アットウィキロゴ
23-837 名前:『SNS第1回リレーSS』第1話[sage(途中参加不可)] 投稿日:2006/01/23(月) 19:59:23 ID:???
超「ついに完成ネ!」
葉加瀬「できましたー」
超「これぞ科学の神髄を尽した魔性の宝薬ネ!」
密やかな謀りに満ちた笑みが、研究所を狂人の棲み家に変える。マッドサイエンティストらしい興味の暴走は倫理道徳を遥かに上回り、万人が驚異に魂を揺さぶられるだろう品をこの世に送り出した。
葉加瀬「誰で実験しますかー?」
超「もう考えてあるヨ」
超は邪悪な表情に顔を歪めると、紫の煙を吐き続ける液体の入ったフラスコを手に取り、机から持ち上げて眺めた。
わずかに容器を揺らしながらガラス越しに踊る水面を見つめる超は、まさに悪魔の申し子そのもの。
超「紙パックに包んだだけで、何の疑念も抱かずに試飲してくれる人がいるネ。彼女にしようかと思てるヨ」
葉加瀬「綾瀬夕映さんですかー?」
超「その通りネ。この"肉体性別転換薬"の効果を試すならば、那波サンあたりで実験してみたいところだが…あまり目立つと厄介なことになるネ」
葉加瀬「確かに綾瀬夕映さんなら変化が大きくなく、驚きつつも冷静に行動してくれそうですー」
超「面白いことになてきたネw」
葉加瀬「まずは効果有効期間を2時間に設定しておきますねー」
超「やはり、そのくらいが適当カ…、嗚呼、それとハカセ。もう一人、試してみたい人がいるネ」
葉加瀬「誰でしょうかー?」
超「桜咲サン、彼女の戸惑う姿も見てみたいヨ(本音:人外にも効くか試してみたいヨ)。桜咲サン用の薬は24時間有効に設定しておくネ」
葉加瀬「明日が楽しみですー」
超「クックックッ…」
深夜、研究所に悪魔二匹の笑い声が木霊した。

つづく>

24-139 名前:『SNS第1回リレーSS』第2話[sage] 投稿日:2006/01/28(土) 03:16:53 ID:???
前スレ>>837
翌朝─
まずは、『紙パックに包むだけで試飲してくれる』人に飲ませる手筈であった
そのために今、研究所と某所間で超と葉加瀬が通信をしている
葉加瀬「超さーん。聞こえてますかー?」
超 「バッチリ聞こえてるネ」
葉加瀬「えーと、朝までかけて算出した結果をもう一度読み返します」
超 「最終チェックネ」
葉加瀬「綾瀬さんが、今超さんが居る道を通るまで後19分24秒ですね」
超 「秒単位まで出すのには流石に苦労したネ」
葉加瀬「ですねー。それで、今超さんが居るところは綾瀬さんが珍ジュースを買っている自販機の一つが目の前に見えるはずですけど?」
超は軽く辺りを見回した。
簡素なつくりの屋根の下、自販機コーナーなのだろうか?自販機が数台置かれていた。が、一台だけ明らかに不自然な自販機があった。
超 「…妙なデザインの自販機が見えるヨ」
葉加瀬「あーたぶんそれです。予定通り細工して下さい。」
超 「任せるネ。」
超と葉加瀬の作戦は次のような作戦だった
1.超が自販機に薬を入れた紙パックを勝手に追加する。期間限定品などの装飾と細工も施す
2.夕映が着てジュースを買う。もしも別のジュースを買っても薬を買うまで『大当たり!もう一本』と当たり続ける。
3.その日のうちに必ず飲むはず
大まかな作戦だったが、計算上成功率はほぼ100%といっていい数値であった
超 「自販機ていうのはこの程度なのカ?ワタシたちの機械と比べればオモチャ見たいなものネ」
葉加瀬「そうみたいですね。予定より随分早く終わったようですけど、どうします?」
超 「そうネ。ちょっと、珍ジュースとやらを飲んでみたいヨ」
葉加瀬「超さんも物好きですねー」
超 「昔からゲテモノは美味いというのが相場ネ。つまり飲まず嫌いという可能性も考えられるヨ」
葉加瀬「その可能性は限りなくゼロだと思いますけど…」
超 「【抹茶オレンジ】、これにしてみるネ」
葉加瀬「過去のデータによれば、抹茶コーラは意外と一般人にもいけるそうですが。オレンジはどうなんでしょう?」
24-140 名前:『SNS第1回リレーSS』第2話[sage] 投稿日:2006/01/28(土) 03:18:15 ID:???
超 「マ、眠気覚ましにでもなれば十分ヨ(ゴクッ)」
葉加瀬「ついでにデータに残しておきますか。後で詳しい解説してくださーい。」
超は躊躇することなく腰に手を当て、良い姿勢で一気に飲み干した
葉加瀬「とりあえず大丈夫なんですかー?」
超 「……何と言うカ、とりあえず席をはずしてもいいカ?」
葉加瀬「それは無理ですー。もう後4~15秒後には来るはずですから。というかもう見えてませんか?」
超 「アイ、確かにターゲットを確認…。」
いくら天才でも味覚は一般人のそれと同じだった
そういう面から見れば夕映は天才を超えたとも言えるだろう
超 「キモチワル…」

