『お兄ちゃん』の顔も見てみたいの。あの時来たのは確か10才くらいだったから…今はまたとても大きくなったんじゃろうな…。(目を瞑り天井を仰ぐ) 」

結香「『お兄ちゃん』と一緒に来たあの時ボクは6才だったね。それからはずっと友達と一緒に来てたけど…。 …グゥ~ ……あ…//(突然腹の虫がなる) 」

老爺「(結香の腹の虫が鳴いたのを聞いて笑いを零す)そろそろ暗くなってくるのぅ…今日はもうお家へ帰りなさい。家族の方にもよろしくの。 」

ヒロ「…お、そろそろ晩飯時かな?(結香の腹の虫を聞いて微笑む) 」

結香「う、うん…そうだね。おじちゃん、お菓子ごちそうさまっ。今度は友達いっぱい連れてくるねっ♪ じゃあ、帰ろうか、ヒロお兄ちゃん。 」

老爺「ああまたいつでも来なさい。茶菓子もたくさん用意するからのぅ。楽しみにしとるよ。 それじゃあお兄さん、結香ちゃん、さようならじゃ。風邪には気をつけるんじゃぞ。(微笑みながら) 」

ヒロ「ん、そうだね!(立ち上がる)茶菓子、ご馳走さんでした…(老爺に一礼) 」

結香「うん、気をつけるー!またね♪(手を振りながらヒロと店を出ていく)」


もう日は暮れていて、街の大通りには煌びやかなライトアップが点灯されていた。


ヒロ「…結構暗くなったなー…そんなに時間たってたか(周りを見て) 」

結香「今日は楽しかったなぁ~…♪(綺麗な大通りを見ながら)」

ヒロ「…そうだね!…いろいろ楽しいものが観れたよ…ありがとうな(結香に微笑む)」

結香「ヒロお兄ちゃんも、美味しいもの食べさせてくれたり、一緒に散歩してくれたりありがとうっ♪…そうだっ!ヒロお兄ちゃん、これあげるっ♪(ヒロに渡したそれは、四つ葉のクローバーの押し花のしおりだった)」

ヒロ「…お、これは…四つ葉のクローバーじゃないか!運気が上がりそうだな…ありがとう!(ニッコリと結香に) 」

結香「えひひ…♪そのしおりはね…『お兄ちゃん』がボクにくれたものなんだ。…『お兄ちゃん』は散歩と本を読むのが大好きで、散歩して見つけた四つ葉のクローバーを、こうしてしおりにしていつも本に挟んでたんだ。ほんとは3枚あって、一枚はお兄ちゃん、あとの二枚はボクが持ってるの。だから、ヒロお兄ちゃんにもおすそ分け、だよっ♪ 」

ヒロ「…へぇ…そんな大事なものを俺にくれるなんて…うん、このしおり、大切に使わせていただきます!(ニッコリ) 」

結香「…だって、ヒロお兄ちゃんは―――――――――ボクの大切な友達だもん♪(街灯の光を帯びたその無邪気な微笑みは、ヒロが今まで見た彼女の笑顔の中で一番輝いて見えた) 」

ヒロ「………!(……なんて、素晴らしい笑顔なんだ……)(結香の笑顔を見て)…そう思ってくれて嬉しいよ!…俺にとっても…結香ちゃんは大切な友達、だからね! 」

結香「そう思ってくれて…ボクも嬉しいよ…♪…グゥ~…あ、また…//(自分のお腹を恥ずかしそうに押さえて)もう帰らなきゃだね。ヒロお兄ちゃん、今日はありがとう♪また一緒に散歩しようねっ!じゃあ、バイバイっ♪(手を振りながら走っていく) 」

ヒロ「あ、またね!(手を振りながら結香を見送る)…この辺で飯でも食うかな(歩き出す)」


玩具屋の隣の建物の屋上にただ一つの影が佇んでいた。


メイド服の少女「…… …… ……くす…(去り行くヒロと結香の二人を静かに見送りながら、ほくそ笑んでいた)」




ニシル「とことこ…(両手を摩りながら歩いている)うぅ…コーヒー(以前ジルコーからもらったもの)なくなっちゃったら寒いな…>< 」

セルド「(寒い…まずい…眠くなってきた…凍える…そうしたら…凍死ッ…!)ガタガタ…(青い顔をして震えながらニシルの向かいから歩いていくる) 」

ニシル「うぅー…こんな時は、何処か喫茶店に……!(向かいから現れたセルドとばったり出会い)…あ…セ、セルドさ…ぎょっ∑(=゚ω゚=;)(セルドの顔を見て飛び上がる) 」

セルド「(に、ニシルの幻覚まで見えてきた…もうダメだ、その後に俺の姿を見るものは誰もいなかっ―――)えっ、本物?(飛び上がったニシルの声を聞ききょとんと) 」

ニシル「ものほん!?(汗)わわっ…ここ、こんばんはセルドさん…!(うぅー…な、慣れない…この感じ…!)(セルドを前に緊張しているが、セルド自身には寒さで震えているようにしか見えない) 」

セルド「(ああ、ニシルも俺と同じで寒いんだな…可哀想に…。俺たち冬になったら死ぬんじゃないかな…)(極度の冷え性)あぁ、こんばんは。もう一枚上着を着てくるべきだったな…(同情の目) 」

ニシル「は、はい…そうですね…。(苦笑しながら肩を摩っている)…あ、あの… …近くの喫茶へ行きませんか?そ、外は寒いですので…。 」

セルド「喫茶にか?(上着のポケットに突っ込んでいた手を出す)そりゃ名案。いいよ、この近くなら良い店を知ってるんだ(片手を自分の腰に当てる) 」

ニシル「わぁ、本当ですか?で、では…(セルドと同行する) 」


――青年少女移動中...――


セルド「―――とまあ、ここが俺のオススメ。休日にはたまに来るんだよな(壁がガラス張りで景色が見えるテーブル席に座る) 」

ニシル「そうなんですか。素敵なところですね…。(店内を見渡しながら席に座り、外の景色を眺める)やっぱり店内はあったかいですね…。(ふぅと一息つく) 」


メモリア「ズズズ・・・。(二人からちょっと離れた位置の席に座って、紅茶を飲んでいる) 」

セルド「本当だよ…まだ10月だっていうのに。どうしても秋から冬は苦手なんだ…(カチリ、と音を鳴らして懐から金色の懐中時計をそれとなく取り出し、時刻を確認する) 」

セルド「お……メモリア…?!(少し離れた席のメモリアを見つけて) 」

ニシル「ははは…私も―――――?(黄金(こがね)色に輝く懐中時計を見て)…わぁー……(セルドのそれを不思議そうに見つめる) 」

ヒロ「…(メモリアやセルド達から離れた席でコーヒーを飲んでいる 」

ニシル「ふぁ…?あ…!(セルドに続きメモリアを見つける) 」

メモリア「おや・・・セルドさん、奇遇ですね・・・。(良く見なくても、いつものコートではなく、病院の患者が着るような白衣を着ている、・・・お忍びらしい。) 」

セルド「……(ニシルの不思議そうな視線に気がつく)…売ってやろうか?(ニ、と口角が上がり) ヒロまでいたのか…!…嬉しいな、みんなもこの店知ってたんだな…!(ヒロを見て) 奇遇ですね、じゃないだろ…!アンタはまだ動き回れるような体じゃないんだろ…!?(メモリアの白衣を見て) 」

ニシル「ほわ…ヒロさんもいた。(汗)ほわわっ!そ、そんなつもりで見てたんじゃ…!(゚Д゚;) て、ていうか…だ、駄目ですよ…!そんな… …そんな……大事そうなの… 」

メモリア「あはは・・・そう心配なさらずとも、ムリをしなければ何の問題も無い程度には、回復しましたよ。(ニコ、と微笑み紅茶を一口、辛さの消えたいつもの笑顔だ) 」

セルド「なんてね、冗談だよ(くくっと笑う)ニシルの言う通り、大事なものだからな……何があっても絶対に手放すつもりはないんだ(懐中時計と閉じ、鈍く輝く表面を眺める) ……ま、まぁメモリアがそう言うなら……信じるからな(頬をぽりぽりと掻いてメモリアに) 」

ヒロ「…お、セルドに二シルちゃんに……メモリア!?おい怪我は大丈夫なのか!? 」

ニシル「……(セルドさんの…大切なもの…。)…セルドさんの物、なんですか…?(懐中時計を覗き込むように見つめながら) 」

ニシル「わっ…(メモリアさん…まだ完治していない… …ていうか、以前よりひどくなってる…??)(メモリアを心配そうに見つめる) 」

メモリア「病院は、風が冷たくて嫌いですから・・・(珍しく、少し陰りのある表情で口から零す)ええ、しっかりと治します。(ニコ)よかった・・・覚える事ができて、安心しました・・・。(安堵の言葉と共に、表情が緩む) 」

