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20-627 名前:アキラ 真名と呼んでもいい?[sage] 投稿日:2005/11/29(火) 19:31:43 ID:???
アキラ 真名と呼んでもいい?


1/10
最近、日の落ちるのが早くなってきた。秋も深まり、冬が近づいているのがわかる
もう時間は夕方、あたりは暗くなり、凍えるような雨が降っていた
私は家路を急ぐ、もうすぐこのあたりは暗くなってしまうであろう
そんな時

アキラ 「あれは・・」
誰かが道端にかがみこんでいた。この冷たい雨の降る中、その人は傘も差さずにいた
体調でも悪くなったのかと思い、私はその人に近づいてみる
近づいてみると、その人物には見覚えがあった
長く艶やかな黒髪、少し浅黒い肌、そして悲しそうな瞳。龍宮さんだった
アキラ 「大丈夫、お腹でも痛い?」
私はそう言ってしゃがんでいる龍宮さんを覗き込んだ
アキラ 「ヒッ!」
龍宮さんはその手にぐちゃぐちゃの血にまみれた肉の塊を抱えている
真名 「・・・」
アキラ 「た、龍宮さん・・何・・それ・・」
真名 「・・・仔犬の死骸だ・・見ないほうがいい」
悲しそうに、龍宮さんは冷たい雨の中でつぶやいた
20-628 名前:アキラ 真名と呼んでもいい?[sage] 投稿日:2005/11/29(火) 19:32:24 ID:???
2/10
ここは先ほどの道の近くの公園、私たちはそこにいた
大きな樹の根元、龍宮さんはそこに素手で穴を掘り始める
私はそんな龍宮さんが濡れないように傘で覆った

真名 「もうすぐ暗くなる、帰ったほうがいい」
私はそんなことを言う龍宮さんに少し悲しさを覚える
アキラ 「ダメ、このままじゃ龍宮さん風邪をひく。それに・・この仔の埋葬、私も手伝いたい」
私は足元に置かれた小さな白い布の包みを見る
おそらくは車に轢かれた先ほどの子犬の死骸を包んだものだ
真名 「気持ち悪くは無いのか?」
アキラ 「今はかわいそう、その気持ちしかない・・」
真名 「そうか・・」
再び龍宮さんは穴を掘り始める。私も手伝おうとしたが龍宮さんに静止された
真名 「その仔を雨に濡れないようにしていてくれ」
それだけ言って龍宮さんは埋葬の準備を進める。私はその白い包みを持ち上げると濡れないように胸に抱いた
そして龍宮さんも濡れないように傘を差す

それからしばらくして埋葬が終わり、私たちは手を合わせて子犬の冥福を祈った
20-629 名前:アキラ 真名と呼んでもいい?[sage] 投稿日:2005/11/29(火) 19:32:56 ID:???
3/10
真名 「随分と暗くなってしまったな・・送っていこう」
アキラ 「うん・・有難う。一緒に帰ろう・・」
私は持っていた傘を二人が濡れないように持つ。しかし、龍宮さんの背が高いせいか、随分と上で持たなければいけなかった
真名 「ハハ・・傘は私が持とう」
そう言って龍宮さんは私の傘を持つと二人の間に差した。ううん、少し私のほうに向けて差してくれた

