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32-699

32-699 名前:風香 甘えん坊将軍[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 23:44:38 ID:???
風香 甘えん坊将軍


1/9
むか〜し、むかし。あるところに将軍様がおられたそうな
しかしこの将軍様、ちょっと困ったちゃんだっだのです


風香 「競馬?」
ネギ 「そう、馬の競走です。僕の国では盛んですけど」
将軍様の朝食の時、そんな話題が出てきました
ネギ 「明日菜さんなんて実は特級騎手(トップジョッキー)なんですよ」
風香 「ふーん・・・そう言えばあやか姉って、馬の扱いが上手だったよね」
あやか 「それほどではありませんが・・・」
風香 「じゃあ、競走しよっか」
その一言が始まりでした


葉加瀬 「で、競馬場を作れと・・・」
夏美 「困ったもんね、上様のわがままにも」
葉加瀬 「簡単ですから別にいいですけれどね」
夏美 「簡単なの!?お金だってかかるんじゃない!?場所だってさ!!」
葉加瀬 「ふっふっふっ・・・こんなこともあろうかと」
夏美 「用意していたんだ」
葉加瀬 「ええ、私が運営している地下競馬場なんですけれどね。非合法の」
夏美 「非合法ですか・・・」
葉加瀬 「指をぱちんと鳴らせば地上にせり上がりますよ。格闘漫画の闘技場みたいに」
夏美 「何でもありね」
葉加瀬 「狂科学者ですから」
32-700 名前:風香 甘えん坊将軍[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 23:45:41 ID:???
2/9
それからしばらくして

和美 「第一回麻帆良杯が開催されるよ〜!!」
城下では瓦版屋さんが一生懸命競馬の宣伝しています
和美 「ついでに出場選手も募集してるよ〜賞金は1000万帆(帆=円)だ!!」
その情報はあっという間に麻帆良の町を巡りました

佐々木神社にて・・・
まき絵 「出てみよっかな〜」
真名 「御意に。ただし、覆面でお願いいたします」

超春館薬局にて・・・
超 「出るネ。拒否は許さんネ」
古 「競馬?一番ニナレバイイアルカ?」

め組にて・・・
千雨 「お祭りごとか、なら出るっきゃねえな」
ザジ 「・・・」

麻帆良城にて・・・
楓 「ふふふ」

和泉養生所、奥の部屋にて・・・
エヴァ 「賭け事と聞いてわしが関わらんわけにはいかんじゃろ。茶々丸、出るのじゃ」
茶々丸 「イエス、マスター」

寺子屋にて
子供 「先生は出ないの?」
千鶴 「どうしようかしら、おうまさんなんて乗ったことはないんだけれども・・」

こうして競馬の開催日を迎えました
32-701 名前:風香 甘えん坊将軍[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 23:46:50 ID:???
3/9
和美 「さあ、今日はお日柄も良く、いわゆる良馬場になりました。いよいよ麻帆良杯の開催です」
葉加瀬 「馬場は砂、距離は2400間(間=メートル)で行われます」
和美 「馬場の形状は楕円、直線は手前も向こうも800間、曲がりは400間です」
葉加瀬 「坂はありませんね。平坦な馬場ですよ」
和美 「さて競走規則についてですが・・・・ぶっちゃけ一番最初に終点に着いた人の勝ちです」
葉加瀬 「尚、その間の妨害はある程度自由です。怪我しない程度なら」
和美 「ずいぶんと曖昧ですね」
葉加瀬 「そのあたりは騎手たちの良心にお任せです。では出場選手の紹介をお願いします」
和美 「わっかりました〜」


和美 「第一枠、流星号。騎手は雪広あやかさんです」
葉加瀬 「一枠は雪広家のあやかさんですね。乗り方は優雅ですけれどもどうなんでしょうか?」
和美 「今のところ二番人気ですね。なんだかんだ言っても優秀ですから」

和美 「第二枠、白鷺号。騎手は覆面娘さんです」
葉加瀬 「二枠は謎の覆面さんです。馬の乗り方は上手そうですね」
和美 「なかなか身軽そうに乗りこなしています。現在のところ四番人気です」

和美 「第三枠、ぶろーどそーど号。騎手は魔法国の明日菜さんです」
葉加瀬 「三枠は魔法国の特級騎手、明日菜さんです。さすがに馬の扱いになれています」
和美 「本命の登場ですね。一番人気です。掛け率は1.2倍ですね」

和美 「第四枠、青葱号。騎手は寺子屋の千鶴さんです」
葉加瀬 「四枠は寺子屋の先生ですね。何とか馬に乗っているようですが」
和美 「残念ながら八番人気で一番人気が無いです。見ていて危なっかしいくらいですから」