 <続く>
24-326 名前:『SNS第1回リレーSS』第3話[sage] 投稿日:2006/01/31(火) 12:58:38 ID:???

139
いつも予想外の事は起こるもの、超が気持ち悪くて目を離した瞬間それは起こった
「よっし、勝ったー」
「嘘、ありえない・・・」
声にはっとなり超は顔を起こす、そこには円と美空がいた。
後ろから美砂と桜子が追い掛けてきて
「にゃはは、昼は美砂の食券でおごりー」
「あちゃー、美空ならガチだと思ったのに。桜子が賭けるとやっぱり駄目か・・・」
登校中に一緒になった美空とチア三人、成り行きで昼食を賭けたバトルで円と美空が対決する事になった。
陸上部の美空だが登校時はシスター服、ハンデだが円とならそれぐらいがいい
結果は流石の美空もシスター服の長い裾が仇になり敗北、さらに桜子の強運が味方していたせいで円の勝ちだった
(ま、マズイヨ・・・)
超は冷静に分析しようとするがジュースのせいでうまく頭が回らない、そして事件は起こった
「喉渇いたー、ジュース飲もうっと」
円はなんとあの自販機から抹茶コーラを買った、他の三人はドン引きする
「ちょっと円、よく飲めるね。夕映みたいだよ」
「うわー、あたしはパス」
「円ー、意外ー」
いろいろ言われてふくれっ面でボタンを押すと、抹茶コーラと共に当たりのサイン
「あ、当たりだ。丁度いいからおごったげる、よしこれ」
(アイヤー、押されたネ)
円はなんと仕込んだジュースのボタンを押した、そして出てきたジュースを美空に渡す
「な、なんで私なの」
「走って喉渇いてるでしょ、半分私も飲むから。うん、これはおいしい」
抹茶コーラを飲み干した円が缶を開け、半分飲んで美空に渡す
相手も半分飲んでいるし喉が渇いているから仕方が無い、おいしいの言葉もあって美空も飲む
すると・・・

24-327 名前:『SNS第1回リレーSS』第3話[sage] 投稿日:2006/01/31(火) 13:01:23 ID:???