完全に暗くなってしまった道を私たちは歩く
アキラ 「なんて名前だったんだろう・・」
真名 「あの仔犬か?首輪は無かった、おそらく名前は無いだろう」
アキラ 「そう・・か。あ・・」
私の腕と龍宮さんの腕が触れる。一瞬だけだったがとても暖かかった
思わず私は龍宮さんを見てしまう。顔を見つめようとしたら、ふと傘を持つ手が視界に飛び込んできた
アキラ 「その手、血が出ている・・」
真名 「さっき素手で掘ってしまったからな」
アキラ 「待ってて、今ハンカチ出すから」
真名 「そんなに大げさにしなくていいさ、それにハンカチで覆ったら傘が持ちにくい」
アキラ 「私が持つから・・ホラ、手を出して・・」
結構な血が龍宮さんの指から流れていた
私はその血をそっとハンカチでふき取ると、残りのきれいな部分で龍宮さんの指を包んだ
20-630 名前:アキラ 真名と呼んでもいい?[sage] 投稿日:2005/11/29(火) 19:34:21 ID:???
4/10
真名 「なぁ、ここからなら私の実家のほうが近い。今日は私の家に泊まっていくといい」
アキラ 「でも、お邪魔になる・・」
真名 「そんなことは無いさ。知ってのとおり私の実家は神社だ。広いし部屋数もある、遠慮する事は無い」
アキラ 「いいの・・?」
真名 「すぐ近くだ。風邪をひかれたら困るしな」
アキラ 「わかった」
しばらくして龍宮神社が見えてくる。ぼんやりとした灯篭の明かりが私たちを出迎えてくれた


真名 「どうしたんだ?濡れたままでは風邪を引くだろう?」
龍宮さんが服を脱ぎながら私にこう言った
アキラ 「でも・・」
真名 「女同士なんだ、風呂ぐらいどうってことないだろう。修学旅行では一緒に入ったではないか」
龍宮さんは一糸纏わぬ姿になる。均整の取れたプロポーション。なんと言ったらいいのだろう・・まったく無駄が無い
大きな胸、引き締まった腰、長い手足、鍛えられた筋肉。黒豹、そう表現するのがいいかな

龍宮さんが浴室のドアを開け中へと入っていった。中の湯気が一気に脱衣場に入ってくる
ほのかに香る檜の匂い。ちらりと見えた中には木で出来た浴槽が見えた
私はタオルで少し体を隠しながらそっとドアを開ける

テレビの温泉でしか見たことの無いような綺麗な木の浴槽がそこにはあった
アキラ 「うわ・・すごい・・」
ばしゃーん、と水音が聞こえてくる
龍宮さんが浴槽の側でお湯を体にかけていた。入浴前のマナーだ
アキラ 「すごいね、20人くらい入れそう」
龍宮 「そうだな、実際この家にはそんなに人はいないんだがな。体が冷えるといけない、早く入ったらどうだ?」
私は黙って頷き、お湯を肩から浴びて浴槽に足から入った
少し熱めのお湯が私の足から染み込んでくる。冷えた体にはとてもそれが気持ちよかった
20-631 名前:アキラ 真名と呼んでもいい?[sage] 投稿日:2005/11/29(火) 19:35:42 ID:???
5/10
アキラ 「ふう・・」
真名 「気持ちよさそうだな、風呂は好きか?」
アキラ 「お風呂というよりも水に浸かるのが好き、だからプールとかも好き」
真名 「そういえば水泳部だったな。何でもエースとか」
アキラ 「泳ぐのが好きなだけだよ。そう言う龍宮さんはバイアスロン部だったっけ?」
真名 「ああ」
アキラ 「バイアスロンって泳ぐ?」
真名 「それはトライアスロンだ。バイアスロンはスキーと射撃だ」
アキラ 「そっか、泳ぐんなら今度競争しようと思ったんだけど」
真名 「やめておくよ。勝てそうにも無いからな・・」
アキラ 「ふふ・・」
ぴちょーん、天井から落ちた雫が私たちの間に落ちる。雫は湯船に小さな波紋を作りすぐに消えた
ゆっくりとした時間が過ぎていく。こういう時間、私は好きだ


