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7-596

7-596 名前:ある夏休みの一日(1/11)[パル夕映] 投稿日:2005/08/19(金) 23:52:08 ID:O5Ls1QFt0
8月17日夜、早乙女ハルナ寮自室

「ん〜」
作業の手を止め、私は体を伸ばした。
「これなら珍しく余裕で上がるかな」
「夕映、のどか。今日はもういいよ。」
私は手伝ってくれた二人に今日の作業の終了を伝えた。
「うん。じゃあ私お風呂に行ってくるね」
「いつもありがとね、のどか」
のどかは用意を済ますと部屋を出て行った。
「あの……ハルナ」
「ん、夕映どうしたの?」
7-597 名前:ある夏休みの一日(2/11)[] 投稿日:2005/08/19(金) 23:52:40 ID:O5Ls1QFt0
「……明日の予定は空いてますでしょうか?」
夕映はどこか落ち着かない様子で尋ねてきた。
この進行状況なら明日一日くらい休んでも大丈夫かな。
「大丈夫だけど?」
「遊園地のチケットを貰ったのですが…行きませんか?」
そういいながら夕映は二枚のチケットを取り出した。
「それってつまりデート!?夕映から誘ってくれるなんて珍しいね。」
「それで……どうでしょうか?」
夕映が心配そうに尋ねてくる。
私の答えは当然、
「勿論行くよ!」
私がそう答えると夕映はほっとしたような表情をした。
「そうですか。よかったです。では明日……」

この8月18日はこれまでで最高の8月18日になるなんてことは、その時は考えてもなかった。
7-598 名前:ある夏休みの一日(3/11)[] 投稿日:2005/08/19(金) 23:53:16 ID:O5Ls1QFt0
8月18日10時半頃 遊園地前
「夕映まだかなー」
約束の時間の一時間も前に待ち合わせ場所に到着した私は夕映を待っていた。
「でもなんで現地集合なんだろ」
そんなことを考えていると、遠くの方から走ってくる夕映の姿を見つけた。
「ハァハァ……ごめんなさいです……少し遅れてしまいました……」
「いいから、息を落ち着けて」
「は、はい…………ん、もう大丈夫です」
「よし、それじゃ入ろう」
7-599 名前:ある夏休みの一日(4/11)[] 投稿日:2005/08/19(金) 23:53:54 ID:O5Ls1QFt0
さすがは夏休み。場内は家族連れやカップルで大賑わいだ。
女の子二人でこんなとこにいるなんて、やっぱり空しく見えるのかな?
「やっぱり遊園地に来たらジェットコースターよね!」
「う、いきなりですか……」
夕映は少し嫌そうな顔をした。
「夕映がいやなら別にいいよ?」
「いえ、今日はハルナの思う通りにいきましょう」
「そう……じゃあ乗りましょうか」

「う……これは……結構……」
ジェットコースターを降りた夕映はかなりのグロッキー状態だった。まさかここまで弱いと思わなかった。やめといた方がよかったかな?
「夕映大丈夫?」
「大丈夫…です」
そう言う夕映はまだ少し辛そうだ。
「んー、ちょっと早いけどお昼にしようか?」
「あ、はい。それなら作ってきましたのであちらの芝生で食べましょう」
7-600 名前:ある夏休みの一日(5/11)[] 投稿日:2005/08/19(金) 23:54:15 ID:O5Ls1QFt0

「どう…ですか?」
「ん。おいしいよ」
「よかったです」
私たちは芝生にシートを敷いて夕映の作ってきたお弁当を食べていた。
「それにしてもハルナ、いくら周りが騒いでいるからと言って下り坂であんな事を叫ばないでください…」
そうだ、私は…
「あんなこと?『夕映大好きー!』のこと?」
「な…い、言い直さなくてもいいです!」
夕映は私の言葉に真っ赤になる。
「ふふっ、夕映可愛いっ!」
私はつい夕映を抱き締める。
「わっ、周りの人がみてるです!」
7-601 名前:ある夏休みの一日(6/11)[] 投稿日:2005/08/19(金) 23:54:37 ID:O5Ls1QFt0
「グボァー」
「ひゃっ!」
今度は夕映が私に抱きついてくる。
「ほんっと、夕映って可愛い」
食事を終えた私たちは、また私の希望でお化け屋敷に入った。
「ぜ、全然恐くなんかないです…」
「プギャー!」
「ひゃあ!」