和美 「第五枠、纏号。騎手はめ組の千雨さんです」
葉加瀬 「五枠はめ組のお頭ですね。強気な責めが見られそうです」
和美 「噂では受けと言うことですが・・・人気は五番人気ですね」
32-702 名前:風香 甘えん坊将軍[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 23:49:12 ID:???
4/9
和美 「第六枠、茶々零号。騎手は洋館の茶々丸さんです」
葉加瀬 「六枠は洋館の管理人さんですね。冷静な判断を武器にしているように見えますね」
和美 「現在のところ三番人気です。一着争いに絡みそうです」

和美 「第七枠、赤兎馬号。騎手は薬局の古さんです」
葉加瀬 「七枠はあの怪しい薬局の用心棒さんです。身体能力は高いのですが、どうも受けな様です」
和美 「おどおど感が人気にも影響しているようです。現在は七番人気です」

和美 「第八枠、忍忍号。騎手は黒装束のしのびさんです」
葉加瀬 「八枠は上様の・・・もとい謎のしのびさんです。身長が大きく、馬への負担が大きそうですね」
和美 「不振な感じが何となく皆さんを賭けにくくしているようです。現在のところ六番人気ですね」

葉加瀬 「さて、一通りの紹介の後は各馬の倍率です」

一枠、流星号。倍率2.4倍
二枠、白鷺号。倍率4.9倍
三枠、ぶろーどそーど号。倍率1.2倍
四枠、青葱号。倍率38.9倍
五枠、纏号。倍率7.7倍
六枠、茶々零号。倍率3.7倍
七枠、赤兎馬号。倍率10.1倍
八枠、忍忍号。倍率8.1倍
(倍率人気参考、桜子先生)

和美 「さて、全馬枠内に収まりました。もうじき競走開始です」
葉加瀬 「競走開始の鐘を鳴らすのは・・・夏美嬢です。ではお願いします」
葉加瀬さんが手を振るのを合図に、高台の上に上って槌を持つ夏美さんが大きくを槌を振りかぶりました

か〜ん!!!!!
鐘の音が響くと同時に、枠の前を塞いでいた板が上に上がり、競走が開始されます
そして一斉に馬が飛び出しました
32-703 名前:風香 甘えん坊将軍[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 23:50:08 ID:???
5/9
千鶴 「あらあらあら・・・走ってね、お馬さん」
他の馬は飛び出しましたが、千鶴さんの馬は枠の中で立ち止まったままでした
千鶴 「走ってね、お馬さん」
しかし、お馬さんは走ろうとはしません
千鶴 「走って、ね?」
千鶴さんの雰囲気が変わりました。さすがは野生動物です、生死に関わることには敏感に反応したようです
出遅れはしましたが、何とか千鶴さん、競走開始です


和美 「綺麗な出走かと思いましたが、一頭出遅れたようです」
葉加瀬 「青葱号ですね。まあ、人気通りと言ったところでしょう」
和美 「この遅れは致命的ですね。おそらくはもうダメでしょうね」
葉加瀬 「では、現在の意図取りを見てみましょう。先頭は纏号ですね。その一馬身後ろに赤兎馬号です」
和美 「さすがちゃきちゃきのお頭、一番でないと気が済まないようですね」
葉加瀬 「古さんも後を追っているようですが、こんなにとばして馬の体力が続くんでしょうか?」

和美 「二馬身離れて三番手に白鷺号、四番手にぶろーどそーど号、五番手に流星号です」
葉加瀬 「このあたりは固まっていますね。ほとんど差はないです」
和美 「六番手に忍忍号、ちょっと離れて茶々零号が七番手です。青葱号は大分離れていますね」
葉加瀬 「全体の流れはこんな感じです。いま300を超えました」
32-704 名前:風香 甘えん坊将軍[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 23:50:53 ID:???
6/9
葉加瀬 「むっ!!ここであやかさんの流星号が前に出てきました」
和美 「ぶろーどそーど号を抜いて、現在先頭集団に近づきつつあります」
葉加瀬 「おや、ここで覆面娘さんが何かを取り出しました。小さな袋ですかね?」
和美 「それを・・・投げたあ!!そしてあやかさんに当たったぁ!!」
あやか 「げほげほ・・・くしゅん!!!これは胡椒!?」
葉加瀬 「一気に抜こうとした流星号が下がります。おおっと!!!」
明日菜 「悪いけど、死んでよね」

ドゴォ!!!

和美 「ここで蹴りだぁ!!明日菜選手、器用に片足であやか選手に蹴りを放った!!たまらずあやか選手、落馬です!!」
葉加瀬 「怪我は・・・していないようですね。覆面娘さん、明日菜さん結構外道ですね」
和美 「争いに情けはいらないようです。現在400を超え、第一曲線に向かいます」
葉加瀬 「ここは誰も仕掛けませんね。動きはなく、そのまま第二曲線を越えて向こう正面の直線になります」

