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104 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/09/24(土) 23:24:17 ID:b36l9jXwO
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贄のバングル
妖しい黒衣の男がやっていた露店で、釘宮円は妖しいバングルを買った
円はバングルを鞄に大事に仕舞い帰途に就いた
寮迄の道程がとてつもなく永く感じる
それほど迄に魅了されていた
「おっかえりー何かいい物あった?」
「一緒に行きたかったな」
ルームメイト兼チアリーダー仲間の桜子と美砂が忙しく収穫を聞く
「うーん、いいの無かった。ああ疲れた」
そう言ってベッドに飛び込みあくびをする円、二人にもバングルは内緒にした。そして夜
ルームメイトの二人が寝入るのを確認すると円はバングルを取り出す、窓の月明りに照らすと妖しい輝きが円を魅了する
そして円はバングルを右手首に装着した
一瞬バングルが輝き、誂えたかのようにピッタリと納まった
「うん、やっぱ最高って…あれ?」
外れない
どんなに力を込めても回りすらしない、むしろ苦痛が走る
「どうしたの、円」
「クギミー…うるさいよぅ」
二人が円の声に起きて来た、魅了から醒めたのか円は状況に半泣きで外れないバングルを押さえていた
落ち着いた円から二人は、話を聞いた
エヴァに聞いたら解るかもと美砂が提案しエヴァ邸に
迷惑な来客にエヴァは笑い、答えた
「そいつは狂信者の贄の証だ、哀れだな」
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180 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/09/25(日) 23:14:33 ID:MMcg7mR+O
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殺戮神父
エヴァはニヤリと笑い
「すぐにやって来るさ、贄の命を採る者が」
円はぞっとして美砂に抱き付く、美砂は震える肩を抱く
「エヴァちゃん!円を助けてよ」
桜子が食ってかかるがエヴァは関係無いとばかりに、言う
「何か勘違いしていないか?」
「えっ…」
「私がお前達の自業自得に何故付き合う義理は無い、帰れ!」
エヴァに追い出された三人、泣く円をなだめつつ帰途に
「申し訳ありません」
聞いた事のある声で振り向くと茶々丸がいた
「マスターより伝言です、『教会』には教会との事です。では」
三人は訳が解らなかった、その時である
声が聞こえる、声の方向には神父が異国の言葉で聖書を詠んでいる、妖しい気が伝わる
「捜しましたよ神への贄よ」
神父は朗読を止め聖書を仕舞い替わりに両手にダガーを持つ
「怖がる事は無い、その腕輪に魅入られた事は神に選ばれた証!」
神父が三人、特に円を狙い遅い掛かる、美砂が庇い腕を斬られる
「あう…」
「美砂!」
円が美砂を心配していると神父が迫る、桜子は神父の足元に倒れている
円は美砂を抱え、目を閉じる
その時円達の前に一人のシスターが割って入った
「間に合った!」
「春日さん?」
円はそのシスターを見上げた
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256 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/09/26(月) 23:44:39 ID:u+dKRs2rO
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敵の敵
「これは面白い、見習いが私の相手とは」
「やってみますか?」
美空はニヤリと笑う、神父は一気に飛び込み美空を葬ろうとする
丁度神父が美空にダガーを繰り出す瞬間、二人の間にレイピアが矢のように突き刺さる
神父が飛んで来た方向を見る、街灯の上に一人のシスターが月明りに照らされていた
「そこまでです!アンデルセン」
シスター・シャクティが現れ神父の名を呼ぶ
「ククク…仕方ありませんいずれまた」
神父は闇に溶けるように消えた
ほっとした円は抱き抱える美砂を心配する
「釘宮さん、大丈夫?」
美空がやってきて美砂の応急処置をする、そして教会に案内された
円、美砂、桜子は教会の居間でホットミルクを貰い一息ついた、次第に緊張が疲れに変わる