セルド「今回は見逃すけど、俺もヒロに賛成だからな?(苦笑したままヒロの話に便乗し、メモリアに) ああ、それ以来はずっと身につけておくようにしてる。まぁ、その~…お守りみたいな物だよ。上手く言えないけど…この懐中時計って不思議な感じがするだろ?(どこからどう見ても懐中時計だが、"ただの"懐中時計ではない雰囲気) 」

ニシル「お守り、ですか……とっても素敵なお守りだと思います。(懐中時計を見ながらにこりと笑う)ふぇ…?…ん…ぁ、た、確かに…。(なんだろう…不思議な感じがする……)(セルドのそれに、だんだんと惹き込まれていくように) 」

メモリア「ああは・・・見逃されておきます。(苦笑いする)・・・何というか、神秘性を感じますね・・・。(少し覗き込むように懐中時計を見て、一言) 」

セルド「ははっ…ありがとうな。(ニシルの笑みを見てほっとするような感覚)……もしかすると、この時計が俺のことを本当に守ってくれる時が来るんじゃないかって。――――『あの日』みたいに。(穏やかな表情から一変し、最後に苦い表情を見せる) メモリアも感じるか?…本当に何なんだろうな、これって(メモリアの一言を聞いて) 」

ニシル「……?(…『あの日』…?)(セルドの穏やかな表情を初めて目の当たりにしたせいか、呆然と見つめている) 」

メモリア「・・・素敵ですね、・・・きっと、守ってくれるはずですよ。(微笑む) 」

ヒロ「素敵な話じゃねぇか…俺もお守りを持つときはそうやって信じたいな…(セルドの懐中時計を見る) 」

ヒロ「とは言ってもなぁ…病院は確かに寂しいし寒さも倍になるってのはわかるが…(メモリアの顔を見ながら) 」

セルド「最初に断っておくけど…決して気分の良い話じゃないんだ。それでも聞いてくれるか?(目を伏せてニシル達に) 」

ニシル「……セルドさんの言いたくないことは、できれば聞きたくはありませんが… …そ、それでも…セルドさんが良いのなら……(ごくりと息を飲み) 」

メモリア「・・・。(そういう意味じゃないんだけどなぁ、といった表情でヒロを見てる)ええ、構いませんよ。(セルドにこくり、とうなずく) 」

ヒロ「…(…あれ、そういうことじゃない…!?)メモリアの表情を見て察する)…あぁ、俺はいつでもokだ…(セルドに) 」

セルド「いいんだよ、誰かにこの話をするのは初めてだけど…どうせ話すなら、お前たちが良い。(面々を見て) ――――忘れもしない。数年前に故郷の士官学校へ通っていた頃の話だ。……俺は兄さんが務める政府軍に憧れててさ、入学からずっと政府軍への夢を追い続けてて…成績の方もそれなりに優秀だった。このまま何も無ければ、卒業した後には確実に政府軍に入隊できるってところまで来てたんだ。"何も無ければ"。




メモリア「何も、無ければ・・・。(真剣な面持ちで、話を聞いている) 」

ニシル「……!(政府軍…!せ、セルドさん…政府に入るつもりだったんだ。すごい…とっても大きな夢…。)…わぁ、それはすご――――――?(セルドの最後の発言にぴょくりと硬直する) 」

ヒロ「…へぇ、お前の兄貴って政府軍の人なんだな!…何も、なければ…?(…何か、あったのか…?)(セルドに) 」

セルド「それはまるで予定されてたように起きて、俺たちの日常は無残に崩れ去った。―――内戦、死人が出るほどの武力紛争が勃発した。誰が画策したのかは今でもわかっていない事件なんだが…内戦勃発から数日後、兄弟揃って俺たちは徴兵されたんだ。…正直、震えたよ。戦争がどれだけ惨たらしくて残酷なのかを思い知らされた。

セルド「膨大な数の相手を前にしても、兄さんの立ち回りは見事なものだったよ…峰打ちであれほど戦えるものなんだなって感動すら覚えた。それに比べて俺は情けないもんで…互いに背を預かり合うように戦っても護られてばかりだった。そこで俺は―――――遂に人生で一番の失態を犯した。得物を弾き飛ばされて、転倒だ。戦場のど真ん中でな……こんなの、「どうぞ殺してください」って言ってるようなものだ。目の前の兵士が剣を振りかぶった瞬間に後悔した、なんで兄さんに憧れて中途半端に戦う力をつけたんだろうって。力が無かったら俺がここまで前線で戦うこともなかったと思ったんだろうな…そして俺が死ぬはずだった瞬間――― 」

ニシル「…セルド…さん……(初めて知るセルドの壮絶な過去を前に、瞬くことすら忘れてじっとセルドを見つめている) 」

メモリア「・・・ううっ・・・。(セルドの語る場面を想像してしまい、思わず目を瞑る) 」

ヒロ「………(黙って話を聞いている) 」

セルド「兄さんが俺と剣の間に滑り込んできた。絶望的に後悔したよ、兄さんに大怪我をさせてしまったことと、兄さんに憧れたことを一瞬でも後悔した自分にな。俺のではない血で目の前が真っ赤になった時に……兄さんの懐から黄金色に輝く光が見えた。それからのことはよく覚えていなくて、目が覚めた時には何もかも終わってた。……目が覚めた次の日かな、兄さんからあの懐中時計を貰ったのは。『失くすんじゃないぞ』ってさ…子どもじゃないのに。…あの時に見た光に感じたものと、この懐中時計から感じるものが不思議と似ていて…もしかすると、何か起きた時に兄さんみたいに守ってくれるんじゃないかって思ってるんだ。 」

メモリア「その懐中時計は、お兄さんから頂いた大切な物だったんですね・・・。 」

ヒロ「…そうか、兄貴が庇ってくれたから、お前は‥…つまり、その懐中時計は守ってくれた兄貴から譲り受けた宝物ってわけか… 」

ニシル「…… …… ……だから、それは――――――セルドさんにとって、本当に本当に大切な、懐中時計…なんですね…。(暗い表情の中に、セルドと似た、その『光』への憧憬が含まれていた)……それほどに"思い"のこもったもの…。」

セルド「…そういうことだ。どこまでも大切なもので、何にも勝る宝物で、どうしようもなく…思いの篭った懐中時計だ。(目を伏せて懐中時計を握る)……俺が弁当屋に勤めているのも、この件がキッカケでさ。未熟すぎたんだ、俺は。……でも悪いことばかりじゃない、お前たちはようやく掴んだ俺の幸せだ…弁当屋にいなきゃ、きっと会えなかったよ(ニッと笑み、プロローグで言ったようなセリフを含んで) 」

ヒロ「…それで、弁当屋を始めたのか……ありがとうな(セルドに微笑み返す) 」

ニシル「私、セルドさんの懐中時計…好きに、なりました…。(照れくさそうに懐中時計と、それを握り締めるセルドを見ながら)……!(セルドさんの幸せ… その中に、私もいるのかな…。 )―――――――――…私も幸せを掴みたい…

メモリア「思い出・・・愛情・・・いいですね、素敵です・・・正直、羨ましいな・・・。(ちょっと寂しそうな表情で) 」

セルド「…なんだよ、照れるだろ。(ヒロに『俺の方こそ』の意を含んだ微笑を返す) (ニシルの前者の言葉を聞き、『ありがとう』の意を含んだ笑みをこぼす)―――――協力するぞ、ニシル。 ……そうか?それは…嬉しいな。でもメモリアだって、大切な思い出の一つや二つはあるんじゃ?(口元を緩ませて) 」

ヒロ「…(俺は今は幸せを掴むという夢の途中だが…掴みたい、じゃない…掴むんだ…) 」

ニシル「――――――!(セルドの言葉に、ふわっと髪をなびせながら彼の顔を見上げるように見つめ、今にも『ありがとう』と飛んできそうな嬉しそうな笑顔を浮かべた) 」

セルド「ははっ…そんな顔されちゃあな。俺も協力のしがいがあるってもんだよ(ニシルの笑顔を見て満足気に柔和な表情をする) 」

メモリア「・・・私は、空虚だ・・・、思い出と言えるものは、何一つ・・・無い・・・。(悲しげな表情で、斜め下を向いて口にする) 」

ニシル「ぁ… …あぅ…(セルドの言葉で、もとの赤らめた表情に戻ってしまう)……??(メモリアさん…?)(メモリアの様子を心配そうに伺い) 」

ヒロ「俺たちに会えてよかった…そう思っているんだろ?感謝せずにはいられんよ…(ニコッとセルドに) 」

男性「ハァ ハァ ハァ―――――(その時、荒い息を立てながら一人の男性が喫茶店に向かって走ってくる) 」

セルド「………俺の店に来た時のことは、覚えてるか?ちょっと強引かもしれないが、ああいうのも…思い出って言ってもいい気がするんだ。そんなに悲しそうな顔をしないでくれ、メモリア(心配の色を含む優しい声で) お前は本当にころころと表情が変わるよな…見ていて飽きない。(腕を組んでどこか微笑ましそう) だからそういうの照れるってば、まぁ……なんだ。これからもひとつ、よろしくな。ヒロ!(手を上げてハイタッチ要求) 」