326
二人に激しい変化が、顔つき、体型。見た目どころか完全に男になってしまった
桜子と美砂は呆然、そして当事者はさらに混乱
「円!、これなに?」
「美空だって、こっちが聞きたいわよ」
超は実験は成功だが想定外の出来事に素直には喜べず、葉加瀬に連絡を取る
『えー、ほんとうですかー。まずいですよー』
「珍ジュースを甘く見てたネ、とりあえず見張るヨ。そっちのほうはお願いネ」
『了解ですー』
さて、混乱であたふたする場所に本来のターゲットの夕映と図書館探検部のハルナとのどかが到着した
「なにあさから馬鹿騒ぎしてるですか」
「うおおおっ、女装の美少年。美砂の知り合い?」
「ひゃあああっ変態さん・・・」
好き勝手言われて美空と円は困惑からぶち切れモードに
『好きでこうなったんじゃなーい』と二人同時に叫んで怒涛のように先ほどの事件を話す
夕映はふむふむと話しを聞き
「これは私を狙っていたようですね、しかもかなり手が込んでいるです。こんな事をするのは・・・」
近くにある飲みかけの抹茶オレンジの缶を取り、超の隠れる茂みに投げ込む
すると鈍い音がして超が頭を摩りながら出てきた。
「ま、待つネ。すぐ効果は切れるネ」
「良くない!、円やっちゃおうよ」
「激しく同意」
美空と円を必死で止める美砂以下、夕映は超に近づき
「詰めが甘いです、この自販機で勝手飲む人は飲みきるのが礼儀です。自販機に細工と残したジュースと怪しい事件、超さんらしくも無いです」
「く、負けたネ。以後は気をつけるヨ、綾瀬サン」
だがこの状況は何とかしないといけない、だが効果は二時間、収まるまで待つしかない
仕方なく学校に超から連絡を入れ、待つことに。そこにハルナが妙な提案をする

24-328 名前:『SNS第1回リレーSS』第3話[sage] 投稿日:2006/01/31(火) 13:04:34 ID:???

327
「ねぇねぇ、せっかくなんだからさぁ。ちょっと遊ばない」
そしておもむろに学ランと整備用のツナギを取り出し着替えろと言う
その格好ではマズイとか言うがどう見ても企んでいる、そしてされを告げる
「まじで・・・、てかまずくない?」
「いいじゃない、美空はこういういたずら好きでしょ」
「ま、まぁ・・・」
そして・・・
学校に続く道沿いの公園のベンチ、学ランの円とツナギの美空が座っている。通学路でもあり生徒だけでなく先生たちも通る
そこに瀬流彦が通りかかる、視線を感じその方向を見て
(ハッ!)
熱い?視線を送る二人の少年、そして二人は胸元をはだけ同時に
「や ら な い か」
固まる瀬流彦、どこと無くもじもじして・・・・
「だ、駄目です。僕には新田先生がああああああーーー!」
と走り去ってしまった、隠れていたハルナ達は大爆笑
「あははは、やっぱこのパル様の読み通りっ」
「アホばっかです・・・」
複雑な心境の美空と円を尻目に騒いでいると効果が切れた

24-329 名前:『SNS第1回リレーSS』第3話[sage] 投稿日:2006/01/31(火) 13:05:51 ID:???

328
その時超に葉加瀬から連絡が入る、かなり緊迫していた。
『大変ですー、早く中和剤を・・・』
通信が途切れてただ事では無いと悟る超
「なにかあったようネ、失礼するヨ」
人外に使った際の効果もまさに予想外だった、それは研究所での異様な光景だった
「龍宮さん、その子を離してくださいー」
「嫌だ、かわいいこの子は私のものだ」
龍宮が抱いているのは犬耳の美少女、隣では生気が抜けたような小太郎がいる
「怖いえ真名はん」
ようやく超が到着、瞬時に状況を把握する
「分離したカ・・・」
「どうやら遺伝子の変換の際人外の因子が弾き出されるようですー、性格まで逆転してますよー」
「なんでコタローでやったネ」
葉加瀬は少し置いて
「一応桜咲さんには仕掛けましたけどちょっと試してみたくてですねー、龍宮さんにお願いしてみたんですよー」
「むむむ、先にすべきだたネ。でも効果切れで戻るハズヨ」
「それが戻らないんですよー、計算の結果両方に中和剤を投与、そして接触すれば戻るはずですー」
とにかく事態を収拾しなければ、まずは真名を説得しなければならなかった