葉加瀬 「おや、ここで赤兎馬号が纏号に並びました。熾烈な先頭争いです」
和美 「両者受けと言われていましたが、なかなかの攻めですね。おおっと!!!」
葉加瀬 「ここで古さんが体勢を崩しました。このままでは落ちるのは時間の問題でしょうか」
和美 「ここで・・・なんと纏号のお頭が手をさしのべました。二頭は失速しますが仕方ないですね」
古 「アナタ、助ケテクレタ?」
千雨 「ちっ!!仕方ねえだろ、手前がしっかりして・・・」
古 「アナタニ惚レマシタ・・・好キデス。私ヲ捧ゲマス」
千雨 「な、何を!?こら!!止めろ!!」

和美 「二頭はそのまま柵を越えて・・・茂みに入りました」
葉加瀬 「あれ?茂みから出てきたのは馬だけですね。二人は茂みの中でしょうか?」
和美 「その茂みに誰か近づいていきます・・・あれはお頭の奥さんですね」
葉加瀬 「そのまま茂みに入って・・・茂みが揺れ始めました。何をやっているんでしょう?」
和美 「とりあえず赤兎馬号と纏号は失格です。さて競技に戻りますね」
32-705 名前:風香 甘えん坊将軍[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 23:52:58 ID:???
7/9
葉加瀬 「向こうの直線を進み1300を過ぎました。先頭は白鷺号、そのすぐ後にぶろーどそーど号」
和美 「一馬身離れて忍忍号、さらに一馬身離れて茶々零号。五馬身離れて青葱号です」
葉加瀬 「青葱号追ってきましたね。もしかして一着争いに絡んでくるのでしょうか?」

和美 「むむっ!!ここでしのびさん、手裏剣を取り出しました」
葉加瀬 「投げるんですかね?危険ですねえ、死んじゃうかも」
和美 「その取り出した手裏剣を・・・茶々丸さんに投げたぁ!!!」

ぱしぱしぱし!!
和美 「なんと!!茶々丸さん、投げられたすべての手裏剣を受け止めました」
葉加瀬 「そして受け止めた茶々丸さん、なんと指で手裏剣を曲げてしまいます」
和美 「あれって鉄でできていますよね。なんという怪力でしょうか」
葉加瀬 「なんだか不穏になってきましたね。ここで第三曲線にかかります」
和美 「だんだんと差が詰まって来ました。残りは800です」

葉加瀬 「曲線では誰も仕掛けませんね。さて、最終曲線を抜けようというところです」
和美 「さあ、四頭は団子になって直線に入ります。どれが抜け出すんでしょうか?」

葉加瀬 「残り直線400、先頭は白鷺号、そして差はなく三頭がひしめき合っています」
和美 「さてここで一斉に鞭が入りました。勝負の時です」
葉加瀬 「ここでまた覆面娘さんが何かを取り出します。今度は・・・爆弾ですね」
和美 「何でもありだね。死ななきゃいいけど」

覆面娘 「皆さ〜ん。さような・・ら?」
葉加瀬 「他の皆さん、臨戦態勢ですね。明日菜さんは鞭を剣に変化させ、茶々丸さん、しのびさんは手裏剣を向けています」
覆面娘 「し、失礼いたしました〜」
和美 「覆面娘、失速していきます。単純な戦闘では勝てそうにも無いと踏んだようです。ここで脱落です」
32-706 名前:風香 甘えん坊将軍[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 23:54:22 ID:???
8/9
葉加瀬 「さあ、残り200。ほぼ三頭が一直線に並んでいます。抜け出すのはどの馬までしょうか?」
和美 「おお!!ここでぶろーどそーど号が抜けました。さすが魔法国の特級騎手、その実力は折り紙付きか!」
茶々丸 「サーチ、馬の体力、限界。残念ですがここまでです。申し訳ありません、マスター」
しのび 「ぬう、ここが限界でござろうか・・・悔しいが、ここま・・・で?」

そのときです。最後方から一頭の馬が怒濤のごとく突っ込んできたのです
和美 「なんと!!ここで青葱号が来た!!信じられない末脚です!!あっという間に忍忍号と茶々零号をかわしました!!」
葉加瀬 「何故でしょうか?鞭を入れているわけではありません、ただ鞭でお馬さんのお尻を撫でているだけなのに・・」
和美 「あ、あれは・・・長ネギです。鞭ではありません。長ネギです!!!」

千鶴 「おうまさん、しっかり走ってくれないと・・・入れちゃうわよ?」

葉加瀬 「おうまさん、怯えているようです。まるで恐竜から必死で逃げる獲物のようですね」
和美 「残り100、差は半馬身まで迫りました!!このまま差しきるのか!!」
葉加瀬 「それともぶろーどそーど号が逃げ切るのでしょうか!!残り50!!」
和美 「並びました。青葱号、泣きながら走っています!!!すごい!!このままかわすか!!」

明日菜 「素人に・・・負けられない!!」
葉加瀬 「おおっと!!ここで明日菜さん、必死におうまさんの首を押し込みます。なんと、ここでさらに伸びます!!」
千鶴 「あらあら、おうまさん、頑張ってね?」
和美 「青葱号、食いついていきます。鼻水を垂らして泣きながら食いついていきます!!もはや虐待ですね」