「厄介な連中に狙われた物ね」
シャクティは円のバングルを触りながら言う
円は聞く
「これは外せないの?」
さっきの事を思い出したのか円の目は潤んでいる
「釘宮さん…ゴメン」
美空はそう言うと共に、エヴァの連絡で先輩達と助けに来た事を告げた
「それで間一髪間に合ったって訳なんだ」
円は茶々丸のエヴァからの伝言を思い出した
「敵の敵は味方って訳ね」
円はエヴァに苛立ったが同時に複雑だが感謝した
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306 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/09/27(火) 23:07:37 ID:dyYxY0SyO
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友情と決意
「敵、結界から逃走。ロストしました」
「遅すぎた…足止めに架からなかったか」
エヴァは茶々丸の報告に舌打ちする
結界の強化に失敗したのだ。無論円達を襲った敵の逃走を防ぐ結界だ
一方その頃教会では、美空の部屋で円ら三人はくつろいで居た
シャクティの保護を兼ねての心遣いだ
それぞれ部屋が与えられたが、寝付けずに美空の部屋に集まったのだ
「なーんか、信じられないなぁ」
「でもこうなったのは事実だしね…痛っ!」
「美砂、あたしのせいで…ごめん」
一番責任を感じて居たのは円だった
美空が円に語り掛ける
「釘宮さん、仲間を傷つけたけどまだ生きてる、苦しむ事は無いよ」
「でも友達じゃ居られないよ」
いきなり桜子が円の頬を打つ
「クギミーの馬鹿!あたし達は一緒にチアやりながら頑張って来た仲間、友達じゃない。じゃなかったら美砂は庇ったりしないよ!」
「そうだよ、円」
「桜子、美砂…」
円は危ない目に遭わせた自分を許す仲間に涙した
「さあ、もう寝ましょう明日辛いよ」
美空が微笑みながら言う、三人は美空の部屋で手を取り合って眠った
円はある決意をした
「らしくないけど、戦おう仲間の為に」
翌朝、枕元にあの時のレイピアが置かれていた
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373 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/09/28(水) 23:10:01 ID:iJD6gRS9O
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護衛
朝になりネギが教会に飛んで来た、朝一番で美空が伝えたのだ
「皆さん、大変でしたね」
何故かカレーの朝食を取る三人はまだ疲れているようだった、ただ円だけは何かを決意した目をしていた
「ネギ先生」
「釘宮さんどうしました?」
「あたし、これ以上美砂や桜子を危険に晒したくない。あいつらと…戦うよ」
そう言って枕元に置かれていたレイピアを手にする
「く、釘宮さん?」
ネギは慌ててレイピアを取り上げる
美砂と桜子も突然の事に驚く
「これが外れないならずっと狙われる、あたしは嫌だから…だから」
「落ち着いて、釘宮さん。きっと手はあります、馬鹿な事はしないで下さい」
ネギの言葉は子供とは思えないほどしっかりとしていた、円も黙るしか無かった
「護衛を付けるのはいかがでしょう」
シャークティが提案する、さらにレイピアを置いたシスターは別の意味で置いたとなだめる
ちなみにそのシスターは大量の手作りカレーを遺して任務に旅立った後だった
「護衛ですか?そうだ龍宮さんに!」
ネギは早速連絡を取る
だが龍宮は昨日の件で学園長から依頼を受けていた
円はいらつき美砂と桜子は不安顔、その時
「拙者が賜るでござる」
長瀬楓がいつもの笑顔で立っていた
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453 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/09/29(木) 23:26:52 ID:vXc7LvNhO
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楓と円
狂信者の支部
アンデルセンは叱責を受けていた、それをにやけて見る若い神父がいた
「何をにやけている」
支部の幹部が睨む
「その贄、私にお任せを」「ほう」
(新参の若造がっ!)