24-389 名前:『SNS第1回リレーSS』第4話[sage] 投稿日:2006/02/01(水) 19:40:41 ID:???
「…龍宮サン、その子を離してもらえないカ?」
「断ると言っているだろう!?」
超が龍宮を諭そうとするものの、龍宮は一向に離す気配を見せなかった。
…いやむしろ、超と葉加瀬を敵視しているのかもしれない。
目がかなりマジになっているところを見ると、相当興奮しているようだ。
しかし、そんな時も超は冷静だった。
「いいのカ?その子もかなり怖がてるようネ。」
「え……」
超からの一言にハッとし、抱きかかえた♀小太郎を見る龍宮。
…『ウソから出たマコト』とはまさにこのことというべきか、龍宮を正気に戻すつもりで言った一言が、まさか本当になろうとは超も思わなかった。
「……悪いことは言わないネ。その子を離してもらえるカ?」
「………」
「クッ…」
超の真剣な顔と下からのぞく愛くるしい眼差しが、龍宮の心を動かしていた。
「……わかった…。」
そのダブル攻撃のおかげか、ついに龍宮は折れ、♀小太郎を離してくれた。

…異変は、ちょうどその時だった。

   バリィィィィン!!

研究室の壁が破られたと同時、煙の中から見えた小柄な影。
「な、何事ネ!?」
超が驚きで発した声に対して、煙の中から答えが返ってくる。
『黙れマッドサイエンティスト!!貴様など私が葬り去ってくれる!!』
声とともに、黒の衣装で身を包んだ二つの影。
「な……なんで…!?」

…現れたのは、全身黒ずくめの少女…。
「エ、エヴァンジェリンさん!?」
そう…『闇の福音』エヴァンジェリンが、鬼の形相で立っていた。
24-390 名前:『SNS第1回リレーSS』第4話[sage] 投稿日:2006/02/01(水) 19:41:38 ID:???

389
…………………………………
時は少々さかのぼり…麻帆良学園剣道部部室。
葉加瀬の行動理論上、刹那はこの時間、ここにいる可能性が高い。
「はっ!ふっ!やっ!!」
案の定、刹那は剣道の練習をしていた。無論、葉加瀬は刹那に特攻をかける。
「…こんにちは、桜咲さん。精が出ますね。」
「…ん。あぁ葉加瀬さん、こんなところでどうしましたか?」
「いえいえ、たまたま通ったので…あ、そうそう。」
と、わざとらしくハカセが例の薬を取り出す。無論、『抹茶コーラ』などでは飲んでくれないため、お茶のパックに詰めてある。
「これ、栄養たっぷりのお茶です。お疲れでしょうし、コレを飲んで頑張ってください。」
「ん、そうですか…ありがたくいただきます。」
刹那はにこっ、と笑ったが、何を思ったかいきなり慌て出す。
「…あ!もうこんな時間…!?
 は、葉加瀬さん、私は所用がありますのでこれで…。」
「そうですか、あまり無理をしないでくださいね〜?」
「お気遣い感謝します…では!」
と、刹那は走り去っていった。

…十分後。
「…あ、あれは…。」
刹那は、探していた相手の一人を見つける。
「…エヴァンジェリンさん!」
「ん…あぁ、刹那か。どうした?」
相手はエヴァンジェリンだった。そして、事の顛末を話す。
「…ふむ、それでどうしろと?」
「…できれば、この液体の分析を。彼女たちのこと、何が起こっても不思議ではありません…。」
そう、刹那はうすうすながらいやな予感をしていたのだった。
確かに彼女たちの手から渡されたもので、いいことが起きた試しはなかった。
…皮肉にも、今回も何かあるのでは、という猜疑心が刹那を救おうとは、本人も思っていないはずである。
「…なるほどな。わかった、引き受けようか…。」
意外なことに、エヴァはすぐに引き受けた。何か考えることでもあるのだろうか。

24-391 名前:『SNS第1回リレーSS』第4話[sage] 投稿日:2006/02/01(水) 19:42:35 ID:???