和美 「さあ、差はない!!どちらが、どちらが一着か!!」

明日菜 「いやあああ!!!!!」
自分の体と馬体を一つにして、明日菜さんは叫びました
葉加瀬 「ああ!!ぶろーどそーど号がわずかにぬけました!!そしてそのまま・・・」

和美 「きたきたきた〜!!!ぶろーどそーど号が今、先頭で・・・決着!!!」
32-707 名前:風香 甘えん坊将軍[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 23:56:23 ID:???
9/9
わああああ!!!!!
観客からは大きな歓声が沸き上がります


明日菜 「ふう・・・もしもあの馬、出遅れがなかったら負けてたかな」
馬から下りて優しくぶろーどそーど号を撫でる明日菜さん。何となく勝った気がしていないようです

千鶴 「あらら・・負けちゃったのね。おうまさん、ご苦労様」
青葱号は、千鶴が背中から降りたとたん、崩れ落ちるように倒れました
尚、青葱号はこの競走を最後に引退しました。競走に対して恐怖心を持ってしまったようです

しのび 「おぬし、一度手合わせを願いたいものでござるな」
茶々丸 「マスターの命令があれば・・・それでは失礼いたします」

ザジ 「・・・」
古 「サ、三角関係アルカ?ソレハソレデ・・・」
千雨 「手前ら・・・いい加減にしろぉ!!!人を弄ぶんじゃねえ!!!」

覆面娘 「負けちった・・・次はもっと仕込んで来なきゃね」

あやか 「明日菜さん・・・許しませんわぁ!!!!」

こうして観客は各々の健闘をたたえつつ、騎手と馬を拍手で出迎えるのでした
葉加瀬 「これにて、第一回麻帆良杯の中継を終了いたします。皆さんありがとうございました!!」
和美 「では次は・・・第二回があれば、またお会いしましょう。それでは〜!!」


風香 「ボク・・・出番もないし活躍していないんだけど?」

32-709

32-709 名前:Gamers[sage] 投稿日:2006/05/28(日) 00:31:21 ID:???
Gamers 1/2

ここは東京都世田谷区、勢い余って(ry
……ではなく、麻帆良学園都市内某所にある、ログハウス――

明日菜「こんにち…茶々丸さん?ゲームしてるの?」
茶々丸「はい、マスターのですが。何か御用ですか?」
明日菜「いやっ別に、ちょっと意外だったから
   (―――いつもメイドの仕事ばかりしてるし、たまには違うことがしたいのかもね…)」
茶々丸「明日菜さんもプレイしてみますか?」
明日菜「え?…じゃあ、ちょっとやろうかな」

32-710 名前:Gamers[sage] 投稿日:2006/05/28(日) 00:32:13 ID:???
2/2

明日菜「―――きゃ!ちょっと待っ・・!!やだこっち来た!!やっちょっ…
    いやっ、来ないでぇー!!!ダメちょっと…いやぁっ死ぬ――――!!」
茶々丸(こんな明日菜さんをみるのも初めてかもしれませんね…なんだか、『かわいい』です
    胸の機関部辺りの温度が上昇してきました…)

画像ファイル明日菜.jpgをお気に入りフォルダに保存しますか?

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明日菜「ふぅ、難しいわぁこれ…ん?茶々丸さんどうしたの?私の顔になんかついてる?」
茶々丸「え…いえ、何でもありません。それよりマスターに何か用があってこられたのでは?」
明日菜「あっ!…もう今日はいいや、また今度にするね、それじゃっ!」
茶々丸(また今度…つまり、またここに来てくれる……)

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end...

32-712

32-712 名前:真名ちゃんもっこり日記63[sage] 投稿日:2006/05/28(日) 01:11:14 ID:???
真名ちゃんもっこり日記63

その日『も』雨だった。
依頼の打ち合わせが深夜までかかり、終わったのは日付が変わったぐらいだろうか。
「ふぅ〜、今日も疲れたな…いったい今何時なんだ」
腕時計を見る。深夜0時44分。
アキラは寝てるだろう。今日はどちらかというと車で飛ばしたい気分だ。

ということでそのまま帰らず首都高に突入。いつもは混んでいるココも、この時間はスムーズだ。
私とストラトスにとっての”障害物”もこの時間は少ない。
ふと初めて首都高に入った時を思い出す。
入り口から入ってそのまま右を走り、気が付けば出口で降りていた。
首都高に乗って約20秒で出口。人生の中で最ももったいない700円だった苦い思い出(ノンフィクション)。

ストレートで飛ばす。うーん、さすがは我が愛機。加速の伸びが段違いだ。
と、その時前の車が自分の走っている車線へ車線変更してきた。
「チッ、どけよ!この障害物」
例えると、まるでフルコース料理で最後のデザートを邪魔された気分だ。
フルブレーキングとシフトダウンでテールに張り付き、軽くパッシングを3回。
「ど・け・よ」
ちなみに5回なら「あ・い・し・て・る」だ。