アンデルセンは悔しいがすでに別任務が宛われていた
「よし、その方に任せる。主の復活には選ばれし魂がいるのだ」
一方、円達は長瀬楓が護衛に付くと名乗りを挙げていた
「長瀬さんが…ですか?」
「龍宮殿が動けぬ今、拙者が適任だと思うでござるが」
確かに楓以外適任は居ない
ネギが決断し楓に申し入れる前に
「わかった、長瀬さんお願い」
「釘宮殿、お任せあれ」
楓も本人の答えに頭を下げる。ネギ達は語る隙も無く話が決まった
「さて、釘宮殿当分身を隠すでござる、挨拶を」
「暫く会えないけど、必ず戻るから」
「馬鹿、縁起でもない」
「きっとネギ君達がなんとかしてくれるよ」
「では、参ろうか」
楓と円は居なくなった、皆不安げだ
「大変、ネギ君剣が!」
「釘宮さん!まさか長瀬さん?」
寮で荷物を纏めた円に楓が微笑み
「釘宮殿、これを」
円はレイピアを受け取り抱き絞めた決意と共に
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513 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/09/30(金) 22:48:38 ID:J2nVx7Z8O
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心に剣を
楓と円はそのまま山に入った。相当深い山中にチアリーディングで鍛えた円でもキツい、楓は円の荷物を担ぎひょいひょい登る
「釘宮殿、大丈夫でござるか?」
「大丈夫!」
円は空元気で笑顔を返す。楓は微笑み先を急いだ、暫くして開けた土地に出る。
農家跡があった
そこは楓のみの山篭もりの場所、いつもの場所より更に奥にある。
「さてと、ここで潜むでござる」
楓は家の戸を開け入って行く。円も続いて入り驚く
楓により外観は古い農家だが、中はしっかり住めるようになっていた
「凄いね、みんな長瀬さんが?」
「そうでござる」
楓はいつもの態度、マイペースに円も苦笑い
楓が掃除等を始めたので円も慌てて手伝う。その後夕食の準備で川に山にと走り回る事になった
「疲れたよぉ」
囲炉裏で鍋が煮えている、周りには焼き魚
「まだまだでござるな」
楓が椀に鍋の煮物を掬う。中身は山菜と芋、味付けは楓がここで作った味噌
円は一気に食べる。疲れが味を引き立てる、焼き魚も旨い
その後風呂になった
初めての五右衛門風呂で体を癒す円に外から楓は聞く
「本気でござるか?」
「うん、決めたから」
「あい解った、大事なのは心に剣でござる」
「うん、折れない剣を心に…」
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607 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/10/01(土) 23:40:22 ID:CxSYEP4qO
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戦うと言う事
翌日から円の修行が始まった、まずは朝飯までに山中のコースを走る
衣服はすぐに汗塗れになる
朝飯の支度が終わった楓が合流する
「大丈夫でござるか?」
「はあ…はあ…まだまだ!」
歩きながら円は進む、楓はそんな円を止め朝飯に
芋鍋しかない朝飯、円はそれにをがつがつと食べる。
(なかなかの素材でござるが…)
楓は一抹の不安を覚えた
朝飯の後は武器の扱い、体術。基本の知識から応用まできっちり教え、後は実習
体が痣だらけになりつつも円は楓に付いて行くその姿に、楓の予想は的中した
その夜
「明日が大変でござる故少し自身に合わせてはいかがか」
「でも、自分が強くなきゃ自分も他人も護れない」
「その前に釘宮殿が潰れてはいかんでござる。釘宮殿はその生真面目さが戦いに命取りでござる」
円は楓の真面目な面持ちに、ただの意見とは違うと悟る
「拙者の同輩で釘宮殿と同じく生真面目さを持つ者がござった」
懐かし気に楓は語る
「その人は」
「傷ついた拙者を逃がし…」
楓は悲しげだった
「生きる為に戦うと言う事は、非情の覚悟が必要と言う事でござる」
円はチア三人での写真を取り出し見つめる
「美砂、桜子…あたし…」