390
と、刹那の後ろからいきなり声が聞こえる。
「……せーっちゃん!!」
「うわぁぁぁぁぁ!?」
いきなり声をかけられ、刹那が軽く飛んだ。
「あはは、せっちゃん、ウチや。」
「お、お嬢様っ!!」
正体は木乃香だった。いつもの茶目っ気というヤツだろうか…。
「……あれ?」
と、刹那が手元を見ると、例のパックがなくなっていた。そのパックの行き先は……。
「…刹那、驚くのはいいが…周りに気を使えよ…?」
…怒りの形相をたたえたエヴァンジェリンが。
「あ、あはは…エヴァちゃんゴメンな…?」
汗ジトで謝る木乃香だったが…無論、エヴァは怒りをあらわにする。

「こ、近衛木乃香っ!!貴様私に恨みでも……!?」

と、怒りの途中でエヴァの言葉が止まる。
「エ、エヴァンジェリン…さん?」
「エヴァちゃん、どないしたん……?」
突然動かなくなったエヴァンジェリンを心配する木乃香&刹那だったが…。

   バフン!!

24-392 名前:『SNS第1回リレーSS』第4話[sage] 投稿日:2006/02/01(水) 19:43:07 ID:???

391
突然の爆発と煙。
「えほ……な、何やの〜!?」
「お嬢様…げほっ…大丈夫ですか!?」
完全に巻き込まれた二人は、煙が晴れているところまで出た。
「ど、どうなってるん、せっちゃん…?」
「わかりません…。」
心配がどんどん募っていったそのとき、煙から影が見えた…。
……………………

「……で、あのおとなしい坊主ができたカ?」
「そうだ、貴様らの薬と近衛木乃香のいたずらのせいでな……。」
つまり、刹那が驚いた際に薬が口の中に入ってしまい、反応が起きてしまったらしい。
無論のこと、エヴァは人外なので分裂が発生。
小太郎の例と同じく、性格が真逆になった♂エヴァが完成したというわけである。

「さぁ超にハカセ。この落とし前、どうしてくれるんだ……?」
怒気をはらんだ声がボロボロの研究所に響く。相当な怒りに違いない。
「…あっれ〜?研究所に穴があいてるよぉ?」
…さらにヤバいことに、もう一人の対象であるチア&図書館探検部&美空の七人が、騒ぎを聞きつけたらしい。
外から桜子の声が聞こえていた。
「むむむ……。」
超は追い詰められていた。
『麻帆良最強の頭脳コンビ』をもってしても、この問題への対処法は見つけ出せないようだった。

24-764 名前: 『SNS第1回リレーSS』第5話[sage] 投稿日:2006/02/09(木) 18:34:12 ID:???

392

結局超と葉加瀬は実験の関係者全員の前で自白する事となった。
「作ったのは性転換させる薬ヨ。最初は綾瀬サンとせつなサンが狙いだたネ。でもイレギュラーが起こりすぎて、
結果的には円サンと美空と、コタローとエヴァが実験台になったネ。円サンと美空は効果がもう切れてるけどネ」
「「じゃあ私が二人に分裂したのはどういう訳だ!」
エヴァ♀とエヴァ♂がステレオで怒鳴った。
「まぁエヴァもコタローも普通じゃないからネ」
超が一般人に分からないように理由を言う。エヴァもそれに気付いたのか、そこを追及するのは止めた。
「いいだろう、お前らの落とし前は後にしてやる。で、この状態は治るんだろうな?」
「それは簡単ですよー。この中和剤を飲んでから二人が接触すればいいんです」
葉加瀬が持っていた緑色の液体を差し出した。ちょっと、いやかなり、毒々しい。
「……これは猛毒と言って通用するレベルだぞ」
「大丈夫ですよー。ちゃんと間違えないように持ってきましたから」
かえって不安になるような台詞を聞き、エヴァは小太郎♂に薬を回した。
「犬、お前から飲め」
「えー、いややわ。死にたくないもん」
「今すぐ死ぬのとどっちがいい?」
「飲めばいいんやろ!」
涙を流しながら一気に呷る小太郎♂。同様に小太郎♀も薬を飲み、二人が手を繋いだ。

バフン!