だが相手は譲らずにペースを上げてきた。
ほほぅ。この真名さんに挑戦する気か?上等だ相手になってやる。
そうなった途端、2台の車はフルスロットルをする。
32-713 名前:真名ちゃんもっこり日記63[sage] 投稿日:2006/05/28(日) 01:11:56 ID:???
雨で若干リヤがスライドしつつ、瞬く間に他の後続の車を光りの点にし、相手とストラトスだけの時が始まった。
むぅ…かなり早いな。しかし前の車…あの修理工場で見たFDと同じ形…
おっと、見とれてはいられない。自分のラインを守りつつすかさず左。

ズルッ

「しまったぁぁぁぁーーー!!」
雨で路面が濡れているだけなら大した事はない。
決して忘れていた訳じゃないが…思い出せなかった高速道路の繋ぎ目が牙をむく。
雨に濡れたわずか20cmの鉄板…
高速コーナリング中のコイツは、タイヤのグリップ力など無効にしてしまっていた。

グシャッ

フロントから衝突し、目の前には花火の様に破片が飛び散る。
「あぁ…キレイだよ…」
私のプライドと一緒に砕けていく。
おのれ…あの青のFDめ…


その頃、青のFDは…
「…ふぅ」
あの修理工場に止まっていた。
32-714 名前:真名ちゃんもっこり日記63[sage] 投稿日:2006/05/28(日) 01:13:58 ID:???
「大河内君、どうだいFDの調子は」
「すごいです。真名にも負けないパワーと運動性能ですね。でも私はまだ15…」
「大丈夫ネ」
振り向くと超が立っていた。
「そんなこと気にしてたらネタにもならないヨ」
「それでいいの…」
「これからも水泳と一緒に最速を目指してがんばるネ」
そのまま白い車に乗り込んで去っていった。
「……」

「ふふふ、龍宮サンにアキラサン。なかなか面白くなりそうネ」
そう言って首都高を走り出す超のS-2000であった。

ぬわあああああ!
ぶつけたバンパー直すのに×××円もかかるー¥¥¥¥¥¥¥
まだプラズマテレビのローンも残ってるのに…_| ̄|〇
ネタも変な方向に行ったし、しばらく車(ネタも)は自粛するとしよう。

32-722

32-722 名前:☆☆☆ダンシング 1/9[sage] 投稿日:2006/05/28(日) 02:22:43 ID:???
5月26日。
最愛の人の生まれた日を、龍宮真名は桜咲刹那と朝チュンで迎えた。
「……私は真っ直ぐ立っているか……?」
「………あぁ、立ってるよ」
3Aのシーモネーターこともっこり真名さんは、最愛の人にスッポン鍋やバイ○グ○を大量接種し一日中ヤっても萎まない百合棒をプレゼントするつもりだ。
一発で萎まないことを確認するため、身近な刹那とアッハンウッフンした。
中に刺し込んだままフィニッシュしたにも関わらず、百合棒は未だにビンビンである。
これならアキラも喜んでくれるだろう。
「すまないがアキラの誕生会は夜七時までに終わるように言っておいてくれ」
「はいはい……そのあとアキラを連れてこればいいんだろ?」
刹那はウンザリと言った表情でベッドを部屋の中央に運ぶ真名を見る。
「……昔のお前はもっとストイックだったのに、いったいどうしてこんな風になったのやら」
今から半日かけてベッドを回転するようカスタムするなんて、昔の真名からは想像もつかない。
「……聞きたいか?」
「へ?」
予想外の返事に、思わず間抜けな声をあげる。
「私が変わったのはアキラと付き合ってからだが、変わり始めたのはアキラを好きになってからだ………」
32-723 名前:☆☆☆ダンシング 2/9[sage] 投稿日:2006/05/28(日) 02:28:12 ID:???
「好きになってから、か……そういえばお前、気付いたら大河内さんと付き合ってたな」
「まぁな。なかなか告白する勇気が出なかったせいで付き合い始めたのは最近だが、好きになったのはもっと前だ」
あの頃はまだ純粋ですた。
「アキラはいつから私を好いてたかわからないが、私はあの日に好きになったのだろうな……
 覚えているか、二年ほど前、私が仕事で大怪我を負ったことを」
「あぁ……お前が入院までしたのはあのときだけだ、覚えてるよ。あの頃はお互い何でも一人で片付けようとしてたよな……
 あの時はまだ私より強かった龍宮が怪我したことで、自分の力を過信してたことを思い知らされたよ」
「さりげなく今は自分の方が強いとでも言いたそうだな」
「少なくとも追い付いたつもりさ。安心して背中を任せてもらえてるつもりだが?」
「ふっ………とにかく、私はあの日、マイエンジェルに出会ったんだ」
「分かったから語るな、お前のノロケはウンザリするものが多い」
「そうだな……あきらとまな・ラブヒストリー第一章邂逅編とでも名付けようか」
「人の話聞けよ語る気満々だなお前」
「あの頃の私は失くした大事な人のことを未だに引きずり、ナイフのようにとがっては触るもの皆傷付ける冷酷な仕事人だった……
あの日学園長から依頼されたのは、無断で裏山でキャンプした挙げ句遭難して死んだ馬鹿なアメリカ人の亡霊退治だった。
己を過信してた私は、元人間だと相手をあなどり顔面に殺虫剤を浴びせられ敗走するハメになったんだ。
惨めだったよ、目が見えないせいで体は擦り傷や切傷だらけさ。
そんな時だ、アキラが私に声をかけてきたのは。
32-724 名前:☆☆☆ダンシング 3/9[sage] 投稿日:2006/05/28(日) 02:32:23 ID:???
『龍宮さん……?』
『…………お前は……』
確か多少ぼけてはいたが、ある程度目が見えるようになってきてたんだ。
目の前にいたアキラは、憐れむような目を……いや、今思えば心配してたのかもしれないな……まぁとにかくそんなような目をして私を見ていたんだ。
『確か……オオカワウチさん』
『……オオコウチです』
『……オーコーチさん、私に何か用か……?』
『用ってわけじゃないけど……何か傷だらけだし、フラフラしてたから……』
『……私は平気だ。じゃぁな』
『あ、ま、待って』
パシッとアキラに手を捕まれ、私はかなり驚いた。
『……あ、えっと、部屋に来ない……かな。その……傷の手当てとかもあるし……』
『……怪我なら保健室に行くから問題ない』
『………その、私口下手だからまだ友達できてなくて、だから、あの………少し、話しませんか?』