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640 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/10/02(日) 10:12:47 ID:6Oi5/BWIO
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円の成長
「なるほど、長瀬ならやりかねん」
龍宮は腕組みをして椅子に背中を預ける
「そんな悠長な、釘宮さんはやる気です」
ネギは龍宮に意見するがフッと笑う、学園長の警備強化の仕事で最近忙しいが疲れは見えない
「釘宮が決めた事だ、そして長瀬はそれに応えた、どうにもならん」
彼女のもっともな意見に捜す宛ても無いネギは心配だった
一方、円は確実に成長していた
「楓さん、今夜はご馳走だよ」
円は侵入者用の罠に猪が掛かった事を告げる
「ほう、凄いでござるな」
楓は正直音を上げると思っていた、だが予想に反して円はまだまだ未熟ながら成長していた
前の忠告を受け入れたかは知らない、だが教える側としては悪い気はしない
「よし、捌いて来るでござる」
楓は猪の場所へ、円は調理の準備を始めた
楓が捌いた猪肉と米等を持って帰って来た、必要な分だけ取り後は町で売ったらしい
「すごい!今日はあたしに任せてよ」
米を楓に任せて円は台所へ、何を作るのか楓は不安だがとりあえず飯を炊く
そして夕飯
「はい、釘宮特製まつ屋風猪丼」
「そう言えば円殿はまつ屋が好きでごさったな、ははっ」
「もしこれが取れたら皆で行こうよ!」
「あいあい」
楓は複雑ながら微笑むんだ
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674 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/10/02(日) 22:21:51 ID:6Oi5/BWIO
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消えぬ絆
まほらチアリーディング部
円が居なくても練習はいつも通り行われていた
美砂と桜子も練習は欠かさない、円が居なくとも頑張ると決めたのだ
「円、大丈夫かなぁ」
「それは言わない約束でしょ、それに長瀬さんも付いてるし」
「うん」
桜子は美砂の言葉に頷きペットボトルの水を含む、冷たさが気持ちいい
「円頑張ってるんだろうな。頑固で真面目なとこあるから」
「言えてるー、でもそこが円のいい所なんだよね」
「あたしたちのチームってすぐ突っ走るから、円が止め役なんだよね」
否定出来ない事実に苦笑いする二人、円を想い普段の練習以外にチームの練習を欠かさない
いつか三人でチアリーディング出来る日の為に
それは円も同じだった
楓が風呂を終え円を呼ぶが返事が無い、捜しに出ると声が聞こえる
「フレーフレー!ま・ほ・ら!」
チアのコスチューム、そしてポンポンを手に華麗に舞う円
(やはり友の絆は消えぬでござるか)
楓は静かにその場を離れた、円の練習を邪魔するような無粋はしたくない
円も美砂や桜子と同じくいつかまたチアリーディングが三人で出来るように
足を引っ張らないように、笑われないように
距離を経ても消えぬ絆は繋がっていた
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701 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/10/03(月) 07:56:14 ID:TZleSaOiO
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情報
あれから数週間が過ぎた、円が居ない事はクラスでも噂が立ち始め朝倉が動き出した
「ネギ先生、隠しきれないよ」
「ネギ君まだ見つからないの?」
「僕も解ってます、やはり説明すべきかもしれませんね」
生徒指導室で美砂らと話すネギ、そこへ龍宮が美空を伴いやって来た
「先生、情報だ。集落に猪肉を売りに来た女が居て長瀬、そっくりだったそうだ」
「本当ですか、場所は?」龍宮は地図を広げ麻帆良の端の集落を指差す
「この奥に昔の一軒屋がある、恐らく此処だ」
地図の集落から指をずらし山中を指す
「ありがとうございます」「礼はいい、仕事の一環だ」
続いて美空が話す