爆発、そして煙。
全員が固唾を呑んで見守る中、煙が次第に晴れていった。
中から現れたのは、一人の小太郎。中和剤は成功だ。
エヴァは満足そうに頷き、
「よし、大丈夫そうだな。ハカセ、中和剤をよこせ」
「え?もうありませんけど」
「……なに?」
「中和剤はあの二つだけですよ。そもそも二人に試すつもりだったんですから」
「では、私の分は?」

24-765 名前: 『SNS第1回リレーSS』第5話[sage] 投稿日:2006/02/09(木) 18:35:25 ID:???

764

「ありませんねー」
固まるエヴァ。そして徐々に怒りのボルテージを上げていき、
「よっしゃ治ったー!エヴァさんもはよ飲まな!」
状況に気が付かない小太郎の台詞で爆発した。
「貴様、どうして先に飲んだ!?」
「な、なんやいきなり!そんなんエヴァさんが言ったからやん」
「言い訳するな!」
「言い訳じゃなくて事実やん!」
「まぁまぁ、落ち着いてよ」
小太郎に掴みかかっているエヴァの間に美空が入っていった。
「落ち着けだと?ふざけるな!貴様はもう効果が切れてるからそんな余裕があるんだ!」
辛辣な台詞でエヴァが迎える。それに対し美空は笑顔で言った。
「エヴァさん、私に任せてよ」
「何を任せろと言うんだ!」
「もちろん、その変な作用の中和をね」
そう告げると、美空は少しその場から距離を取った。
「皆忘れてるんじゃない?私は一応シスターなんだよ。聖職者ってのは大抵さ、治療が得意なの」
そしてシスター服の中から杖を取り出す。
「エヴァさん二人、近くに寄って。それじゃ行くよー」
美空は軽く杖を振り、そして呪文を唱えた。
杖から出た光が二人のエヴァを包み、そして元の姿へと戻していく。
光がなくなると、そこにはエヴァが一人残っていた。
「も……戻った、のか?」
エヴァが体を触り、何度も確かめる。見守っていたハルナが歓声を上げた。
「なんだかよく分からないけど、凄いぞ美空ちゃん!」
続いて桜子が、円が、超もエヴァも、そして皆がそれぞれ褒め称える。
「凄いぞー!」
「ねぇねぇ、あれどうやったの?」
「ムム、中々やるネ、美空」
「ふん、よくやったな。見直したぞ」

24-766 名前: 『SNS第1回リレーSS』第5話[sage] 投稿日:2006/02/09(木) 18:36:04 ID:???

765

「よーし、美空ちゃんを胴上げだー!」
誰かが提案し、胴上げが始まった。
「ばんざーい!ばんざーい!」
「凄いぞ美空ー!」
「み・そ・ら!」「み・そ・ら!」「み・そ・ら!」
「み・そ・ら!」「み・そ・ら!」
「み・そ・ら!」
「み――

「シスター美空!」
「はひゃい!?」
怒声が上がり、美空は姿勢を正した。
目の前ではシャークティーが仁王立ちしている。
「全く、教会で寝るとは何事ですか!」
「え?寝るって……あれ?」
美空が慌てて周りを見渡す。
外からの光を入れるステンドガラスに、聖母マリア像。見覚えのあるこの景色は、どう見てもいつもの教会だ。
と言う事は――ザ・夢オチ。
「な、なんですかそのオチは!そんなの有りですか!?」
「いきなり何を言ってるんです?」
シャークティが呆れるのも構わず、美空はその場に崩れ落ちた。
「夢だなんて……。そりゃ私は治療魔法なんて使えないし、チアの三人と特に仲良いわけでもないし、抹茶コーラ
は飲みたくないし、というか私が皆から褒められるなんてありえないか。あっはっは確かに夢だねこりゃ」
「……シスター美空、今日はもう帰って休みなさい」
遠くを見ながら半笑いしていたのがそんなに変だったのか、シャークティはやけに優しい声で言った。
その優しさに触れ、美空は頬に流れる物を感じた。涙を手で拭いながら、何処かにいるだろう神に訊ねてみる。
嗚呼、主よ。私はいつ本当に活躍できますか?
返事は来なかった。

end.

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2007年07月29日 02:30