まあ、そんなこんなの話の流れでアキラの部屋に行くことになってな……あぁ、勘違いするなよ、この頃は下心なんて欠片も無かったからな!
『………えっと、何か飲みますか?』
『……いや、いい。それに敬語も不要だ』
『………』
『………』
あの頃は数分も会話が持たなかったよ……双方あまり会話は得意じゃないからな。
『……あ』
『どうかしたのか?』
『髪の毛に葉っぱや木屑が……それになんかほつれてる』
茂みをつっきったからだろうな。
『……といてあげる』
『はぁ!?』
なんだかんだでアキラは強引だよ。半ば無理矢理後ろを向かされ、苦手な背後から髪をとかされるはめになったんだ。
32-725 名前:☆☆☆ダンシング 4/9[sage] 投稿日:2006/05/28(日) 02:39:01 ID:???
『………あー……大河内、さんは部活には入ってるのか?』
無言で髪をとかれ続ける空気に耐えかねての質問は、どうやら地雷だったらしくてな
『一応、水泳部……』
『一応?』
『うん……辞めるかもしれないから………』
正直あまり関心もなかったし、なんと答えればいいかわからなかった。
『………綺麗だね』
『何が』
『髪の毛』

綺麗な髪の毛。
あの人もよく髪を誉めてくれた。
その度に「綺麗なのは髪だけなの?」と聞いては困らせたっけ……

自然と笑みがこぼれてたと思う。
またすぐ会話は途切れたが、嫌な気はしなかった。

『たっだいまー♪』
それからしばらくして、ルームメイトの明石が帰ってきたんだ。
確か、髪の毛から葉もゴミも取り終わり時間を持て余してた時だったと思う。
絆創膏ももらい、もう用のなくなったため帰ろうと立ち上がった私に、あろうことか明石はいきなり肩を組んできたんだ。
キョトンとしているアキラをよそに、部屋のすみに私を連行する。
『龍宮さん、だよね。アキラの友達だったんだ』
ひそひそ声の段階で、なんとなく察しはついたよ。
『アキラ、最近元気ないじゃん?どうも私の励ましは空回りしてるみたいでさ……』
(なんで無様に任務失敗で落ち込んでるときに他人を励まさなくちゃならないんだ……)
『一応励ましとして二時間並んだ人気甘味所で買ったアンミツがあるから、話のお供に使ってよ』
『私に任しとけ、アカイシ』
『アカシだけど……』
結局明石は『差し入れのアンミツ、超美味しいよ〜』とだけアキラに伝え、満面の笑みで部屋を出ていった。
自分もアンミツ食べたかったんだろうに……
32-726 名前:☆☆☆ダンシング 5/9[sage] 投稿日:2006/05/28(日) 02:42:55 ID:???
『折角だから食べようじゃないか』
『……すごく嬉しそうだね。好きなの?アンミツ』
クスリと笑って、アキラが尋ねてきた。
『……あぁ大好きだよ』
あの人と恋仲になって、初めて食べたのもアンミツだったな。
とにかく、私に取ってアンミツは思い出深いものなのさ。
『あ、じゃぁ私お茶入れるね……紅茶でいい?』
『構わないよ……』
紅茶を入れる彼女の手は真っ白だった。
多くの血を浴び、真っ黒な私の手とは対極の、綺麗な手……