「相手の事だけど、一枚岩じゃ無いみたい。創設当時の古参と、勢力拡大の為に集めた新参の対立が凄いらしいよ」
「襲ったのは古参だな、名前は知っている」
龍宮はそう付け加える
「はい、更に腕輪は教団の者しか外せないみたいだよ」
「そうですか…釘宮さんは戦う気なんでしょうね」
ネギは溜息をつく、美砂と桜子は心配そうだ
「行くなら早い方がいい。襲った奴は外国で活動している、新参はなりふり構わないぞ」
龍宮の言葉にネギは驚く、龍宮はそのまま去った
「行きましょう!」
ネギの言葉に皆頷いた
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741 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/10/03(月) 23:20:33 ID:TZleSaOiO
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襲撃
眼下に黒衣の集団、装備は剣で銃なし、楓と円は崖から数を確認する
「十人でござるか…」
「どうする?」
「あの場所にて迎え撃つと致そう」
二人は森に消えた
数時間前
何時も通り訓練に励む円、数日前から真剣を使っての寸止めになっていた
楓には掠りもしない、円は必死に剣を振るう
「その剣は細身故受けず流す、斬るより突くでござる!」
楓の激が飛び円の返事が木霊する、その時
(カランカラン)
軒先の鳴子が鳴る、音の長さから侵入者だ
緊張が走る、楓は円に言う
「里に降りたのが仇になったでござるな、奴等なら実戦でござる」
円はその言葉に少し震える、場合によっては人を手に掛けるのだから
「覚悟するでござる」
円は静かに頷いた
一番手薄で罠も多い竹林、楓と円は敵を待ち受ける
来た敵は一例で密集
先頭が跳ね上げの罠で吊り下げになる、同時に楓が短刀で綱を斬る
竹が勢い良く跳ね続く敵を薙ぎ払う
同時に二人は飛び出す
楓は、仕掛に架からなかった敵を次々と忍者刀と体術で薙ぎ倒す、円はダメージを負った敵が相手
円は無我夢中、気がつけば楓が止めていた
その瞬間、血まみれの自分の姿に円は自分が怖くなり楓の胸で泣いた
楓は優しく抱き締めた
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761 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/10/04(火) 07:57:01 ID:7v9BOX6DO
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再会
円は楓の胸で思い切り泣いた
「そうそう、泣きたい時には思い切り泣くでござる。でないと立ち直れ無くなるでござる」
優しく抱き締め頭を撫でる
「うっ…あり…がと…」
円を落ち着けると楓は敵の様子を見る
楓は驚く、自分が当て身で気絶させた相手は傷ついた仲間に殺され、その者も自害していた。円の相手もそうだった
「歪んだ教義はここまで狂わせるか…恐ろしいでござる」
楓は心で手を合わせ、円に先に帰るよう促した、だが円は間近の敵を見ていた
「これって…ひどいよ」
呆然とするも突然遺体を片付ける円
「埋めるでござるな」
円は頷き二人は敵を埋葬した、唯一つの朗報は最初吊り下げになった相手を捕らえた事のみだった
捕虜を縛り戻ると聞いた声が聞こえる
「円ー」
「円!大丈夫?」
桜子と美砂だ、後ろにはネギもいる
「美砂、桜子…」
円が言うが早いか二人は抱き付く
「駄目、汚れるよ…それにあたし」
「どんな円でも円だよー」
「また無茶したんでしょ」
気にせず抱き締める、円はまた泣いた
「ネギ坊主、どうしてここが知れたでござる」
「お前が集落に下りるからだ。お前らしくも無い」
龍宮がネギの後ろから答える
「でも皆さん無事でよかったです」
「ニンニン」
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781 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/10/04(火) 18:18:05 ID:7v9BOX6DO
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尋問
美砂達と円は久しぶりに再会し、風呂に入っていた。