カラン、カララン…♪(喫茶店入口の扉が勢いよく開かれる)


メモリア「・・・そうさ、それが思い出だとしても、たったそれだけだ・・・。・・・私は、何も無い、真っ白な空間で生を受けた、肉親なんてただの一人もいない、からっぽの空間で・・・。 」

セルド「……ん。(鳴り響くベルに意識を向け、扉の方をちらりと見る) ……肉親、家族……居ないんだな。(メモリアに) 」

ヒロ「……ヴェイ!(勢いよくセルドとハイタッチ) 」

男性「ハァ ハァ…(店内の客全員の視線を一身に浴び、呼吸を整える仕草を取る)全員聞いてくれ…!『奴ら』が…ハァ… 戻ってきた―――――――――『アリゲーター』の奴らが戻ってきたァ!! ぃ…今、西の繁華街を暴れ回っているらしい…!!急いで遠くへ避難してくれぇ!!!(全員に向かって大声でそう叫ぶと勢いよく出ていった) 」

メモリア「親も兄弟も、何もいない、そんな空間で目を覚ましたのはおよそ五歳の頃だ、私は生きるのに必死だった、死にそうになりながら、外に出ては何度も草や木の実を探しに行った、それでお腹を壊しても助けてくれる人はどこにもいなかった・・・ 」

メモリア「私にとっての家族…それは目を覚ました時に隣にあった、このアコーディオンだけ…何も出来ない時は、ただこれを弾く以外にやることは無かった、これだけが、…私の家族…(アコーディオンの入ったケースを見る) 」

ニシル「え…?そ、そうですか―――――――!(音に反応しぴくりと体が跳ねる)メモリアさん…。(メモリアさんも…ご家族の方がいないなんて。…私だけじゃない、んだ……――――)わっ、な、なんでしょうか…?!(アリゲーター…?)(男性の叫び声に驚きながら)


ザワザワ… ウワアァァァーーー!!!(男性が店を出た後、しばらくして誰かが悲鳴をあげる。それと同時に客や厨房のスタッフ等が慌てて店を出ていった)


セルド「セイセイセイセイ~ッ!(ヒロとハイタッチ) メモリア……(…俺には、兄がいたけど…こいつには誰も居なかったんだ。…支えになる人が…) ――――…っ。(男性が発する『アリゲーター』の単語を耳にし、店内の騒動に目を大きく見開く)ま、待って!皆さん落ち着いて!!いま冷静さを欠くと危険……ああ、くそ…!(玲華さんが言ってた、例のギャング……ッ!!)お前たち、念の為離れるんじゃないぞ(皆に伝え、席をゆっくりと立つ) 」

ヒロ「…アリゲーター……(例の連中、か…)…待てっ、俺も行く…!(スクッと立ち上がる) 」

ニシル「わわっ…!(周囲の状況を飲み込めずにいる)あ、あの…セルドさんは…!?(席を立つセルドを見上げ) 」

セルド「(ヒロを見て頷く) 俺たちは繁華街に向かう。ニシルはすぐに家へ帰れ、必ず施錠しておくんだぞ…!(脱いでいたコートを乱暴に羽織り、ニシルに) ………(アコーディオンだけが、家族―――…)…め、メモリア、お前はどうする…!(悲鳴を耳にし、苦い顔を擦る) 」

ニシル「セルドさ… ……(セルドたちを見て言い淀み、弱弱しく頷いた)……(あのアコーディオン…メモリアさんがいつも大切そうにしていた…。…セルドさんや、私と似ている…。)……(メモリアを見て、首にぶらさげたペンダントを握りしめる)」

ヒロ「…アリゲーター、か……(日本刀を取り出す) 」

メモリア「・・・私は、・・・私も行きます、やれる事は少なくとも、セルドさんのお役に立ちたい・・・。 」

セルド「ん………大丈夫、全員何事も無く帰ってくるさ。心配ない(ニシルの弱々しい頷きを見て、勇ましいような不敵な笑みを見せる) よし、決まりだな…!ヒロ、メモリア、行くぞ!(店を出て繁華街へ向かっていく) 」

ヒロ「…よっしゃ!(セルドに続く) 」

ニシル「……!…はい…――――(セルドの笑みに少しだけ勇気づけられるが、やはりその返事には後ろめたさを感じさせる) 」

メモリア「・・・(不安そうなニシルを見て、にっ、と微笑む)大丈夫です、きっと、無事に戻りますから。(そう言ってセルドについて行く) 」

ニシル「メモリアさん… …は、はい…!(三人を静かに見送り、一人店内に残る)………――――――――――― 」




――キュラリア・西の繁華街「カルエ」――


ガッシャァーーン…ッ!!!(繁華街にて、山積みにされたダンボール箱や店の看板等が何者かによって次々となぎ倒されていく)


中年のサラリーマン「ひっ、ひィィ…っ!! な、なあ…助けてくれよお兄ちゃんたち…?ら、乱暴はよくな――――ひィィィイ!!! 」

サングラスをかけた不良青年「(サラリーマンの首元にナイフの刃を突き付けている)痛い思いしたくなかったらよーぉ…金払え、金!ww 」

不良共『ぶっ壊せェーイッ!! ヒャッハァァーーwww 金だ金だァ!!ありったけの金を奪い尽くせェ!!(全員武器を片手に店を荒らし尽くしている)』 」

中年のサラリーマン「か、金か…!そ、それでいいんだな!?(ぎこちない手つきで財布を取り出す)…ほほほ、ほらっ… 金だ… だ、だから乱暴だけは…!! 」

サングラスをかけた不良青年「(財布を強引に奪い取り、その中身を確認する)……ケッ… 『汚職』してたったこれだけたぁーなぁー!?もっと隠し持ってんじゃねえのかよぉ!!あ゛あッ!!? 」

中年のサラリーマン「ヒィィィイイイ…ッ…!!! だ、誰か助けてくれぇ!!! 」

セルド「――――――ガッ …お前ら……ッ!!(サラリーマンに突きつけている不良の手を掴み上げる) 働きもせずに金を得ようなんて言語道断だぞ…!!(ギリギリと力を込めていく) 」

メモリア「随分と、手荒な人達だ・・・あまり、穏やかじゃないですね。(左手でアコーディオンのケースを強く握る) 」

大柄の不良青年「……オイ(一人称)、金、たくさん巻き上げた…。(鼻血を垂らしながら気絶している男性の胸ぐらをつかみながら) 」

中年のサラリーマン「ひっ… うあああぁぁーーー!!!(隙を見て逃げ出した) 」

ヒロ「…はい、そこまで(背後から大柄の不良にヘッドロックを食らわせる)…ちょっとおいたが過ぎたよね(息ができるかできないかのところになるまで力を込める) 」

サングラスをかけた不良青年「あ゛?(少年とは思えないいかつい表情でセルドを睨みつける) おいテメェ…何者(なにもん)だ。この俺を…誰だと思ってんだ?バッ(掴まれた手を振り払う)おう、『グリズリー』!!ここに馬鹿がいるぜ!! 」

大柄の不良青年→グリズリー「!!?(ヒロにヘッドロックを食らわされ男の体を手放す)…『正志』…オイも見つけた。(ぼんやりとした顔が特徴の大柄な体を持つ不良で、ヒロを見下している) 」

不良共『おうおう、なんだなんだ? 幹部の二人に喧嘩売ってるぜ、あいつらww はっ、まじかよ。何処の馬鹿だ? ワラワラワラ…(セルドたちを囲むように寄ってくる)』 」

メモリア「・・・。(あまり白衣を汚したら、病院にどやされてしまう、できれば、私の左手を使う事なく、私の身体能力で何とかなる相手だといいが・・・) 」

セルド「っ、と…!(手を振り払われ、数歩下がる) ………(不良たちに囲まれ、周囲を見る)……子供の間違いを正すのも大人の役目だよな………俺が誰かなのかも、アンタが誰かなんてのもどうでもいい…すぐにここから立ち去るんだ 」