『……なんで始めたんだ、水泳』
『へ?』
今思えばいきなりの質問に少し間抜けな答えを返すアキラも萌え萌えだ。
『誰かと会話してないと落ち着かない……だからわざわざ私を部屋に連れ込んだんだろ?なら、聞かせてくれたってバチは当たらないと思うぞ』
『………』
『別に、今どう思ってるかが聞きたいわけじゃないさ』
大方、辞めたい理由はスランプかイジメだろう。だいたい予想はつく。
『つまらない理由だよ……友達が始めたから、ただそれだけ』
あの人が居たから戦場に身を置いた私と、ほんの少しばかりアキラがダブって見えた。
『始めたらすっごく楽しかった。水中から見える景色はいつものものと違って神秘的な気がしてたりもしたっけ……見えるのなんて足くらいしかないのにね』
それからずっと、アキラは水泳のことを話し続けた。
私がアキラの分のアンミツも平らげたころ、ようやく『あ、私ばっかり話してごめんなさい』って言ったんだ。
それで、何がおかしいのかクスリと笑ったんだよ。
『龍宮さんって、本当にアンミツが好きなんだね』って言ってさ。
32-727 名前:☆☆☆ダンシング 6/9[sage] 投稿日:2006/05/28(日) 02:49:55 ID:???
『あぁ、世界で一番好きな食べ物だ』
『ふふ、本当に美味しそうに食べてたね。……私も食べたくなってきたな』
『………すまない』
許可をもらったとはいえ、やはり二個食いは控えるべきだったか。
『あぁ、それと、大河内は本当に水泳が好きなんだな……話してるとき、本当に楽しそうだったぞ。ビー玉みたいに綺麗で純粋な目をしていた。まだ好きなんだな、水泳が』
『………うん』
『……目が曇ったな。なにか心配事でもあるのか?』
らしくないよな、他人の事情に首を突っ込むなんて。
『……小学校の卒業式で、別の中学校に行った友達からもらったネックレスがなくなって……高いものじゃないけど、その娘に申し訳なくて………』
『雑念のせいで水泳の方まで身が入らない、か……馬鹿としか言いようがないな』
『………』
『素人がたった一人でこの広大な学園の中からネックレスを見付けられるわけないだろう?』
たぶん、この時にはもう大河内アキラという人物に、私は惹かれていたんだろうな。
『私に任せておけ、必ず見付け出してやる』
『でも……』
『つまらないプライドばかり高くて、たった一度の失敗を一生引きずりそうだった馬鹿を助けてくれた礼さ。いい気分転換になった、ありがとう』
それに心当たりもあった。
あの幽霊がポルターガイストに使ったものに、ネックレスがあったんだ。
『……アンミツあげた分のお礼、もらってないよ』
『……は?』
厚かましいなこのアマ、と思ったことは一生黙っておこうと思う。
『今度、一緒にアンミツ食べに行かない…?私、美味しいお店知らないから、真名についてきてほしい』
真名。
名前で呼んでくれたのは、彼女が私を友人だと思ってくれたからだろうか。
『……あぁ、わかった。その代わり、飲み物くらいはアキラが奢ってくれよ』
そして不思議な暖かさを手にいれた私は、再び戦場に向かったのさ。
まるで私に日の当たる場所は向かないとでもいいたそうに、夜は大きく口を開けていた。
32-728 名前:☆☆☆ダンシング 7/9[sage] 投稿日:2006/05/28(日) 02:55:35 ID:???
『学園長、桜咲刹那に援護要請を出していただけますか』
そういえばお前にも助太刀を頼もうとしたんだよ、刹那。
『それがのう、ボイラー技師(2級)の資格を取りに遠出しとるんじゃよ』
なんのために取ったんだ、あの資格?
『仕方ないか……ターゲットについての詳しい情報はわかりましたか?』
『名前はパット、もはや完全な魔物と化しておる。そのおかげか物理攻撃も効くみたいじゃな。現在地はわかっておらんがおそらく……』
『もう結構、出会いましたから』
後方から足音と殺気を感じ、電話を切り素早く半回転する。
そして、相手の姿を見て思わず硬直した。
パットは大量のブラジャーに覆われ巨大なオッコト主のようになってたよ。
『………く、くだらねぇ……』
パットだけにブラジャーという寒い親父ギャグに行き着いてしまい、ゲンナリしたのがまずかった。
奴の纏った肩紐同士が結ばれ一繋ぎになった大量のブラが、鞭のように私を襲い大事なライフルを遥か後方に吹き飛ばした。
『……それで勝ったつもりかぁぁッ』
悪魔の舞踏。
魔眼を駆使し、踊り狂ってるかのように相手の猛攻を避ける姿を、昔そうやって表現されたことがあるよ。
たぶん、あの時の私はまさにそれをやってたんだろうな。
襲い来るブラの群れをかわしては唯一手元に残ったデザートイーグルをひたすらぶっ放したよ。
それでも積み重なったブラは予想以上に頑丈でな、仕方がないから一ヶ所狙いを定めてそこをひたすら撃ち続けたんだ。