「じゃあ次はコーヒーカップ!」
「そ、それならゆったりできそうです…」

「あははははは」
「ひゃ、ひゃあー!は、ハルナ!速く回し過ぎで−−」

「ほんと…ハルナは手加減無しで困るです…」
「あはは、ごめんね夕映。でもあれに乗るとつい……ね?」

そうして私と夕映が遊園地デートを満喫していると、いつの間にか空には赤みが射していた。
「もうこんな時間…楽しい時間は過ぎるのが早い…か」
「ではハルナ。最後にあれに乗りませんか?」
そう言って夕映が指を指したのは…
「観覧車…か。そうだね。遊園地デートといえば締めはやっぱりそれだよね」
7-602 名前:ある夏休みの一日(7/11)[] 投稿日:2005/08/19(金) 23:55:08 ID:O5Ls1QFt0
ゴゥン……
「今日は楽しかったよ。ありがとう夕映」
「いえ、そんな。お礼なんて……」
「…………」
観覧車はゆっくりと頂上へと進んでいく。私は楽しかった今日一日を思い出して幸せな気分になっていた。
「……?」
ふと夕映を見ると、どこか落ち着かない様子でこちらを見ていた。
「どうしたの、夕映?」
「はっ…あ、いえ……」
「?」
何か…言おうとしているような……
「……ハルナ、今日は何の日かわかりますか?」
7-603 名前:ある夏休みの一日(8/11)[] 投稿日:2005/08/19(金) 23:56:13 ID:O5Ls1QFt0
「今日……?」
何の日だったっけ……?
「ふぅ…ハルナは自分の誕生日も忘れたのですか?」
「誕…生日?自分の……」
今日は……えっと、確か8月18日……
「そっか…そういえばそうだったね」
「そうです」
「最近原稿のこととか色々忙しくて忘れちゃってた。でもそっか。それじゃあ今日のことは?」
「はい。ハルナに喜んでもらうために企画しました」
夕映は少し照れていた。
「夕映……」
「あと…ハルナ、これを」
夕映は綺麗にラッピングされた小さな箱を差し出してきた。
「これは……」
「誕生日プレゼントです。今日はこれを買っていて少し遅れてしまいました……」
「あけてもいい?」
私は夕映から箱を受け取り、尋ねた。
「もちろんです」
7-604 名前:ある夏休みの一日(9/10)[] 投稿日:2005/08/19(金) 23:56:56 ID:O5Ls1QFt0
「なんだろう…」
私はドキドキしながら包装を解き、箱を開けた。
「安物ですし、気に入っていただけるかわかりませんが……」
そこには本をかたどった飾りの付いたペンダントが二つ入っていた。
「二つ?」
「はい。一つはハルナの……そしてもう一つは私のです」
夕映はペンダントを一つ取ると、それを自分の首にかけた。
「お揃いのペンダント……!」
「///……」

「……ねぇ、夕映」
「?…なんでしょうか?」
「これ、私にかけて」「え!?」
「お願い」
「は…はい……」
夕映は私の手からペンダントを受け取ると、照れながら私の首にかけた。
「誕生日おめでとうです、ハルナ」
「夕映……ありがとう」
「いえ…あの……大切な人の誕生日ですから……」
夕映は顔を真っ赤にしながら言う。
「もう…夕映ってばホントに可愛いんだからっ!」
私は夕映をおもいっきり抱き締めた。
「ちょっ、ちょっとハルナ!離してください!」
「だーめ」
「もう…ハルナは……」
7-605 名前:ある夏休みの一日(10/10)[] 投稿日:2005/08/19(金) 23:58:04 ID:O5Ls1QFt0
心地よい沈黙。もうすぐ私たちのゴンドラは頂上だ。
「ハルナ……」
「ん、なに?」
「あの……もう一つプレゼントがあるです……」
「もう一つ?」
「はい……それは……」
夕映の様子はさっきより落ち着かない。
一体これ以上なにをくれるというのだろうか?
「……ではいきます……」
夕映は覚悟を決めたように真っ直ぐこちらを見つめてきた。
「えいっ!」
「!?」
それはちょうど頂上。私と夕映の唇が触れ合った。
「……これがもう一つのプレゼントです……どうしましたか、ハル−−わっ!」
私はあんまりにも夕映が可愛くて、もう一度夕映を強く抱き締めた。
「夕映からキスしてくれるなんて!ホント、最高のプレゼントだよ!」
「こ、こんなことするのは今日だけです!」
「もー我慢出来ない!」
「わっ!ハルナ、こんなところで!や、やめるです!」


私の大切な大切な夕映。夕映のおかげで今日は最高の誕生日になったよ。
何もしてくれなくても夕映が傍にいてくれるだけで幸せ。
夕映大好き!愛してるよ!!

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最終更新:2007年11月09日 12:31