ヒロ「…誰が、馬鹿だって?…お前らほど、バカじゃねぇっての(手を離さずに鼻で笑う) 」

サングラスをかけた不良青年→正志「大人かなんだかしんねえが恰好つけんじゃねえぞあ゛ぁん!?テメェらは『アリゲーター』の幹部、この寺岡正志(てらおか まさし)の邪魔をしやがったんだぞ?ただで帰れると思うなよ…??(狡猾そうに舌なめずりしながらサバイバルナイフの切っ先をセルドに向ける) 」

グリズリー「…こいつ等、殺す。いいよな、正志。(片手に握った金属バットを振り上げて構える) 」

セルド「さあ、本当に泣きを見るのはどっちかな――――(あれだけ街を騒がせた『アリゲーター』の幹部…余裕を装ってはみたが、油断は絶対にするな。こいつはそれ相応の実力を持っているはずだ―――)(ナイフの切っ先を向けられ、両手をフリーにする) 」

メモリア「・・・(こっちには警戒してないのか、それとも・・・どちらにせよチャンスだ、・・・使うとは思ってなかったが、・・・徒手空拳で何とかなるか・・・?)(正志の後方にこっそりと回る) 」

ヒロ「…さて、ここは繁華街…公園も近くにない。…俺の力を発揮するには……!(金属バットで、足元のコンクリートを叩き割る) 」

正志「ろっとぉ、半殺しな、グリズリー。本当に殺したら『兄貴』に怒鳴られるからよォ。 とは言ったものの、テメェらみてえな馬鹿どもには一度も会ったことがねえなぁ…?ちょっと痛い目にならないとわからねえぇ~~~よなぁ~~~~??????――――――――半殺しだてめえらァッ!!!!(周囲の不良たちに叫び、セルドに斬りかかる) 」



ニシル「……(静寂に包まれた店内で一人、未だ避難もせずに呆然と座り込んでいる)―――みんな、行ってしまった…。」


―――大丈夫、全員何事も無く帰ってくるさ 心配ない―――


ニシル「…でも、ここは…セルドさんたちを信じるしか…(小さく呟きながら店を出る)…… …… ……でも…(住人たちの逃げた方角へゆっくりと足を進めようとするが、突然歩みを止め、俯いた)」


ニシルの脳裏に、微かに人の声が反響する。


―――そんな怯えなくても大丈夫だって 俺は怪しい男じゃないから―――


ニシル「……」


―――元気になったら またいつでも 演奏しましょう―――


ニシル「……」


―――お前たちはようやく掴んだ俺の幸せだ―――


ニシル「……――――――――― タッ (踵を返し、逆方向へと走り出す)」


―――お母さん お父さん 私にはまだ 大切なものがたくさんありました―――


ニシル「(走りながら懐から『Q-boxes』を取り出す)私だって…戦えます…!!――――――――」





不良共『ひゃっはああああァァァァ!!!!!(正志の合図で奇声にも似た雄叫びをあげながら、それぞれが手に持った得物を構えてセルド、ヒロ、メモリアの三人に襲いかかる)』

メモリア「(見知らぬ人、どうか許してほしい・・・)・・・せいっ!(腰を深く落とし、力を込めた正拳突きを正志に放つ、『一般人にしては』相当強い一撃) 」

ヒロ「…(襲い掛かってきたにもかかわらず、ひたすら金属バットでコンクリートを破壊し続けている) 」

正志「ぬおら喰ら――――ぐふぉ!?(セルドに斬りかかろうとしたところ、死角から現れたメモリアの正拳突きが脇腹にクリーンヒットしその辺の木箱に激突する) 」

グリズリー「…くたばれ。 ブンッ! (振り上げた金属バットを、無防備なヒロの脳天に炸裂させようと振り下ろす) 」


……ズズズズ……!(ヒロが破壊したことによって露わになった土が盛り上がって蔓状になり、金属バットを振り下ろさんとするグリズリーの手に巻きつく)


不良共『正志の兄貴ィ!! あの野郎…兄貴に手ェだしやがったな。 うわっ!なんだあれは…!土が…!!』

セルド「……!! ―――ありがとなッ!(メモリアが正志の攻撃を妨害してくれた瞬間、続いて襲いかかってきた不良の攻撃を交わし際に反撃し、得物を奪おうとする) 」

グリズリー「……!!!(腕に土が巻きつかれたことで驚愕する) 」

メモリア「・・・っづぁ・・・響く・・・、こんな事してるって病院にばれたら、どやされちゃうな・・・。(右手をプラプラと振る) 」

ヒロ「…危ないとこだったぜ……(バットを止めグリズリーの方を向く)…簡単にはふりほどけないぜ?…この土、鎖より硬いから…… 」

真庭鳳凰「騒がしいな・・・一体何事だ・・・?(屋根のからぴょんと乱闘場に降り立つ) 」

不良A「ぐほぁ…!!(セルドの反撃でもっていたナイフを手放してしまう) 」

不良B「ヒャァッ!!(メモリアの横から現れて釘バットを振り回す) 」

正志「いっでェな゛ぁ… クソがッ!!(粉砕された木箱を振り払い立ちあがる)……!!グリズリー!! くッ…あいつ、『能力者』だったのかよッ!!(ヒロを見て舌打ち) 」


パ カ ァ ン ッ (メモリアに迫る釘バットに皿が飛来し不良Bの手から弾き飛ばす)


グリズリー「……!!…!……!(土を振りほどこうと苦戦するが、なかなか解放できない模様) 」

ヒロ「…ついでに足も抑えとくかな(グリズリーの両足にも蔓状の土を絡ませる) 」

メモリア「うわっ・・・!(釘バットを振り回す不良に、回避しようとして思わずしりもちをつき、もうダメかと目を閉じるが)・・・?あれ、何とも・・・ 」

不良B「ずあっ…!?(飛んできた皿が釘バットに直撃し手放してしまう) 」

セルド「―――パシ はぁッ!!(不良Aが落としたナイフを空中で掴み取り、不良Aををナイフの背で殴打する)メモリア―――ッ!! …!?(飛来してきた皿に驚愕する) 」

ヒロ「……(いかんな、鎖以上だろうと振りほどかれそうだ…)(硬度を更に上げる) 」

正志「チッ…(こいつら… ヤベぇ…!グリズリーもあの様じゃ…)…急いで『兄貴』を呼べェッ!!!(背後の不良たちに怒鳴る) 」

グリズリー「……!!! オイ(一人称)、動け…ない……!(体の至る部位に土がまとわりつき完全に身動きが取れなくなる) 」

不良C「もう既に呼んでやすぜ!正志の兄貴!!(スマートホンを片手に) 」

真庭鳳凰「・・・・皿?これは・・・。(皿の破片を拾い) 」

不良A「ぐっひぁ!(背を殴打され地面にうつ伏せに倒れる) 」

魂魄妖夢「ヒュンヒュンッ…パシ(不良Bの背後で飛ばした皿をブーメランのようにキャッチし、背後からうなじに手刀を浴びせる)やれやれ、こちらの世界は楽にお使いができると思ったのですがね…お怪我は有りませんか、見知らぬ音楽家さん(眼を伏せ首を横に振りながら)ここのスイカは絶品って楽しみにしてたんだけど…遅くなりそうだ、幽々子様怒るだろーなぁ 」

ヒロ「…なんだ、あの皿…!?(皿を見て)…(…どうするかね…とりあえず締め付けとこうか…)(まとわりついた土でグリズリーを締め付けさせる) 」

メモリア「あ・・・あなたは・・・、は、はい、おかげで大丈夫です。(ぐっ、とアコーディオンのケースに右手をかけて立ち上がる) 」

真庭鳳凰「ほう?半人半霊の技であったか!ははは、これは面白い 」

正志「(不良Cの言葉を聞いて不敵な笑みを浮かべる)てめぇらァ!!『兄貴』が来る前に始末をつけるぜェ!!(得物を木刀に切り替え、メモリアに突撃する) 」

不良共『っしゃああァー!! おらおらおらァ!!! 攻めろ攻めろォッ!!!(正志の言葉で全員の士気が上がり、得物を手に再びセルドたちに襲いかかる)』

不良B「ぐっ…!? トサァ…(うなじへの手刀により気絶する)」

ヒロ「……(不良たちが襲いかかってくるのを見て、土を掬い上げて真上に投げ上げるのを繰り返す) 」

魂魄妖夢「うわわ…どえらい事に首突っ込んじゃったかこれ!?(口に手を当て後ずさる)既に大丈夫ではなさそうですね…貴方、手負いでしょうに(メモリアの手を取り立ち上がらせ不良Cに対し鞘に納めた刀の先端を向け突きを放つ)流石はごろつき、見下げた根性ですね。少々買い物ついでにしごいていきましょうか 」

セルド「(『兄貴』……言わずもがな親玉ってことだろうな、一体どんな奴が…!)(正志にナイフを向けて牽制し、周囲に注意する) くっ…!次から次へとッ、キリがない―――…!!(不良共と大立ち回りを繰り広げ、ナイフからバットや鉄パイプと得物を取り替えながら戦闘を続ける) 」