真名 「どうした?私の胸ばかり見て」
アキラ 「大きくていいなと思って・・」
真名 「3cmぐらいしか変わらないだろう。身長は10cmちかく差があるのだぞ。おそらく身長比ならキミの方が大きい」
アキラ 「・・」
真名 「触ってみるか?」
アキラ 「いいの?」
真名 「減るものじゃないしな、別にかまわんぞ」
アキラ 「じゃあ・・」
私は浴槽の中を移動して龍宮さんに近づく
やっぱり龍宮さんの胸は大きい、少し手に余るくらいの大きさだ
少し遠慮がちに触ったが、私はあることを思い出してそれを実行した
20-632 名前:アキラ 真名と呼んでもいい?[sage] 投稿日:2005/11/29(火) 19:36:46 ID:???
6/10
アキラ 「たゆ・・たゆ・・」
私は自分の手で龍宮さんの胸を軽く包み、上下に揺らした
真名 「な、何をやっているんだ?」
龍宮さんは少し呆れたような顔になり、私のことを見る
アキラ 「最近、亜子が人の胸でこうやって遊ぶの。面白いのかなと思って」
真名 「面白かったか?」
アキラ 「少し・・」
真名 「では、私もしてみよう。ちょっと胸を貸してもらうぞ」
アキラ 「え?」
龍宮さんは私の後ろにすばやく回りこむと、背後から両手で胸をも揉みしだきはじめた
真名 「たゆ・・たゆ・・だったな」
アキラ 「あ、あの・・そんな風に・・」
真名 「ん、気持ちよくなったか?」
アキラ 「そ、そんなんじゃ・・あっ!」
龍宮さんの指が私の乳首に触れる。思わずその感触が気持ちよくて、声をあげてしまった
アキラ 「た、龍宮さん。そんなに触っちゃダメ・・それに指、怪我してる・・」
真名 「そうだったな、いや、すまない。結構面白かったものでな」
やっと龍宮さんは私を開放してくれた。でも、本当に私は開放されたかったのかな・・
20-633 名前:アキラ 真名と呼んでもいい?[sage] 投稿日:2005/11/29(火) 19:38:08 ID:???
7/10
真名 「ここで寝るといい。何も無い部屋だが・・」
お風呂から上がり、厚めの浴衣に着替えた私はある部屋に通された
そこは確かに何も無い部屋であった。ただ、布団があり、壁にはエアコンがついているだけの部屋であった
真名 「隣りは私の部屋だ。あと、もうじき食事だ。それまでくつろいでいてくれ」
そう言って龍宮さんは出て行く。後に残された私はなぜかその部屋の匂いをかいでいた
龍宮さんの匂いをかげるような気がしたから


しばらくして私はキッチンに通された。誰が作ったのかはわからないが二人分の料理が用意してある
食事中、私は龍宮さんに家族の事を聞こうとしたがなぜか聞けなかった
こういう場合、普通は家族の人といっしょに食事をするだろう。だが、それがない場合は何か事情がある
私はそんなことを考えてしまい、龍宮さんにそのことは聞けなかった
そして、無言のまま食事を終える事となった


真名 「それではゆっくりと休んでくれ・・」
それだけ言って龍宮さんは自分の部屋に入っていった
私はその姿を見送りながら、隣りの部屋に入る。少し残念に思った。もうすこしおしゃべりしたかったな

部屋に入った私は少し暑いことに気がついた
それでもエアコンの温度は24度。そんなに暑く感じる温度ではないはずだけど
それを不思議に思いながらも私は布団の中に入った
20-634 名前:アキラ 真名と呼んでもいい?[sage] 投稿日:2005/11/29(火) 19:39:35 ID:???
8/10
なんだか眠れない
枕が代わったせいかな・・それにしても体が熱い
私の手足は布団の冷たい部分を探して動く。布団の端のほうはひんやりとしていて火照った体にとても気持ちいい
そうやって冷えた場所を探しているうちに何度も寝返りを打ってしまった
もそ・・もそ・・
そんな音が部屋の静寂を破る
私は再び寝返りを打つ。どうしても眠れない。そんなことを考えながら隣りの部屋との襖を見ていた