一点集中は頑丈な奴と戦(ヤ)る際の基本戦術だからな。
『終わりだッ』
狙い続けた箇所には穴ができ、その穴からは奴の本体……それも首のあたりがしっかりと見えた。
あそこを撃ち抜けば勝てる。そう思って引き金を引いたんだが……最悪だよ。弾切れさ。
32-729 名前:☆☆☆ダンシング 8/9[sage] 投稿日:2006/05/28(日) 03:00:26 ID:???
『わりぎちはせよぢずべらひそめてにおひでぶ』
奴がよくわからない呪文を唱えると、奴から切り放したはずのブラジャーが生きてるかのように起き上がり、私の手足を拘束し……
「待て、ちょっと待て」
「なんだ刹那、今いいところなのに」
「いや、なんと言うかだな、さっきからパットだのブラジャーだのって単語が出るだけで気が抜けるというかなんと言うか……」
「意外とワガママだよな、お前……わかったよ、じゃぁ次からブラジャーのことは悪の手先っぽく千草と呼ぶよ」
「なぜ千草……」
「乳房だけに」
「意味わからんうえお前のギャグにはセンスがない」
「まぁいい、とにかく私は体の自由を奪われたんだ。焦ったよ、あれには。
千草の肩紐のワイヤー部分、あそこが私の体を貫いてな……私の体から気を吸い出したんだ。
『ぐ……がぁッ………』
『オレァクサマヲムッコロス!』
視界が徐々に霞んでくる……
(私は、負けるのか……
 大切なあの人に追い付きたくて修行はしてきたつもりなのに、このざまか……)
さすがに諦めかけたよ。
だけど、千草の固まりに開けた穴から、ネックレスが見えたのさ。
確証はなかったが、ソレがアキラのものだという変な自信があった。
『………あぁ、そうだな………私は負けるわけにはいかないんだったな……』
漫画でよく見掛けるが、実際に強い想いは奇跡を呼ぶことを知ったよ。
『アイツは言ったんだ……アンミツを一緒に食べに行こうって……魔眼の持ち主でも銃のプロフェッショナルでもない私にだッ………』
ミニステルマギの真名としてでもスナイパー龍宮としてでもない、なんの取り柄もない女子中学生龍宮真名として、初めて誰かに必要とされたんだ。
『何万もの魔物を殺してきた私なんかに……』
そういえばあの人も最期に言ってたよ、普通の女の子として、龍宮真名自信を愛してくれる人を探せって……
『歩み寄ってくれたんだ……一緒に行こうって言ったんだ………こんなッ、こんな私にだぞッ………』
アキラへの想いが力となり、体中が熱くなった。
力がみなぎってきたよ。
32-730 名前:☆☆☆ダンシング 9/9[sage] 投稿日:2006/05/28(日) 03:06:02 ID:???
『私は負けないさ……ようやく欲しいものが見付かったんだ………アキラという居場所が!』
『ウソダ……ウソダドンドコドーン!』
私は新たな力を手にいれた。
足と足との間に生えた第三の銃(ザ・サードガン)が唸りをあげ、発射された弾丸が正確に相手の喉笛を……
「……待て、ちょっと待て」
「またか……今度は何だ?」
「こんなに無駄に容量使っておいて、ベタベタなサムい話かと思ったら百合棒オチか!?」
「それがどうかしたのか?ちなみにあまりよろしくない単語ってことで伏せ字(★★★)になってるが、この話のタイトルは百合棒ダンシングだぞ。戦場を舞う百合棒って意味で」
「正直お前にはガッカリだ」
ハァ、と溜め息をつくと刹那は登校の準備にかかり、ふと百合棒で思い出したあることを告げる。
「あぁそうだ。大河内さんを呼んでやる際の交換条件だが、このちゃんには絶対に手を出さないと誓え」
「……そんなのでいいのか?てっきりバカ高いものを奢らされるとばかり……」
「私はお嬢様が清らかなままいてくれるならそれだけで幸せなんだ」
「……食っていいのはお前だけってことか?」
「いや、私も手は出さないさ……淫らなことなど知らない無垢なままでいてほしいからな。
 だから絶ッッッ対に手を出すなよ」
「ふっ……愚問だな」
今まで刹那が見た中で一番美しい微笑みを称えながら、真名はフッと呟いた。
「もう食ったさ」
「…………………あ?」
「いやぁ、可愛かったぞ〜近衛の奴。舌使いはなかなかのものでな………」
「オンドゥルルラギッタンディスカーッ!」
よっぽど怒ってるのか、意味不明な言葉を叫びながら夕凪で斬りかかってきた。
百合棒と夕凪の激しいつばぜり合いの末、百合棒を突き刺された刹那が床に倒れ伏した。
「仕方がない、後で刹那は廊下にでも放置して、アキラは電話で呼び出すとするか」
刹那の中で悪魔の如く踊り狂う百合棒は、まだまだ衰える気配すらなかった。

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最終更新:2007年07月29日 02:26