真庭鳳凰「はは、なにやら面白そうな趣向ゆえ、加勢させてもらうぞ?(こちらも、長年鍛え上げた体術と体さばきで不良に応戦) 」

グリズリー「……!!(締め付けられる度にじたばたしている) 」

不良C「ぐふッ…!!(妖夢の突きが喉元に直撃し勢いよく地面に倒れる)」

不良共『ぐひゃああぁッ!! こっ、こいつら…強ェ…!!化け物じみてやがる…!! うるせえテメェ!時期『兄貴』が駆けつけにやってくるんだ!そうすりゃあ俺達に怖いもんはねえ―――ぎゃああァッ!!!(セルドたちの猛攻に歯が立たず、次々と吹き飛ばされていく)』

不良D「な、なんだお前―――うわああぁッ!!!(鳳凰の繰り出す体術によって吹き飛ばされ、壁に激突する) 」

真庭鳳凰「ふむ・・・雑魚相手とはいえ・・・こうして体を動かすのは久方ぶりだ。 」

メモリア「く・・・(正志に対して構える)あはは・・・わかっちゃいます?(左腕を気にしながら、妖夢を見る) 」

ヒロ「…針、千本(ボソッとつぶやいた瞬間真上に投げ上げた土が数十本の針のような形となり、不良共に襲い掛かる)…(あのバカ力…どれほどのものかわからないが、もしかしたらこの土から逃げ出しちまうかもしれねぇ……身動き取れなくする…できるか…?)…(グリズリーに手を向ける) 」

正志「ずぁ…ッ!!(木刀でナイフの刃を受け止める)ぐッ…!(こいつ…太刀重ェ…!!) 」

魂魄妖夢「ええ、ぶっちゃけ重病といった感じですね(苦い顔をし眼を伏せる) 兄貴、ふむ…族が言う所の親玉ですね。まあいいでしょう、その兄貴が来るまでに立っているのはあなた方か我々か、わからせてあげます(あえて刀は使わず素手による投げや関節技で不良の群れに特攻して行く) 」

グリズリー「――――――ぬああぁッ!!ボゴォンッ!!(力を振り絞り、土から自力で抜け出した)ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ… …オイ、もう、怒った…!(足元の金属バットを拾い上げる) 」

ヒロ「…(やっぱり抜け出したか…!)…(グリズリーが金属バットを拾ったのを見て、土を浮き上げさせる) 」

不良共『ぐぎゃあああァァ~~ッ!!!(一人、また一人と吹き飛び、地面に倒れていく)』


ドゥルドゥルドゥル……!!(騒動の中、不良たちのいる背後からバイクのエンジン音が聞こえてきた)


セルド「ガゴッ!!(もう一方に鉄パイプを逆手に握っており、正志の木刀にあてがい両手で押し込めようとする)少々手荒だが、お相子だからなァ…ッ!! ―――――……!(バイクのエンジン音を耳にする) 」

ヒロ「……ん…(バイクのエンジン音を耳にして)…「兄貴」のお出ましか…(浮きあげた土を猟銃へと変形させる) 」

正志「チッ……!!(この音…まさか…!!)(エンジン音のした方へ振りかえる) 」

メモリア「あはは…どうやら、お見通しらしいですね。(苦笑いし、アコーディオンケースからアコーディオンを取り出す)…私の戦力なんて微々たるものだ、だから、せめて音楽で、皆さんを鼓舞する… 」

×××「(バイクから降り、不良たちのもとへゆっくりとした足取りで移動する)ズシィィ―――――――ン…!(緑のリーゼントヘアーが特徴的で、大柄な体を持つグリズリー以上の巨漢が全員の前に姿を現した)フゥゥゥーー……(銜えていたタバコを離して煙を出し、そのまま足元に捨てた) 」

魂魄妖夢「ふふ、チョロ甘いですねッ!(ドッヤァァ) ん…(けたたましい音、親玉でしょうか…いやそれとも…)ビシッ(背後の不良の腹に肘鉄) 」

不良共『あ…あぁ…!! 『兄貴』だ…ついにきてくれやがったぜええェェ!!! 『兄貴』!『兄貴』!!(×××の登場に喝采が沸き起こる)』

グリズリー「……!『兄貴』、来た…。(×××を見て呆然としている) 」

真庭鳳凰「ほう?親玉、か。 」

ヒロ「…でけぇな、ありゃあ…(猟銃を構えつつ×××を見る) 」

正志「……!!ははッ…やっと来てくれた…!!テメェらもう終わりだ!!これが、≪アリゲーター≫の二代目頭―――――『バキラ』の兄貴だ!!!!(勝機を孕んだ顔を見せる) 」

セルド「アリゲーターの、頭―――…!!?(おいおい冗談だろ…いくらなんでも、でかすぎやしないか…!?)(×××を見て冷や汗を流し、唖然とする) 」

魂魄妖夢「音楽が微々たる戦力…ですか。ならこの世には応援歌とかそんなものは必要ないことになりますね…。どうか悲観しないでください、武力だけが『力』ではないのですから(メモリア笑みを向け) で、 で  か い (兄貴を目の当たりにし三白眼)(いえ、でかいだけではないでしょう…。あの勝利を確信したというような雑魚の喝采。きっと、それ相応の何かを持っている) 」

×××→バキラ「(「 暴 鰐 」と背中に書かれた黒い特攻服を身につけており、もはやその様は他のヤンキ―たちとは格の違いが窺える)…なんて情けない様してやがるお前ら… みっともねえ… それでも男かあ゛あんッ!!? 吹き飛ばされても、殴られても、倒れても…!何度だって喰らいついてやれ!!俺達は…泣く子も黙る≪アリゲーター≫だぞッ!!!(拳を突き上げ、スピーカーを凌駕する様な轟く声で言い放つ)……てめぇ等…この落とし前はきっちりつけさせてもらう。俺達に刃向かったこと、そして弟どもをコケにしやがったこと…後悔させてやるぞてめえらあああああァァァァーーーッ!!!!! ズシャアァッ!!!(勢いよく地面を踏みつける。すると驚いたことに地面に亀裂が生じたのだった)」

正志「兄貴…!……そうだ…俺達は…≪アリゲーター≫…ッ!!この街で俺達は最強なんだ!!幾度となく隣街の連中(不良)と小競り合いをしてきて、負けたことは一度だってねえんだ!!! 起きろテメェらァ!!兄貴の前で…かっこ悪いとこ見せてんじゃねえぇッ!!!! 」

真庭鳳凰「・・・。(忍法命結び、にて・・・・あの体の一部をもらうも・・・悪くはないな・・・・?) 」

メモリア「そう、私にとっての『力』とは、音楽…それ以外には、何もない、だから…!(アコーディオンに、明らかに後から取り付けられたようなボタンを押す) 」

不良共『兄貴…! ああ、そうだ…俺達は…!! くそッ、よくも…俺達を…!調子に乗んなよぉッ!! (倒れて、満身創痍だった不良たちが次々と立ち上がる)兄貴に続けェッ!!!! うああああああァァァァァッ!!!!!(得物を手にし、再びセルドたちに襲いかかる。しかし今度は、先程までとは様子が一変しており、全員目つきが凛々しくなっているように見える)』

ヒロ「……でっけーのがきたなー……(土の猟銃を構え、不良共の足めがけて発砲)」

真庭鳳凰「(ほう、地面が・・・・!!すさまじいパワーだな)・・・のぅ、あの不良共はどうなのだ?生かすのか?殺すのか?(セルドに) 」

グリズリー「うおおおおォォォォォッ!!!!(バキラのボリュームに負けないくらいの雄叫びをあげ、金属バットを構えてヒロを薙ぎ払おうとする) 」

ヒロ「…地面に、亀裂が……!?………(口元がニヤリとする)…おっと…!(金属バットを土刀で受け止める) 」


ガシャガシャッ!(ボタンを押すと、アコーディオンから音が鳴り、少々の変形が見られる)


魂魄妖夢「スイッチ…楽器に新たなからくりが仕込んである…ですと!?してその心とは! 先程までボロ雑巾同然だったような烏合の衆が…!カリスマ、そう圧倒的ボスの器…これがあなたの持つ力、なのか!?(バキラを見据え汗が首を伝う) くっ––––––(襲いかかる不良に対し今まで通り素手で防御しようとするが…) 」

セルド「ビリビリィ……ッ!!(バキラの咆哮に全身が焼けるようにピリつく) 全員の士気が段違いになった…それだけのカリスマ性があるってことだろうな、絶対に油断できない…ッ……いや、"殺さない"。野放しにもできないが、それだけは絶対だ…っ(鉄パイプを構え、鳳凰に)(下手をすると、こっちがヤられかねないけどな…) ――――ッ!!(不良たちに応戦するが、先ほどのように上手く立ち回れず少々押され気味) 」