「こんなになる迄、馬鹿だよ」
身体に残る修行の痕、残る程では無いが、痛々しい
「変な筋肉も付いちゃったし、またチア出来るかな…」
「大丈夫、円はあたし達のリーダーだよ。新しい技、考えてるんだー」
三人三様それぞれ背中を流し、語り合う
「やはり今時の娘でござるな」
「お前も同級生だが」
「それはお互い様でござる」
三人の様子を聞きながら、楓と龍宮は目の前の捕虜を見下ろす
猿轡で自害も出来ない哀れな捕虜は怯えている
「さて、尋問は任せて貰おう。一応得意でな」
龍宮がコンバットナイフを抜く、捕虜が呻く
「待って下さい」
ネギがのどかを連れて来た
「ふむ、なるほどな。長瀬は円達に飯でも」
「あいあい」
楓が去った後のどかがアーティファクトを出す
「貴方が嘘をついてもこの本が全て見抜きます」
「痛い方がいいならやるが」
ネギと龍宮に気圧され、捕虜は縦に首を振った
自害防止の為、尋問は首を動かし意思表示する形を取った
それによると彼は入信したばかり、ある新参幹部の派閥である事、彼では外せない、外せるのは幹部クラスと言う事だった
「何とか先は見えたか」
「そうですね」
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794 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/10/04(火) 22:58:45 ID:7v9BOX6DO
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狂いし者達
「さぁ、何処へなりと行け」
捕虜を解放する龍宮、咄嗟に殺気を感じその方向に拳銃を向け撃つ
手応えは無く、殺気は消えた、逃げたようだ
はっと捕虜を見る龍宮、捕虜は頭を撃ち貫かれていた
「どの道死か、酷い事を」
龍宮は遺体の目を閉じてやった
その頃
「失敗だと!」
「相手が悪かったようで」
報告するのは先程捕虜を始末した監視役、受けるのは後を任された若い神父
「ちいっ、このままでは私が上に上がる機会が…」
彼等の目的、保守的古参を追い落とし、教団本来の教義による浄化の名を持つ虐殺
それが彼を始めとする新参の過激派、純粋培養の狂いし者達
彼は同輩や古参に辱められるのを思い歯噛みする
「小娘!私自ら神の贄にしてくれる」
一方ネギ達は捕虜の情報を円達に伝え、どうするか話し合いをしていた
「相手の幹部しかこれは外せないのか、やるしかないね」
「釘宮さん落ち着いて」
なかなか意見は纏まらない、その時矢文が玄関に突き刺さる
「痺れを切らしたようでござるな」
「散々人を捨て駒にしておいて聞いて呆れる」
文は所謂果たし状、場所は近くの野原
「円殿、どうするでござる?」
「受けます、あたしの戦いだから」
円は静かに頷いた
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847 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/10/05(水) 22:38:37 ID:tLNjaS+pO
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戦いへ
星空を見上げる円、夜風が心地よい
散々騒いで美砂と桜子はぐっすり眠りにおちている
ネギは学園長に報告に向かい今起きているのは円と楓、そして龍宮だ
「往くのか?」
龍宮が円の出で立ちにそう問い掛ける
円は何も言わずただそらを見上げる、何気ない日常がほんの一つの出来事で狂ってしまった、だが円は後悔していない
「学校もここみたいだったら楽しいのになあ」
「ふっ…確かにな、だが日常に戻るべきだよ」
「仲良く話でござるか、拙者も混ぜて戴きたいな」
楓が大手裏剣を背負い現れる、龍宮はやれやれと微笑む
「やっぱり忍者だったね」
「バレバレでも忍ぶのが忍びでござる」
楓は細い目でウインクする
「揃いも揃って馬鹿だな、相手はまともに来る筈は無い」
龍宮はそう言うと羽織っていたコートを脱ぐ
完全装備の戦士の姿がそこには在った
「お主も馬鹿ではござらんか」
「これも仕事の内に入れるさ、ああゆう輩は好かん」
三人は互いに笑い、頷いて決戦に向かった
その頃ネギは学園長と話す以外な人物を見て驚いていた
「あなたは!」