真名 「眠れないのか?」
突然隣りの部屋から龍宮さんの声が聞こえてきた
アキラ 「あ・・うるさかった?」
真名 「いや、そうではない。なあ、そっちにいっていいか?」
何故だろうか、鼓動が早くなってきた。別に・・男の人を部屋に入れるわけでもないのに・・
アキラ 「うん、ちょっとお話したいな・・」
シューッ
静かな音を立てて襖が開き、二つの世界が繋がった

浴衣姿の龍宮さんが闇の中に浮かぶ
障子戸から差し込む月の光は龍宮さんをいっそう神秘的に映し出した
真名 「私もなんだか眠れなくてな」
アキラ 「私も・・熱いのかな。部屋はそんなに暑くはないんだけれども」
真名 「私も少し体が熱い気がする。キミが隣りで寝ていると思ったら・・」
アキラ 「え?」
ドキリ、とした。龍宮さんが何を言っているのかよくわからなかった
アキラ 「あ、う、うるさかったかな。ゴメンね」
真名 「そうではない、隣りで気になる人が寝ているんだ。眠れなくなるさ」
20-635 名前:アキラ 真名と呼んでもいい?[sage] 投稿日:2005/11/29(火) 19:40:44 ID:???
9/10
自分の鼓動が聞こえてきた。ドクドクドク、とだんだんと早くなったいるのがわかる
顔も熱い、おそらくは真っ赤になっているだろう。恥ずかしさ?それとも・・
アキラ 「じょ、冗談・・だよね?」
真名 「酷いな、これでも心のままに伝えたつもりなんだが」
アキラ 「・・・」
真名 「キミは違うのかい?少し自分の心を見つめてみるといい、今、自分が何を考えていたかを」
そういわれて私は気がつく。さっきなんで龍宮さんの部屋のほうを見つめていたのかを
もっと知りたい、そう思ってたのかもしれない。おそらくは好きの一歩手前、だから龍宮さんの部屋を見つめていたのだと

アキラ 「いきなりそんなことを言われても」
真名 「キミにはゆっくりと私を知ってもらいたい。そう思って今声をかけてみた」
アキラ 「お話したい・・な」
真名 「では、そっちへいっていいか?キミのそばにいたい」
アキラ 「うん・・」


龍宮さんが私の布団に入ってくる。二人で並んで横になると、どちらも話さなくなってしまった
私も龍宮さんもどちらかと言えば寡黙なほうだし、何を話していいかわからなかった
だから私はしばらく天井を見ていた。直接、顔を見るのが恥ずかしかったからだ
沈黙に耐えられなくなったのだろうか、龍宮さんがくすくす笑い始めた
真名 「話をしようといったのにな・・何も喋れないとは・・なぁ、アキラって呼んでいいか?」
この一言が私を溶かしてくれた。私は顔を赤くして龍宮さんのほうを見る
アキラ 「うん、私も真名って呼んでいい?」
真名 「そうしてくれ、アキラ」
20-636 名前:アキラ 真名と呼んでもいい?[sage] 投稿日:2005/11/29(火) 19:42:34 ID:???
10/10
それからはいろいろと布団の中で話した
好きな食べ物、好きな動物。嫌いな奴に嫌いな科目
知れば知るほど龍宮さんが好きになっていった
今までのイメージが崩れ、新しい龍宮さん、いや真名が私の中で生まれた
クールで格好良くて頼れて、それでいてちょっぴりお茶目な同い年の少女
少女にしてはちょっと大きいかな、まぁ私も大きいんだけれども

どのくらいお話していたかわからない
気がつけば真名は寝息を立てていた
寝顔も素敵だな、そんなこと思い、私も眠りにつこうとした
だけど眠る前にあることを思いついた
私はそっと真名の腕を抱きしめ、寄り添うようにくっつく
真名の腕はとても暖かかった
先ほどまで私の体は熱くて火照っていたはずなのに、この温かさが気持ちいい
私は真名の暖かさを感じたとたん、強烈な睡魔に襲われた
真名の腕を抱きしめながら私は眠りにつく
良い夢を・・見れるといいな・・

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最終更新:2007年07月29日 02:31