メモリア「『これが私の全てです』!(アコーディオンに、指を振れて、音楽を奏で始める) 」

正志「いくぞぉらぁッ!! ブォンッ!(木刀を構え横一文字にメモリアと妖夢を薙ぎ払う) 」

グリズリー「お前、よくもオイ、いじめた。オイ、お前、潰す…ッ!(バットに力を入れ、ヒロをそのまま圧倒しようとする。馬鹿力においてはバキラにも引けを取らない) 」


メモリアのアコーディオンから音が発され始める、・・・それは最早アコーディオンの音ではなく、様々な種類の音が、そのひとつの楽器から流れ出していた。


ヒロ「…うわ、すっげえバカ力……!…ぐうっ……!(力を入れて押し返そうとする)…(それと同時に、グリズリーの後ろに巨大な土の塊を作り上げる) 」

不良共『うわっ!…チッ、銃がなんだ!サツ(警察)ともやりあったんだ、銃など恐れねえッ!!! オラオラオラァッ!!!(セルドたちの攻撃にびくともせず、次々と押し寄せて圧倒し始める)』

真庭鳳凰「・・・・"殺すな"了解した・・・・ただ・・・『五 体 満 足 で は か え さ ん ぞ ?』(突如ズルリとどす黒い液体のように雰囲気が変わる。その矛先は不良たちに) 」

バキラ「…ケッ…やりゃあできるじゃねえか…。(勢いをつけた不良たちを見て満足そうに鼻で笑う)さて…お前ら見かけない顔だな。観光にでも来たか?この街のボスに挨拶もせずよくもまあのこのこと… 挙句の果てには弟たちに手をあげやがった。覚悟できてんだろうなぁ、兄ちゃん。(セルドを見下す)……!(なんだこの音楽…?)(メモリアの奏でる不思議なメロディーを聴いて) 」

不良共『んだテメェ!? かまうな、全員ボコれ!! ひゃっはぁぁーー!!!(一斉に真庭鳳凰に向かって飛びあがり、急襲する)』

グリズリー「ゆるざんッ!ゆるざんんんんッ!!!(更に力を加えていく。あまりに熱中しているためか、背後の土の塊には気づいていない模様) 」


不良たちが急襲し、数メートルに迫った直後、鳳凰の姿が一瞬にして消える。


ヒロ「……ちっ、なんてバカ力だ…(…これ完成させるまでは持ち堪えてやるよ…!)(力を加え返す) 」

メモリア「ぐうっ・・・!(正志の横一文字を姿勢を低くして回避する)音楽こそが、・・・私の・・・!(それはもう、アコーディオンの形をした、全ての楽器、この一つのアコーディオンより、様々な音色が飛び出す、それによって奏でられるは・・・) 」




不良共『オラッ、喰らえェッ!! 俺も一発ゥーッ!! 喰らえ喰らえ喰らえェッ!!!(全員鳳凰のいた位置で激しく得物を振り回しているが、それによって生じた砂塵で鳳凰の姿を見失っているようだ)』

魂魄妖夢「––––––っうァ…!?(咄嗟に刀を抜き防御するが予想を上回る力によって木の葉のように吹き飛ばされ建物に叩き付けられ受け身を取らされる)(抜刀…させられた…ッ!? ただ士気が上がるだけじゃないのか…!)やりますね…こちらも結構本気で…(音楽…さっきの人が…?) 」

グリズリー「うッ、おおおおぉぉぉッ!!!!(力を加えるのを止め、隙が生じたヒロを蹴り飛ばす) 」

セルド「アンタ、そいつは―――…ッ…!!?(鳳凰が放つ威圧感に驚愕する) く、そッ!命知らずっていうか、命を捨てる覚悟で襲ってきて――ガゴンッ!!――――……(不良の1人に顎をバットで殴られ、数歩よろけて項垂れる。それからバキラの声が降りかかってくる)………好き勝手に暴れてるヤカラの、何がボスだよ。――――覚悟ならとっくにして来た。(ペッ、と血糊を吐き捨て、口元から血を流しバキラを睨むように見上げる) 」

ヒロ「…ぐっ…!?(蹴り飛ばされ遠くまで飛んでいく…しかし、ヒロに蹴りが直撃したと同時に、岩並の硬さの土の塊がグリズリーめがけて落下する) 」

正志「(木刀で空を切る)ヒャッハァッ…!!俺達に敵はいねえッ!何故なら俺達は……あ゛?(メモリアのアコーディオンを凝視し) 」


メモリアの奏でる『名を冠する者たち』の勇ましいメロディーが、セルド達全員の士気を向上、・・・いや、『引き上げていく』、それに加え、勇ましいメロディーが気圧すように、不良達全員に凄まじい精神的圧力がかかり、士気を低下させていく・・・『-the Melody-』の効果が発動した。


真庭鳳凰「(スルリと不良たちの上に現れ、近い順から、右腕→左腕→右足→左足、という順番でクナイで切り裂いていく) 」

バキラ「好き勝手、か… 確かにその通り、俺達は自由のもとで動いている。(メリケンサックを嵌める)だが、お前らに俺達の何がわかるっていうんだ?この俺達が―――――何故 " 泣 く 子 も 黙 る ア リ ゲ ー タ ー " と呼ばれてんのか… お前たちにわかるのかあ゛ぁッ!!?(メリケンサックを嵌めた拳を振り上げ、セルドに一撃を見舞おうとする) 」

不良共『って…おい、あの野郎(鳳凰)何処行きやがった!? な…なんだこの音楽は…ぁ…! くぁ…心なしか、なんかダルくなってきたような…。 テメェ兄貴の前で何を……ぐぁ…なんだ、力が…入いらねえ… ぐぎゃああああぁぁぁッ!!!!(メモリアの-the Melody-によって士気が極限に下がり、そして鳳凰の餌食となっていく)』

正志「ぐッ…!?(メモリアの奏でるメロディーを聴いてふらつき始める)くそ…ッ… まさ、まさか… あいつも『能力者』だったのかよ……!?(額を抑えながらメモリアを睨みつけ) 」

メモリア「(そう、きっと・・・このアコーディオンであれば、何でもよかったんだ、このアコーディオンで、いろんな音楽を、奏でたかったんだ・・・!)・・・!!(指が舞い、鍵盤の上を踊り、鞴は音を紡いで行く) 」

魂魄妖夢「音楽家さん…(眼を丸く瞳を小さくしてメモリアの方を向きふと笑みが溢れる)(身体が軽い…不思議だ、音の波長が骨身を揺らすだけでこんなにも……) …何故なら俺達は…なんでしょうか? アリゲーターだかなんだか存じませんが、町を行く人々のあの怯えた眼を見ればどんな狼藉を働いたかわかります。そんな輩共に…(鞘に納めたままの刀を居合いのように構え、正史に打ち込みにかかる)『悪党』以外の名など、必要ない! 」

バキラ「お前ら… ぬ…(捲き返された不良たちを見て唖然とする。またバキラ自身も、-the Melody-の効果により表情が歪む) 」

真庭鳳凰「(くるんっと不良たちと離れたところに立ち)・・ん~む、この右腕・・・中々の質、筋肉も程よい。おお!この左足もよいなぁ!!(足元には切り裂いた体の一部達がごろりと) 」

グリズリー「……!!(自身を飲む込むほどの影を見て土の塊に気づくが、その時にはもう土の塊の下敷きとなってしまう)…ぐぅ…ぬ… …オイ、もう駄目…(メモリアの能力の影響もあり、立ち上がろうとするが力が入らずそのままうつぶせに倒れこんでしまう) 」

ヒロ「……くっ…(起き上がり、血の混じった唾を吐き出す)…なんとか…出来上がったようだな 」


『名を冠する者たち』がサビへと入り、セルド達に更に『攻め込む力』が強化され、反対に不良達は『押し切られる』という圧力がかかり、一気に守備する力を奪っていく。


正志「――――――ッ!!(ヤベっ、しまった…!!)ぐはあぁ…ッ!! ドサァ…!!(妖夢の攻撃で宙を舞い、そのまま力なく地面に落下し倒れ込んだ) 」

ヒロ「…さて、行くか……大リーグボール!(土団子を作り、不良にかたっばしから投げる。手元から離れた瞬間、徐々に硬度が強くなっていく) 」

魂魄妖夢「一丁上がり、正義は勝たずとも悪は滅びるものなのだ!(満足気に笑いメモリアに笑みを向ける) さて……(残るはあの親玉…この効力の下でも一目で『危険だ』と認識させる威圧感はまだまだ消えては居ない……必要とあらば加勢するところですが…) 」