その男はニヤリと笑う
「苦労かけたようじゃの、話は着いたから往くがよい」
学園長の言葉に戸惑いながらもネギは円達の元へ走った
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922 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/10/06(木) 22:17:08 ID:zcjig2+NO
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風
すすきと幾つかの立木
そんな荒野に円は立っていた、目前には多数の敵
先頭に立つのは怪しい気を纏う若い神父
「随分なお出迎えだね」
円は至って冷静だ、脇には楓が控える
「こちらは負ける訳にいかんのだよ、小娘如きに遅れを取るなど!」
敵は先回と違い銃で武装した者も居る
「やれやれ、貴公はなりふり構わずでござるか。語るに落ちたでごさる」
「ええい、掛かれ!」
号令と共に烈しい銃撃、円は身を低くしてすすきの中を走る。
楓は分身で難無くかわし、確実に距離を詰める、剣を抜いた者達が走り寄りいよいよ剣が交わる
円はその手のレイピアで相手の剛剣を払い、突き中心の反撃、楓は大手裏剣で薙ぎ払い分身で撹乱しての大活躍
若い神父は次第に青ざめる、銃はどうしたと怒号を飛ばす。そして信じられない物を見る
銃を持つ者は右腕を撃ち抜かれ呻いている、どれも同じ場所だ
遠くにライフルを肩に担ぐ龍宮が笑う
円が目前に迫る
「小娘ぇ!」
無数のナイフが浮き上がり円に飛ぶ
「円殿!」
「釘宮!」
円は自分の迂濶さを気付いた、その時
風が盾となり円を覆う、ネギだ
円は相手の剣を払い落とし、突きつける
その時、腕輪がボロボロと崩れ、同時に神父は死んだ
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927 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/10/06(木) 22:46:03 ID:zcjig2+NO
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結末
円は立ち尽くす
あっさり腕輪が崩れ、同時に敵の神父が死んだ
背中に見覚えのあるダガーが刺さっていた
「お久しぶりですな」
現れたのは最初円を襲った神父、円に腕輪の呪縛を掛けた張本人
「何が起こったか解らぬようで、つまり取引したのですよ」
ますます混乱する円、みんなが集まる
「釘宮さん、詳しくは僕から」
「頼みましたよ、ククク」
神父は消える
「終わったの?」
円がようやく口を開く。腕輪の痕がくっきり残り摩っている、ネギは手を握る
「麻帆良に相手から取引の要求が有ったんです、釘宮さんの呪縛を解く引き換えに今後互いに干渉しないと」
「なるほど、粛正に利用するか」
龍宮は哀れな神父の死体を眺める
途端に円がへたりこむ
茫然自失の円を楓が抱き締める。
また円は楓の胸で泣いた、その涙は少女釘宮円の涙だった
「後味悪いが終わりでござる。円殿、麻帆良学園に帰り日常に戻るでござる」
「うん」
顔を上げると美砂と桜子が駆けてくる、円達は抱き合い、そして泣いた
優しい風が吹き抜けていた
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929 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/10/06(木) 23:03:34 ID:zcjig2+NO
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エピローグ
まつ屋麻帆良店
円と楓が牛丼をたべている
「律儀でござるなあ」
「お世話になったし、それに約束だからさ」
楓はいまひとつ慣れないらしく円の食べっぷりに辟易していた
「ほらほら、冷えると美味しくないよ」
「あいあい(プリンの店を頼むべきでござったな)」
「次はカラオケ、桜子達が待ってるよ」
「か、カラオケでござるか?」
ニヤリと笑う円
やれやれと微笑む楓
それはいまどきの学生そのものだった
何気ない日常、ようやくその有り難みを噛み締める二人だった
完
最終更新:2007年07月29日 02:32