セルド「(この奏で…力が漲ってくる。…そういえば、街のレースをした時にもこんなことが…そうか、メモリアのおかげだったんだな―――。) ……――――…ッ!!(バキラの一撃はセルドの予想を遥かに超え、回避しようと体をずらすも頬を掠める)(……怯んでられない…ッ!)(一回転して遠心力を乗せた鉄パイプの一撃をバキラの横腹へ繰り出す) 」

正志「ぐぐ…(うつ伏せに倒れた状態からバキラたちを見上げ)……!兄貴ィ…!!」


タタタタタタ…ッ…!!(騒然とした空気の中で、誰かの駆け足が空を切る)


バキラ「 ド ッ ! ぐ…ッ…!!!(セルドの一撃が見事に横腹にクリーンヒットし歯を食いしばった苦悶の表情を浮かべるが…)――――テメェの攻撃ッ!!犬の糞より柔らけぇッ!!!!(怯むことなく、再びメリケンサックを嵌めた拳を振り上げ、隙の生じたセルドの脳天目がけ拳を振り下ろそうとするが―――――) 」

ヒロ「……なんだ……!?(駆け足の音を聞く) 」

セルド「お…らァ…ッ……!!(入った――――っ!!)(鉄パイプを叩き込み、頬に伝う汗が宙へはじける) ッ!!? そんなっ――――――(しかし怯まないバキラに驚愕し、大振りの攻撃により出来た隙をリカバリーできず頭上へバキラの拳が迫る―――) 」

ニシル「―――――ズザザァー…ッ…!!(突然何処からともなく現れ、バキラの攻撃からセルドを守るように、二人の間に横から瞬間的に入り込んだ)これ以上は…やめてください…っ!!(そのか細い両手には、少女には似つかわしくない漆黒色の大鎌が握られていた) 」

バキラ「なゎにぃ―――――――  ガ キ  ン ッ  !  ! (ニシルの突然の出現に仰天するが、吹き抜けた拳の勢いは止まらずそのままニシルの大鎌に一撃を繰り出してしまう) 」

ニシル「きゃあ…ッ…!!(バキラの一撃に耐えられず、人形のように軽く宙へと吹き飛んだ) 」

真庭鳳凰「ほう、あれは・・・・・・!? 」

メモリア「なっ・・・(突然に入った予想外の仲裁、それがすぐさま吹き飛ばされたのを見て、そこは一般人、動揺してしまい演奏の手が止まる)そんな、ニシル・・・さん?それに、鎌・・・? 」

セルド「な、あっ――――ニシルゥ!!(吹き飛んでいったニシルへ声を投げかける)(ていうか、大鎌…!?なんだよアレ、聞いてないぞ…!) おい、無事か!なぁ!! ……アンタ、やってくれたな…ッ!!(事故とはいえ、ニシルへ攻撃を加えたバキラを睨む) 」

グリズリー「……!!(突然現れたニシルに驚き、慌てふためく)お…お… 女…。 」

ヒロ「………あっ……!!(吹っ飛ばされたニシルを見る)………うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!(全力で走りだし、吹き飛んだニシルを受け止めんと構える) 」

演奏の手がピタリと止んだことにより、『-the Melody-』の効果が解けてしまう 」

バキラ「…ッ……(ばつの悪そうな顔になる)…クソ… なんなんだ…―――――(退こうとするが…) 」


―――――だめえええぇぇーーー!!(その時、セルドたちに向かって、幼い叫び声が轟いた)


ニシル「わっ…ふ…!(ヒロに受け止められ、何とか無傷で治まった)……わっ… ひ、ヒロさん…!あ、ありがとう…ございます…。(恥ずかしそうにヒロの顔を見上げて) 」

バキラ「―――――!!(続いて、その投げかけられた幼い声に硬直し、声のした方へと振り返る)…お前―――――!(その声の主を見て、目を見開いた) 」

セルド「彼女に怪我でもさせてみろ、次は全力でお前をッ―――――…!!?(幼い叫び声を耳にし、思わず硬直する)こ、今度は何…―――――ん、ん!?(バキラと同じく、その声の主に驚愕する) 」

結香「はぁ……はぁ……(転がった木箱の山の間に立って、まっすぐに一同を見つめていた)…お兄ちゃんたち… …ケンカはダメだよ…!(そう言って臆することなく全員の輪の中へ突き進む)…『鰐のお兄ちゃん』たちも!こんなことしちゃ、ダメ!(何の恐怖も無くバキラの巨体をぺちんと叩いた) 」

ヒロ「…いいってことよ…(見上げたニシルの髪をかき撫でながら微笑む)…そ、その声は…!(幼い声のほうを向く) 」

正志「……!!(結香の姿を捉えて、驚き飛び上がる)お前…なんでこんなとこに…!?(あたかも、彼女のことを知っているかのような口振りで) 」

メモリア「―――えっ、結香・・・さん・・・?何で、こんなとこ・・・!?(第一にここに来て、臆せず発言したこと、第二に叩いた事に驚愕する) 」

ニシル「はぁ…はぁ……(セルドさん… よかった……)……?(結香と、彼女の登場で場が鎮まり返ったのを見て、不思議そうにその雰囲気に傾げる) 」

真庭鳳凰「あれは・・・、いや、それよりも・・・。一体どういうことだ? 」

バキラ「(結香の幼い手に叩かれ、凄まじい覇気を醸し出すかと思いきや――――)…んだ…『お前』か…。(面食らったような顔になり、先程までになかった穏やかな表情にへと一変して、手に嵌めていたメリケンサックを外す)…おい…。(背後の不良たちに武器を下ろすよう合図する) 」

ヒロ「……ん!?…結香…ちゃん!?(遊衣香の方を向く) 」

セルド「スーーーッ………(歯を噛みあわせたまま息を吸い、結香やバキラ、正志たちの反応を見て困惑する)……ええっと、その…だ、誰か説明を……っ(汗) 」

不良共『…… …… ……』(先程まで気性の荒かった不良たちが、バキラの指示で次々と武器を下し、静まり返る) 」

結香「ふんすっ(腰に両手をあてて、バキラを背後に仁王立ちする)ヒロお兄ちゃんたちも…大丈夫…??(いつもと変わらぬ表情で) 」

真庭鳳凰「ふむ、知己であったようだ・・・・。(苦無をしまう) 」

メモリア「・・・訳が分からない・・・何なんだ・・・胃が痛くなってきた・・・。(頭の処理が今起こっている事に対して追いつかず、ハイライトのなくなった目で額に手を当てながら困惑する) 」

正志「(後頭部を掻く)…俺たちは、子どもには手を出さねえ…。(セルドに応えるように) 」

ヒロ「…大丈夫だよー!(ニコニコとしながら結香の頭にポンポンと手を置く)結香ちゃんこそ大丈夫だった?怖かったっしょ……?(心配そうな顔で彼女を見る) 」

セルド「……なるほど、なぁ…だから『泣く子も黙る≪アリゲーター≫』………。(正志の言葉を聞き、結香とバキラを交互に見て) 」

結香「うーうんっ!そんなことないよー。(ヒロに微笑む)セルドお兄ちゃんたち!『鰐のお兄ちゃん』たちはね…ちょっぴり怖いけど、ほんとはね、とっても良い人たちなんだよ~♪(そう言って今度はバキラの方へ振り替える)鰐のお兄ちゃんたち!セルドお兄ちゃんたちはね…この街に来たばかりだけど、でも本当は、すっごくいい人たちなんだよ~♪(両者に、両者の良きところを告げて障壁を打ち消そうとしている) 」

グリズリー「ス……(のっそりとヒロの隣に現れる)……ごめん…なさい…。(穏やかな雰囲気を醸し出しながら、ヒロに深く頭を下げる) 」

セルド「ま、まぁ、結香がそう言うなら……そうなんだろうな。(ばつが悪そうに頬をポリポリと掻く) ……なぁ、アンタ。(バキラの背に声をかける)そのー……悪かったよ、こんな大事にして。 」

バキラ「……!(結香の発言で、改めてセルドたちの姿を捉える。そして照れくさそうに目を伏せ、ふっと笑った)…お前がそう言うなら、間違いねえんだろうな。(結香の頭にポンと頭をのせ、再びセルドの前に立つ。緊迫とした雰囲気が辺り一面に漂うが――――――)――――――……こちらこそ、悪かった。(一切の矜持を捨て、跪き、土下座をした) 」

正志「……(グリズリー、そしてリーダーのバキラがそれぞれのプライドを捨てて謝ったのを見て…)……ちっと…やりすぎちゃったな。…悪かったよ。(隣にいたメモリアに、呟くように) 」

ヒロ「…そ、そうか…よかった…(結香の微笑みを見てホッとする)…あ、アァ…こっちこそ、悪かったよ、土でつぶしちまって(グリズリーに頭を下げる). 」

ニシル「ふぇ……??(先まで緊迫としていた場が穏やかになっていったのに気付き、また?を浮かべる)……(で、でも… これでいい…のかな…。) 」

結香「(一同の様子を見て、うんうんと納得したように何度も頷く)やっぱり、みぃーんな仲良しなのが一番だねっ☆ これで いっけんらくちん だね♪(ちょっと違う) 」

メモリア「あ、いえ、こちらも突然横っ腹を正拳突きなんかしてしまって、すいませんでした・・・このお詫びはいつか必ず・・・。(参ったな、裁判沙汰になったら私は一環の終わりだぞ・・・仮にも自分は一度も傷害を受けてないワケだし・・・) 」

ヒロ「い、いっけんらくちゃく、いっけんらくちゃく……(小声で結香に) 」

真庭鳳凰「平穏に片付くというのもまた良いものだ・・・。(しみじみ)(←やりすぎた人) 」

セルド「……ッ………。(「土下座なんかよせ」と制止しようとするが、矜持を捨てるという覚悟を無駄にしてしまうことになると思い留まる) ――――――――…お互い、キュラリアのアイドルには頭が上がらないみたいだな。(苦笑を浮かべ、バキラに) 」

正志「よせよ。もう…いいよ。(ぎこちなさそうに笑いながらメモリアに)……この街では汚職に手を染めている大人が、たくさんいる。(突然語り始める)サツもセーフ(政府)の奴もいねえから、みんな平気で詐欺を繰り返し金を儲けてやがるんだ。…んでもって俺達は、そんな姑息な手を使うクソな大人どもをターゲットにして、こうやってカツアゲをしてたんだよ…。 」

バキラ「ああ…(頭を掻きながら立ち上がる)もちろん人から金を分捕るのは悪いことさ。だけど俺達は、その金を、自分たちの物にはせずに地域の学校へぜんぶ寄付している。人を騙して稼いだ金が、ガキ共の学校を良くしていくんだ。たとえ俺達が…どれだけ汚ねぇことをする野郎どもだと言われようと… ガキの為なら苦にも思わねえ。(正志の言葉に続けて。その外見には似つかわしくない予想外の発言だが、真剣な眼差しを見せ) 」

結香「ふぇ…?あ、間違えちった…(えへへと照れくさそうにヒロに笑う)でも、人を傷つけて物を盗むのは めっ! だよ?そんなことしても、ボクは喜ばないよ?(ぷんぷんと頬を膨らませながらバキラに) 」

真庭鳳凰「・・・・・・そうか(←姑息な手を使うクソな大人、その一例) 」

メモリア「ってことは、さっきの人は何かまずい取引でもして・・・(あちゃぁ、あの人は逃がすべきじゃなかったのか・・・)なるほど、確かに汚いですね、けど・・・私はそんな、ちょっとヒールな立場でも子供のために頑張るあなた達のその思いと姿勢、嫌いじゃないですよ。(堅かった表情が俄かに和らぎ、頷く) 」

セルド「あと、ニシル。俺はさっき『家に帰れ』と言ったはずなんだけど……(じとーっとニシルへ視線を送る)…今度でいいから説明してくれよ、"色々"。(含みのある言い方をする。おそらく大鎌に関する事) ………お前たち…(目を見開き、唖然とする)……あぁ、ああ。決して褒められたやり方じゃあないが……俺はすごく立派だと思う。…子供達の為とは言え、誰にでもできることじゃない 」

ヒロ「…根っからの悪ってわけではない…か…やり方はともかく、そういう気持ち、大切だと思うよ(バキラと正志に)…間違いは誰にでもあることさ、気にするな(結香の頭にポンと手を置く) 」

バキラ「…… ……(セルドたちにそう言われるが、自分たちの行いが必ずしも正しいことではないことを認知しているが故に、素直に「ありがとう」が言えずにいた)…ケッ…そうだよな…。(結香には相変わらず顔が上がらず、申し訳なさそうに彼女を見つめる)お前たちの事も…よくわかった。初めて来た客に、本当に悪ぃことしちまったな。…俺達もこの街が好きだ。だから、心行くまで楽しんでくれ…。―――――引き上げるぞ、お前ら!…それと、盗ったブツはぜんぶここへ置いていけ。(バサッと特攻服を靡かせ、バイクを回収して立ち去っていく) 」

不良共『……ガチャ… ガチャ、ガチャ…(大人たちから盗んだ財布や金品を足元に置いて、バキラの後を追うように撤収していった)』 」

グリズリー「おっ…おっ…!(ポケットから硬貨を抜き取り、ぎこちない足取りで連中に紛れて去っていく) 」

ニシル「ふぇ…っ!?…あ…//ごごっ…ごめんなさ…(わわわと酷く赤面し、セルドから顔を逸らす)……はい…(恥ずかしそうに、握った大鎌を背後に隠そうとしていた)……!(よかった… どうやら、解決したみたい…。)(アリゲーターの面々がたち去っていくのを見送る) 」

正志「(立ち去ろうと足を進めようとしたが、ふとその歩みをとめた)…俺達は、ガキ共が泣き喚くのを見るのが嫌でたまらねェ。馬鹿みたいに笑うあいつらが好きだから… 兄貴も俺達も、守ってやりてえし…もしも泣いているガキがいるんなら、俺達はそいつらの為に何だってやれる。初めは俺達を怖がってた奴らが、関わっていくうちに、自然に笑ってくれる。だから俺達は―――――――"泣く子も黙る"アリゲーターなんだ。(ニッと歯を見せ、片足を引きずりながら連中に続き去っていく) 」

メモリア「さようなら・・・あっ、名前、聞き忘れたなぁ・・・。(見知らぬ人から、見知った人・・・になっただけかぁ)さて・・・と、お忍びですし、私は速く戻らな―――(アコーディオンをケースに収納し、そのまま立ち去ろうとした時、突然、プツリと何かが切れるような音がして―――)ドサッ・・・。(気を失い、前に倒れる) 」

セルド「ん、わかれば良いんだ。(顔を逸らしたニシルを見て微笑ましく思う) ……うん、お前たちのお陰でこの街がもっと好きになりそうだよ。………。(去っていくバキラ、不良たち、グリズリーを見送る)…………"泣く子も黙る"アリゲーター、か。(そして正志を見送り、彼が話した言葉が脳裏で反響する) 」

結香「ふわーん… で、でも!今度こそは決めるからね♪(p`・ω・´) q (ヒロに) あ!鰐のお兄ちゃんたち!また会おうね~!今度は、みんなで仲良く遊ぼう~~!!(大きく手を振りながら見送る)」

セルド「えっ―――――――メモリア!!?おい、大丈夫か!なあ!!(慌てて駆け寄り、メモリアの上体を起こす) 」

ニシル「でも…(しばらく言い渋るが…) …以前、助けていただいたので…(ニシルとセルドの脳裏に、互いが初めて出会った日のことが思い出される)……!!め、メモリアさん…!!(彼が気を失ったのを見て驚愕する) 」

ヒロ「……おう、またな………ん?…メモリア……!?…メモリア!(メモリアを見て驚く) 」

結香「わっ!わわっ…!?メモリアお兄ちゃん!?(メモリアの元へまで駆け寄る) 」

カガリ「ザッ――――――(いつの間に現れたのか、メモリアを抱えたセルドの前に立っていた)…… …… ……(殆どの面子が傷つき、疲労し、中には気を失っているのを確認し、一息つく)……『ニシル』、彼らの手当てをする。私の家まで案内しろ。 」

メモリア「・・・ぅ、ぁ・・・ぅぅぁぁぁ・・・。(目を閉じており、苦痛に悶えるかのような表情になって呻く、何か良くないものを見ているらしい) 」

セルド「以前―――(初めて出会った日が脳裏に浮かぶ)―――あぁ……いや、あんなのは人として当然のことをしただけだよ。気にするほどのことじゃ……(たははと苦笑しニシルに) ッ―――――(目の前に立っていたカガリを見て、目を見開いて硬直する)(誰…だ…?ニシルの名を知ってる……?) ……うなされてる…体が弱いのに、きっと無茶をしてさっきの戦闘で力を使いすぎたんだ……(メモリアの容態を見て顔をしかめる) 」

真庭鳳凰「一体何事だ!?(駆け寄る) 」

ニシル「セルドさ――――――!!(突然、目の前に現れたカガリに身が硬直する)…か、カガリさん…!…は、はい…っ!あの、みなさん… 一先ず、場所を変えましょう…!私について来てください…! 」


そしてセルドたちは、ニシルに案内されるまま…街から離れた人気のない山間へと向かうのだった…



続き 「ニシル編」第3話へ?

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最終更新:2020年09月10日 08:52